花筐/HANAGATAMI

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花筐/HANAGATAMI
監督 大林宣彦
脚本 大林宣彦
桂千穂
原作 檀一雄花筐
製作 辻幸徳 甲斐田晴子
製作総指揮 大林恭子
出演者 窪塚俊介
矢作穂香
常盤貴子
満島真之介
長塚圭史
山崎紘菜
柄本時生
門脇麦
音楽 山下康介
主題歌 門脇麦「月地抄」
撮影 三本木久城
編集 大林宣彦
三本木久城
製作会社 唐津映画製作委員会
配給 新日本映画社
公開 日本の旗 2017年12月16日
上映時間 168分
製作国 日本の旗 日本
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花筐/HANAGATAMI』(はながたみ)は、2017年公開の日本映画。大林宣彦監督作品。原作は、檀一雄の純文学『花筐[1]。映倫区分はPG12

概要[編集]

大林宣彦1977年の『HOUSE ハウス』より以前に書き上げていた脚本を映画化した作品[1]。『この空の花』、『野のなななのか』に続く戦争3部作の最終章で、1941年太平洋戦争勃発前夜の佐賀県唐津市を舞台としている[1]

佐賀県唐津市で映画や芸術、文化によって地域に活力を創造しようという想いで始まった「唐津シネマの会」が旗揚げをし事務局を務める、大林宣彦監督による檀一雄原作「花筐」を映画化するKFP=KARATSU Film Projectが映画を製作。唐津シネマの会は、約20年間映画館がなかった唐津で、まちづくり会社いきいき唐津株式会社が2011年からスタートさせた映画の定期的な上映会活動で、同会のカルチャーマガジン「IMAKARA3号」で大林宣彦監督へのインタビューをしたことから、大林監督との本格的な交流がはじまり本プロジェクトが始動、本作の製作を推進する「唐津映画製作推進委員会」が2015年9月に発足した[2]。そして大林が余命残りわずかと宣告を受けた直後の2016年8月にクランクインし[1]、実際に唐津市内一円で撮影が行われた[3]。ロケ地は約40か所にのぼり[4]、延べ3000人の市民エキストラ・ボランティアが参加した[4]。また巨大な山車を曳き回す唐津市の祭・唐津くんちが、映画に全面協力をしている[5]。映画のロケ地となった唐津の名所や唐津くんち、唐津焼などの文化や映画を支えた人々などをまとめたエピソードサイトが唐津市と唐津映画製作推進委員会によって制作されている。[6]

第91回キネマ旬報ベストテンの日本映画2位に選ばれ[7]、第72回毎日映画コンクールの日本映画大賞を受賞[8]

2019年2月20日からTSUTAYAで先行レンタルが開始され、3月8日にDVDとBlu-rayが発売された[3]

物語[編集]

時は1941年。太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちを主軸に、純朴で、自由に生き抜いた若者たちの青春群像劇。17歳になった榊山俊彦(さかきやまとしひこ)がアムステルダムの親元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母・江馬恵子(えまけいこ)の元に身を寄せることになったことから物語が始まる。主な登場人物は、俊彦の学友のアポロ神のように雄々しく美しい鵜飼(うかい)、虚無僧のような吉良(きら)、お調子者の阿蘇(あそ)らと、吉良の幼馴染の千歳(ちとせ)とその友達あきね、そして俊彦の従妹であり肺病を患う物語のヒロイン江馬美那(えまみな)。

それぞれの友情と恋愛絡まりあい、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の影がしのびより、その渦に飲み込まれてゆく…。自分の生命でさえ自由にまっとうできない戦争前夜を生きる若者たちの凄まじき青春群像劇を、大林宣彦監督が独自のカルト的世界観と圧倒的な映像力で描く。[9]

原作は、当時の文学界で衝撃的なデビューを果たした檀一雄の純文学「花筐」。友人の太宰治とともに、師であった佐藤春夫の家を訪れ、この作品の装丁を依頼し、佐藤春夫が本の表紙の蝶の絵を描いた。三島由紀夫がこの一冊を読み小説家を志したともいわれるこの小説は、多くの若者に衝撃を与え、[10]文学少年だった大林宣彦もその一人だった。大林宣彦が長年映画化を夢見てきた檀一雄の純文学小説を、古里映画として佐賀県唐津市を舞台に、余命宣告を受けながら完成させた本作は、戦争三部作を締めくくる大林宣彦の魂の集大成と言われている。[11]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督 - 大林宣彦
  • 製作 - 辻幸德(唐津映画製作推進委員会会長)、甲斐田晴子(唐津映画製作委員会代表)大林恭子(PSC)
  • 協力 - 檀太郎
  • 原作 - 檀一雄『花筐』(講談社・文芸文庫)
  • 脚本 - 大林宣彦、桂千穂
  • 撮影台本 - 大林宣彦
  • エグゼクティブ・プロデューサー - 大林恭子(PSC)
  • プロデューサー - 山﨑輝道(PSC)
  • 撮影監督 - 三本木久城
  • 美術監督 - 竹内公一(A.P.D.J.
  • 編集 - 大林宣彦、三本木久城
  • 映画音楽 - 山下康介
  • 主題曲 - 「月地抄」(詩・檀一雄 / 曲・山下康介 / 歌・門脇麦

受賞[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 大林宣彦が『花筐/HANAGATAMI』に注いだ、語りつくせぬ“映画”と“平和”への情熱”. Movie Walker (2017年12月2日). 2018年1月20日閲覧。
  2. ^ 唐津映画制作推進委員会 KARATSU Film Project”. 唐津映画製作推進委員会. 2022年5月12日閲覧。
  3. ^ a b “映画「花筐」3月8日、DVD発売 唐津市内で撮影、曳山も協力”. 佐賀新聞LiVE. (2019年1月27日). オリジナルの2019年12月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191216162644/https://www.saga-s.co.jp/articles/-/330256 2019年12月16日閲覧。 
  4. ^ a b 映画「花筐/HANAGATAMI」×唐津 SPECIAL EPISODE SITE オープン!”. 唐津シネマの会 (2018年3月31日). 2022年5月12日閲覧。
  5. ^ 大林宣彦監督が幻の脚本を映画化した「花筐」12月16日公開!予告編&ポスターも入手”. 映画.com (2017年8月18日). 2019年12月16日閲覧。
  6. ^ 映画「花筐/HANAGATAMI」×唐津 SPECIAL EPISODE SITE” (日本語). 映画「花筐/HANAGATAMI」×唐津 SPECIAL EPISODE SITE. 2022年5月20日閲覧。
  7. ^ “「花筐」キネマ旬報2位 唐津、歓喜”. 佐賀新聞ニュース. (2018年1月12日). http://www.saga-s.co.jp/articles/-/168554 2018年1月20日閲覧。 
  8. ^ “「花筐」日本映画大賞に キネ旬に続き高評価”. 佐賀新聞ニュース. (2018年1月19日). http://www.saga-s.co.jp/articles/-/171180 2018年1月20日閲覧。 
  9. ^ 映画「花筐/HANAGATAMI」公式サイト。12月16日(土)有楽町スバル座他全国順次公開 http://hanagatami-movie.jp”. 映画「花筐/HANAGATAMI」公式サイト. 2022年5月20日閲覧。
  10. ^ MAGAZINE, P+D (2017年11月11日). “大林宣彦監督により、幻の作品『花筐』がついに映画化! | P+D MAGAZINE” (日本語). pdmagazine.jp. 2022年5月20日閲覧。
  11. ^ 映画「花筐/HANAGATAMI」公式サイト。12月16日(土)有楽町スバル座他全国順次公開 http://hanagatami-movie.jp”. 映画「花筐/HANAGATAMI」公式サイト. 2022年5月20日閲覧。
  12. ^ 大林宣彦監督、『花筐』がベストシネマ賞1位「映画はすばらしい発明」”. ORICON NEWS. オリコン (2018年3月5日). 2018年3月8日閲覧。
  13. ^ “第33回高崎映画祭最優秀作品賞に「斬、」4年ぶりの特別大賞に「花筐/HANAGATAMI」”. 産経ニュース. (2019年1月10日). https://www.sankei.com/article/20190110-5GTZG26KLVMCXCP7FOZ6BXWE6Q/ 2019年1月27日閲覧。 

外部リンク[編集]