盤上の向日葵

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盤上の向日葵
著者 柚月裕子
発行日 2017年8月25日
発行元 中央公論新社
ジャンル 長編小説
ミステリ
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 560
公式サイト www.chuko.co.jp
コード ISBN 978-4-12-004999-6
ISBN 978-4-12-206940-4(上)(文庫判
ISBN 978-4-12-206941-1(下)(文庫判)
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盤上の向日葵』(ばんじょうのひまわり)は、作家・柚月裕子長編ミステリ小説[1]2015年から2017年にかけて読売プレミアムに連載[2][3]、2017年8月21日中央公論新社から刊行された[4]。遺留品の名を手掛かりに白骨死体事件の真相を追う2人の刑事の捜査と、奨励会を経ずに実業界からプロ棋士となった青年の数奇な半生を並行して描き、山形天童で「竜昇戦」に臨む青年に迫る[1][5][6][7]。「将棋界を舞台にした『砂の器』(松本清張)」である[2]。第15回本屋大賞で第2位にランクインした[1][7]。 

2019年9月NHK BSプレミアムにおいて千葉雄大主演でテレビドラマ[1]

ストーリー[編集]

登場人物[編集]

上条桂介(かみじょう けいすけ)
若手棋士。六段。東京大学卒で、外資系企業を経てIT企業を起業。会社を業界大手に育て上げた後売却して実業界から突如引退し、将棋界へ異例の転身をとげる。「炎の棋士」の異名を持つ[5][6]
佐野直也(さの なおや)
埼玉県警の新米刑事。かつて棋士を目指し奨励会に所属していた[5][6]
石破剛志(いしば つよし)
埼玉県警のベテラン刑事。たたき上げの辣腕[5][6]
壬生芳樹(みぶ よしき)
若手棋士。竜昇。14歳で四段昇進、18歳で初戴冠した天才で、そのルックスと語り口から多数のファンを獲得し将棋ブームを牽引する。「名人になるために生まれてきた男」と称される[5][6]
東明重慶(とうみょう しげよし)
真剣師[7]。元アマ名人。二つ名は「鬼殺しのジュウケイ」。
唐沢光一朗(からさわ こういちろう)
長野諏訪の元小学校教諭。小学生だった桂介に将棋を教え、その才能に気づく[6]
上条庸一(かみじょう よういち)
桂介の父親。味噌蔵で働く職人。賭け麻雀に嵌り生活費までつぎ込んでいる。
上条春子(かみじょう はるこ)
桂介の母親。故人。
兼埼元治(かねさき もとじ)
真剣師。二つ名は「鉈割り元治」。肝臓を患い引退。
角館銀次郎(つのだて ぎんじろう)
岩手の老舗旅館「語り部の宿」を営む愛棋家。東北一帯の真剣師と繋がりがある。
穂高篤郎(ほだか あつろう)
将棋酒場「王将」のマスター。元は一流企業の管理職だったが脱サラした。アマチュアの将棋の全国大会で都代表になった経歴を持つ。二つ名は「居飛車穴熊の穂高」。

書誌情報[編集]

漫画[編集]

2022年10月19日からコミックウォーカーニコニコ静画の「COMIC_Hu」にて雨群の作画によりコミカライズされた[8][9]。 将棋監修は飯島栄治

テレビドラマ[編集]

盤上の向日葵
ジャンル テレビドラマ
原作 柚月裕子
脚本 黒岩勉
演出 本田隆一
出演者 千葉雄大
蓮佛美沙子
大友康平
渋川清彦
竹中直人
柄本明
音楽 佐久間奏
エンディング 鈴木雅之
『ポラリス』
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
話数 4
製作
制作統括 管原浩
渋谷英史
プロデューサー 古林都子
編集 山田典久
制作 The icon
製作 NHK
放送
放送チャンネルBSプレミアム
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2019年9月8日 - 9月29日
放送時間日曜 22:00 - 22:49 
放送枠プレミアムドラマ
放送分49分
回数4
公式ウェブサイト

特記事項:
BS4Kにて2019年9月4日から9月25日まで毎週水曜20時40分 - 21時30分に先行放送予定。
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NHK BSプレミアムプレミアムドラマ」にて2019年9月8日から9月29日まで放送された。連続4回[10]。主演はNHK連続ドラマ初主演となる千葉雄大[10]

また、BS4Kにて2019年9月4日から9月25日まで毎週水曜20時40分 - 21時30分に先行放送された。

なお、原作による佐野が男性であるのに対し、テレビドラマでは女性に変更されている。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

放送回 放送日 サブタイトル ラテ欄[12]
BSP BS4K
第1回 9月08日 9月04日 諏訪の神童 将棋技師と謎の事件 人気原作がついに!!
第2回 9月15日 9月11日 鬼殺しの弟子 伝説の真剣士と旅打ち 捜査の鍵を握る駒とは?
第3回 9月22日 9月18日 殺意ある成功者 成功裏の宿命と殺意!?
最終回 9月29日 9月25日 向日葵の棋士 竜昇戦最終局! 捜査の結末は?
NHK BSプレミアム プレミアムドラマ
前番組 番組名 次番組
ベビーシッター・ギン!
(2019年6月30日 - 9月1日)
盤上の向日葵
(2019年9月8日 - 9月29日)
令和元年版 怪談牡丹燈籠
(2019年10月6日 - 10月27日)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d “千葉雄大、異端の棋士役でNHK連ドラ初主演「少しでも残るものを」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2019年5月13日). https://www.oricon.co.jp/news/2135360/full/ 2019年5月15日閲覧。 
  2. ^ a b 柚月裕子(インタビュー)「「棋士たちの壮絶な戦いを描きたかった」…作家・柚月裕子さん」『大手小町』、読売新聞社、2017年9月12日https://otekomachi.yomiuri.co.jp/lifestyle/20170912-OKT8T34563/2019年5月19日閲覧 
  3. ^ 茶木則雄 (2017年9月28日). “2018年映画公開!! 日本ミステリ史に燦然と輝く悪徳警官小説の金字塔!『孤狼の血』”. カドブン (KADOKAWA). https://kadobun.jp/reviews/131/be5f1e75?per_page=6 2019年5月19日閲覧。 
  4. ^ a b 盤上の向日葵”. 中央公論新社. 2019年5月15日閲覧。
  5. ^ a b c d e “【「本屋大賞2018」候補作紹介】『盤上の向日葵』――将棋界の"革命児"の過去を辿る壮絶なストーリー”. BOOKSTAND (博報堂ケトル/博報堂). (2018年4月4日). https://bookstand.webdoku.jp/news/2018/04/04/120000.html 2019年5月19日閲覧。 
  6. ^ a b c d e f 松井ゆかり (2017年10月25日). “【今週はこれを読め! エンタメ編】運命に翻弄された棋士たちのミステリー〜柚月裕子『盤上の向日葵』”. WEB本の雑誌 (本の雑誌社/博報堂). http://www.webdoku.jp/newshz/matsui/2017/10/25/170122.html 2019年5月19日閲覧。 
  7. ^ a b c 荒井理恵 (2018年5月18日). “藤井聡太だけじゃない! 映画『孤狼の血』原作者・柚月裕子の、快進撃を続ける「将棋本」とは?【本屋大賞第2位】”. ダ・ヴィンチニュース (KADOKAWA). https://ddnavi.com/review/459556/a/ 2019年5月19日閲覧。 
  8. ^ comic_huの2022年10月18日のツイート2022年11月10日閲覧。
  9. ^ comic_huの2022年10月19日のツイート2022年11月10日閲覧。
  10. ^ a b “千葉雄大が棋士役で主演、柚月裕子「盤上の向日葵」ドラマ化”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年5月13日). https://natalie.mu/eiga/news/331306 2019年5月15日閲覧。 
  11. ^ a b c d 千葉雄大さん主演!『盤上の向日葵』制作開始!”. ラマトピックス. NHK (2019年5月13日). 2019年5月15日閲覧。
  12. ^ 該当各日 『朝日新聞』 テレビ欄。

外部リンク[編集]