ナットウキナーゼ

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ナットウキナーゼ: Nattokinaze)は、日本食納豆から抽出され精製される酵素である。須見洋行により発見、命名された[1]。納豆は、日本で食べられてきている発酵した大豆から作られる食品である。納豆は、煮た大豆を有用菌である納豆菌で発酵させて作られる。納豆菌が煮た大豆に作用するとき結果としてナットウキナーゼが産生される。大豆製品は各種の酵素を含んでいるが、ナットウキナーゼの酵素を生み出すのは納豆のみである。

研究[編集]

ナットウキナーゼは、血栓溶解作用、血液サラサラ効果、毎日服用のアスピリン療法の代替品として代替医療団体から推奨されている。またアルツハイマーに関わる有害なアミロイド繊維の異性化に効果があるという事も証明されている[2]

注意点[編集]

しかしながら、ナットウキナーゼは心疾患の予防について化学的に証明されていないため代替医療として推奨されない[3]。更には、アスピリンと相互作用を起こして脳内出血リスクを増加させる可能性もある[4]

また特に納豆を経口摂取した場合については効果が明確でない。血栓溶解効果を示す酵素タンパク質としてはウロキナーゼが存在するが、経口摂取では胃液のペプシンによって分解、さらに、小腸の膜消化によって、アミノ酸、ジペプチド(アミノ酸が2個結合したもの)、トリペプチド(アミノ酸が3個結合したもの)にまで分解されないと吸収されないため、静脈注射にて使用される。納豆を経口摂取した場合も、酵素タンパク質であるナットウキナーゼは、小腸の膜消化によって、アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドにまで分解されないと吸収されない。アミノ酸、ジペプチド、トリペプチドには、ナットウキナーゼ活性は無いので、ナットウキナーゼ活性を血中に出現させることはできない。即ち、ナットウキナーゼをいくら経口摂取しても、血栓溶解効果は無い。大学教授とか医学博士による大げさな宣伝に騙されないように。

その他[編集]

ナットウキナーゼは、(米国で?)細胞障害とアポトーシスを予防する特許製品としてen:Kenrico社により積極的にマーケッティングされてきている。発酵大豆(納豆)に由来し、(米国で?)胃腸病、皮膚症状、免疫不全症に効果があるとしてLexirinという登録商標で販売されている。

脚注[編集]

  1. ^ A novel fibrinolytic enzyme (nattokinaze) in the vegetable cheese Natto; a typical and popular soybean food in the Japanese diet.
  2. ^ Ruei-Lin Hsu et al. J. Agric. Food Chem. 2009, 57(2), pp.503-508
  3. ^ Cho L (April 2007). “Ask the doctor: I have read good news about nattokinaze and would like to use it to keep my blood thin. Is it a good substitute for aspirin?”. Heart Advis 10 (4): 8. PMID 17500089. "Not very much is known about nattokinaze... there is not enough information from human studies to know for sure what it can do or to recommend it for people with cardiovascular disease. Aspirin should be your first choice." 
  4. ^ Chang YY, Liu JS, Lai SL, Wu HS, Lan MY (2008). “Cerebellar hemorrhage provoked by combined use of nattokinase and aspirin in a patient with cerebral microbleeds”. Intern. Med. 47 (5): 467–9. PMID 18310985. 

外部リンク[編集]