国花

国の象徴 |
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国花(こっか、英: Floral emblem)とは、その国民に最も愛好され、その国の象徴とされる花である。
各国の事例
[編集]国の象徴とされるFloral emblemは、必ずしも花とは限らず、農作物、樹木や草、隠花植物が指定されることもある。ただし国によっては国樹や国果としてそれらを制定し、国花はまた別、あるいは指定しないといった対処をしているところもある。一般にヨーロッパでは花卉が多いが、ヨーロッパ以外では花卉が指定されることは少ない。またその国の原産であったりその国に広く見られるものとも限らない(むしろ外来種が指定されることが多い)。指定範囲も単一種を指定する場合もあれば、複数種を指定することもある。園芸植物の場合は細かく花の色まで特定したり、それとは逆に大まかに属科レベルで指定する場合もある。中にはアイルランドのシャムロックのように、特定種ではなく表象的な外見の形状(三分岐の掌状複葉、いわゆる三つ葉のクローバー型の葉を有する)で指定する場合もある。
国花の選定方法は各国により異なり、法律や議会の議決、勅令や政令で定められたり国民投票で決定したもの、故事や伝説にちなんだもの、長年の慣習によるもの、王室の象徴として用いられていたものなどがある。最後のケースではイギリスのバラ(テューダー・ローズ)といった、王室がエンブレムとして選定していたものが有名である。現在ある国花の多くは公的な手続き、裏付けを欠く慣習上のものであり、成文法に基づき国花を指定制定する例は実際には少数派である。日本にも法定の国花はなく、国民に広く親しまれている桜や皇室の家紋のモチーフである菊が事実上の国花として扱われている。国花はコインや紙幣、旅券や切手などの意匠としてしばしば使用されるため、濫用を避ける意味で一部国の国花は世界知的所有権機関に届け出られ、管理下に置かれている。
各国の国花
[編集]表を見るにあたっての注記について記載する。
国樹 は、公式、慣習上を問わず国樹、国木としての意味が強いものを示す。
歴史 は、現在は当該国の官民ともに国花としての意識はないのだが、歴史的経緯から対外的に国花として扱われることが多いものを示す。
アジア
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 | |
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なし | ヒマワリ、またはブドウとする資料もある[要出典]。 | ||
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赤いチューリップ Red tulip | ![]() |
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なし | マリーゴールド、ヒャクニチソウ、現在選考中とする資料などがある[要出典]。 | ||
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なし | コーヒー、アネモネとする資料もある[要出典]。 | ||
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アラビカコーヒーノキ Coffea arabica | |||
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国樹 オリーブ Olea europaea | |||
シクラメン Cyclamen persicum | ![]() |
イスラエルは園芸種シクラメンの原産地。 | ||
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赤いバラ Red rose | |||
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黄色いつる性のバラ[1] Yellow rose | ![]() |
画像は原種バラの1種 Rosa persica。 | |
チューリップ Tulip | ![]() |
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蓮 Nelumbo nucifera | ![]() |
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国樹 印度菩提樹 Ficus religiosa | ![]() |
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メラティ(マツリカ) Jasminum sambac | ジャスミンの1種。国民の花。1990-6-5に制定されたがそれ以前から慣習的に国花とされていた。1993年に大統領令[2]にて追認。ケソケイ Jasminum multiflorum とする資料[3]もあるが、大統領令には記載がなし | ||
コチョウラン Phalaenopsis amabilis | ![]() |
魅惑の花。1990-6-5に制定され1993年に追認。 | ||
ラフレシア Rafflesia arnoldii | ![]() |
珍奇の花。1990-6-5に制定され1993年に追認。 | ||
スマトラオオコンニャク Amorphophallus titanum | ![]() |
上記3種の追認以降に珍奇の花に追加された。 | ||
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なし | チューリップとする資料などがある | ||
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赤いバラ Red rose | |||
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チューリップ Tulip | ![]() |
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ナツメヤシ Phoenix dactylifera | ![]() |
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ムクゲ Hibiscus Syriacus | ![]() | ||
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ルムドゥアルMitrella mesnyi | ![]() |
バンレイシ科の1種。勅令[4]により制定。 | |
稲 Oryza sativa | ![]() |
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李 Prunus salicina | ![]() |
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木蘭(オオヤマレンゲ) Magnolia sieboldii ssp. sieboldii | ||||
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ワタ Gossypium arboreum | ![]() |
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バラ Rose | ![]() |
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チューリップ Tulip | ![]() |
最近はヒヤシンスも国花とする資料がある | ||
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アル・アルファジ Rhanterium epapposum | ![]() |
キク科の1種。 | |
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バラ Rose | ![]() |
画像の品種名はアラビア。 | |
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ヨーロッパブドウ Vitis vinifera | ![]() |
ジョージアに限らず、中央アジア諸国は古くからのワインの銘醸地が多い。最近ではユリとする資料もある。 | |
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ダマスクローズ Rosa damascena | ![]() |
全く異なる名[注 2]を挙げている資料もあるが、明白な理由付けがある(ダマスクはシリアの首都ダマスカスの意)のはこれだけ。 | |
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バンダ・ミスジョアキム Vanda hookeriana × V. teres | ![]() |
ラン科バンダ属の交配種。この花がシンガポール国内で初めて作出された蘭の園芸品種であることによる。 | |
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ニル・マーネル Nympheae stelleta syn. N. nouchali | ![]() |
青いネッタイスイレン。 | |
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ナンバンサイカチ Cassia fistula | ![]() |
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スイレン[5] Nymphaea | ![]() |
画像はアカバナスイレン N. rubra。 | ||
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梅 Prunus mume | |||
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なし | あるとする資料はカルミア Kalmia latifolia、ヘリコニア、シクラメン、ワタなどを挙げているが、どれ1つとして植物名が一致していなし | ||
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なし | 現在国花選定中。候補は牡丹のほか梅も挙げられているが、過去に何度か国民投票を実施した際には牡丹と梅が常に1位、2位を占めていた。近年では、国旗の五つ星を象徴できるため、牡丹・梅・菊・蓮・蘭の五つの花を全て中国の国花にしようとの意見もある。[6] | |
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バウヒニア Bauhinia blakeana | ![]() |
マメ科の1種。英名 Hong Kong orchid tree から誤ってランの1種などと記されることがある。 | |
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蓮 Nelumbo nucifera | ![]() |
アラゲノボタンとする資料がある | |
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なし | アスター(エゾギク)とする資料がある[注 3][注 4] | ||
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チューリップ Tulipa gesneriana | ![]() |
園芸種T. gesneriana でなく原種の1つ T. sylvestris だとする資料[7]もある。なおトルコは園芸種チューリップ発祥の地である。 | |
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桜 Cerasus | ![]() |
一般に国を象徴する花として語られコインや切手の意匠として採用されてきたが法定のものではない。 | |
菊 Chrysanthemum × morifolium | ![]() |
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ラリグラス Rhododendron arboreum | ![]() |
シャクナゲの1種 | |
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ソケイ Jasminum officinale | ![]() |
ジャスミンの1種 | |
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国樹 オリーブ Olea europaea | |||
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なし | |||
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シャープラ (ネッタイスイレン)Nymphaea pubescens | ![]() |
憲法[9]条文中で宣言。 | |
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なし | |||
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サンパギータ(マツリカ) Jasminum sambac | |||
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メコノプシス・ホリデュラ Meconopsis horridula | 青いケシの1種。 | ||
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カンボクビワモドキ Dillenia suffruticosa | ![]() |
マレー語ではシンポーアエル(simpoh ayer)と呼ぶ。また古い属名は Wormia であり、「ウオーミヤ」の名で言及した文献も存在する[10]。 | |
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紅い蓮 Red lotus | ![]() |
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国樹竹 Bomboo | ![]() |
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ブンガラヤ(ブッソウゲ) Hibiskus rosa-sinensis | ![]() |
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サラノキ Shorea robusta | ![]() |
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カリン (マメ科) Pterocarpus indicus | ![]() |
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アカバナサンタンカ[11]Ixora coccinea | アカネ科の1種。 | |||
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セイヨウマツムシソウ Scabiosa atropurpurea | ![]() |
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ブラックアイリス Iris nigricans | ![]() |
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インドソケイ Plumeria rubra | ![]() |
単にプルメリアといった場合、通例はこの種を指す。 | |
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国樹レバノンスギ Cedrus libani | ![]() |
アフリカ
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 |
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バラ Rose | ![]() |
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カラー(オランダカイウ) Zantedeschia aethiopica | ![]() |
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ロータス(ヨザキスイレン) Nymphaea lotus | ![]() |
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ナツメヤシ Phoenix dactylifera | ![]() |
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カエンボク Spathodea campanulata | ![]() |
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ヤシ Palm | ![]() |
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ニオイマホガニー Khaya | センダン科の1属。画像は7種あるうちの1種 Khaya senegalensis。 | |
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ギネアアブラヤシ Elaeis guineensis | ![]() |
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グロリオサ・ロスチャイルディアナ Gloriosa rothschildiana | ||
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ブッソウゲ Hibiskus rosa-sinensis | ![]() |
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カポック(パンヤ) Ceiba pentandra | ![]() |
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国樹 バオバブ Adansonia sp. | ![]() |
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ミモザ Mimosa | ![]() ![]() |
正式に制定された国花。種としてはフサアカシア Acacia dealbataギンヨウアカシア Acacia baileyana など。 |
オオバナソケイ Jasminum grandiflorum | ![]() |
ジャスミンの1種。公認の国花ではないが国民に人気があり、2010-11年の革命もこの花の名を冠して呼ばれる。 | |
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コスタス・スペクタビリス Costus spectabilis | ![]() |
ショウガ目オオホザキアヤメ科の1種。東南アジア原産の外来種。 |
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ウェルウィッチア(奇想天外、砂漠万年青)Welwitschia mirabilis | ![]() |
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モロコシ Sorghum bicolor | ![]() |
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ポインセチア Euphorbia pulcherrima | ![]() |
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国樹タビビトノキ Ravenala madagascariensis | ![]() |
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キングプロテア Protea cynaroide | ||
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トロチェティア Trochetia boutoniana | ![]() |
アオイ科の1種。マスカレン諸島固有種。 |
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バラ Rose | ![]() |
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ザクロ Punica granatum | ![]() |
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コショウ Piper nigrum |
ヨーロッパ
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 | |
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チョウノスケソウ Dryas octopetala | ![]() |
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シャムロック Shamrock | ![]() |
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赤と黒のケシRed and black poppy | ![]() |
赤と黒は国旗の配色に基づく。 | |
国樹 ヨーロッパナラ Quercus robur | ||||
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クチベニスイセン Narcissus poeticus | ![]() |
国を象徴する花として切手や硬貨によく描かれている。[12] | |
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テューダー・ローズ Tudor rose | ![]() |
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ラッパスイセン Narcissus pseudonarcissus | ![]() |
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リーキ Allium ampeloprasum var. porrum | 国の象徴に扱われるのは茎と葉のみで、花は対象となっていない。 | |||
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シャムロック Shamrock | アイルランドに同じ。 | ![]() | |
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アザミ Thistle | ![]() | ||
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バラ Rose | ![]() |
画像の品種はクィーン・エリザベスII。 | |
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歴史 デージー [注 7]Bellis perennis | ![]() |
政府が公式に認めた国花は存在していない。 | |
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セイヨウカンボク Viburnum opulus | 最近ではヒマワリも国花とする資料がある | ||
スミミザクラ Prunus cerasus | ![]() |
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ヤグルマギク Centaurea cyanus | ![]() |
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エーデルワイス Leontopodium alpinum | ![]() |
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チューリップ Tulipa gesneriana | |||
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キプロスシクラメン Cyclamen cyprium | ![]() |
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国樹 オリーブ Olea europaea | ![]() |
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アカンサス(葉アザミ) Acanthus mollis | ![]() |
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ニオイスミレ[13] Viola odorata | ||||
国樹 オリーブ[13] Olea europaea | ![]() |
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ペルニカ Iris croatica | ![]() |
アイリスの1種。 | |
デゲニア・ヴェルビティカ Degenia velebitica | ![]() |
アブラナ科の1種。 | ||
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アキザキシクラメン Cyclamen neapolylanum[14] | ![]() |
学名は Cyclamen hederifolium のシノニム。 | |
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エーデルワイス Leontopodium alpinum | |||
アルペンローゼ Rhododendron ferrugineum | ||||
アルペンエンツィアン Gentiana alpina | ![]() |
リンドウの1種。 | ||
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国樹 セイヨウトネリコ Fraxinus excelsior | ![]() |
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ドイツスズラン Convallaria majalis var. majalis | ![]() |
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カーネーション Dianthus caryophyllus | ![]() |
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ザクロ[15] Punica granatum | ![]() |
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オレンジ[15] Citrus sinensis | ![]() |
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ジャガイモ Solanum tuberosum | ![]() |
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コムギ Triticum | ![]() |
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セイヨウスモモ Prunus domestica | ![]() |
旧ユーゴスラビア[16]から引き継いでいる。 | |
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国樹 菩提樹 Tilia × europaea | |||
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ムラサキツメクサ Trifolium pratense | 1936年アルゼンチンからの問い合わせに対する当局の回答による。国内各所に自生し、農業上重要な牧草である点を考慮されたようだが、これ以外に公的裏付けはなく国民もほとんど知らない。 | ||
マーガレットArgyranthemum frutescens | ![]() |
現女王マルグレーテ2世の名にちなむ。国民投票による国花選出で1位に輝いたが、カナリア諸島原産の外来種なので公式の制定は見送られた。 | ||
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歴史 ヤグルマギク Centaurea cyanus | ![]() |
ヴィルヘルム1世がドイツ皇帝に即位した際帝室の象徴に採用[注 9]され、帝政終焉(1918)まで慣習上の国花に扱われた。 | |
国樹 オウシュウナラ Quercus robur | ![]() |
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ギョリュウモドキCalluna Vulgaris | ![]() |
1976年、ラジオ番組 Nitimen にてリスナーの投票により決定。英名 Purple heather の誤訳から、しばしばヒースと紹介される。 | |
サキフラガ・コティレドン Saxifraga cotyledon | ユキノシタ属の1種。1935年、アムステルダムの植物学会において決定。 | |||
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マドンナリリー(ニワシロユリ)Lilium candidum | ![]() |
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ゼラニウムPelargonium | ![]() |
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チューリップ Tulipa gesneriana | ![]() |
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スズランConvallaria majalis | ![]() |
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バラ Rose | カザンラシュカという香料向けドッグローズの1品種が盛んに栽培されているが、それ以外のバラも含め国花として扱われている。 | ||
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アイリス | ![]() |
政府が公式に認めた国花は存在していない。
一般的にはフランス共和国の象徴であるトリコロール(フランス国旗)の青・白・赤を表すとされる、ヤグルマギク、マーガレット、ヒナゲシ(この三つの中でも特にヤグルマギクが親しまれている。)と、フルール・ド・リスが表しているアイリスが国花として扱われる事が多い。 なおフルール・ド・リスは王家の象徴であったため、現在共和国となったフランス政府が王国を連想するアイリスを公の場で掲げる事はない。 | |
ヤグルマギク[注 10]
Cyanus segetum |
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マーガレット[注 11]
Argyranthemum frutescens |
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ヒナゲシ
Papaver rhoeas |
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アマ Linum usitatissimum | ![]() |
セントポーリアも国花とする資料がある | |
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いずれも外国人による誤解に基づくため画像略 | かつてオランダの1地方だったところから、国花もオランダと同じと誤解されている。 | ||
ベルギーは第一次大戦の西部戦線で、その戦死者を悼んだフランダースの野にという詩に頻出する赤いヒナゲシが英語圏でベルギー国花と勘違いされることがある。現実には同地のケシは現地の農民から嫌われ畑の雑草として駆除される。 | ||||
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ボスニアゴールデンリリー Lilium bosniacum | |||
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パンジー Viola × wittrockiana | ![]() |
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赤いヒナゲシ Papaver rohaes | ![]() |
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ラベンダー Lavandula | ![]() |
ただし政府が公式に認めているわけではない | |
カーネーション Dianthus caryophyllus | 1974年4月25日の「カーネーション革命」にちなむ | |||
国樹 コルクガシQuercus suber | ![]() |
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ケシPapaver | |||
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マルタヤグルマギク Cheirolophus crassifolius | ![]() |
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カーネーションDianthus caryophyllus | |||
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なし | クロッカスとする資料がある | ||
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ミモザ Mimosa | ![]() ![]() |
種としてはフサアカシア Acacia dealbataギンヨウアカシア Acacia baileyana など | |
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フランスギクLeucanthemum vulgare | マーガレットとする資料もある | ||
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ヘンルーダRuta graveolens | ![]() |
ヤグルマギクとする資料もある | |
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オレンジリリーLilium bulbiferum | |||
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バラ Rose | |||
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ドッグローズRosa canina | ![]() |
ブルガリアに同じく香料向けドッグローズの栽培が盛んであるが、ブルガリアと異なりこちらはドッグローズを指定。 | |
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ヒマワリHelianthus annuus | ロシア帝国、ソビエト連邦[16]から引き継いでいる。 | ||
カミツレMatricaria recutita | ![]() |
北アメリカ
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 |
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バラ Rose | 1985年、アメリカ合衆国上院は大統領に対しバラを国花とする決議を可決し1986年11月20日にロナルド・レーガン大統領がホワイトハウスのローズガーデンでその法律に署名し公布された[18]。画像の品種はプレジデント・ハーバート・フーバー。 | |
セイヨウオダマキ Aquilegia vulgarii | アメリカでは各州の州花が重視されるためほとんど知られていない。 | ||
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キンレイジュ Tecoma stans | ![]() |
ノウゼンカズラ科の1種。 |
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アグレイヴ・カラット Agave karatto | リュウゼツランの1種。 | |
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メキシコチモラン Yucca gigantea | ユッカの1種。 | |
アラビカコーヒーノキ[19]Coffea arabica | |||
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サトウカエデ Acer saccharum | ||
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ホワイトジンジャーHedychium coronarium | 新大陸諸国の国花は当該国の固有種から選ばれることが多いのだが、これはインド原産の外来種。標準和名はハナシュクシャ。 | |
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モンハ・ブランカ Lycaste skinneri var alba | ![]() |
Monja Blancaスペイン語で白いシスターの意で、白変種のみそう呼ぶ。ランの1種で園芸名はシロバナミツビシラン。 |
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ニヴィアルシアク Chamerion latifolium | ![]() |
Niviarsiaq現地イヌイットの言葉で女児を意味する。 |
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ブーゲンビリア Bougainvillea | ![]() |
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ワイルドバナナオーキッド Myrmecophilia thomsoniana | ![]() |
Wild banana orchidカトレヤの近縁種の1つ。ケイマン諸島固有種。 |
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グアリアンセ・スキネリ Guarianthe skinneri | ![]() |
カトレヤの1種だが現在ではグアリアンセ属に分類される。 |
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ホウオウボク Delonix regia | ![]() |
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オオゴチョウCaesalpinia pulcherrima | ![]() |
マメ科の1種。 | |
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スーフリツリー Spachea perforatais | ![]() |
Soufriere treeキンノトラノオ科の1種。学名はSpachea elegansのシノニム[21]。 |
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バラ Rose | ||
マルグリット Gomphrena globosa | Marguerite園芸名はセンニチコウ。ヒユ科の春撒き一年草。 | ||
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国樹 ユソウボクGuaiacum officinale | ![]() |
ハマビシ科の1種。 |
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カリブウッドPoitea carinalis | ![]() |
マメ科の1種。真っ赤な花を咲かす。 |
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国樹 マホガニー Swietenia mahagoni | ![]() |
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国花 バヤイベ・ローズBayahibe Rose | 東部バヤイベ地方原産の、ダーク・ピンクの花弁。 | ||
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ヘリコニア(チャコニア)Warszewiczia coccinea | ![]() |
アカネ科の1種。 |
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サクアンホーチェPlumeria alba | ![]() |
Sacuanjoche現地のナワトル語できれいなオレンジ色の花の意。プルメリアの1種。 |
国樹 商業名: デガメ、レモンウッド、ランスウッド Calycophyllum candidissimum | アカネ科の木本。木材が得られる[23]。ニカラグアのスペイン語ではマドロニョ(madroño)と呼ばれ、1971年8月23日に国樹として制定された[24]。 | ||
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国樹 ダイオウヤシRoystonea regia | ![]() |
カリブ海の島々と沿岸域に広く分布するヤシの1種。 |
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ペリステリア・エラタ Peristeria elata | ![]() |
ラン科セッコク亜科の1種。標準和名はハトラン。 |
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キンレイジュ Tecoma stans | ![]() |
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シシリンチウム・バミューディアナ Sisyrinchium bermudiana | ![]() |
ニワゼキショウの1種。 |
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オオゴチョウ Caesalpinia pulcherrima | ![]() |
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セスペシア・グランディフローラ Thespesia grandiflora | ![]() |
フヨウ科の1種。 |
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プロステケア・コクレアタ Prosthechea cochleata | ![]() |
Encyclia cochleata, Anacheilium cochleatum, Epidendrum cochleatum はシノニム。中国名は章魚蘭(タコラン)。 |
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リンコレリア・ディグビアナ Rhyncholaelia digbyana | ![]() |
かつてブラッサボラ属に分類されていたので、現在もブラッサボラ・ディグビアナの方が通りが良い。1969年11月25日の政令第95号でそれまで国花だったバラに取って変わった。 |
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ダリア Dahlia |
南アメリカ
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 |
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セイボErythrina crista-galli | ![]() |
ceibo標準和名はアメリカデイゴ。 |
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バラ Rose | ||
チュキラグア Chuquiraga jussieui | ![]() |
キク科の1種。 | |
リカステ・スキンネリ Lycaste skinneri | ![]() |
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国樹 アカキナノキ Cinchona pubescens | ![]() |
マラリヤの特効薬キニーネの原料。 | |
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オオオニバス Victoria amazonica | ||
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カトレヤ・トリアナエ Cattleya trianae | ![]() |
カトレヤの1種。 |
アラビカコーヒーノキ[25]Coffea arabica | |||
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ファヤロビIxora macrothyrsa | ![]() |
Faja lobi現地の言葉で激しい愛を意味する。アカネ科サンタンカ属の1種。 |
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コピウエ(ラパゲリア[26]) Lapageria rosea | ![]() |
標準和名ツバキカズラ。ユリ目ツバキカズラ科。 |
セイボ(アメリカデイゴ[26])Erythrina crista-galli | ![]() |
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バンマツリ[27]Brunfelsia hopeana | ![]() |
ナス科の1種。 |
タベブイア・アルゲンテア[27]Tabebuia aurea(シノニム: Tabebuia argentea; 和名: ギンヨウノウゼン) | ![]() |
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トケイソウ Passiflora | ![]() |
果実はパッションフルーツの名で取引されている。 | |
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国樹ブラジルボクCaesalpinia echinata | ![]() |
ブラジルという国名の由来となった染料、蘇芳(ブラジリン)を産する木。1978年12月7日成立した第6607号法により国樹に制定された。 |
歴史イペー・アマレーロ Yellow ipe | ![]() |
Ipe-amarelo ポルトガル語で黄色いイペーの意。ノウゼンカズラ科タベブイア属中で黄色の花を咲かせる7種ほどを指す。これらを国花とする法案が1950年代に国会に提出されたが結局成立しなかった。画像はコガネノウゼン(Handroanthus chrysotrichus; シノニム: Tabebuia chrysotricha)。 | |
イペー(Ipê[25][28]) Handroanthus impetiginosus | ![]() |
桃色の花を咲かすことから、近縁種と区別してIpê-rozo、Ipê-rosa(モモイロイペー)とも[28]。タヒボの名で薬用植物としても知られる。 | |
カトレヤ Cattleya, Laelia purpurata など | ![]() |
ブラジル産のカトレヤ属とその近縁種で、種小名まで定めない。画像は Laelia purpurata。 | |
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セイヨウスイレン Nymphaea alba | ![]() |
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国樹イエロー・トランペットツリー[29] Handroanthus chrysanthus(シノニム: Tabebuia chrysantha; 和名: キバナノウゼン) | ![]() |
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タベブイア・パリダ[25] Tabebuia pallida | ![]() |
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フロール・デ・マヨCattleya mossiae | ![]() |
Flor de Mayo スペイン語で5月の花(メイフラワー)の意。カトレヤの1種。 | |
カタセツム・ピレアヌムCatasetum pileatum | ![]() |
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ヒマワリ[27]Helianthus annuus | ||
カンツータCantua buxifolia | ![]() |
ハナシノブ科の1種。現地では「魔法の花」「インカの聖なる花」などと呼ばれる。 | |
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オセアニア
[編集]国 | 国花 | 画像 | 備考 |
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ゴールデン・ワトル [注 12] Acacia pycnantha | ![]() |
アカシアの1種。 |
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なし | ||
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タヒチアン・ガーデニア Gardenia taitensis | ![]() |
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レッドジンジャー Alpinia purpurata | ||
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なし | ||
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なし | ![]() | |
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ヘイララ Garcinia sessilis | ![]() |
Heilala オトギリソウ科フクギ属の1種。マンゴスチンの仲間。トンガでは国王の誕生日にあわせヘイララ・フェスティバルが開催される。 |
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なし | インドソケイ Purumeria frangipani だとする資料もあるが根拠が示されていなし | |
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コーファイ Sophora microphylla | ![]() |
kowhaiマオリ語で黄色を意味する。マメ科の1種で標準和名はハナミエンジュ。 |
国樹 シルバー・ファーン Cyathea dealbata | ![]() |
英名 Silver Fern Tree, マオリ語名 Ponga(ポンガ)。 | |
レプトスペルマム | 和名はギョリュウバイ(御柳梅/魚柳梅)。 | ||
コル koru | ![]() | ||
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なし | ||
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ラン Orchidaceae | ![]() |
ファレノプシス、デンドロビューム、バンダ、パフィオペディラム、など多くのランはパプアニューギニアが原産。画像はファノレプシスのタイプ種 Phalaenopsis amabilis。 |
スイレン Nymphaea | ![]() |
画像はニューギニア原産の N. gigantea。 | |
ハイビスカスHibiskus rosa-sinensis | ![]() |
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ルー Bikkia palauensis | ![]() |
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タンギモウジア Medinilla waterhousei | ![]() |
tahng-ee-mow-theea ノボタン科の1種。フィジー国内でもタベウニ島の山中標高800〜1,000m辺りにしか産しない稀少固有種。 |
カトレア Cattleya | ![]() |
画像はカトレヤのタイプ種 Cattleya labiata。 | |
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ティアレ Gardenia Taitensis | ![]() |
Tiareクック諸島のそれと同じ。 |
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ハテルマギリ Guettarda speciosa | ![]() |
アカネ科の1種。日本でも八重山諸島に自生。 |
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国花に関する定めはない [31] |
注釈
[編集]- ^ 北朝鮮には国花以上の政治的な意味を持つ花として指導者の名を冠した金日成花、金正日花という花卉がある。
- ^ プルーン、アンズ、アーモンド、ジャスミンなど。
- ^ 8月の第2日曜日は「メロンの日」と定められているが、メロンは国花とはみなされていない模様。
- ^ トルクメニスタンの国旗にはオリーブの枝が記されているが、これは同国が国際連合から「永世中立国」に認定されたのを記念する形で設けられたものであり、同国の国花には定められていない。
- ^ これらの他に日本国政府を表す意味で花と葉を図案化した桐花紋を用いる政府機関があるが、桐の花そのものを国花として扱うことはない。
- ^ 1997年に
ザイールから現国名に変更。
- ^ その他バラ Rose、アザレア Rhododendron simsii cv、シクラメン Cyclamen persicumなども国花とされるがどれもデージーのような根拠がない。
- ^ イタリア語のMargherita(マルゲリータ)はマーガレットも指すが、むしろヨーロッパに自生し古くから馴染みのあるデージーを指す。余談だがイタリア国旗と同じ配色を特徴とするピッツァ、マルゲリータも彼女に因む。
- ^ 巷説によると、即位の直前ヴィルヘルムはナポレオン3世を戦いで破っており、その際幼少の頃若くして亡くなった母后ルイーゼとの思い出(ナポレオン軍にベルリンを追われ、そこからの逃亡の途上ルイーゼがヴィルヘルムの頭にこの花で編んだ冠を被せ、この花が咲き乱れる畑に静かに隠れるように諭したことがあったとされる)を追憶したので選ばれたこととされている。しかし公的には、花色が当時のプロシア軍服と同じ色だったから、と、なっている。また当時の作家テオドール・フォンターネは、単にヴィルヘルムの個人的嗜好によるものとしている。
- ^ 矢車菊がシンボルになったのは大量に犠牲者がでた第一次世界大戦の後であり、退役軍人や戦争の犠牲者や孤児を象徴するものだった。2次大戦戦勝記念日の祭日のときは、フランス語版Googleのトップページには矢車菊の花がついている。矢車菊の花がフランスを表していることがあり、スポーツでも国を代表する選手たちは矢車菊のマークを付けていることが多い。
- ^ フランスではフランス菊の事をマーガレットと呼ぶ。
- ^ 妻鹿(1990) p.146 ではフサアカシア Acacia dealbata としているが誤記のようである。同資料では他にユーカリ Eucalyptus、プロテア・スペキオパ Protea speciopaも国花としているが、それらをオーストラリア国花とする資料は他に見当たらなし。
出典
[編集]- ^ a b 妻鹿(1990) p.34
- ^ “Keputusan Presiden No. 4 Tahun 1993 Tentang:Satwa Dan Bunga Nasional”. 2012年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月7日閲覧。
- ^ 妻鹿(1990) p.18
- ^ “ROYAL DECREE on Designation of Animals and Plants as National Symbols of the Kingdom of Cambodia”. Forestry Administration of Cambodia. 2012年12月19日閲覧。
- ^ 妻鹿(1990) p.23
- ^ “中國的國花是牡丹?告訴你這是一個錯誤的認識”. 2012年12月11日閲覧。
- ^ 妻鹿(1990) p.36
- ^ “小学館デジタル大辞泉「国花」”. 2012年12月22日閲覧。
- ^ “Constitution of Bangladesh – Chapter I”. 2008年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月19日閲覧。
- ^ コーナー, E. J . H.、渡辺, 清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年。
- ^ 妻鹿(1990) p.26
- ^ https://es.ucoin.net/coin/andorra-2-centims-2002/?tid=52059
- ^ a b 妻鹿(1990) p.70
- ^ 妻鹿(1990) p.74
- ^ a b 妻鹿(1990) p.79
- ^ a b 妻鹿(1990) p.81
- ^ Danish Nature Agency Archived 2012年9月12日, at Archive.is (デンマーク語)
- ^ National Rose Garden (英語)
- ^ 妻鹿(1990) p.110
- ^ National Flower
- ^ Facts about the Soufriere Tree
- ^ the national flowers
- ^ エイダン・ウォーカー 編『世界木材図鑑』乙須敏紀 訳、産調出版、2006年、65頁。ISBN 4-88282-470-1(原書: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.)
- ^ El Madroño, Arbol Nacional - Nicaragua Educa. 2019年5月23日閲覧。
- ^ a b c 妻鹿(1990) p.115
- ^ a b 妻鹿(1990) p.117
- ^ a b c 妻鹿(1990) p.116
- ^ a b 坂崎信之著『トロピカル・ガーデニング・マニュアル 日本で育つ熱帯花木植栽事典』アボック社、1998年5月10日、987-988頁、ISBN 4-900358-44-4。
- ^ コリン・リズデイル、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著、杉山明子、清水晶子 訳『知の遊びコレクション 樹木』新樹社、2007年、333頁。ISBN 978-4-7875-8556-1(原書: Eyewitness Companions: Trees, Dorling Kindersley, London, 2005.)
- ^ “Australia's Floral Emblem”. Australian National Botanic Gardens. 2012年12月19日閲覧。
- ^ 在日本ミクロネシア連邦大使館 ミクロネシア連邦概況 3ページから。
参考文献
[編集]- 妻鹿加年雄『カラーブックス 791) 世界の国花』保育社、1990年(平成 2年)。ISBN 4-586-50791-8。