イルミナティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
イルミナティ
種類 秘密結社
本部 Flag of the Electorate of Bavaria.svg バイエルン選帝侯領
イルミナティと呼ばれる結社は架空のものも含めると複数ある。

イルミナティ: Illuminaten, : Illuminati)は、現実歴史、およびフィクションに登場する秘密結社の名称。イルミナーテン光明会啓明結社

歴史上のイルミナティは、18世紀後半に一時期存在し、南ドイツオーストリアに広まったバイエルン啓明結社バヴァリア啓明結社[1]と称されるフリーメイソンリー的秘密結社である。1776年にバイエルン選帝侯領インゴルシュタットで創設された。当初は大学教授アダム・ヴァイスハウプト英語版と学生の私的サークルにすぎなかった。フリーメイソンリーとは異なり政治的イデオロギーを有していたため、政治的秘密結社に分類されることもある[2]。体制側から迫害されて1785年に解散を余儀なくされたため、活動期間は短かった。しかしイルミナティ崩壊後にフランス革命が勃発し、バリュエル神父フランス語版ら反フリーメイソン論者によってフランス革命の黒幕に仕立て上げられた。このことがフリーメイソン陰謀論の契機となり[3]、イルミナティが世界史の裏で暗躍しているという陰謀史観は大衆的に広まっていった[4]。こうしたデマゴギーは現代においてもネスタ・ヘレン・ウェブスターらの著作において荒唐無稽な尾ひれを付けられて反復されている[5]

19世紀末から20世紀初頭のドイツでは、レオポルド・エンゲルドイツ語版なる人物によるイルミナティ復興運動があり、東方聖堂騎士団を組織するテーオドール・ロイスドイツ語版もこれに関与していた[6]

位階構成[編集]

クニッゲ男爵(1752-1796年)

クニッゲ男爵の考案した位階制度は以下の通り。ただし、ヴァイスハウプトによって何度か変更されたため一定ではない[7]

  1. 修練生
  2. ミネルヴァの同胞
  3. 小啓明者
  4. 大啓明者
  5. 教導啓明者
  6. 祭司
  7. 王子
  8. 術者

豆知識[編集]

イルミナティの英語表記「illuminati」を逆にした「itanimulli」に対して、"http://www.itanimulli.com/"とアドレスバーに打ち込むと、アメリカ国家安全保障局(NSA)につながる。しかしこれは後述の通り、一個人が件のドメインを買い取り転送を行ったジョークである[8]。「私は冗談として、NSAにItanimulli.comドメインを転送することを決めた」と告白したとのこと。

脚注[編集]

  1. ^ 澁澤龍彦『秘密結社の手帖』ではバヴァリア幻想教団と訳された。
  2. ^ ラインアルター & 増谷・上村 (tr.) 2016, p. 62.
  3. ^ ラインアルター & 増谷・上村 (tr.) 2016, p. 61.
  4. ^ 有澤 2007, p. 266.
  5. ^ 有澤 2007, p. 268.
  6. ^ Peter-R. Koenig, Order of Illuminati (OTOの歴史研究書 Das OTO-Phänomen の著者ペーター・ロベルト・ケーニヒ (de:Peter-Robert König) のサイト The Ordo Templi Orientis Phenomenon 内のページ)
  7. ^ 有澤 1998, p. 186.
  8. ^ ユタ州プロボ在住のジョン・フェンレイ(John Fenley)氏がドメインを買って、それをNSAのウェブサイトにリダイレクトしたとされる。

参考文献[編集]

  • ヘルムート・ラインアルター 『フリーメイソンの歴史と思想 - 「陰謀論」批判の本格的研究』 増谷英樹・上村敏郎/訳・解説、三和書籍、2016年
  • 有澤玲 『秘密結社の事典: 暗殺教団からフリーメイソンまで』 柏書房、1998年
  • 有澤玲 『面白いほどよくわかる世界の秘密結社』 日本文芸社、2007年

関連文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]