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*最低女優賞: [[サラ・ジェシカ・パーカー]]、[[キム・キャトラル]]、[[クリスティン・デイヴィス]]、[[シンシア・ニクソン]] (全員[[セックス・アンド・ザ・シティ2]])
*最低女優賞: [[サラ・ジェシカ・パーカー]]、[[キム・キャトラル]]、[[クリスティン・デイヴィス]]、[[シンシア・ニクソン]] (全員[[セックス・アンド・ザ・シティ2]])
*最低助演男優賞: [[ジャクソン・ラスボーン]] ([[エアベンダー]][[エクリプス/トワイライト・サーガ]])
*最低助演男優賞: [[ジャクソン・ラスボーン]] ([[エアベンダー]][[エクリプス/トワイライト・サーガ]])

2011年2月28日 (月) 01:51時点における版

ゴールデンラズベリー賞
第29回ゴールデンラズベリー賞でのジョン・ウィルソン
受賞対象最低の映画
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
主催ゴールデンラズベリー賞財団
初回1981年
公式サイトhttp://www.razzies.com/

ゴールデンラズベリー賞(ゴールデンラズベリーしょう、: Razzie Awards)は、アメリカ映画賞である。毎年アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰する。正式名はラジー・アウォード(Razzie Awards)であり、ラジー賞(Razzies)とも呼ばれる。

歴史

UCLAから映像製作・映画宣伝の道に進んだジョン・ウィルソンにより1981年に創設された。

初期は正真正銘のB級映画が各部門受賞を独占することが多かったが、近年は輝かしい実績があるにもかかわらず何の間違いかどうしようもない役柄を演じてしまった俳優や、前評判と実際の出来のギャップが著しい大作などが受賞する傾向にある。この賞自体が一種のユーモアであり、本当にくだらない、つまらない作品を選ぶ場合もあるが、一方でよく出来ているけど惜しい作品だったり、強烈なカリスマ性や異色性が強すぎて一般ウケしない作品に与えられる傾向も強いため、この賞を受賞した作品が意外によく出来た面白い作品として評価されることがある。また、俳優に与えられる場合も本当の大根役者に与えられる場合もあるが、必ずしもそうではない。実際に第一回の「ジャズ・シンガー」で受賞してしまったニール・ダイアモンドはこの映画でラジー賞とゴールデン・グローブ賞を同時受賞している。よって、選考される映画が必ずしも駄作、B級とは限らず、「興行的に失敗し何の賞も受賞できずラジーの候補にさえなれない作品こそが本当の駄作」とする意見もある[1]

また、上述のように一種のジョーク賞であることから受賞した作品が「一般受け」はしないが、マニアからは「カルト映画」と評価される作品の場合もある(『フォード・フェアレーンの冒険』『ハドソン・ホーク』『ショーガール』など)。

なお、ジョージ・W・ブッシュ大統領を激しく批判する内容で製作され、そのブッシュ大統領が最低主演男優賞を獲得した『華氏911』や、狙いそのままに「最優秀頭からっぽティーン向け作品賞」を受賞した『ジャッカス』のように、遠回しに正の評価を送られた作品も希ながらある。

名称

「ヤジ」を意味する「Razz」から命名された「Razzie Award」が正式な賞名であるが、「Razz」のもうひとつの意味である「Raspberry」(ラズベリー:木イチゴ)の実を模したトロフィーのデザインにより「Golden Raspberry Award」とも呼ばれる。

ラズベリーには、ブーイングの音という意味がある。英語の「ラズベリータルト」(raspberry tart)が「fart」(おなら) と韻を踏んでいるため、おならをまねた音を指すようになった。

トロフィーは、装飾玉で覆われたゴルフボール8mmフィルム巻に貼り付けて金色の塗料でスプレーした後、木目の入った台所用壁紙を巻いてタイトルを貼り付けただけの(もちろんシャレの意味で)簡素で貧乏臭いデザインである。制作価格はわずか4ドル79セントほどと言われるが、近年は8mmフィルムが市場から姿を消しつつあるため手に入りにくく、価格は上昇傾向にある。 

選考

ラジー賞は米映画アカデミーの会員による投票・審査で受賞が決定されるアカデミー賞と同じく、「ゴールデンラズベリー賞財団」の会員による投票で受賞作品を決定する。ただし実績ある映画業界人によるアカデミーと違い、ラジー賞選考には一般の映画ファンが小額の会費(25ドル)を払うだけで投票の権利を有することもできる。また、2作品が同一部門で受賞することもある。

主要部門は毎年変わらないが、その年だけの部門が作られているのも、ラジー賞の特徴である。

授賞式

賞の意味合いからトロフィーを受け取りにくる者はほとんどいないが、第8回でラジー史上初めてトロフィーが受賞者の手に渡っている。当年、『ビル・コスビーのそれ行けレオナルド』で3部門受賞したビル・コスビーは、授賞式に出席はしなかったが作品の失敗を自ら認めており、のちに出演したテレビ番組の中でそのトロフィーを受け取った。

授賞式でのトロフィー授与が初めて実現したのは第16回授賞式で、最低作品賞・監督賞など7部門を受賞した『ショーガール』のポール・バーホーベン監督が出席し、「蝶からサナギになった気分だ」とコメントした。以降、第22回の授賞式には最低作品賞・監督賞など5部門を受賞した『フレディのワイセツな関係』の監督・主演のトム・グリーンが、第25回の授賞式には『キャットウーマン』(最低作品賞・監督賞など4部門受賞)で最低主演女優賞を受賞したハル・ベリーらが出席している。その懐の深さに授賞式参加者は満場の喝采を贈った。

特にハル・ベリーは『チョコレート』で受賞したオスカー像を持参して左手に持ち、右手にはラジー像を抱えてアカデミー賞主演女優賞を受賞した際の自身のスピーチのパロディを演じ切り、涙まで流して見せたことで聴衆から大喝采を得た。子供のころに母親から「胸を張って負け犬になれない者は、勝者にもなれない」と言われたことが出席した理由だと語った。

第30回では最低主演女優賞と最低スクリーンカップル賞を受賞したサンドラ・ブロックがハル・ベリー以来の授賞式出席を行って会場を沸かせたが、彼女はアカデミー賞の主演女優賞にも選ばれ、史上初めて同じ年に両方の賞を受賞した。ただ、ブロックはこの際に「一つしかないオリジナルのトロフィー」を持ち帰ってしまっており(受賞者にはレプリカが渡されるが、受賞会場に受賞者が現れることはまれであるため、このようなハプニングが起こってしまった)、実行委員会がブロックに返却を求める事態となっている[2]

受賞作品(主要部門)

1980年(第1回)

1981年(第2回)

1982年(第3回)

1983年(第4回)

1984年(第5回)

1985年(第6回)

1986年(第7回)

1987年(第8回)

1988年(第9回)

1989年(第10回)

10周年特別賞

  • 10年間の最低作品賞:愛と憎しみの伝説
  • 10年間の最低男優賞:シルヴェスター・スタローン
  • 10年間の最低女優賞:ボー・デレク
  • 10年間の最低新人賞:ピア・ザトラ

1990年(第11回)

1991年(第12回)

1992年(第13回)

1993年(第14回)

1994年(第15回)

1995年(第16回)

1996年(第17回)

1997年(第18回)

1998年(第19回)

1999年(第20回)

特別大賞(第20回で発表)

  • 20世紀最低主演男優賞:シルヴェスター・スタローン(彼が行った全ての事の99.5%に対して)
  • 20世紀最低主演女優賞: マドンナ
  • 1990年代最低作品賞:ショーガール
  • 1990年代最低新人俳優賞:ポーリー・ショア

2000年(第21回)

2001年(第22回)

2002年(第23回)

2003年(第24回)

2004年(第25回)

ラジー賞創設25周年特別大賞(第25回で発表)

2005年(第26回)

2006年(第27回)

2007年(第28回)

  • 最低作品賞:I Know Who Killed Me
  • 最低主演女優賞:リンジー・ローハン (I Know Who Killed Me)
  • 最低主演男優賞:エディ・マーフィ (『マッド・ファット・ワイフ』のNorbit)
  • 最低助演女優賞:エディ・マーフィ (『マッド・ファット・ワイフ』のRasputia)
  • 最低助演男優賞:エディ・マーフィ (『マッド・ファット・ワイフ』のMr. Wong)
  • 最低監督賞:クリス・シルヴァートン (I Know Who Killed Me)
  • 最低スクリーンカップル賞:リンジー・ローハンとリンジー・ローハン (I Know Who Killed Me)
  • 最低リメイク及び盗作賞:I Know Who Killed Me (『ホステル』、『ソウ』、『パティ・デューク・ショウ』)
  • 最低序章・続編賞:Daddy Day Camp
  • 最低脚本賞:ジェフリー・ハモンド (I Know Who Killed Me)
  • ホラー映画と宣った最低作品賞:I Know Who Killed Me

2008年(第29回)

2009年(第30回)

2000年代最低賞(第30回で発表)

2010年(第31回)

脚注

  1. ^ 例えば、『インチョン!』を上回る大赤字を出した2001年の『ファイナルファンタジー』はどの部門においてもノミネートさえされなかった。
  2. ^ サンドラ・ブロックさん、ラジー賞のトロフィーを返してください!主催者が悲痛な訴え シネマトゥデイ2010年4月19日 2010年4月19日閲覧

関連項目

外部リンク