言葉

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この記事では言葉(ことば)(英:word)について述べる。

概要[編集]

大辞林では次のようにある。

  1. 人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする、意味のある表現。言うこと。「友人の―を信じる」
  2. 音声や文字によって人の感情・思想を伝える表現法。言語。「日本の―をローマ字で書く」
  3. 文の構成要素をなす部分。単語。また、語句。「―が豊富だ」「一々の―を吟味して話す」
  4. 言い方。口のきき方。口ぶり。言葉遣い。「荒い―」「―に注意しなさい」
  5. 必ずしも事実でないこと。言葉のあや。

[1] 2の意味については言語、3の意味についてはの記事に詳しい。 また「言語」と重なるところがあるが、日本語で「言葉」というと以下のような例文で用いられることがある。

(1)    私は大気療法をしろと言った医者の言葉を想いだし...[2]

全ての言葉には対応する概念が少なくとも一つ存在する。一方、概念の中には対応する言葉のないものがある。人は言葉によって認識を共有する事が容易となる。反対に、言葉に出来ない思考・概念は、伝達する事が困難である。 意味を持った言葉の形成に伴い、人間は思考を言葉で行うようになったと考えられている。意志・感情を言葉で表現することによって複雑な心理を明確にする。そして、このことによって自己理解が深まり、知能を発達させたと考えられている[要出典]

成り立ち[編集]

人間は社会を形成して生きている。社会は互いに自分の意志を相手に伝え、認識を共有する事で営まれている。この為、自分の意志を相手に伝えたいという人間の欲と社会習慣が言葉を生み出したのではないかと考えられている[要出典]。人類が言語を獲得した時期については、まだ分かっていない。

言葉が無い時代の意思伝達は、人間の発声によって相手の注意を喚起し、ボディーランゲージ絵文字等を指し示すなどの行為によってなされていたと推定されている。このような行為を日常の社会習慣の中で何度も繰り返す内に一定の規則性が生じ、発声行為が規則性のある言葉となり、絵文字等が規則性のある文字へと変化していったと考えられており、より高度な言葉の文化を生み出したとされる。

コミュニケーションを伴う言葉[編集]

社会で他者との関わりをコミュニケーションとしたとき、その中で発信される言葉についてローマン・ヤコブソンは'意思や情報を伝えることの効率性を重視するために、使われる共通した記号'と述べている。またその記号はコミュニケーションを行う者全部、あるいは部分的に共通している必要があるとも述べている。この時、ヤコブソン言葉は以下の6つの役割の内、少なくとも一つが支配的に機能していると主張している。 [3]

  1. 主情的機能 - 発信者の感覚や意思などを含む
  2. 指示的機能 - 受信者に対する命令・要請・依頼・勧誘・禁止表現を含む
  3. 会話的機能 - 他者との接触において発生する挨拶や会話の中で挟まれる相槌などの表現を含む
  4. 詩的機能 - 言葉そのものの特徴(例:音のリズム、俳句ラップ)などの表現を含む
  5. 参照的機能 - 起こった出来事など、お知らせのような表現を含む
  6. メタ的機能 - 別の言葉で言い換えるなど、言葉そのものについての表現を含む

コミュニケーションを伴わない言葉[編集]

代表的なものとして独り言が考えられる。大辞林では「相手がいないのにひとりでものを言うこと。人に聞かせるというわけでなく、ひとりで無意識に言うこと。また、その言葉」とある。[4]しかしながら以下のように自己を他者と見立てることで発言される独り言もある。

(1)    弱い私よ、呪はれてあれ![5]

上記は「他者に見立てた自己という受信者」に向けられた言葉と考えられる。一方で「やばい、やばい」「そんなばかな」と言った独り言を言うとき、発信者が自己を他者と見立てているかは不明である。また自己と他者の違いやその境界線をどう捉えるかによって独り言という発信された言葉を受信する存在の有無が問われる。

種類[編集]

上記の言葉の表現方法には、通常の言語・手話・ボディーランゲージ等の他、特定の規則に則った音声符号・電気信号等がある。伝達者間に於ける取り決めに従うことによって伝達可能となる。

  1. 言語
  2. 文字
  3. 手話
  4. ボディーランゲージ
  5. 各種符号 - 狼煙モールス符号コンピュータ言語

変化[編集]

定義の無い言葉は、表現可能であるが、意味不明で伝達の役割を果たすことは出来ない。しかし、二人以上の人が定義する事により、言葉として成立するため、時間・地域により多数の言葉が存在する。

  1. 流行語
  2. 外来語
  3. 方言
  4. 暗号

言葉と概念[編集]

概念とは、明確に識別する事が困難な物・物質・集合体・動作・行為を始めとする全てのものを容易に認識し識別することが出来るように、特定のものと見なす行為(抽象化)によって紡ぎだされたものである。現実に人は、全ての物は固有に存在するにもかかわらず、個々の違いを無視して類似性でまとめて考えたり、同一の動作は存在しないにもかかわらず同じ動作と見なしたりする。言葉は、これらの概念を示す手段であり、全ての言葉は概念であると見なす事が出来る。

共通する性質で識別する概念[編集]

個々の違いを無視して共通性で表す言葉

人・手・足・動物・植物・火・道具・自転車・友達など

領域を示す概念[編集]

明確に特定できない領域・集合体を表す言葉

宇宙・世界・社会・国・国家・政府・会議・集落・世帯・上・下など

関係を表す概念[編集]

貴方・私・上・下・右・左・東・西・南・北など

動作を表す概念[編集]

歩く、走る、跳ねる、止まる、起きる、寝るなど

思考を表す概念[編集]

思う・考える・論じる・検討する・認識するなど

関連書[編集]

  • 竹下秀子 『心とことばの初期発達』霊長類の比較行動発達学 東京大学出版会 ISBN 4130161067
  • マイケル・トマセロ 大堀壽夫、中澤恒子、西村義樹、本多啓 訳『心とことばの起源を探る』シリーズ 認知と文化 4 勁草書房 ISBN 4326199407

関連項目[編集]

外部リンク[編集]