ポケモンカードゲーム

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ポケモンカードゲーム (Pokémon Trading Card Game) は、コンピュータゲームシリーズ『ポケットモンスター』を題材としたトレーディングカードゲーム。通称および略称はポケカまたはPCG。日本ではメディアファクトリーアメリカではウィザーズ・オブ・ザ・コーストが発売元であった。現在は株式会社ポケモンが全世界における発売元となっている。なお、製造元は一貫して任天堂であり、任天堂のウェブサイトにポケモンカード製造風景が掲載されたこともある[1]

概要

ゲーム『ゲーム版』内でのポケモンバトルを再現したカードゲーム(但し、ゲーム版を原作としているわけではなく、ゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑』と同時開発されていた)。1996年に発売し、2011年には15周年を迎えたロングランシリーズ。

基本コンセプト部分はゲーム版と同一であり、「トレーナー(プレイヤー)に直接攻撃できない」などのルールは共通である。しかし同時開発であった為に、細部までゲーム版との整合を取られていたわけではなく、後に整合がとられるようになった。

日本では初の本格的なトレーディングカードゲームであり、低年齢層を中心に普及し、のちのトレーディングカードゲームブームの火付け役になったと言える。1996年の発売以降、何度かシリーズタイトルを改めて発売され、またそれに応じてルールも変更されている。また日本国外でも展開されており、2011年現在、世界約68ヶ国以上で販売され、全世界で180億枚以上が出荷されている[2][3][4]。世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス」も行われている。

「ポケモンカードゲームプレイヤーズ」はポケモンカードゲームADVから立ち上げた公式会員。2005年3月より新規登録は無料・継続は有料、さらに2007年3月より継続も無料となった。
登録するとIDカードが交付され、公式大会や会員主催イベントへの参加、会員誌「プレイヤーズニュース」や公式ホームページへの投稿などによってポイント「けいけんち」が加算され、たまった「けいけんち」の値に応じて限定カードの入手、公式大会出場への当選確率が上がるといった特典が受けられ、また国際大会の招待選手に選ばれることもある。現在では、「ポケモンカードゲームプレイヤーズ」は終了し、「ポケモンだいすきクラブ」の「ポケモンカードゲームネットワーク」に移行している。

日本のマクドナルドとはしばしば提携を行っており、期間限定でプロモーションカードの配布や限定パックの販売が行われている。

なお、上記のとおり、本作とゲーム版は同時開発であったため、設定の矛盾点が度々発生している。「任天堂ブランド(当時)のゲームを題材として、任天堂が製造しているのに発売元が任天堂でない」という矛盾点もあるが、これはゲーム版発売前の段階で打診されたときに、まだポケットモンスターの評価があまり高くない時期であったゆえに「製造は請け負うが、発売元としてのリスクは負わない」という見解が任天堂から出たためである。

ポケモンカードゲームの流通的な経緯については、早稲田大学IT戦略研究所の事例研究に概略がレポートされている[5]

ポケモンカードゲームは比較的歴史の長いTCGであり、途中で用語やルール改定が幾度となく行われている。ここでは基本的に最新ルールで用いられる用語を中心に記し、廃止されたルールや用語などは補足にとどめる事にする。

用語

基本用語

プレイグラウンド
プレイヤーがカードを置いて対戦する場所。プレイグラウンドには以下のものが含まれ、それぞれの位置とその役割は決まっている。ロストゾーンと手札はプレイグラウンドに含まない。
山札
用意したデッキをよく切って(シャッフル)、裏面を上にして積んだカードの山。ここから手札やサイドのカードを引く。山札のカードの内容を指示もなく見たり、順番を並び替えたりすることはできない。ワザなどの効果で山札のカードを手札に加えることがあるが、指定されたカードを引く場合は、そのカードを相手プレイヤーに見せなければならない。山札の中を見ると、通常はそのたびにシャッフルする。
山札の主なシャッフルの方法は、まず山札のカードを裏向きのまま10枚並べ、その上に一枚ずつカードを重ねていき、できたカードの束をランダムに重ねて再び1つの束にするという方法が推奨されているが、時間がかかるため簡略化されることが多い。不正を防ぐため、シャッフルした山札を対戦相手に渡し、軽く切らせることが行われる。その後さらに、持ち主は山札を2つに分け、上下を入れ替えることができる。
バトル場
ワザを使うポケモンのカードを置く場所。バトル場にいるポケモンはバトルポケモンと呼ばれる。ワザの使用が行えるのはバトルポケモンのみである。
ベンチ
バトルポケモンが「きぜつ」したり「にげる」などを行ったりした際に代わりにバトル場に出すポケモンのカードを置く場所。5匹まで同時にベンチに置くことができる。ベンチに置かれたポケモンはベンチポケモンと呼ばれ、バトルポケモンと合わせて場のポケモンと呼ばれる。カードに「自分/相手のポケモン」などと表記がある場合は、基本的に自分/相手の場のポケモンを指す。
サイド
相手のポケモンを何匹「きぜつ」させたかがわかるように、カードを裏にして置いておく場所。ゲームの初めに、スタンダードデッキでは6枚、ハーフデッキでは3枚を山札から引き、置いておく。相手のポケモンが「きぜつ」した時、サイドからカードを1枚取り、手札に加える。複数の相手のポケモンが同時に「きぜつ」した場合は、その数だけサイドのカードをとる。サイドのカードはどの順番で取っても良いが、裏向きになっているサイドの表面を見てはならない。ポケパワーの効果などにより、一度に複数のサイドのカードをとる場合もある。先にサイドのカードをすべて取り終えたプレイヤーの勝利となる。サイドのカードは、ワザなどの効果でサイドに置いたまま表向きにすることや、手札のカードと入れ替える(この時、代わりにサイドに置くカードも裏にして置く)ことがある。指示もなくサイドのカードの表面を見ることはできない。
トラッシュ
「きぜつ」したポケモンや、使用済みのエネルギー、トレーナーズのカードなどを置く場所。トラッシュにカードを置くことを「トラッシュする」と言う。お互いのプレイヤーは、いつでも自分や相手のトラッシュのカードを自由に見ることができる。ワザなどの効果で、トラッシュのカードを山札や手札に戻すことがある。
スタジアム置き場
使用中のスタジアムを置く場所。プレイグラウンドに1箇所しかなく、お互いのプレイヤーで共有する。お互いのプレイヤーは、今場に出ているのと同じ名前のスタジアムのカードを出すことはできず、違う名前のカードが置かれる時、元のカードをトラッシュする。
なお、サポーター置き場は、ポケモンカードゲームBWからサポーター(現・サポート)の使用方法が変更されたため廃止された。
ロストゾーン
一部のワザやポケパワーなどの「ロストゾーンにおく」という効果によりカードが送られる場。場所はサイドの左外側とされており、プレイグラウンドには含まれない。ポケモンカードゲームDP(破空の激闘)から追加された。ロストゾーンに置かれたカードはお互いいつでも見ることができる。ワザなどの効果でカードを参照する(枚数を数えてダメージ計算する、ポケモンのカードに書かれたワザを使うなど)ことはできるが、トラッシュと異なり、ロストゾーンに送られたカードはその対戦中は再び使用することができない。
手札
山札から引いたカードは、対戦相手に見えないように手に持っておく。このカードを手札という。手札のエネルギーを1ターンに1度自分のポケモンにつけたり、手札のトレーナーズのカードを使ったり(サポート・スタジアムは1ターンに各1度だけ)、手札の進化ポケモンを自分のポケモンにのせて進化させたり、手札のたねポケモンをベンチに出したりできる。お互いのプレイヤーは、いつでも相手の手札の枚数を確認することができるが、指示もなく相手の手札の内容を見ることはできない。手札に枚数制限はなく、何枚でも持つことができる。プレイヤーが指示もなく手札をトラッシュすることはできない。
ダメカン(ダメージカウンター)
ポケモンの受けたダメージを表すためにポケモンのカードにのせるもの。公式のものは厚紙もしくはアクリル製である。1つで10ダメージ分を表す。ポケモンカードゲームDPからは1つで50ダメージ分を表すものが追加されたが、「ダメカン1つ」などと表記されている場合は10ダメージのダメカンを指す。公式のものがスターターパックなどに同梱されているが、対戦する両者が同意すれば私製のものを使ってもよいとされている。ポケモンに与えられたダメージは自然に回復することはなく蓄積する。
マーカー
ポケモンの「どく」「やけど」状態やワザごとの固有の効果を受けていることを表す。公式のものがスターターパックなどに同梱されているが、対戦する両者が同意すれば私製のものを使ってもよいとされている。今までかなりの種類のものが登場している。
コイントス
コインを指ではじき、表面(オモテ)が出るか裏面(ウラ)が出るかでワザなどの成功・失敗やダメージなどを判定すること。コイントスをすることを専らコインを投げるという。ワザなどの説明文で「コインを1回投げ」などと指示されたときに行う。コイントスは、オモテが出れば、コインを投げた人にとって有利なことが起こるようになっている(効果を使用したプレイヤーにとってではない)。
一部スターターセットにはコインのオモテ・ウラを簡単に出せる透明の二重サイコロが付属された(通称「サイコロコイン」)。コイントストラブルが起きにくいことから、公式大会においても使用されている。
きぜつ
受けているダメージがHPを超えたとき、また「ポケモンをきぜつさせる」という効果を受けたとき、ポケモンは「きぜつ」する。「きぜつ」したポケモンは付いているすべてのカードや進化・レベルアップ前のポケモンのカードとともにトラッシュされる。自分のバトルポケモンが「きぜつ」した場合、相手プレイヤーがサイドを1枚とった後、自分のベンチポケモンをバトル場に出し、新たなバトルポケモンとする。自分もダメージを受けるワザなどでお互いのバトルポケモンが同時に「きぜつ」することもあるが、その場合は先にワザを受けた側のプレイヤーがベンチポケモンをバトル場に出し、そのあとワザを使った側のプレイヤーがベンチポケモンをバトル場に出す。
ポケモンチェック
お互いのプレイヤーのターンが終わると、ポケモンチェックを行う。ポケモンチェックはどちらのプレイヤーのターンでもない。ポケモンチェックは、どちらのターンが終わった後のものかにかかわらず、両方のプレイヤーのポケモンが対象となる。ポケモンチェックでは、後述の「特殊状態」の処理を行う。複数のポケモンが特殊状態になっているときは、プレイヤーが任意の順番で処理を行う。複数の特殊状態になっているポケモンは、上で記述した順番に処理を行う。ポケモンチェックの時に効果が働くポケボディーや「ポケモンのどうぐ」があれば、ポケモンチェックの間の任意のタイミングで処理を行う。ポケモンチェックでできることがすべて終わった後、受けているダメージがHP以上になったポケモンはすべて「きぜつ」する。
にげる
バトルポケモンをベンチに戻すこと。ベンチポケモンがいない場合は行えない。にげるために必要なエネルギー(にげるエネルギー)の個数分のエネルギーをトラッシュした後、新たにベンチポケモンをバトル場に出し、新たなバトルポケモンとする。初期は1ターンに何回でも行えたが、現在は1ターンに1回しか行えない。にげるエネルギーがないポケモンは、エネルギーをトラッシュせずににげることができる。なお、「~の化石」などは逃げることができないが、これらのカードは任意にトラッシュすることができ(この効果は「きぜつ」ではない)、代わりにベンチポケモンをバトル場に出すことができる。

タイプ

カードゲームでは、10種類のタイプが登場する。ポケモンおよびエネルギーはそれぞれ1つのタイプを持つ(例外もある)。ゲーム版ではタイプは17種類だが、カードゲームではある程度簡略化されている。ゲーム版において複数のタイプを持つポケモンは、カードゲームではタイプの異なる複数の種類のカードが発売されることが多い。ポケットモンスター (ゲーム)#ポケモンのタイプも参照。

草タイプ(くさ-)
ゲーム版におけるくさタイプ、むしタイプのポケモンが属する。葉っぱのマークで表される。ポケモンカードゲームDP以前のシリーズでは、どくタイプもここに属した。
炎タイプ(ほのお-)
ゲーム版におけるほのおタイプのポケモンが属する。のマークで表される。ゲームにおけるほのおポケモン自体の種類が少ないため、他タイプに比べ数が少ない傾向にある。炎の抵抗力を持つポケモンは特殊なタイプを除いてほぼ存在しない。
水タイプ(みず-)
ゲーム版におけるみずタイプ、こおりタイプのポケモンが属する。水滴のマークで表される。ゲームにおけるみずポケモン自体の種類が多いため、数が多い傾向にある。
雷タイプ(かみなり-)
ゲーム版におけるでんきタイプのポケモンが属する。黄色稲妻のマークで表される。炎タイプと同様の理由により数が少ない。
超タイプ(ちょう-)
ゲーム版におけるエスパータイプやゴーストタイプ、どくタイプのポケモンが属する。のマークで表される。ポケモンカードゲームDP以降ではどくタイプがここに属している。
闘タイプ(とう-)
ゲーム版におけるいわタイプやじめんタイプ、かくとうタイプのポケモンが属する。茶色のマークで表される。
無色タイプ(むしょく-)
ゲーム版におけるノーマルタイプやドラゴンタイプ、ひこうタイプのポケモンが属する。六芒星のようなマークで表される。基本的に特定のタイプのエネルギーを必要としないが、ポケモンカードe以降では、ゲーム版でドラゴンタイプであるポケモンは複数のタイプのエネルギーを必要とする場合も多い。
悪タイプ(あく-)
ゲーム版におけるあくタイプのポケモンが分類される。、弧を下にした三日月のマークで表される。ゲーム版『金・銀』であくタイプが追加されたことに伴い、ポケモンカード★neoから追加された。neoでは、新しいタイプであることを示すマークがつけられていた。炎タイプと同じく、通常のタイプのポケモンで悪タイプに抵抗力を持つものはほぼ存在しない。
鋼タイプ(はがね-)
ゲームにおけるはがねタイプのポケモンが分類される。銀色、逆三角形の周囲を三本の曲線で囲んだようなマークで表される。悪タイプと同様、ゲーム版『金・銀』ではがねタイプが追加されたことに伴い、ポケモンカード★neoから追加された。neoでは、新しいタイプであることを示すマークがつけられていた。
ドラゴンタイプ
ゲーム版におけるドラゴンタイプのポケモンが属する。金色(に近い色)、のようなマークで表される。ポケモンカードBWから追加された。久しぶりの新タイプの登場だけあって、ドラゴンタイプからの弱点、抵抗力を持つ別タイプに属するポケモンはおらず、(2012年1月現在)「ドラゴンタイプの弱点は、ドラゴンタイプ」となっている。これは、ゲーム版と同じ仕様である。タイプがランダムで変わるのは、無色から変更され、草から超に変わったどくタイプ以来。むしタイプにもこおりタイプにも適応する。

ポケモンのカードの内容

HP
ポケモンごとに設定されたヒットポイント(体力)。受けているダメージの合計がHP以上になったポケモンは「きぜつ」する。必ず10の倍数である。
ワザ
ポケモンの持つ技。ワザを使用すると相手にダメージや効果を与えたり、特別な効果を発揮する。ワザごとに、ダメージや効果、必要とされるエネルギー(ワザエネルギー)が設定されている。ポケモンカードゲームDPからは、エネルギーを必要としないワザも一部存在する。特に指示がなければ、ワザを使ってもエネルギーカードはトラッシュせずそのままにしておく。基本的にワザを使用すると、そのプレーヤーの番は終了する。ワザは失敗することもあるが、失敗した場合もワザは使用したことになる。
なお、ワザエネルギーのタイプは必ずしもポケモンのタイプとは一致しない。たとえば「なみのりピカチュウ」はタイプのポケモンであるが、ワザ「なみのり」を使うにはエネルギーが必要である。
ワザの「ダメージ」と「効果」
ポケモンの技には、「ダメージ」と「効果」がある。ワザ名の右にある数字はワザのダメージを表す。ワザ名の下にある文章はワザの説明文を表す。ワザの説明文のうち、「ダメージを与える/追加する」などはワザのダメージであり、「相手をベンチポケモンと入れ替える」などはワザの効果である。また、「相手にダメカンをのせる」「相手を『きぜつ』させる」などはダメージでなく効果であるので注意が必要である。
持続する効果
「次の自分の番、ワザのダメージや効果を受けない」などといった、一定の期間続く効果のことを「持続する効果」という。ポケモンが受けている持続する効果は、バトル場を離れたり、進化・退化・レベルアップ・レベルダウンをすることで消える。プレイヤーが受けている持続する効果は、その効果が続く間はなくなることはない。
ポケパワー
一部のポケモンが持つワザ以外の能力。ワザとは異なり、エネルギーを必要とせず、また通常は使ってもターンは終わらない。使用の際には宣言が必要とされ、使用条件や回数が制限されているものもある。ポケモンが特殊状態の時には使用できないものも多い。ポケモンカード★neoまではすべて「特殊能力」と表記されていた。パワー名は赤い文字で表記される。
ポケボディー
ポケパワー同様、一部のポケモンが持つワザ以外の能力。ポケパワーと異なり、ポケボディーを持つポケモンが場に出ているだけで自動的に効果が働いている。ポケモンカード★neoまではすべて「特殊能力」と表記されていた。ボディー名は緑色の文字で表記される。
特性
BWシリーズから登場。ポケパワーのように自分の番に使えるものと、ポケボディーのように自動的に働くものがある。特殊能力・ポケパワー・ポケボディーとは似ているが別物として扱う。
きのみ(木の実)・どうぐ(道具)
一部のポケモンは「きのみ」や「どうぐ」を持っている。これらはポケボディーのように自動で何度でも働く。
弱点
ポケモンが苦手とするタイプ。弱点に設定されたタイプのポケモンからワザを受けた場合、受けるダメージが増加する。弱点のタイプとは、ポケモンについているエネルギーのタイプではなくポケモン自身のタイプであることに注意が必要である。ポケモンカードゲームシリーズまでは一律に2倍とされ、個別には記載されていなかったが、ポケモンカードゲームDPからは増加量(+10~40、および2倍)が個別に設定、記載されている。ポケモンカードゲームLEGENDからは再び一律に2倍となった。弱点を持たなかったり、複数のタイプを弱点とするポケモンも存在する。自分にダメージを与える場合にも適用される。
抵抗力
ポケモンが抵抗力を持つタイプ。抵抗力に設定されたタイプのポケモンからワザを受けた場合、受けるダメージが減少する。以前は一律に「-30」とされていたが、ポケモンカードゲームDP以降は減少量が個別に記載されている。ポケモンカードゲームLEGENDからは一律に「-20」となった。弱点に比べると抵抗力を持つポケモンは少ない。複数のタイプに対する抵抗力を持つポケモンも存在する。自分にダメージを与える場合にも適用される。
弱点・抵抗力のタイプとは、ポケモンについているエネルギーのタイプではなくポケモン自身のタイプであることに注意が必要である。
にげるエネルギー
ポケモンが「にげる」(後述)をする際にトラッシュしなければならないエネルギーの個数。無色タイプのマークが記載されている。このマークの個数がにげるエネルギーの個数である。ここにマークがないポケモンはにげるエネルギーがない。トラッシュするエネルギーは、にげるエネルギーの個数を満たしていればどのタイプのエネルギーでもよい。
にげるエネルギーの個数はポケモンの体格や能力にある程度影響されており、小柄・身軽(鳥ポケモンなど)なものは必要なエネルギーが少ない、大柄・鈍重なものは必要なエネルギーが多い傾向にある。ゲーム版ですばやさが高いポケモンなら逃げるエネルギーが少ないとは限らない。たとえば、ゲーム版ではほとんどのポケモンは進化するとすばやさが上がるが、カードゲームでは多くのポケモンは進化するとにげるエネルギーが増える。

特殊状態

主にワザの効果によってもたらされる効果。5種類が存在し、ゲーム版と違って複数の状態が重なることがある。ただし、「ねむり」「マヒ」「こんらん」は互いに重ならず、後に受けたものに上書きされる。また「どく」と「どく」、「やけど」と「やけど」も重ならず、後に受けたものに上書きされる。たとえば、いわゆる「どくどく」(2倍の毒)状態のポケモンが普通のどくを受けると、普通のどく状態になる。バトル場を離れる、進化・退化、レベルアップ・レベルダウンを行う、特定のトレーナーズの効果を受けるなどにより回復する。

どく
ポケモンに「どくマーカー」をのせることで表される。どく状態のポケモンには、ポケモンチェックのたびにダメカンを1個のせる。ワザの使用、「にげる」などは自由に行える。ポケモンチェックごとにのせるダメカンの数が2個以上である「どく」もあり、俗にどくどく(2個の場合)やさんばいどく(3個の場合)バッドポイズン(4個の場合)などと呼ばれる。
やけど
ポケモンに「やけどマーカー」をのせることで表される。やけど状態のポケモンには、ポケモンチェックのたびにコイントスを行い、ウラならダメカンを2個のせる。ワザの使用、「にげる」などは自由に行える。「どく」と同様、のせるダメカンの数が通常より多い「やけど」が存在する。
ねむり
ポケモンのカードを横向きにすることで表される(左右どちらでも可)。ねむり状態のポケモンは、特別な場合を除いてワザが使えず、「にげる」もできない。ポケモンチェックのたびにコインを1回投げ、オモテなら回復する。ポケモンチェックのたびにコインを2回投げ、2回ともオモテでなければ回復しない「ねむり」も存在する(俗にねむりねむりと呼ばれる)。
マヒ
ねむりと同様、ポケモンのカードを横にすることで表される。マヒ状態のポケモンはワザが使えず、「にげる」もできない。自分のターンの直後に行われるポケモンチェックの時に自動的に回復する。かつてはカードを横にする向きでマヒとの表示上の区別をしていたが、現在は区別しなくてもよいことになっている。
こんらん
ポケモンのカードを前後逆向きにすることで表される。こんらん状態のポケモンはワザの使用時にコインを投げ、オモテならワザを使用できる。ウラならワザは失敗し、そのポケモンにダメカンを3個のせる(それ以上のせるものもある)。「にげる」は自由に行える。ポケモンチェックの際に回復したりしない。
初期は「ワザが失敗した場合、成功時に与えるはずのダメージを受ける」「『にげる』の時もコイントスを行い、表なら成功。裏なら逃げられずエネルギーのみ失い、そのターンは『にげる』が行えなくなる」という効果であった。

進化など

進化
ポケモンのカードに書かれた進化系統に従って、進化前のポケモンに進化形のポケモンをのせること。進化することで、ポケモンが受けていた特殊状態から回復し、「持続する効果」もなくなるが、つけているエネルギーや「ポケモンのどうぐ」、ダメカンはそのままにしておく。進化すると進化前のポケモンとは別のポケモンになるため、進化前のポケモンのワザやポケパワーは使えなくなり、ポケボディーや持っていた「きのみ」「どうぐ」も働かなくなる。
進化は1ターンに何度でも行えるが、そのターンに場に出したばかりのポケモンはそのターンには進化させられない。すなわち、そのターンに進化させたばかりのポケモンも「場に出したばかり」とし、そのターンにもう一度進化させることはできない。また、お互いのプレイヤーの最初のターンには進化させることはできないが、これも同じ理屈であると解釈されている。なお、進化は「たねポケモン→1進化ポケモン」「1進化ポケモン→2進化ポケモン」と段階的に行い、指示無く「たねポケモン→2進化ポケモン」と1進化ポケモンを飛ばしての進化はできない。
退化
ワザの効果などによって、「退化させる」と指示された場合のみ起こる現象である。進化形のポケモンのカードを対象からはがし、1進化前のポケモンへと退化させる。このとき、トレーナーズ「ふしぎなアメ」などにより飛び級の進化をしているなら、飛び級の退化をさせることになる。退化することで、ポケモンが受けていた特殊状態から回復し、「持続する効果」もなくなるが、つけているエネルギーや「ポケモンのどうぐ」、ダメカンはそのままにしておく。なお、自分のポケモンであっても、指示もなく自由にポケモンを退化させることはできない。
退化した場合も別のポケモンとなるため、進化した場合と同様、そのターンに進化させることはできない。
退化することでポケモンのHPが小さくなり、受けているダメージ以下になった場合、そのポケモンは「きぜつ」する。

ルール

本項では、BWシリーズの登場に合わせて発表された基本的なルールを説明する。このルールをプレイルールと呼ぶ。公式大会などでは、運営・進行の円滑化を図るため、プレイルールに調整を加えたレギュレーションと呼ばれる特別ルールを使用することが多い。

ポケモンカードゲームのルールは非常に複雑であり、また新たな商品が発売されるたびに変更されるため、詳細なルール、最新のルールは公式サイトで確認のこと。

なお、公式大会など以外では、お互いが納得できるなら必ずしもこのルールに従う必要はなく、オリジナルのルールを用いてもよいということになっている。

基本ルール

  • 対戦は基本的に2名のプレーヤーにより、1対1で行われる。
  • 使用するデッキは、60枚であるスタンダードデッキと、30枚であるハーフデッキがある。「基本エネルギー」を除き、スタンダードデッキには同名のカードを4枚まで、ハーフデッキには同名のカードを2枚まで入れられる。どちらのデッキを用いるかで一部のルールが異なる。ルールに違いがあれば、その違いを説明する。
  • プレイルールの内容とカードの説明文が異なる場合は、カードの説明文を優先する。これにより、ワザの効果などで1ターンに複数のエネルギーをポケモンにつけたり、飛び級の進化をしたりもできる。また、「○○する」という効果と「○○できない」という効果が重なった場合は「○○できない」のほうを優先する。また、「ワザのダメージ/効果を受けない」という効果と「すべての効果に関係なくダメージを与える」という効果が重なった場合などは、「すべての効果に関係なく」のほうを優先する。

プレイの流れ

  1. よくシャッフルしたデッキを山札とし、対戦開始時にそこから互いに7枚のカードを引いて手札とし、その中からたねポケモンか「~の化石」(以下、「たねポケモンなど」という。)を裏にしてバトル場に出す。そのうえでさらに手札にたねポケモンなどがあるなら、好きなだけそれを裏にしてベンチに出してもよい(出さなくてもよい)。最初に引いた7枚にたねポケモンなどが含まれない場合、相手に確認させたうえでデッキに戻し、シャッフルしたうえで手札を引き直す。相手が引きなおす際、自分は山札からカードを1枚余分に引き、手札に加えてもよい(加えなくてもよい)。それがたねポケモンなどならば、ベンチに出すこともできる。ただし、バトル場のポケモンと入れ替えることはできない。
  2. サイドをセットする。カードを山札の上から6枚(ハーフデッキルールなら3枚)取り、裏にしたままサイドに置く。
  3. 先攻のプレイヤーのターン。初めに山札からカードを1枚引く。引けなければその時点で負けとなる(最後の1枚を引いた時点では、まだ負けではない)。
  4. ターン中には、a.ポケモンにエネルギーカードをつける(1ターンに1度、1枚だけ)、b.トレーナーズのカードを使用する、c.ベンチにたねポケモンなどを出す、d.ポケパワー・特性を使う、e.「にげる」をする(1ターンに1度だけ)、f.ポケモンを進化させる(お互いのプレイヤーの最初のターンは不可) - 以上の6つのことを、任意の順番・タイミングで、回数に制限のない限り何度でもおこなえる。
  5. ポケモンのワザを使用する、またはワザを使用しないことを宣言することでターンが終了する。
  6. ポケモンチェックを行う。
  7. 後攻のプレイヤーのターン。3.から5.を行う。
  8. ポケモンチェックを行う。

以下、決着がつくまで3.から8.を交互に繰り返す。

勝敗の判定

どちらかのプレイヤーが以下の条件を満たした場合、以下の説明に従って勝敗が決定する。

サイドを取り終える
相手のポケモンが何らかの理由で「きぜつ」するたびにサイドに置いたカードを1枚取り、手札に加える。サイドを取り終えた時点で、そのプレイヤーの勝利となる。
バトル場にポケモンが出せない
バトル場のポケモンが「きぜつ」するなどしていなくなった場合、ベンチのポケモンをバトル場に出す。バトル場にポケモンが出せないと、そのプレイヤーの敗北となる。
山札が引けない
ターンの初めにカードを1枚引く。この際、山札が引けない(山札にカードがない)場合、そのプレイヤーの敗北となる。ターン中に山札のカードがなくなっても(ターンの初めに山札の最後の1枚を引いたときなど)、その時点では敗北とならない。あくまでターンの初めに山札からカードを引けなくなった時点である。 
カードの効果での勝利
このゲームはルールで勝利する他、カードを使ってその効果で勝利する事も出来る。現在そういった効果を持つカードは「バトル強化パックロストリンク」のロストワールド一枚のみ。(条件は、使用者から見て相手側のロストゾーンに6枚以上ポケモンのカードがある事。)

両者が同時にサイドを取り終える、互いにバトル場にポケモンを出せないなど、勝利・敗北条件が重なった場合は、勝利条件の多いほうのプレイヤーの勝利となるが、両者同数となった場合は引き分けとなるか、サドン・デスを行って決着をつける。サドン・デスでは、サイドを1枚のみセットし、最初から対戦をやり直す。

特殊ルール

殿堂ルール
初期のポケットモンスターカードゲームにて中期から登場した大会用ルール。強力なカードに対して、その強さに応じ★が付けられる。星の数は1~3まで存在する。デッキには★の数が合計で4となるまでしかカードを入れることができない(4未満でもよい)。一時期廃止されていたが、ポケモンカードゲームBWになった後の2011年に復活した。
40枚デッキルール
初期シリーズのイントロパックのルール。基本的な進行はスタンダードデッキと変わらない。
ガルーラルール
二人一組で行なう。ただし、実際に卓についてプレイするのは1人ずつ。デッキは前の裏面のカード29枚+「タッチ世代交代!」と今の裏面のカード29枚+「タッチ世代交代!」の30枚デッキを2つ使う。
どちらかのチームのポケモンが「きぜつ」したとき、もしくは「タッチ世代交代!」が使用された際、プレイヤー、及び使用するデッキを交代してゲームを続ける。
初期で「タッチ交代!」のカードを4枚入れた計64枚のデッキを2つ使うルールもある。
ミニマムルール
デッキは6枚。サイド、山札はなしで手札はデッキのカード全て。「にげる」とき、トラッシュするエネルギーはすべて手札に戻る。相手のポケモンを1匹倒せば勝利。
クウォータールール
デッキは15枚。サイドは1枚。基本エネルギーを除く同名のカードは1デッキにつき1枚のみ。
プラスルマイナンルール
二人一組で行う。デッキは56~58枚のデッキに「タッチ交換!」のカードを2 - 4枚入れた60枚デッキ。手札は1人のプレイヤーにつき、最初に5枚引く。パートナーと相談してもよい。「タッチ交換!」が使用された際、パートナーと手札を交換する。1ターンごとにパートナーとプレイヤーを交代する。
ダブルバトル
バトル場にポケモンを2匹出してバトルをする。使用できるカードは「今のウラ面」のカードに限る。ベンチに出せるポケモンは4匹まで、自分の番ごとに使えるワザは片方のポケモンの一つだけで、どちらの相手ポケモンに攻撃しても良い。ポケモンカードゲームLEGENDで廃止された。

カードの種類

ゲームに使用されるカードはポケモンのカードエネルギーのカードトレーナーズのカードの3種類に大別される。

ポケモンのカード

ポケモンのカード。2011年7月現在の公式ルールで「ポケモンのカード」に分類されるのは、下記の4種類である。それぞれにワザやポケパワー、ポケボディーが設定されている。バトルはこれらのカードによって行われる。

基本的にゲーム版と同じ進化の段階を踏むが、かつて一度でもたねポケモンであったポケモンは、ゲーム版で進化前が追加されてもカードでは進化ポケモンになったりせず、進化前のポケモンがたねポケモンとして追加されるのみである。このことは、後述の「ベイビィポケモン」を参照。

BWシリーズでは通常のキラカードが該当する「レアカード」の他に、ポケモンのイラストがカード全面(テキスト欄含む)に描かれ 表面の素材がザラザラしたこれまでに無い仕様のSR(スーパーレアカード)、通常とは異なる種類のポケモンのカード[6]である隠しレアリティ「ウルトラレアカード」が存在する。スーパーレアカードのHPやワザ等の能力は全てレアカードの同種と同じである。

たねポケモン
手札から場に直接出すことの出来るカード。デッキにはたねポケモンを最低1枚入れなければならない。
進化ポケモン(しんか-)
手札から場に出ているポケモンに重ね、進化させるカード。たねポケモンに重ねる「1進化ポケモン」、1進化ポケモンに重ねる「2進化ポケモン」が存在する。そのターンに場に出したり進化したポケモンは進化させることができない。ただし、ワザの効果や、トレーナーズ「ふしぎなアメ」などを使っての進化は可能。
伝説ポケモン(でんせつ-)
ポケモンカードゲームLEGEND拡張パック第1弾「ハートゴールドコレクション・ソウルシルバーコレクション」から登場。通常のポケモンと別名のカードとして扱われる。伝説ポケモンは上下2枚で1匹のポケモンであり、手札に上下2枚がそろっているときのみ上下2枚を組み合わせてベンチに出せる。「進化していないポケモン」であるが、「たねポケモン」とはルール上区別される。上のカードと下のカードは同名のカードとして扱われる。
復元ポケモン(ふくげん-)
ポケモンカードゲームBW拡張パック第2弾「レッドコレクション」から登場。現在プロトーガアーケンなどが存在する。これまでの「○○の化石」から進化する1進化ポケモンとは異なり、グッズ「フタの化石」「ハネの化石」の効果によってベンチに出す。復元ポケモンはたねポケモンでも進化ポケモンでもない。

特殊なポケモン

そのほか、以下のような細かい分類がある。なお、以下のカードも「たねポケモン」「進化ポケモン」「伝説ポケモン」のいずれか一種に分類される。

グレートポケモン
ポケモンカードゲームLEGEND拡張パック第1弾「ハートゴールドコレクション・ソウルシルバーコレクション」から登場。通常のポケモンと同名のカードとして扱われる。通常のポケモンよりHPが高く、強力なワザやポケパワー・ポケボディーを持つ。カードのデザインや封入率が異なるのみで、カードに「グレート」などと記されているわけではなく、普通のポケモンとのルール上の違いはない。
ポケモンex(-エクストラ)
ポケモンカードゲームADV拡張パック第1弾から登場。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われる。HPが高かったり特殊な効果を持ち非常に強力なものが多いが、「きぜつ」した場合、相手にサイドを2枚取られるというルールを持つ。また、たとえば「ストライク(ex)」とあれば、ストライクとストライクexのどちらでもよいことを示す。現在ADVシリーズのカードは公認大会では使用不可となったがBWシリーズで「ポケモンEX(イーエックス)」という名称のポケモンのカードが、ルールはそのままで再登場している。
2つのタイプを持つポケモン
ポケモンカードゲームADV強化拡張パックex1「マグマVSアクア ふたつの野望」から登場。2つのタイプを持ち、弱点や抵抗力の計算などの際には両方のタイプとして扱われる。タイプのアイコンはその複合タイプ専用のものが表示され、説明文で2つのタイプを持つことが明記されている。
現行のカードでは、LEGENDシリーズの「伝説ポケモン」に2つのタイプを持つものが一部存在する。タイプのアイコンは通常のものが2つ並んで表示されている。
過去に存在した特殊なポケモン

以下は現在の基本的な公式大会では使用できない、過去のシリーズにおいて存在した種類である。

わるいポケモン
ポケットモンスターカードゲーム拡張パック第4弾「ロケット団」から登場。ルール上「進化ポケモン」として扱われる。通常のポケモンから進化させることで利用できるが、通常のポケモンとは別名のカードとして扱われる。HPが低めに設定されている反面、強力なワザを持つものが多い。わるい2進化ポケモンはわるい1進化ポケモンからしか進化できない。
~のポケモン
GYMシリーズより登場。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われ、通常のポケモンに進化・レベルアップすることはできない。ポケモン名の前に「~の」というふうにトレーナーの名前や地名、所属などを表す名称が付く。
ベイビィポケモン
ポケモンカード★neo拡張パック第1弾「金、銀、新世界へ...」から登場。ルール上「たねポケモン」として場に出すことができ、特定のたねポケモンを進化ポケモンとして重ね、進化させることができる。ベイビィポケモンがバトル場にいる場合、相手はワザを使用する際にコイントスを行い、裏ならワザは失敗するという特別ルールが適用される。ピチューなど、『ポケットモンスター 金・銀』以降に登場した既存のポケモンの進化前がこれに分類される。
ポケモンカードゲームADV以降は、分類としての「ベイビィポケモン」は廃止され、通常の「たねポケモン」に統合された。これらのポケモンは、ポケパワー「ベイビィしんか」の効果で特定のたねポケモンへと進化できる。この進化はポケパワーの効果による特別なものであるため、グッズ「ふしぎなアメ」などの効果では進化できない。
ポケモンカードゲームLEGENDでは「ベイビィしんか」はなくなり進化しないたねポケモンとなったが、代わりにねむり状態ならワザのダメージを受けないというポケボディー「てんしのねがお」と、必ず自分自身をねむりにするワザを持つ。また、すべて弱点や抵抗力がなく、ワザエネルギーやにげるエネルギーも不要である。
やさしいポケモン
ポケモンカード★neoから登場。進化ポケモン。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われる。自分のみならず、相手にもプラス効果をもたらす能力を持つものが多い。わるいポケモンとは逆にHPが通常より高く設定されている。
ひかるポケモン
ポケモンカード★neoから登場。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われ、1種類につき1枚しかデッキに入れることができない。ゲーム中に登場する色違いのポケモンがこれに分類される。多くのものは自分と異なるタイプのエネルギーを必要とするワザを持つ。また、すべてたねポケモンである。
ポケモン☆(-スター)
ポケモンカードゲーム拡張パック第2弾「蒼空の激突」から登場。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われ、1枚しかデッキに入れることができない。ひかるポケモンと同様、色違いのポケモンがこれに分類される。こちらもすべてたねポケモンである。
δ-デルタ種(-しゅ)
ポケモンカードゲーム拡張パック第6弾「ホロンの研究塔」から登場。通常のポケモンと同名のカードとして扱われる。通常とは異なるタイプを持ち、一部には2つのタイプを持つポケモンも存在する。またδ-デルタ種のポケモンex、δ-デルタ種のポケモン☆も存在する。
ポケモンLV.X(-レベルエックス)
ポケモンカードゲームDP拡張パック第1弾「時空の創造」から登場。通常のポケモンと同名のカードとして扱われる。バトル場の同名のポケモンに重ね、レベルアップさせるカード。そのためハーフデッキにはレベルアップ前のものと1枚ずつしか入れられない(例:ナエトルハヤシガメに進化→ドダイトスに進化→ドダイトスLV.Xにレベルアップ。この場合ハーフデッキにはドダイトスとドダイトスLV.Xをそれぞれ1枚ずつしか入れられない)。「たねポケモン」「進化ポケモン」とはルール上明確に区別される[7]
SPポケモン(スペシャル-)
ポケモンカードゲームDPt拡張パック第1弾「ギンガの覇道」から登場。通常のポケモンとは別名のカードとして扱われ、ポケモン名の後ろにトレーナーの所属などを表すマーク(G【ギンガ】、FB【フロンティアブレーン】など)が付く。本来進化形のポケモンであっても、SPポケモンはすべて「たねポケモン」か「ポケモンLV.X」であり、「たねポケモン」として扱われる。

エネルギーのカード

場のポケモンにつけて使用するカード。手札から1ターンに1枚のみつけることができる。ワザの使用や「にげる」ために必要となる。基本エネルギー特殊エネルギーに分かれる。

基本エネルギー

特殊な効果を持たないエネルギー。デッキに何枚でも入れることができる。草・炎・水・雷・超・闘・悪・鋼の8つのタイプのものがある。悪・鋼エネルギーは従来は特殊エネルギーのみ存在していたが、『ポケモンカードゲームDP』からは基本エネルギーとしても登場している。

特殊エネルギーカード

特殊な効果を持つエネルギー。1種類につき、デッキに4枚まで入れることができる。多彩な種類があるが、主なものを以下に記述する。

無色二個エネルギー・ダブル無色エネルギー
無色エネルギー2個分としてはたらく。最初期のスターターパックから登場している。かつては大会で猛威を振るい、殿堂ルールでは★2の殿堂カードに指定されていたことがある。
特殊悪エネルギー
悪タイプのエネルギーとして扱われる。悪タイプのポケモンにつけると、つけた数だけそのポケモンのワザによるバトルポケモン(自分/相手)へのダメージは+10される。ただし、悪タイプのポケモン以外に付いている場合、この効果は無くなる。
『ポケモンカードゲームneo』までは悪タイプのポケモン以外に付いている場合、ポケモンチェックごとに10ダメージを受けるが、どのポケモンに付いている場合でもワザによるダメージを+10するものだった。
ポケモンカードゲームまではわるいポケモンに付けても+10されていたが、『ポケモンカードゲームDP』からは悪タイプのポケモンのみとなった。
特殊鋼エネルギー
鋼タイプのエネルギーとして扱われる。鋼タイプのポケモンにつけると、付けた数だけワザによるダメージは-10される。自分にダメージを与えるワザでの自分へのダメージも軽減できる。ただし、鋼タイプのポケモン以外に付いている場合、この効果は無くなる。
ポケモンカードゲームneoまでは鋼タイプのポケモン以外に付いている場合、ワザで与えるダメージが-10されるが、どのポケモンに付いている場合でも相手のワザによるダメージを-10することができた。あまりにも汎用性が高く、ワザ以外のダメージを与えられるポケモンと組み合わせての凶悪なコンボが氾濫した。
レインボーエネルギー
ポケモンに付いている限り、全てのタイプのエネルギー1個分として扱われる。ただし悪・鋼エネルギー等、他の特殊エネルギーの追加効果は得られない。このカードを手札から出してポケモンに付けた場合、そのポケモンにダメカンを1個のせる。ポケモンについていない時は、無色エネルギー1個分として扱う。 
ブレンドエネルギー
ポケモンカードゲームBW 第5弾「リューズブラスト/リューノブレード」から登場。主にどのカードも4色の基本エネルギー1個分として扱う事が出来る。また、レインボーエネルギーのように 手札からポケモンに付けてもダメカンがのらない為レインボーエネルギーの軽量版と言える。

トレーナーズのカード

戦闘を補助するカード。グッズサポートスタジアムの3種類に分類される。『ポケモンカードゲームLEGEND』までは分類が「トレーナーのカード」であったが、『ポケモンカードゲームBW』から「トレーナーズ」に改称された。同時にルール変更として、先攻プレイヤーの最初のターンでも使えるようになった。

グッズ

グッズは更に以下の3種類に分かれる。いずれも1ターン中に何枚でも使用できる。『ポケモンカードゲームDPt』までは「トレーナー」であったものが『ポケモンカードゲームLEGEND』の発売に合わせて現在の名称に変更となった。以前のシリーズの「トレーナー」も「グッズ」として扱う。

グッズ
基本的に使用後すぐにトラッシュするが、場のポケモンにつけて使用するものもあった。 1ターンに多数使用できるため、コンボになりやすく、1ターンが長くなることもある。
ポケモンのどうぐ
場のポケモンにつけて使用する。指示がない限りこのカードはトラッシュせず、ポケモンにつけたままにしておく。1匹のポケモンに対し2枚以上つけることはできない。
ワザマシン
ポケモンにつけて使用する。カードにワザが書いてあり、このカードをつけたポケモンのワザとして使用できる(ワザエネルギーが必要)。ワザマシンの技を使用したターンの終了時にトラッシュするものもある。1匹のポケモンへの使える上限は特に無い。なので、いくつかワザマシンを付けて コンボにする事も可能だ。

サポート

1ターンに1枚しか使用できない。主に手札を充実させる効果を持ち、バトルの組み立てにおいて重要である。基本的にグッズより強力な効果を持つ。『ポケモンカードゲームLEGEND』までは「サポーター」であったものが『ポケモンカードゲームBW』の発売に合わせて現在の名称に変更となった。以前のシリーズの「サポーター」も「サポート」として扱う。同時に、ターン終了まではバトル場の横に置いておくというルールが無くなり、グッズ同様すぐにトラッシュするようになった。

スタジアム

場に出して使用する。1ターンに1枚しか使用できない。基本的に、効果はお互いのプレイヤーもしくはポケモンに影響する。バトル場の横の決められた場所に置いておき、別のスタジアムが出されたときは以前にあったスタジアムをトラッシュする。場に出ているものと同名のスタジアムを出すことはできない。ルールを変更するさまざまな効果を持ち、強力なコンボを生み出す。

発売タイトル

公式大会

コンピュータゲーム

ゲームボーイ用ソフト(『GB2』はゲームボーイカラー専用)として発売された。実際のカードゲームが再現されているが、複雑な効果をもつカードは収録されていない。ゲームオリジナルのカードも一部登場する。

ポケモンカードGB
1998年12月18日発売。第1弾から拡張パック第3弾「化石の秘密」までに登場したカードが中心に登場する。ゲームオリジナルのカイリューのカードが付属した。
ポケモンカードGB2 GR団参上!
2001年3月28日発売。前作に登場したカードに加え、拡張パック第4弾「ロケット団」と拡張シートで登場したカードが中心に登場。「GR団のミュウツー」が付属した。

ポケモンカードゲーム Online

2009年11月20日から2010年8月31日までの期間限定で、Webサイト上で人間同士のオンライン対戦が可能になるサービス。人間同士のオンライン対戦は、ポケモンカードゲームでは初である。デッキはあらかじめ用意されているものを使用し、改造はできないが、順次追加される。アクセスするには登録が必要で、登録には「エキスパートデッキ リーフィアVSメタグロス +Online」に同梱されているアクセスナンバーが必要である。

このサービスで対戦をするとポイントを得られ、ポイント数が上位の者にはデスクトップ用の壁紙がプレゼントされる。

このサービス内では定期的にオンライン大会が開催される。また、このサービスを利用したポケモンワールドチャンピオンシップスの「ポケモンカードゲーム Online予選」も開催される。

参考文献

デンゲキニンテンドーDS編集部『ポケモンカードゲーム 公式ルールブック+デッキ構築理論 2009年版』アスキー・メディアワークス、2009年。ISBN 978-4-04-867789-9 

脚注

  1. ^ ポケットモンスターカードゲームができるまで - 任天堂オンラインマガジン 1999年9月号 (No.13)
  2. ^ 事業紹介”. 株式会社ポケモン. 2011年10月27日閲覧。
  3. ^ 累計2億6千万個販売 「ポケモンキッズ」が15周年企画”. アニメ!アニメ! (2011年8月23日). 2011年10月27日閲覧。
  4. ^ ポケモンキッズ15周年特別企画が続々登場!” (PDF). 株式会社バンダイ (2011年8月23日). 2011年10月27日閲覧。
  5. ^ ポケットモンスター (1996~1998) - Case Study、木村誠、早稲田大学IT戦略研究所
  6. ^ BWシリーズ第1弾「ブラック・ホワイトコレクション」では、全てイッシュ図鑑のポケモンであることをコンセプトに置いているが、ウルトラレアのカードは唯一例外のピカチュウである。
  7. ^ ただし、ポケモンLV.Xが場にあるときは、レベルアップ前が進化ポケモンなら進化ポケモン、たねポケモンなら「たねポケモン」として扱われる。

関連項目

外部リンク