自衛隊中央病院

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Japanese Map symbol (Hospital) w.svg 自衛隊中央病院
JSDF Central Hospital.JPG
情報
標榜診療科 内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、神経内科、代謝内科、感染症内科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、精神科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科
許可病床数

500床
一般病床:420床
精神病床:50床
感染症病床:10床


結核病床:20床
開設者 防衛省
管理者 自衛隊中央病院長
開設年月日 1956年3月1日
所在地
154-8532
東京都世田谷区池尻一丁目2番24号
位置 北緯35度38分37秒
東経139度41分1秒
PJ 医療機関
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自衛隊中央病院(じえいたいちゅうおうびょういん)は、東京都世田谷区陸上自衛隊三宿駐屯地内に所在する三自衛隊の共同機関としての病院である。指揮監督は防衛大臣陸上幕僚長を通じて行う体制になっており、[1]病院長は各自衛隊の自衛官(医官)から転官した防衛技官が就任している。

概要[編集]

自衛隊の機関としての病院は、本院のほかに自衛隊地区病院が15院設置されている。自衛隊中央病院では傷病者の治療のみならず、診療放射線技師の養成(他の地区病院では実施していない。後述の診療放射線技師養成所を参照)及び防衛医科大学校と連携した医師臨床研修を行っている(ただし、臨床研修の対象は自衛官(防衛医官)採用者に限定)。総合病院に匹敵する診療科を具える病院であるが、有事に負傷者を収容することを前提としているため、常に一定の空きベッドを確保し運営している。現在は一般の医療機関と同じように、誰でも受診できるが紹介状がなければ特定療養費が加算される。

2009年(平成21年)1月、新病院舎が完成した。地上階は2倍の10階建て、地下2階、延べ床面積は約2倍半になり、屋上には緊急輸送のためのヘリポートを備え付けている。地震対策として免震構造を採用し、緊急時には平時の2倍1000床の増床が可能となる[2][3]3月18日に落成式を済ませ、4月3日から新病院舎での外来診療を開始している。

なお、隣接地にある国家公務員共済組合連合会三宿病院とは密接な連携関係にある。自衛隊中央病院の医官が三宿病院で一般外来の診療にあたることも多い。

沿革[編集]

  • 1955年(昭和30年)11月1日:陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の共同の機関として、自衛隊中央病院を設置
  • 1956年(昭和31年)3月1日:現在地に開設
  • 1959年(昭和34年):看護学生課程が陸上自衛隊衛生学校から移管、婦人自衛官養成所として設置
  • 1971年(昭和46年):婦人自衛官養成所が高等看護学院に改称
  • 2009年(平成21年)1月30日:新病院舎が完成
4月1日:「職能補導所」を職業能力開発センターに改称

組織編成[編集]

  • 診療科(30科)
  • 企画室
  • 総務部
  • 研究検査部
  • 放射線理療部
  • 衛生資材部
  • 看護部
  • 診療放射線技師養成所
  • 職業能力開発センター
  • 保健管理センター

主要幹部[編集]

官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
自衛隊中央病院長 技官 千先康二 2016年04月01日 自衛隊札幌病院長(陸将
副院長
兼 企画室長
陸将 大鹿芳郎 2017年08月01日 自衛隊福岡病院
春日駐屯地司令
副院長
兼 診療放射線技師養成所長
海将 柳田茂樹 2016年07月01日 自衛隊横須賀病院
総務部長 事務官 浅野浩一 2015年10月01日 北関東防衛局総務部長
第1内科部長 1等陸佐 伊藤利光 2017年03月23日 自衛隊中央病院第1内科部長
兼 第2内科部長
第2内科部長 1等海佐 田村格 2017年03月23日 自衛隊中央病院第1内科勤務
第3内科部長 1等陸佐 青野茂昭 2016年04月01日 自衛隊中央病院第2内科部長
第1精神科部長 1等陸佐 丸山徹 2017年08月01日 自衛隊中央病院第1精神科部長
兼 メンタルリハビリテーション科部長
第2精神科部長 1等海佐 澤村岳人 2017年03月23日 大湊衛生隊長
自衛隊大湊病院勤務
大湊地方総監部管理部衛生監理官
メンタルリハビリテーション科部長 1等陸佐 大川貴司 2017年08月01日 西部方面衛生隊
救急科部長
※総合診療科部長兼補
第3外科部長 1等海佐 小川均 2016年03月31日 海上幕僚監部首席衛生官付衛生官(医務担当)
防衛医科大学校講師
第5外科部長 1等陸佐 宇都宮勝之 2016年03月31日 自衛隊中央病院第3外科部長
兼 第5外科部長
整形外科部長 1等空佐 北田明良 2015年03月31日 自衛隊中央病院整形外科勤務
眼科部長 2等空佐 林信人 2017年04月01日 自衛隊中央病院眼科勤務
リハビリテーション科部長 1等陸佐 小原聖勇 2017年03月23日 東北方面衛生隊
総合診療科部長
兼 救急科部長
1等陸佐 竹島茂人 2017年08月01日 自衛隊中央病院救急科部長
兼 臨床医学教育・研究部長
診療技術部長 1等陸佐 久保田孝雄 2016年04月01日 自衛隊中央病院第3内科部長
臨床医学教育・研究部長 1等陸佐 水口靖規 2017年08月01日 東部方面総監部医務官
兼 自衛隊中央病院泌尿器科勤務
衛生資材部長 1等陸佐 松村琢也 2016年12月01日 陸上自衛隊衛生学校副校長
兼 企画室長
兼 自衛隊中央病院第1内科勤務
看護部長 1等陸佐 平尚美 2016年03月28日 自衛隊札幌病院看護部長
職業能力開発センター長
医療安全評価官 1等海佐 松崎宏治 2014年10月27日 自衛隊中央病院付
官邸医療支援官 1等陸佐 大川英徳 2016年03月28日 自衛隊中央病院脳神経外科勤務
歴代の自衛隊中央病院長
(医療職技官、後職はなくいずれも退職)
氏名 在職期間 出身校・期 前職 備考
01 小島憲 1955年11月01日 - 1970年01月23日 東京帝国大学医学部 就任時陸将
1961年7月1日より防衛庁技官
02 平福一郎 1970年01月23日 - 1977年03月16日 東京帝国大学医学部 中央病院副院長 兼 企画室長 元陸将
03 高木顕 1977年03月16日 - 1980年03月17日 東京帝国大学医学部 中央病院副院長 兼 企画室長
兼 高等看護学院長
元海将
04 松見富士夫 1980年03月17日 - 1983年03月16日 東京帝国大学医学部 中央病院副院長 兼 企画室長 元陸将
05 森永武志 1983年03月16日 - 1987年01月01日 東京大学医学部
昭和24年卒
横須賀地区病院長 元海将
06 吉本和夫 1987年01月01日 - 1989年04月01日 東北大学医学部
昭和26年卒
中央病院副院長 兼 企画室長 元陸将
1997年秋叙勲
07 加々美光安 1989年04月01日 - 1993年03月31日 東邦医科大学
昭和29年卒
航空医学実験隊司令
→1989年3月31日 退職
1989年4月1日 防衛庁技官採用
元空将
1999年秋叙勲
08 奥森雅直 1993年04月01日 - 1998年03月31日 東京医科歯科大学
昭和35年卒
中央病院副院長 兼 企画室長 前職より転官(就任時陸将補)
2006年春叙勲
09 白濱龍興 1998年04月01日 - 2006年03月31日 千葉大学医学部
昭和41年卒
中央病院副院長 兼 企画室長 前職より転官(就任時陸将補)
2012年秋叙勲
10 渡邉千之 2006年04月01日 - 2010年03月31日 東京大学医学部
昭和46年卒
海上幕僚監部首席衛生官
→2004年3月29日 退職
2006年4月1日 防衛庁技官採用
元海将補
2015年秋叙勲
11 小林秀紀 2010年04月01日 - 2012年07月26日 東京医科歯科大学
昭和51年卒
中央病院副院長 兼 企画室長 元陸将
12 加瀬勝一 2012年07月26日 - 2014年08月05日 防衛医大1期 自衛隊札幌病院長
豊平駐屯地司令
元陸将
13 瓜生田曜造 2014年08月05日 - 2016年04月01日 防衛医大3期 自衛隊中央病院副院長
兼 診療放射線技師養成所長
元海将
14 千先康二 2016年04月01日 - 防衛医大5期 自衛隊札幌病院長 元陸将

高等看護学院[編集]

看護師たる陸上自衛官(陸上自衛隊看護学生)を養成していた機関。学生は入学と同時に自衛官としての身分(非任期制隊員たる二等陸士)[5]が与えられ、特別職国家公務員として給与が支給され、3年間の教育を受ける。3年次の2月には看護師国家試験を受験し、卒業と同時に二等陸曹に昇任し全国の自衛隊病院・衛生科職種の部隊で勤務する。制度発足当初は女性のみの募集であったが2002年以降は男女共学となった。自衛隊の養成機関であるため、入学金、授業料等は不要である。

陸上自衛隊看護学生としての採用は平成24年度採用(2013年4月入隊)の第56期生をもって終了し、現在は防衛医科大学校看護学科学生に一本化されている[6]。2016年3月をもって防衛医科大学校高等看護学院及び自衛隊中央病院高等看護学院は廃止[4]されたため、以下は課程教育の概要の記述となっていることに留意。

昇任
  • 採用時:二等陸士(2士
  • 採用から約1年後:一等陸士(1士)
  • 採用から約2年後:陸士長(士長)
  • 卒業時:二等陸曹(2曹) ※国家試験不合格者は3曹

二等陸曹昇任後、おおむね3年以上勤務すると幹部候補生の受験資格が得られる。幹部候補生に合格すると陸上自衛隊幹部候補生学校に2ヶ月間入校し、2泊3日の野外訓練を2回行い、30キログラムの装備を背負い20キロメートルの行軍を行う。看護師経験4年目から災害派遣される。看護師経験10年以上で野戦病院訓練を行う。ナースキャップは米軍に倣い、解くと包帯に成る独特の形をしている。[7]

カリキュラム
  • 自衛隊関係科目(3年間を通じて実施)
    • 精神教育、服務、基本教練、衛生基礎技術、職技訓練、体育

試験において銃の組み立て分解やヘリコプターからの降下訓練・富士野営訓練等がある。

  • 看護科目
    • 1年目:基礎分野(情報科学、論理学、英語、社会学、心理学、教育学)
    • 2年目:専門基礎分野(解剖生理学、栄養学、病理学、臨床医学、微生物学、公衆衛生学、社会衛生学)及び専門分野の一部
    • 3年目:専門分野(病院実習を主体)及び看護師国家試験受験(2月)
生活

入隊と同時に全員が営内(入隊後3年間は義務)[7]で規則正しい集団生活を送る。土、日曜は「比較的」自由な時間を過ごすことができる。 成績によって上官より土日外出禁止を指示される場合あり。

その他の施設[編集]

  • 診療放射線技師養成所
診療放射線技師選抜試験(技術陸曹)合格者に対し、診療放射線技師として必要な知識・技能を修得させる。修業年限は3年。(3年次に診療放射線技師国家試験を受験)卒業時二等陸曹に任用され、陸上自衛隊の衛生科部隊及び自衛隊病院、駐屯地業務隊(医務室)で勤務する。
  • 職業能力開発センター
1956年(昭和31年)9月15日に「職能補導所」として開設。公務又は通勤に際し負傷し、もしくは疾病にかかった自衛官のうち更生指導を必要とする者に対し必要な教育を行う機関。教育年限は1年。

脚注[編集]

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  1. ^ 自衛隊中央病院及び自衛隊地区病院の組織等に関する訓令
  2. ^ 朝雲新聞新中央病院が完成2009年2月5日
  3. ^ 朝雲新聞新中央病院テープカット2009年3月30日
  4. ^ a b 自衛隊法等の一部を改正する法律(法律第百号、平成24年11月26日公布:官報号外平成24年11月26日第55~56面を参照)
  5. ^ 但し既に自衛官として採用されていた者が選抜試験受験により入学した場合は現有の階級をそのまま指定される(昇任は入学時の階級によるが、おおむね公表されている時期と同じように昇任する)
  6. ^ 4年制の看護師養成課程の新設に伴う自衛隊中央病院高等看護学院の廃止について[リンク切れ]
  7. ^ a b 2013年7月28日テレビ東京「日曜ビッグバラエティー、なりたい知りたい人気お仕事ランキング6」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]