ナポレオン・ヒル

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ナポレオン・ヒル
Napoleon Hill headshot.jpg
ヒル(1904年)
誕生 (1883-10-26) 1883年10月26日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国バージニア州パウンド
死没 (1970-11-08) 1970年11月8日(87歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国・サウスカロライナ州グリーンビル
職業 作家ジャーナリスト営業職講師
言語 英語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
市民権 アメリカ人
活動期間 1928年 - 1970年
ジャンル ノンフィクション
自己啓発
代表作 『思考は現実化する』(1937年)
『成功を約束する17の法則』(1928年)
『悪魔を出し抜け!』(1938年)
配偶者 Florence Elizabeth Horner(1910年 - 1935年)
Rosa Lee Beeland(1937年 - 1940年?)
Annie Lou Norman(1943年 - 1970年)
子供 3
サイン
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シアトルのオフィスで(1937年)

オリバー・ナポレオン・ヒル(Oliver Napoleon Hill [ˈɑːlɪvɚ nəˈpoʊliən hɪl], 1883年10月26日 - 1970年11月8日)は、アメリカ合衆国自己啓発作家成功哲学の提唱者の第一人者の一人であり、『思考は現実化する』(Think and Grow Rich)の著者[1]

思考が現実に影響を与えるというニューソート思想のビジネスへの応用、自己啓発思想とビジネスの世界の親和の重要な起点になっており、『思考は現実化する』は現在でも自己啓発本の原点のひとつとして人気が高い[2]

米国のセールス&マーケティングの専門家として名高い[要出典]ダン・S・ケネディは、その著書『富裕層マーケティング』で以下の通り言明している。

富裕層やウルトラ富裕層から無作為に10人を選び、その人の自宅やオフィスの書斎や書棚を見せてもらえば、少なくとも7人の本棚に、私が金持ち文学と呼ぶ本が並んでいることだろう。『思考は現実化する』(途中略)など、長年読み継がれてきた古典的な本である。もし貧乏な人を10人選び、その人たちの書棚を見せてもらっても、そのような本はどこにも1冊もないだろう。それは偶然ではない。必然なのだ。 — 『富裕層マーケティング』p.112「勝ち組と負け組の本棚」


来歴[編集]

バージニア州南西部のワイズ郡で生まれる。公式には3代続く文盲で貧しい家庭だったとされるが[要出典]、祖父は印刷業、父は歯科医だったようである。[3]9歳の時に母が死去。

自伝によると、1908年、新聞記者として世界の鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにインタビューをした事をきっかけに、「20年間無償で500名以上の成功者の研究をして、成功哲学を体系化してくれないか」と頼まれ、ヒルは「やらせてください」と即答、それから20年かけて、約束通り1928年に『頭を使って豊かになれ (思考は現実化する)』(Think andGrow Rich)を執筆した。( 自伝はナポレオン・ヒル財団のエグゼクティブ・ディレクターとフリーライターの二人によって書かれたため、かなり美化されていると指摘されている[3]。)

生活のためにシカゴのthe La Salle Extension Universityで広告を教え、Betsy Ross Candy Companyを共同で起業したがパートナーと喧嘩しうまくいかなかった[3]。経済的に成功せず、苦しんだ[4]。彼は成功哲学を増やし続け、お金が入ったら世界最初の大規模な成功のための学校を作ろうと考えていたが、浪費して実現しなかった[3]

ギズモードのマット・ノヴァクによると、少なくとも5度結婚している[4]

1937年に経済状況が上向きになり、デール・カーネギーの本のようなセルフヘルプ入門のスタイルに戻った[要出典]

1936年、自身の講演会で24歳下の女性であるRosa Lee Beelandと結婚し、彼女の編集に助けられ、『Think and Grow Rich』を出版[4]

この本は50年で2000万部売ったと主張されているが、実際はもっと少ないと考えられている[3]。ニューヨークタイムズのRichard Lingemanは、この本のカーネギーのアドバイスやインタビューの概要は、成功本の典型的な内容であまりオリジナルではないと述べている[3]

1940年にRosaと離婚。結婚時まだ貧乏だった頃の取り決めにより、『Think and Grow Rich』の莫大な印税はRosaのものになった[3][5]

印税を受け取ることはできなくなったが、しばらくの間、彼の教えの支持者でコンビンス・インシュアランス(現エーオン)を創業したW ・クレメント・ストーン英語版の後援を受けていた[3]

企業に労働組合員の労働問題のアドバイスを行い、別の女性と結婚した[3]

1967年の『平和な心で豊かになれ!(Grow Rich! With Peace of Mind)』では、見えない不思議な存在、彼の友であり守護者である(神智学の)昇天したマスター英語版やスピリットガイドが存在し、その導きを受けていると主張した[6][7]

1970年に87歳で死去。

著名人へのインタビューに関する疑念[編集]

  • David Nasaw (アンドリュー・カーネギーの著名な伝記作家) - ヒルにカーネギーと接点があった痕跡は一切なかったという。また、わずかにトーマス・エジソン主催のパーティーに参加したが親交はなかった。同様に、著作にある「500名以上の成功者、およびこれから成功する見込みのある者」とのインタビューを実際に行った証拠は発見されていない[4]
  • 田中孝顕(『思考は現実化する』の翻訳者) - アンドリュー・カーネギーが残した資料の中に『ナポレオン・ヒル』の名前が出ていないのは、ヒルはインタビュー当時は一介の若者であり一般的に当然な事であると述べている。また、このことを根拠にヒルが実際には著名人と会っていないとすることは、「誹謗中傷」であり「事実無根」との見解を示している[8]

書籍[編集]

  • 思考は現実化する Think and Grow Rich (1937)(全世界で7000万部を売り上げたとされる)[9]田中孝顕・訳
  • 巨富を築く13の条件 Think and Grow Rich (1937) 「巨富を築く」に重点をおいて再構成したもの
  • 成功哲学 Grow Rich!: With Peace of Mind (1967)
  • 『Golden Rule』~ゴールデン・ルール~ Think and Grow Rich (1937) の携帯版
  • 悪魔を出し抜け! Outwitting the Devil (1938)
  • 「自分を売り込む方法」 How to Sell Your Way Through Life(1939)
  • 「平和な心で豊かになれ!」 Grow Rich! With Peace of Mind (1967)

脚注[編集]

  1. ^ 尾崎俊介「アメリカにおける「自己啓発本」の系譜」『外国語研究』第49巻、愛知教育大学外国語外国文学研究会、2016年、 67-84頁、 NAID 120005730612
  2. ^ 加藤 2015, p. 142.
  3. ^ a b c d e f g h i Lingeman, Richard (1995年8月13日). “How to Lose Friends and Alienate People”. New York Times. https://www.nytimes.com/1995/08/13/books/how-to-lose-friends-and-alienate-people.html?pagewanted=all 2018年1月22日閲覧。 
  4. ^ a b c d e Novak, Matt (2), “The Untold Story of Napoleon Hill, the Greatest Self-Help Scammer of All Time”, Gizmodo, https://paleofuture.gizmodo.com/the-untold-story-of-napoleon-hill-the-greatest-self-he-1789385645 
  5. ^ Emmert, J. M. (2009年1月5日). “The Story of Napoleon Hill”. Success. 2018年1月22日閲覧。
  6. ^ A Twenty First Century Christian Review of Napoleon Hill's “Think & Grow Rich” Part Two
  7. ^ Stories of people who have met the Ascended Masters
  8. ^ 思考は現実化する 5ページ
  9. ^ Forbes on Think and Grow Rich: "It has sold more than 70 million copies since its publication in 1937 and continues to sell robustly today." (March 2011)

参考文献[編集]

  • 加藤有希子 『カラーセラピーと高度消費社会の信仰 ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?』サンガ、2015年。ISBN 978-4865640281 

外部リンク[編集]