セリアック病

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セリアック病
Coeliac path.jpg
セリアック病によって絨毛などに異常を来たした小腸の生検画像
分類および外部参照情報
ICD-10 K90.0
ICD-9-CM 579.0
OMIM 212750
DiseasesDB 2922
MedlinePlus 000233
eMedicine med/308 ped/2146 radio/652
Patient UK セリアック病
MeSH D002446

セリアック病またはシリアック病coeliac disease または celiac disease)は、小麦大麦ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる自己免疫疾患である。

小腸内の上皮細胞には絨毛微絨毛と呼ばれる小突起が存在して栄養の吸収を行なっている。セリアック病の患者がグルテンを含有する食物などを摂取すると、ヒトの消化酵素では分解できないグルテン分子の一部が小腸上皮組織内にペプチド鎖のまま取り込まれ、これに対する免疫反応がきっかけとなって自己の免疫系が小腸の上皮組織を攻撃して炎症を起こすことで絨毛などを損傷し、また上皮細胞そのものの破壊にまで至ってしまう。この結果、小腸から栄養を吸収出来なくなり、食事の量などに関らず栄養失調の状態に陥る。また、セリアック病未治療患者には度々うつ病パニック障害自閉症ADHD、ADD等の行動・精神障害が見られるという報告があるが因果関係/発病のメカニズムは解明されていない。

病名[編集]

この疾患は他にグルテン性腸症、またはセリアックスプルー (celiac sprue) とも呼ばれる。英語では他にもグルテン拒否症、非熱帯性腸症、グルテン過敏性腸症など様々な別名がある。

coeliac という単語はギリシャ語: κοιλιακος, koiliakos(腹部の)に由来しており、古代ギリシャにて本疾患を記述したとされるカッパドキアのアレタイオス英語: Aretaeus of Cappadocia)の著作の翻訳に基づき、19世紀に導入された[1]

原因[編集]

患者の近親者にセリアック病患者が見られる事から遺伝的要因が大きいとされており、セリアック病の人のほとんどがHLA-DQ2またはHLA-DQ8が陽性である[2]。外科手術・妊娠と出産・ウイルス感染・または激しいストレスなどが引き金となって発病する場合もあるとされる。

症状[編集]

セリアック病の症状は他の病気(過敏性腸症候群鉄欠乏性貧血クローン病憩室炎慢性疲労症候群など)と似ている。

  • ガス
  • 腹部膨満感と痛み
  • 慢性の下痢
  • 悪臭を放つ便(脂肪便
  • 体重の急激な減少や増加
  • 顔面蒼白
  • 貧血(赤血球数の低下)
  • 骨あるいは関節の痛み
  • 骨粗鬆症
  • 筋肉の痙攣
  • ブレインフォグ(思考に霧がかかったような状態)
  • 疲労感
  • てんかん症状
  • 脚部のしびれ感
  • 口腔内の痛み
  • 痛みとかゆみを伴う湿疹
  • の変色あるいはエナメル質の欠損
  • 無月経
  • 成長の遅れ(子供の場合)

検査[編集]

十二指腸の波状変形の感度は48に過ぎないが、特異度は99%と優れていた。(陽性適中率は97%)[3]
  • 病理組織診断
十二指腸下行脚の小腸生検は特異度が低いが、診断のために必須である。
  • 血清学的マーカー
抗グリアジン抗体(AGA)と抗筋内膜抗体(EMA)が用いられる。これらを併用すると,陽性および陰性適中率はほぼ100%となる。

治療方法[編集]

大部分の患者はグルテンを含まない(グルテンフリー)食品を摂る事で症状悪化を防ぎ、小腸の機能を回復する。現時点で根本的な治療法は無く、生涯グルテンフリーの食生活を続ける必要がある。

市販の食品にはグルテンを含んだ物が多い事から、栄養士の助言を受けたり回避すべき食品のリストアップをおこなう必要がある。

なお、グルテンはビタミン剤などの他に食品とは全く関係ないものに含まれている場合もあるので注意が必要。

脚注[編集]

  1. ^ Adams F, translator (1856). “On The Cœliac Affection”. The extant works of Aretaeus, The Cappadocian. London: Sydenham Society. http://web.archive.org/web/20070311164628/http://www.chlt.org/sandbox/dh/aretaeusEnglish/page.102.a.php 2006年9月4日閲覧。.  Google Books entryも参照のこと
  2. ^ van Heel D, West J (2006). “Recent advances in coeliac disease”. Gut 55 (7): 1037–46. doi:10.1136/gut.2005.075119. PMC 1856316. PMID 16766754. http://gut.bmjjournals.com/cgi/content/full/55/7/1037. 
  3. ^ Kasirer Y, et al. Dig Endosc. 2014 Mar;26(2):232-5.

外部リンク[編集]