酵素ドリンク

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酵素ドリンク(こうそドリンク)とは、野菜や果物などの原材料を、素材や菌が持つ酵素と微生物自体の働きによって発酵させた植物発酵飲料。酵素を摂取するためのドリンクとしての誤解があるが、酵素を摂取するためのドリンクではなく、酵素の働きによって作られたものである。植物発酵エキス、植物発酵飲料、または単に酵素、などとも呼ばれる。

効果・効能[編集]

酵素ドリンクは素材や菌がもつ酵素や微生物自体の働きを利用してつくられる発酵飲料であり、健康に良いとされている[要出典]。その理由は、発酵の過程で酵素と微生物が素材を分解することにより素材の持つ栄養素が吸収されやすくなる点[要出典]、また酵素と微生物が元々の食品にはなかったビタミン生理活性物質を創造する点、そして人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)自体や腸内細菌の餌になり腸内環境を整える栄養素がふくまれている点からである[1]

歴史[編集]

メーカーの沿革などによると100年ほど前に製造販売が始まったされているが[2]、詳細は明らかではない。当時は、重労働者や栄養不足の人のための栄養補助食品として利用されたが、昨今では栄養補助だけでなく、消化サポートや腸内環境改善のためのサプリメントとして用いられるケースも増えている。また、酵素断食(断食中に酵素ドリンクのみを摂取する)・酵素クレンズ・食事の置換えとしても使われている。

酵素・酵母食品市場は「プチ断食」「ファスティング」などによる健康維持や体質改善などを目的としたユーザーに支えられ市場を拡大しており、昨年の酵素・酵母食品市場は前年比3%減の505億円となった[3]

作り方[編集]

一般的には、野菜・フルーツを砂糖と一緒に混ぜて、素材に含まれる酵素と、酵母・乳酸菌の力により数週間から数年間の間発酵・熟成する。砂糖を投入して発酵する点は米国で流行しているコンブチャとも類似するが、素材が大きく異なるため、栄養や味は大きく異なる。

関連研究[編集]

岡山県立大学が2003年に行った研究では、酵素ドリンクは、「植物発酵エキスは多種多様な植物性原料由来のエキスを乳酸菌や酵母により発酵することで、長期保存が可能で、さまざまな微量栄養素を補給できる可能性を秘めた食品素材であることが示唆された」とされている。なお本実験はin vitroであり、動物や人体への影響は定かではない。[4]

また、2018年に行われた福岡工業大学の研究によると、「酵素食品は、豊富な機能性成分による抗酸化を介した老化抑制、体脂肪低減 (ダイエット効果)、糖や脂質の代謝改善による生活習慣病予防、便通改善など、一般的に期待される効果を有する可能性」がラットにおける実験により示されており、健康に対しても良い影響を与える可能性が示唆された。[5]

通説[編集]

酵素は生命活動を行うためには不可欠なものであり、不足しないように酵素なら食べものから補う必要があると考えたのがアメリカの医師エドワード・ハウエルである。近年、見かける酵素の話の多くは彼の提唱した「酵素栄養学」が元になっている。日本で酵素を食べるという話が広まってきたのは、新谷弘実医師がベストセラー書籍内で酵素を食べて補う必要があると書いたことが影響していると考えられる[6]

なお、アメリカの医師エドワード・ハウエルは「酵素栄養学」を提唱しており、彼の主張は以下の通りである。

  • 身体には全ての酵素の元となる潜在酵素というものがあり、あらかじめ決められた量をもって生まれてくる。
  • 酵素はたんなる触媒(化学反応を進めやすくする働きを持つ物質)ではなく生命元素というエネルギーを充電したタンパク質である。
  • 潜在酵素がなくなれば生命活動を行うために必要な酵素もつくられなくなるので消化酵素を節約することで寿命が伸び、病気を防ぐ事が出来る。
  • 酵素を節約するために酵素が含まれている生の食べもので補充するとよい。加熱した食べものには酵素はないので消化酵素を余計に消費してしまう。

この主張に関しては、不可解な部分が多く「潜在酵素」の実在に関してや、実験内容に関して疑問の声が上がっている。[7]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 岡山県立大学保健福祉学部紀要 第19巻1号. 岡山県立大学. (2012年) 
  2. ^ 【今だから言える!? 酵素ドリンクのウソ・ホント】|中田ぷう|ビューティニュース|VOCE(ヴォーチェ)|美容雑誌『VOCE』公式サイト” (日本語). 美容雑誌『VOCE』公式サイト. 2020年3月2日閲覧。
  3. ^ 特集【酵素・酵母食品】市場規模、 500億円台を堅持 | 健康産業新聞” (日本語). www.kenko-media.com (2020年3月4日). 2020年3月9日閲覧。
  4. ^ 岡山県立大学保健福祉学部紀要 第19巻1号. 岡山県立大学. (2012年) 
  5. ^ いわゆる「酵素食品」の有用性評価: Fukuoka Institute of Technology Repository”. repository.lib.fit.ac.jp. 2020年3月2日閲覧。
  6. ^ 最近よく見かける「酵素」って健康に良いの?(成田崇信) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2020年3月2日閲覧。
  7. ^ 最近よく見かける「酵素」って健康に良いの?(成田崇信) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2020年3月2日閲覧。