船井幸雄

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船井 幸雄舩井 幸雄、ふない ゆきお、1933年1月10日 - 2014年1月19日[1])は、大阪府出身の経営コンサルタント自己啓発書作家、精神世界・スピリチュアル系の著作家、オカルティスト[2]。コンサルティング会社・船井総合研究所の創業者。

経歴[編集]

大阪府立河南高等学校卒業、1956年京都大学農学部農林経済学科卒業。1970年、13人で日本マネジメント協会から独立し経営コンサルタント会社日本マーケティングセンターを創業。1985年、船井総合研究所に社名変更。1988年、経営コンサルタント会社としては世界初の株式上場を果たす。現在、東証、大証一部に上場中。株式会社本物研究所、船井メディア、船井財産コンサルタンツ、船井本社の代表取締役会長を務める[3]

40歳ころにエマヌエル・スウェーデンボルグエドガー・ケイシー出口王仁三郎イアン・スティーヴンソンエリザベス・キューブラー・ロスらを知り[4]、世の中はシンプルですべて波動で説明でき「波動の法則の4つのルール」で理解・納得できるといった、オカルト・スピリチュアル系の思想を唱えるようになった[5]。その後、波動探知術研究のための研究会を学者、研究者らと結成。

バブル崩壊後の不況、オウム真理教による事件の後の90年代半ば以降の精神世界・スピリチュアルブームを牽引し、スピリチュアル界のドンと呼ばれた[6]。1994年からスピリチュアル系イベント「船井幸雄オープンワールド」を開催し、多くのスピリチュアル系の人材を輩出し、スピリチュアル系の一大派閥を形成した[6]

2014年1月19日肺炎のため死去。81歳没[1]

名字[編集]

息子の舩井勝仁によると、戸籍上は「舩井幸雄」であるが、本人は1998年までそれを知らなかったという[7]。戸籍の名字を知った船井幸雄が船井と舩井の違いを調べたところ、舩井は認められた高貴な人しか使えない名前だとわかったため、使命をきちんと果たすために舩井姓を使うようになったという[7][信頼性要検証]

思想[編集]

スピリチュアル・オカルト[編集]

徹底したプラス思考(ポジティブ・シンキング)、自己改革、「エゴからエヴァ(一体化)へ」、現世は悪いカルマを清算する場である、人や物から波動が発せられている、「アセンション(次元上昇)」、オカルト・スピリチュアル系の思想を繰り返し著作で主張し、混迷する不況の時代に大きな支持を受けた[2][6]成功哲学は、特に中小企業の社長やビジネスマンから熱く支持されており、大企業の経営者や有名人にも支持者がいる[6]

宗教学者の大田俊寛は、「意識革命を達成した人間、霊的に進化した人間が、ビジネスや政治や文化において先導者になるべきだ」というのが、船井の根本的な人間観であると述べおり[2]、朝日新聞ジャーナリスト学校主任研究員の磯村健太郎は、船井の自己啓発書・ビジネス書には「カルマの法則」「宇宙エネルギー」などのニューエイジ的な思想が多く含まれていると述べている[8] 現世利益を求める成功哲学と「真実に気付いて世界の変革を起こそう」といったスピリチュアルな啓蒙思想が同居しており、ビジネス系の成功哲学でもスピリチュアル思想が隠さず唱えられている[6]

人間の本質は肉体ではなくにあり、魂は不死で肉体は乗り物であり、人間は死ぬと転生し、人生の目的は魂の成長(霊的進化)であると考えた[9]。創造主・「サムシンググレート」というような存在があるようだと述べており[10]、創造主は効率的な「世の中」を創っており、この世に無駄なものはなく、良心・知性、理性、感性を持つ人間は特に重要な使命と役割を与えられて創られたと考えた[11]

世の中はすべて「波動」と考えることができ、波動の性質は

  1. 同じものは引き合う
  2. 違うものは反発し合う
  3. 自分が出した波動は自分に返ってくる
  4. 優位の波動は劣位の波動をコントロールする

この4つだけであるとしている[10]。創造主に近い思いほど優位・上位であり、優位の波動を出せばどんなこともコントロール可能なはずとしている[10]。創造主の波動に近づき、自らの中の創造主と一体することで、カルマが解消され、地球をより良くすることに貢献できるようになるという[9]

キリスト教の異端的潮流ニューソートの思想家・自己啓発作家ジェームズ・アレンを高く評価し、デール・カーネギーナポレオン・ヒルなど自己啓発・成功哲学の教祖的人物のほとんど全てに影響を与え、現代日本人には多かれ少なかれ彼の影響があると述べている[12]。アレンが言うように、思ったことは実現するのだから人はいいことだけ思えばよく、イメージし確信を持つことでより実現しやすくなるとしている[10]

2012年に霊的に進化した人々が「アセンション(次元上昇)」し物質に囚われた人々は淘汰されるという2012年終末論を支持し[2]エマヌエル・スウェーデンボルグヘレナ・P・ブラヴァツキー出口なお出口王仁三郎エドガー・ケイシーモーリス・バーバネル、バーバラー・マシニアックなどのオカルティスト・霊能者新宗教の開祖・霊媒も同様に説いていると述べた[11]

一部の進んだ人間に意識変革が起こると、地球全体の精神レベルを上げることができると説いた(百匹目の猿[2]

船井は、スウェーデンボルグ、ケイシー、出口王仁三郎、山崎弁栄岡潔を、真理を語った超人とみなしている[13]。加えてイアン・スティーヴンソンブライディ・マーフィー(退行催眠をかけられた女性の前世とされた架空の人物)、政木和三マイケル・ドロズニン英語版の『聖書の暗号英語版』、岡本天明の『日月神示』を高く評価し、「信用できる」と評している[14]

『聖書の暗号』を根拠に、「闇の勢力」「闇の権力」と呼ばれる人類の支配者が存在するようだと述べており、最も論理的に検証されている人類史は、爬虫類人類による陰謀論を唱えた太田龍によるもので、『聖書の暗号』とも一致すると述べている[15]

自身については、誤解されているがオカルトやスピリチュアルとは無関係な人間であり、どんなことも現実的に客観的に判断すると語っている[14]。亡くなる直前の2014年1月6日に自身サイトで、「スピリチュアル否定」ともとれる発言をしている[16]

近年流行している「引き寄せの法則」「100%自己原因説」(ポジティブ・シンキング)との間接的な関係、ブラック企業での自己啓発書・自己啓発セミナー的な思想を利用した過重労働、オカルト的な「成功のための情報」を商材とするネットワークビジネスへの間接的な影響を指摘する声もある[6]

地域一番店戦略[編集]

経営コンサルティングの手法としては『地域一番店戦略』が有名。これは、1970年代に渥美俊一が唱えた『チェーンストア理論』の対局を為す小売戦略として、多くの地域小売業者に支持された[要出典]。当時は小売業のコンサルタントとして、「東の渥美・西の船井」と云われていた。

丸井会長の青井忠雄、伊勢丹出身で松屋東武百貨店を再建した山中鏆と昵懇で、三人会と称する会合を定期的に開いていた。東武百貨店が東洋一の百貨店を池袋にリニューアルオープンした際の戦略も、地域一番店戦略がベースとなっている。そごうも影響を受けた[要出典]

また、船井総合研究所3代目代表取締役社長の小山政彦は、船井の決断力を評価し「歩く即断力」と形容している[17]

著書[編集]

著書は400冊を超える。

脚注[編集]

  1. ^ a b 船井総研創業者の船井幸雄氏が死去 財経新聞 2014年1月22日
  2. ^ a b c d e 本多カツヒロ なぜ人間はオカルトにハマってしまうのか?『現代オカルトの根源』の著者、大田俊寛氏に聞く 東洋経済 2013年08月23日
  3. ^ 舩井幸雄com.
  4. ^ 生と死の真実を正しく知ろう 船井幸雄のいま知らせたいこと 2011年4月4日
  5. ^ 船井幸雄著『人間の正しいあり方』(ヒカルランド)2011年10月31日
  6. ^ a b c d e f 吉田悠軌 スピリチュアルのカリスマ・舩井幸雄が死の直前にスピを否定!? リテラ 2014年10月15日
  7. ^ a b 舩井幸雄のいま知らせたいこと2013年12月16日付
  8. ^ 磯村健太郎『<スピリチュアル>はなぜ流行るのか (PHP新書) 』2007年、PHP研究所
  9. ^ a b 船井幸雄 『人は生まれ変わる 体外離脱が教えてくれた本当の生き方』 2005年、ダイヤモンド社
  10. ^ a b c d 船井幸雄 『船井幸雄の「成功塾」―仕事と人生がうまくいく、わずか6つの成功原則』 ダイヤモンド社 、2004年
  11. ^ a b アセンション近し 船井幸雄のいま知らせたいこと 2005年9月16日
  12. ^ 船井幸雄『人間のあり方 われわれの本質は宇宙意志と一体、希望を持って生きよう』 1998年、PHP研究所
  13. ^ 真理を語った5人のことを知ろう 船井幸雄のいま知らせたいこと 2009年7月27日
  14. ^ a b 良い経営者になってほしいために息子たちに言いたいこと 船井幸雄のいま知らせたいこと 2010年7月12日
  15. ^ 人類支配者の正体 船井幸雄のいま知らせたいこと 2011年5月2日
  16. ^ 舩井幸雄.com - 2014年1月6日「いま一番知らせたいこと、言いたいこと」
  17. ^ 小山政彦著『9割の会社は社長で決まる』(中経出版、2011年)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]