不立文字(ふりゅうもんじ)は、禅宗の教義を表す言葉で、文字や言葉による教義の伝達のほかに、体験によって伝えるものこそ真髄であるという意味。
「不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏」の語句の始めに当たり、「経典の言葉から離れて、ひたすら坐禅することによって釈尊の悟りを直接体験する」という意味となり、禅の根本を示すものとして知られる。
禅は定(じょう)とも呼び、インドで古くからある精神修行の方法で、それが仏教に取り入れられたものである[1]が、「不立文字」は、禅宗の開祖として知られるインドの達磨(ボーディダルマ)の言葉として伝わっており、「文字(で書かれたもの)は解釈いかんではどのようにも変わってしまうので、そこに真実の仏法はない。したがって、悟りのためにはあえて文字を立てない」という戒めである。唐代の中国の禅僧である慧能は特にこれを強調し、慧能を祖のひとつと考える南宗禅によって禅の真髄として重視された。
こんにちでも禅においては、中心経典を立てず、教外別伝[注釈 1]を原則としている。
仏教の悟りにおいて重要な姿勢は、仏心を持って智慧を学ばなければ悟りに至らないという考え方。
- ^ 人格を相伝すること。禅においては、文字や言葉を残す以外にも、禅師の全人格をそのまま弟子に伝えることが重要であるとされる。
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