モロコシ

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モロコシ
Sorghum.jpg
モロコシ Sorghum bicolor
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉植物 Monocotes
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
: モロコシ属 Sorghum
: モロコシ S. bicolor
学名
Sorghum bicolor
(L.) Moench, 1794
和名
モロコシ
英名
Great millet
Sorghum

モロコシ(蜀黍、唐黍、学名 Sorghum bicolor)は、イネ科一年草のC4植物穀物。熱帯アフリカ原産。ソルガムとも呼ぶ。また、中国での呼称であるコーリャン(高粱)ともかつては呼ばれた。沖縄ではトーナチンと呼ばれる。穀物としての生産面積ではコムギイネトウモロコシオオムギに次いで世界第5位である。熱帯亜熱帯の作物で乾燥に強く、イネ、コムギなどが育たない地域でも成長する。

特徴[編集]

草丈は、野生種でおおむね3メートルに達するが、栽培用品種では1.5メートル程度のものが多い。葉も長さ1メートル以上で幅10センチメートル程度になり、茎は太さ3センチメートル程度で芯の詰まったものとなっている。夏になると茎の先端にが出る。穂はが10程あり(節は必ずしも明瞭ではないが、複数の穂枝が出ていることから逆に見分けられる)、各節より6本程度の枝が放射状に出ている。各枝は更に数十に枝分かれしており、最終的には一つの穂で3,000程の小さな穂を付ける。なお、実の千粒重は25グラム程度。その色は紫や赤に近い。

歴史と利用[編集]

紀元前3000年頃からスーダンエチオピアで栽培されていたことが知られており、早い時期に北アフリカインドへ伝播し、後にはアフリカ中央アメリカ中国東南アジアにも伝播して栽培種となった。中国にはいった時期は諸説紛々として不明だが、DNAの分布からは950年ごろと考えられている(それ以前の文献にも蜀黍の名は見られるが、別の穀物を指したらしい)[1]。古くは「蜀黍」(しょくしょ)と呼ばれたが、現代の中国名は「高粱」(こうりゃん、カオリャン)である。米と同様に炊いたり粥にしたりする。かつては広く食用にされたが、タンニンを含むために食べにくく、最近では人気がない[2]茅台酒、汾酒、五粮液などの白酒(パイチュウ、中国酒の一種である蒸留酒)の原料としても使われる。

日本には15世紀ごろ中国を経由して伝来し、五穀(キビ)の一種としてモロコシ、タカキビ(高黍)という名前での食用栽培のほか、サトウモロコシ、トウキビ(トウモロコシを意味することもある)、ロゾク(蘆粟)という名で、糖汁採取目的の栽培も行われてきた[3]。 沖縄では伝統野菜として、紅芋などとともに餅に入れてムーチーにするなどして利用される[4]

飼料用途も多いが、21世紀に入っても依然として食用として栽培されている国は多い。穀物として食べた時はソバに似た食感があり、北アフリカではクスクスの、インドではチャパティなどのフラットブレッドの材料として使われる[5]ひき肉のような弾力とコクがあるので「たかきびハンバーグ」などとして主食の材料にも使われるほか、アメリカ合衆国南部では、濃褐色のシロップが作られ、ビスケットにつけて食べられる。南部アフリカではビールの醸造に使われる。 飼料用途としては、「マイロ」(Milo)という名称で鳥用に使われることが多い。

満州国1933年1945年まで存在した国家)では、国花に指定されていた。1933(大同2)年4月に決定されたとの記録がある[6]

生産量[編集]

2002年時点の世界生産量は5450万トン、アメリカ合衆国 (17.2%)、ナイジェリア (14.1%)、インド (13%) の順であるが、地域別に集計するとアフリカ州、アジア州、北アメリカ州の順となる(FAO Production Yearbook 2002)。

主食として用いる際の注意点[編集]

モロコシを主食として用いる場合、その蛋白質中のリシンの少なさとロイシンの過剰に注意する必要がある。特に後者は結果としてナイアシン(ビタミンB3)の欠乏症である、ペラグラを引き起こすことがある。

ホワイトソルガム[編集]

品種改良したホワイトソルガムがアメリカで開発され、日本でも流通している。実の色は白く、従来のモロコシが含んでいたタンニンの除去に成功しているとされる。また、小麦粉に含まれるグルテンを含まないので小麦アレルギーがある者でも問題なく食べられる、鉄分カルシウムマグネシウム食物繊維不飽和脂肪酸などを他の穀物よりも多く含む、などの利点がアピールされている。

出典[編集]

  1. ^ 刘夙 高粱:从非洲来的“毒品”还是希望? 科学人、2015年9月10日http://www.guokr.com/article/440693/ 
  2. ^ 老北京生活离不开高粱 新華網、2016年11月25日http://news.xinhuanet.com/local/2016-11/25/c_129377517.htm 
  3. ^ ソルガムの紹介(長野県畜産試験場)
  4. ^ 伝統野菜で食品開発 奥武産トーナチン使い3品
  5. ^ ビル・ローズ著 柴田譲治訳『図説:世界史を変えた50の植物』 原書房、2012年、p224
  6. ^ 「建国後三年間の堅実な歩み 満洲国の重要記録」、『満洲日報』1935年(昭和10年)3月1日付

関連項目[編集]