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絲山秋子

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絲山 秋子
(いとやま あきこ)
ペンネーム 絲山 秋子
誕生 西平 秋子
(1966-11-22) 1966年11月22日(57歳)
日本の旗 日本東京都世田谷区
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学士経済学
最終学歴 早稲田大学政治経済学部
活動期間 2003年 -
ジャンル 小説
代表作袋小路の男』(2004年)
沖で待つ』(2006年)
主な受賞歴 文學界新人賞(2003年)
川端康成文学賞(2004年)
芸術選奨新人賞(2005年)
芥川龍之介賞(2006年)
デビュー作 『イッツ・オンリー・トーク』(2003年)
ウィキポータル 文学
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絲山 秋子(いとやま あきこ、1966年11月22日 - )は、日本小説家群馬県高崎市在住。本名・西平秋子。「絲山」は曽祖父の弁護士・絲山貞規(父の母方)から拝借した。

来歴・人物

東京都世田谷区出身。東京都立新宿高等学校早稲田大学政治経済学部経済学科卒。卒業後INAXに入社し、営業職として数度の転勤を経験。1998年に躁鬱病を患い休職、入院。入院中に小説の執筆を始める。2001年退職。

2003年、「イッツ・オンリー・トーク」で第96回文學界新人賞を受賞し小説家デビュー。受賞時ペンネームは「あき子」だったが、デビューに際して「秋子」とした。同作品で第129回芥川賞候補となる。2004年、「袋小路の男」で第30回川端康成文学賞受賞。デビューから1年は歴代最短。

2005年、『海の仙人』で第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、『逃亡くそたわけ』で第133回直木賞候補および第27回野間文芸新人賞候補。2006年、「沖で待つ」で第134回芥川賞を受賞した。

「イッツ・オンリー・トーク」は廣木隆一監督によって「やわらかい生活」のタイトルで映画化されている。2011年度の1年間、法政大学客員教授を務めた。

好きな作家

外部リンクの『作家の読書道』では、ビュトールヘンリー・ミラーセリーヌ宮沢賢治井伏鱒二などを挙げている。

作品一覧

小説

随筆

絲山賞

一年に読んだ小説の中で一番面白かった作品を「絲山賞」としてブログで発表している。ブログ上の企画に過ぎないが、受賞作の帯にその旨が記される場合もある。

映画脚本を巡る訴訟

  • 絲山の小説・『イッツ・オンリー・トーク』を原作とした映画『やわらかい生活』を巡り、制作会社ステューディオ スリーが、2003年に作品の著作権を管理する文藝春秋との間で原作使用契約を締結し、脚本家荒井晴彦が脚本を執筆。その後、この脚本が、社団法人シナリオ作家協会』が編纂・発行する『年鑑代表シナリオ集』の収録作品に選ばれ、収録して出版することになったが、絲山側が「脚本を活字として残したくない」として出版を拒否したため、収録不可能となり、出版できなくなった。契約には「慣行に反する許諾拒否は行わない」と明記されていることから、荒井並びにシナリオ作家協会側は「出版拒否は契約違反」と主張し、絲山を相手取って出版妨害の禁止等を求め東京地裁提訴した。[1]なお、この時請求した損害賠償額は1円だった。
  • 2010年9月10日、東京地裁は荒井らの請求を棄却し、絲山の勝訴となった。[2]
  • 2011年3月23日、知財高裁は荒井らの控訴を却下又は棄却し、控訴審でも絲山の勝訴となった。控訴審では、絲山の出版拒否が権利濫用に該当するか否かが争われた。

ラジオ出演

  • FMぐんまビタミンカフェ水曜日のパーソナリティを担当

関連項目

  • The ピーズ
    ギターの安孫子義一が大学の先輩。「逃亡くそたわけ」の中で The ピーズの歌詞を引用している。

脚注

  1. ^ MSN産経ニュース (2009年7月14日). “芥川賞作家に1円請求 「小説原作脚本の出版拒否は不当」と提訴”. 2009年10月31日閲覧。
  2. ^ MSN産経ニュース (2010年9月10日). “絲山秋子さんの脚本出版拒否は「合法」 脚本家の訴え退ける”. 2010年12月18日閲覧。

外部リンク