コンテンツにスキップ

1997年の近鉄バファローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1997年の近鉄バファローズ
成績
パシフィック・リーグ3位
68勝63敗4分 勝率.519[1]
本拠地
都市 大阪府大阪市
球場 大阪ドーム
球団組織
オーナー 上山善紀
経営母体 近畿日本鉄道
監督 佐々木恭介
« 1996
1998 »

テンプレートを表示

1997年の近鉄バファローズ(1997ねんのきんてつバファローズ)では、1997年の近鉄バファローズの動向をまとめる。

この年の近鉄バファローズは佐々木恭介監督の2年目のシーズンであり、大阪ドームを本拠地とした最初のシーズンである。

概要

[編集]

佐々木監督1年目を4位で終えたチームは、藤井寺球場から大阪ドームへの本拠地移転を機にユニフォームや球団旗などを大きく一新。ユニフォームは赤と紺色を引き続きメインカラーとしつつ、ビジター用は赤色と紺色の二色を併用。藤井寺時代の1966年から使用されてきた「Buffaloes」ロゴを31年ぶりに変更し、シャープで力強いロゴに一新。ドーム野球への転換をはかるチームだが5月には6連敗を喫して最下位に転落するとその後も浮上せず、中村紀洋タフィ・ローズなどいてまえ打線の活躍もむなしくBクラス生活が続いた。しかし7月以降は徐々に成績が改善されていき、後半戦以降の巻き返しに期待がかかった。8月24日のロッテ戦で前半で10点差をつけられつつも終盤に反撃し、最後は11対10でロッテにサヨナラ勝ちすると、この試合以降チームは借金を返済。最終的に68勝63敗4分とAクラスに食い込み、終盤息切れした日本ハムダイエーを抜いて最後は3位でシーズンを終えた。投手陣は小池秀郎西武西口文也と最多勝を分け合い、救援陣は守護神赤堀元之、新人大塚晶文、セットアッパー佐野重樹の3人でリーグ1位の35セーブを記録するなど防御率3.79はリーグ3位。打撃陣はローズ、中村、新外国人フィル・クラークの活躍でチーム本塁打は前年より低下したものの112本塁打でリーグ3位と健闘した。シーズン終了後、いてまえ打線の切り込み隊長・大石大二郎がこの年限りで引退した。

チーム成績

[編集]

レギュラーシーズン

[編集]
開幕オーダー
1 中根仁
2 水口栄二
3 鈴木貴久
4 ローズ
5 クラーク
6 中村紀洋
7 村上隆行
8 的山哲也
9 勝呂壽統
投手 高村祐
1997年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 オリックス -- 西武 -- オリックス -- オリックス -- 西武 -- 西武 --
2位 ロッテ オリックス 4.0 西武 4.5 西武 2.0 オリックス 3.0 オリックス 5.0
3位 ダイエー 0.5 ダイエー 5.0 ダイエー 5.5 ダイエー 3.5 近鉄 10.5 近鉄 7.5
4位 近鉄 日本ハム 5.5 日本ハム 8.0 日本ハム 8.5 日本ハム 11.5 日本ハム 14.0
5位 西武 1.0 ロッテ 7.0 近鉄 13.5 近鉄 10.5 ダイエー 12.0 ダイエー
6位 日本ハム 近鉄 8.5 ロッテ 13.5 ロッテ 11.5 ロッテ 14.0 ロッテ 19.5
期間
成績
9勝9敗1分
勝率.500
9勝16敗
勝率.360
8勝13敗
勝率.381
12勝9敗
勝率.571
14勝9敗2分
勝率.609
16勝7敗1分
勝率.696
1997年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 76 56 3 .576 優勝
2位 オリックス・ブルーウェーブ 71 61 3 .538 5.0
3位 近鉄バファローズ 68 63 4 .519 7.5
4位 日本ハムファイターズ 63 71 1 .470 14.0
4位 福岡ダイエーホークス 63 71 1 .470 14.0
6位 千葉ロッテマリーンズ 57 76 2 .429 19.5

オールスターゲーム1997

[編集]
  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 香田勲男
外野手 ローズ

個人成績

[編集]

投手成績

[編集]
  • 色付きは規定投球回数(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/小池秀郎 27 27 6 3 0 15 6 0 767 182.2 137 14 96 7 136 6 0 68 60 2.96 1.28
/岡本晃 30 22 3 1 0 10 6 0 610 146.2 138 14 50 8 84 0 1 53 46 2.82 1.28
/高村祐 23 23 3 1 0 8 9 0 657 145.2 171 9 61 6 95 3 1 82 77 4.76 1.59
/香田勲男 18 18 0 0 0 9 4 0 463 107.1 123 7 26 3 58 1 0 45 44 3.69 1.39
/赤堀元之 57 0 0 0 0 10 7 23 428 97.1 90 5 44 5 100 4 0 42 33 3.05 1.38
/大塚晶文 52 0 0 0 0 4 5 7 333 82.2 44 2 46 1 127 5 1 22 19 2.07 1.09
/佐野重樹 52 2 0 0 0 2 5 5 326 73.2 96 6 24 1 47 2 0 38 32 3.91 1.63
/石毛博史 18 13 0 0 0 4 3 0 303 68.1 61 6 49 0 41 3 0 36 32 4.21 1.61
/柴田佳主也 54 0 0 0 0 0 1 0 249 56.0 57 2 26 3 34 1 0 20 18 2.89 1.48
/酒井弘樹 10 10 0 0 0 1 5 0 224 49.1 51 1 28 1 33 2 0 27 25 4.56 1.60
/西川慎一 51 0 0 0 0 1 1 0 202 45.0 47 6 23 2 33 2 0 20 15 3.00 1.56
/山崎慎太郎 8 8 0 0 0 3 4 0 196 40.1 64 8 18 2 18 3 0 36 35 7.81 2.03
/寺前正雄 7 5 1 0 0 0 4 0 127 26.2 27 3 22 1 8 1 0 19 14 4.73 1.84
/ミラッキ 6 5 0 0 0 0 2 0 130 24.2 37 3 19 2 9 1 0 21 20 7.30 2.27
/久保康生 18 0 0 0 0 0 1 0 86 19.1 19 3 8 3 13 2 0 13 11 5.12 1.40
/入来智 6 1 0 0 0 1 0 0 50 13.1 14 1 1 0 10 0 0 4 4 2.70 1.13
/南真一郎 5 0 0 0 0 0 0 0 37 8.0 10 0 4 0 6 1 0 8 7 7.88 1.75
/背尾伊洋 4 0 0 0 0 0 0 0 26 6.1 2 0 6 0 1 1 0 0 0 0.00 1.26
/前川克彦 5 0 0 0 0 0 0 0 26 5.0 7 0 6 0 6 0 0 8 8 14.40 2.60
/ラフィン 1 1 0 0 0 0 0 0 23 5.0 3 0 7 0 2 1 0 3 3 5.40 2.00
/清川栄治 7 0 0 0 0 0 0 0 17 3.0 7 1 2 1 3 0 0 5 5 15.00 3.00
/池上誠一 2 0 0 0 0 0 0 0 14 3.0 3 1 4 0 2 0 0 2 2 6.00 2.33
/品田操士 2 0 0 0 0 0 0 0 11 3.0 0 0 3 0 3 1 1 0 0 0.00 1.00
/西岡洋 1 0 0 0 0 0 0 0 9 2.0 3 0 1 0 0 0 0 2 2 9.00 2.00
/谷内聖樹 1 0 0 0 0 0 0 0 3 1.0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0.00 0.00

打撃成績

[編集]
  • 色付きは規定打席(418打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/ローズ 135 607 511 88 157 37 0 22 260 102 22 8 0 5 87 6 4 109 7 .307 .409 .509 .917
/クラーク 135 569 526 61 174 27 0 23 270 93 1 3 0 5 29 6 9 67 23 .331 .373 .513 .886
/中村紀洋 128 519 455 54 109 22 3 19 194 68 3 2 2 3 54 5 5 105 13 .240 .325 .426 .751
/鈴木貴久 125 489 436 45 114 18 3 10 168 53 9 4 7 2 42 1 2 67 10 .261 .328 .385 .713
/水口栄二 120 488 388 54 110 16 2 7 151 50 10 1 42 3 52 1 3 42 7 .284 .370 .389 .759
/武藤孝司 119 447 390 55 110 13 7 0 137 29 26 11 29 2 25 0 1 54 0 .282 .325 .351 .677
/大村直之 97 367 327 53 92 17 5 1 122 30 15 5 12 1 26 0 1 44 5 .281 .335 .373 .708
/山本和範 93 291 250 31 66 7 0 12 109 37 1 3 2 1 35 2 3 51 6 .264 .360 .436 .796
/的山哲也 100 255 223 25 44 6 0 4 62 22 4 1 12 4 13 0 3 62 0 .197 .247 .278 .525
/安部理 81 195 173 16 52 11 0 2 69 24 2 2 0 4 18 1 0 27 3 .301 .359 .399 .758
/大石大二郎 73 183 151 24 40 6 0 2 52 13 2 2 6 3 22 1 1 22 2 .265 .356 .344 .700
/古久保健二 79 151 136 14 39 11 1 2 58 11 0 0 6 0 9 0 0 37 0 .287 .331 .426 .758
/勝呂壽統 72 151 138 19 38 11 2 0 53 8 1 2 2 0 11 0 0 22 5 .275 .329 .384 .713
/礒部公一 62 147 133 15 31 7 0 0 38 6 3 2 6 2 5 0 1 23 1 .233 .262 .286 .548
/村上嵩幸 102 142 126 19 34 6 1 4 54 12 3 4 9 0 6 0 1 27 2 .270 .308 .429 .737
/中根仁 45 133 112 10 21 5 1 1 31 9 2 1 2 2 16 1 1 21 1 .188 .290 .277 .567
/吉岡佑弐 22 33 27 8 7 1 0 2 14 4 2 0 1 0 3 0 2 9 0 .259 .375 .519 .894
/御船英之 12 23 20 3 2 0 0 1 5 2 2 0 1 1 1 0 0 3 0 .100 .136 .250 .386
/荒井幸雄 13 20 15 1 5 1 0 0 6 4 0 0 1 3 1 0 0 1 0 .333 .316 .400 .716
/藤立次郎 13 19 16 1 4 1 0 0 5 2 0 0 0 0 3 0 0 4 0 .250 .368 .313 .681
/内匠政博 6 11 11 3 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 0 0 0 2 0 .273 .273 .273 .545
/吉田剛 11 6 5 1 0 0 0 0 0 0 3 1 1 0 0 0 0 3 0 .000 .000 .000 .000
/森山一人 8 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
/川口憲史 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

[編集]
  • 8月24日 - 対ロッテ戦(大阪ドーム)で10点差から、延長12回の逆転サヨナラ勝ち。10点差の逆転勝利は、1951年5月19日に松竹大洋に勝利した試合以来、プロ野球史上46年ぶり3度目、パリーグ史上初。この試合に近鉄が負けると最下位に転落する所だった[2]

選手・スタッフ

[編集]

[3]

表彰選手

[編集]
リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
小池秀郎 最多勝利 15勝 初受賞
赤堀元之 最優秀救援投手 33SP 2年連続5度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
クラーク 一塁手 初受賞
ローズ 外野手 初受賞
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

[編集]
  • 色付きの選手は逆指名による入団
順位 選手名 守備 所属 結果
1位 真木将樹 投手 法政大学 入団
2位 高須洋介 内野手 青山学院大学 入団
3位 森谷昭仁 外野手 豊川高 入団
4位 吉川元浩 投手 東京農業大学第二高 入団
5位 田中祐貴 投手 杜若高 入団
6位 代田建紀 外野手 朝日生命 入団
7位 高塚信幸 投手 智辯学園和歌山高 入団

出典

[編集]