有用微生物群

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EMEffective Microorganisms、有用微生物群)とは、1982年琉球大学農学部教授比嘉照夫が開発した微生物資材およびその関連商品の商標である[1]。微生物土壌改良資材である「EM・1」や「EM有機培土」等は有機JAS適合資材である[2][出典無効]。 開発当初は、農業資材として活用されていたが、EMのもつ様々な効果(消臭・環境浄化・抗酸化作用)が判明し、現在では、 農業のみならず畜産、環境、健康、建築等の分野で活用が進んでいる。 海外においては、100か国以上に普及が進んでおり、エジプト、ブータン、ラオス、ベトナムでは国策として活用されており、 タイ、マレーシア、スーダン、フィリピン、インドネシア、インド、ウルグアイでは政府機関がEMプロジェクトを支援している[3]Effective Microorganismsとは比嘉による造語である。通称 EM菌ニセ科学であるとの批判に対し比嘉は、EMは(批判的な)科学的検証の対象ではないのでEM研究機構の同意なしに検証してはならないと言明している[4]。「EMは効くまで使え空気や水の如く使え必ず効果は表れる」が比嘉の言である[5]。比嘉の推定によれば、EMの効果の源泉は「マジカルとかオカルトと言われる未知の分野を支配する法則類似した現象[6]である。

開発者による説明[編集]

微生物土壌改良資材である「EM・1」は有機JAS認定資材である[7]。 開発当初は、農業資材として活用されていたが、EMのもつ様々な効果(消臭・環境浄化・抗酸化作用)が判明し、現在では、 農業のみならず畜産、環境、健康、建築等の分野で活用が進んでいる。 海外においては、100か国以上に普及が進んでおり、エジプト、ブータン、ラオス、ベトナムでは国策として活用されており、 タイ、マレーシア、スーダン、フィリピン、インドネシア、インド、ウルグアイでは政府機関がEMプロジェクトを支援している[8]

「EMの本質的な力は、1.抗酸化作用、2.非イオン化作用、3.有害なエネルギーを3次元(3D)ヘリカル構造によって使えるエネルギーに転換し、触媒的に有用なエネルギーを賦与する作用の3点がセットになっています。そのため、EMの効果は無機物、有機物を問わず、また、生命体、非生命体を問わず、例外なく、すべてのものに蘇生的に作用するのです。」と開発者は説明してる。[要出典]

また、「常識的な概念では説明が困難であり、理解することは不可能な、エントロピー法則に従わない波動」である「重力波と想定される縦波」が「低レベルのエネルギーを集約」し「エネルギーの物質化を促進」する、この「魔法オカルトの法則に類似する、物質に対する反物質的な存在」である「蘇生の法則」ことシントロピー[9]現象がEMの本質的な効果であると比嘉は推定している[6]

また、EMに結界(聖なるものを守るためのバリア)を作る性質があることはEM関係者の間では広く知られている[10]

用途[編集]

農業分野での土壌改良用ほか、畜産水産、環境浄化、土木建築など様々な分野に利用されている。[要出典]

構造[編集]

自然界にある乳酸菌群、酵母群、光合成細菌群から嫌気、微好気の複数の有用な微生物を集め培養し、液中に複合共生させた資材。また、悪玉菌や遺伝子組替技術によって作出された微生物は使用していない。商品としてEM1、EMW、EMX-GOLD(飲用)、EMセラミックスなどがある。

微生物環境(微生物相)では、酸素の多い現在の大気中において、酸素を使って有機物を分解する(酸化)微生物の勢力の方が強い。この酸化分解は、ほとんどの場合、腐敗腐蝕という環境悪化を招いている。そこへ抗酸化力の強い有用な微生物群(EM)を投入することで、発酵、蘇生など生分解型の善循環へ変化させることができると主張される[11]

EM技術[編集]

「EM技術」とは、有用微生物群(EM)を活用した技術。その有用性から開発当初の土壌改良材という分野を超え、現在では農業、畜産、水産、水処理、リサイクル、土木建築、医療、等々様々な分野で活用が進んでいる、とされている。

植物に病害が発生するから農薬を撒き、動物が病気になるから抗生物質を与え、養殖池でヘドロが発生すると浚渫や池の破棄を行うなどの、従来の対処療法的な問題解決の手法では、多くの地域で環境が破壊されてきた。大半の場合、上記の問題の原因には微生物が関与しており、悪玉菌と呼ばれる微生物の多くがエサ(有機物)を腐敗(酸化)させ、環境を悪化させている。

しかし、そこにEMを投入すると、有機物が腐敗しないばかりか、発酵によって様々な抗酸化物質や養分が作られ、健全な環境を生み出し、植物や動物などに利用されやすい形になると主張されている。これは、EMが有機物を有用発酵させることができる善玉菌の微生物によって構成されているからであると主張されている。

この技術を用いた結果、農業では植物自体が健康に育つことで病害を克服する方向へ向かう、畜産では動物の健康状態が改善される・糞尿の悪臭除去、水産ではヘドロや病害が発生しないといった現象が起こると主張される[12]

活用例

  • 農業…土壌改良、有機農業、減・無農薬栽培[13]
  • 家庭…清掃、家庭排水の浄化、生ゴミの堆肥化、ペット等の臭い除去[14]
  • 畜産…糞尿の堆肥化、悪臭除去、動物の食料(エサに混ぜる)[15]
  • 水産…水質の改善やヘドロの減少、臭気の抑制、養殖水槽内の衛生環境の保全。[16]
  • 環境衛生…水質浄化、ゴミ処理、排水処理[17]
  • 医療…予防医学、代替医療[要出典]
  • 結界…聖なるものを守るためのバリアをつくり、カラス、ヒヨドリ、口蹄疫、鳥インフルエンザを退ける[10]
  • 放射能対策 [1]

批判[編集]

NPO法人EMあいち(事務所は比嘉が代表取締役を務める株式会社EM生活と同じ)[18][19]が主体となり河川にEM菌(米のとぎ汁等を含む)を投入している。[20]。 しかし福島県では2008年3月、EM菌(有用微生物群)などの微生物資材について「高濃度の有機物が含まれる微生物資材を河川や湖沼に投入すれば汚濁源となる」との見解をまとめ発表している[21]

日本土壌肥料学会の1996年の「微生物を利用した農業資材の現状と将来」と題した公開シンポジウムにおいてEMが他の資材に比べて効果が低いと報告されるなど効果を疑問視する人も多く[22]タイの試験研究機関の分析結果として、EM資材中に光合成細菌及び放線菌(Actinomycetes)の存在が確認されなかったとされている。

「科学とニセ科学」レジュメ[23]において、万能を謳うことや他の研究者の批判に対する対応に、疑似科学性が見られると批判されている。

「市民のための環境学ガイド」では「似非科学」の一つとして、EM菌が挙げられている[24]

実験的研究によれば、EM菌にはシアノバクテリアの発生を抑制する効果はない[25]

EMセラミックスについては、800℃以上で高温焼成するためEM菌が殺菌されるはずだが、EM研究機構は「焼成後にEM菌が蘇生する」と主張している。[26]。800℃の環境中では耐熱性の高い細菌芽胞すら完全に死滅してしまう。

脚注[編集]

  1. ^ EM研究機構. “EMとは?|”. 2014年1月20日閲覧。
  2. ^ EM1使用説明書”. 2014年4月16日閲覧。
  3. ^ EM研究機構. “EM研究機構 海外展開 製造国|”. 2014年4月16日閲覧。
  4. ^ 比嘉照夫 (2012年8月3日). “EM情報室 WEBマガジン エコピュア 連載 新・夢に生きる [62]”. 2014年1月21日閲覧。
  5. ^ 第78回 EMの波動作用”. 甦れ!食と健康と地球環境. 2014年1月21日閲覧。
  6. ^ a b 比嘉照夫 (2007年10月1日). “EM情報室 WEBマガジン エコ・ピュア 連載 新・夢に生きる(5)”. 2014年1月20日閲覧。
  7. ^ EM1使用説明書”. 2014年4月16日閲覧。
  8. ^ EM研究機構. “EM研究機構 海外展開 製造国|”. 2014年4月16日閲覧。
  9. ^ 比嘉の造語である。
  10. ^ a b 比嘉照夫 (2010年10月4日). “EM情報室 WEBマガジン エコピュア 連載 新・夢に生きる [40]”. 2014年1月21日閲覧。
  11. ^ EM研究機構 EMとは?”. 2014年4月16日閲覧。
  12. ^ EM研究機構 EMとは?”. 2014年4月16日閲覧。
  13. ^ EM研究機構 農業利用”. 2014年4月16日閲覧。
  14. ^ EM研究所 EMWの使い方”. 2014年4月16日閲覧。
  15. ^ EM研究機構 畜産利用”. 2014年4月16日閲覧。
  16. ^ EM研究機構 水産利用”. 2014年4月16日閲覧。
  17. ^ EM研究所 EMWの使い方”. 2014年4月16日閲覧。
  18. ^ NPO法人データベースNPOヒロバ. “EMあいちの組織概要”. 2013年1月18日閲覧。
  19. ^ 株式会社EM生活. “会社概要|EMのことならEM・X GOLDの総販売元(株)EM生活”. 2013年1月18日閲覧。
  20. ^ 株式会社EM生活. “「全国一斉EM団子・EM活性液投入」河川浄化イベントin名古屋”. 2013年1月18日閲覧。
  21. ^ 福島民友ニュース (2008年3月8日). “県が初の見解「EM菌投入は河川の汚濁源」”. 2008年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月8日閲覧。
  22. ^ 日本土壌肥料学会 (1996年8月23日). “1996年 微生物を利用した農業資材の現状と将来 (PDF)”. 2011年6月8日閲覧。
  23. ^ 菊池誠 (2004年7月28日). “「科学とニセ科学」レジュメ(ver.2)”. 2011年6月8日閲覧。
  24. ^ 安井至 (2004年9月19日). “マイナスイオン定点観測”. 市民のための環境学ガイド. 2011年6月8日閲覧。
  25. ^ Lurling, Miquel; Tolman, Yora and van Oosterhout, Frank (2010). “Cyanobacteria blooms cannot be controlled by Effective Microorganisms (EM®) from mud- or Bokashi-balls”. Hydrobiologia 6 (1): 133-143. doi:10.1007/s10750-010-0173-3. http://www.springerlink.com/content/ku342v2820237404/. 
  26. ^ EM研究機構 (2012年8月27日). “Q&A|EM研究機構|EM Research Organization:”. 2013年6月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

EM概要について[編集]

活用事例[編集]

外部の評価[編集]