ケーシー・マギー
フリーエージェント | |
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楽天時代(2013年3月16日、マツダスタジアム) | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州サンタクルーズ |
生年月日 | 1982年10月12日(41歳) |
身長 体重 |
6' 1" =約185.4 cm 220 lb =約99.8 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 三塁手、一塁手 |
プロ入り | 2003年 ドラフト10巡目(全体283位)でシカゴ・カブスから指名 |
初出場 |
MLB / 2008年9月2日 NPB / 2013年3月29日 |
最終出場 | NPB / 2013年 |
年俸 | 1億円+出来高(2013年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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ケーシー・マイケル・マギー(Casey Michael McGehee , 1982年10月12日 - )は、アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンタクルーズ出身のプロ野球選手(内野手)、右投右打。現在はフリーエージェント。
経歴
プロ入りとカブス時代
2003年のMLBドラフトで、シカゴ・カブスから10巡目(全体283位)指名され、プロ入り。
2008年、AAA級アイオワ・カブスで自己最高となる12本塁打・92打点を記録。9月1日にメジャー初昇格を果たし[2]、2日の対アストロズ戦でメジャーデビュー。9試合の出場で打率.167・5打点の成績でメジャー1年目を終えた。
ブルワーズ時代
2008年10月29日、ウェイバー公示を経てミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した。
2009年はシーズン序盤に故障したリッキー・ウィークスに代わる二塁手として監督のケン・モッカから抜擢される[3]。シーズン途中にビル・ホールから三塁手のポジションを奪うと、リーグ新人最多の66打点、打率・長打率・本塁打は新人選手としてリーグ2位(本塁打はタイ)を記録[4]。9月にはメジャー全体でライアン・ハワードの27打点に次ぐメジャー2位タイの26打点を挙げ、9月12日の対ダイヤモンドバックス戦では新人選手として球団タイ記録となる1試合6打点を記録。この活躍で同月の月間最優秀新人選手に選出された[4]。オフに右膝のクリーニング手術を受けた[5]。
2010年は157試合に出場し、当時の球団記録となる104打点を記録。特に8月は好調で球団記録の9打席連続安打を達成。地元記者が選ぶチームMVPを獲得した[6]。
2011年は不調に苦しみ、8月3日には1試合3本塁打を放ったものの、レギュラー獲得後最低の打撃成績に終わる。また、シーズン20失策は三塁手としてナ・リーグのワーストであった。
パイレーツ時代
2011年12月11日、ホセ・ベラスとのトレードでピッツバーグ・パイレーツへ移籍した。
ヤンキース時代
2012年、トレード期限の7月31日に左手首を骨折したアレックス・ロドリゲスの代役としてチャド・クオルズとのトレードでニューヨーク・ヤンキースへ移籍したが、22試合の出場で打率.151、1本塁打、OPS.484の成績を喫する。シーズン終了後には読売ジャイアンツへの入団が報じられたが、「一軍で不振なら二軍で調整」などの条件を拒否したことから、入団に至らなかった。
楽天時代
2012年12月23日に東北楽天ゴールデンイーグルスと1年契約で入団に合意したことが発表[7]。2013年1月29日には、前年途中からヤンキースでチームメイトになっていたアンドリュー・ジョーンズと揃って入団会見に臨んだ。
2013年は、オープン戦でチーム唯一の全試合出場を果たすが、打率.200、0本塁打、2打点に終わった。しかし、開幕を一軍で迎えると、3月31日の福岡ソフトバンクホークス戦で2安打3打点と活躍[8]。4月21日の千葉ロッテマリーンズ戦では日本では初の1試合2本塁打を放った[9]。シーズン前半は、4月を打率4割で終えたり、パシフィック・リーグの打率でトップに立ったりするなど打撃面で好調を維持していた。9月に不振に陥ったことから、シーズン通算では打率は.292(リーグ12位)をマークし、28本塁打(リーグ2位タイ)と93打点(リーグ4位)を記録。主に「5番・三塁手」として、4番打者のジョーンズと共に打線を引っ張った。チームで唯一全試合出場を果たし球団史上初の日本一に貢献、パ・リーグベストナインにも選出された。
シーズン終了後には、マギーの残留を求める球団側の意向から、12月1日公示の契約保留者名簿にいったん掲載された。マギー自身は「日本でプレーを続ける場合には楽天に残留する」という意思を示す一方で[10]、先天性の脳障害を患う長男の療養などを背景にメジャーリーグ復帰の可能性も模索[11]。このような事情から、同月3日には、楽天が残留交渉を続けることを前提に[10]自由契約を公示された[12]。日本一の記念リングは翌年4月下旬にニューヨークで楽天オーナーの三木谷浩史から直接手渡される。「忙しい三木谷さんがわざわざ自分のために時間を割いてくれた。最高級の気配り。全く予期していなかったから驚いたし、うれしかった。早速、家に持ち帰って飾らせてもらった」と言い、楽天に所属した1年について「今までの野球人生のハイライトだよ」と語った[13]。
マーリンズ時代
2013年12月18日、マイアミ・マーリンズと1年契約で合意した[14]。
2014年はマーリンズの正三塁手として自己最多となる160試合に出場。メジャーで少なくとも1本塁打以上を放ったシーズンとしては、自己最少の4本塁打に終わったが、打率.287・177安打 (自己ベスト) ・76打点 (自己2位) という好成績をマークした。走塁面では、自己最高の4盗塁を決めた。守備成績は7失策、守備率.979、守備防御点-2だった。
ジャイアンツ時代
2014年12月20日にケンドリー・フローレス、ルイス・カスティーヨとのトレードで、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[15]。2015年シーズン開幕はメジャーで迎えたものの35試合の出場で打率.200、2本塁打と振るわず、5月24日にDFAとなり、26日にAAA級サクラメント・リバーキャッツに降格した[16]。6月5日に再昇格した[17]が6月30日に再びDFAとなった[17]。7月8日に自由契約となった[18]。
マーリンズ復帰
7月10日、ジェフ・ベイカーが15日間の故障者リストに登録されたマイアミ・マーリンズとメジャー契約を結んだ[19]。同年11月2日にFAとなった[20]。
タイガース傘下時代
2016年2月23日、デトロイト・タイガースとマイナー契約を結び、同年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[21]。
3月28日に自由契約となった[22]。
選手としての特徴
メジャーに定着した2009年から2010年にかけて得点圏打率.340を記録した勝負強さを備え、この間は打率.291、OPS.823の成績を残したが、2011年から2012年は通算打率.221、OPS.632と低迷し、得点圏でも打率.233を喫した。
右足に体重を残す打撃フォームを特徴とする。配球の読みがうまく[23]、インコースに強さをみせるが、2012年は外角低めを全く打てなかった[24]。一度調子を落とすと、復調するまでが長い[23]。
楽天所属前までは速球系に強い打者だったが、メジャーリーグ復帰後は変化球にも対応を見せている。「日本では投手がたくさん変化球を投げる。それに我慢強く対応しながら、速球が来たらしっかり打つ。そのアプローチを学んだ。以前はいつ変化球がくるかとナーバスになっていたからね。それが今は自信を持って変化球を待てる」。米国に戻ってからも楽天打撃コーチの田代富雄と行っていた練習を続け「今でもタシロさんに教わったことを思い出すし、役に立っている」と語っている[13]。
三塁守備はメジャー通算のDRS-22、UZR-4.2と平均を大きく下回るが、一塁守備ではメジャー通算のDRS2、UZR1.9と平均を上回った。マイナー時代には捕手で起用されたこともある。
人物
先述の通り、長男のマッケイルが先天性の脳障害を患っており、全米脳障害連合のメンバーとして活動している。マッケイルが、全米脳障害連合を代表して始球式を務めた、2009年7月29日の対ワシントン・ナショナルズ戦では、代打2点本塁打を放った。9月には、球団の協力を得て、試合チケットの売り上げを寄付金とするイベントも行った。
チームメイトを自宅に招待しては、手料理を振る舞う事がある[26]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2008 | CHC | 9 | 25 | 24 | 1 | 4 | 1 | 0 | 0 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 8 | 1 | .167 | .160 | .208 | .368 |
2009 | MIL | 116 | 394 | 355 | 58 | 107 | 20 | 1 | 16 | 177 | 66 | 0 | 2 | 0 | 4 | 34 | 2 | 1 | 67 | 13 | .301 | .360 | .499 | .859 |
2010 | 157 | 670 | 610 | 70 | 174 | 38 | 1 | 23 | 283 | 104 | 1 | 1 | 0 | 8 | 50 | 5 | 2 | 102 | 18 | .285 | .337 | .464 | .801 | |
2011 | 155 | 600 | 546 | 46 | 122 | 24 | 2 | 13 | 189 | 67 | 0 | 3 | 0 | 8 | 45 | 4 | 1 | 104 | 19 | .223 | .280 | .346 | .626 | |
2012 | PIT | 92 | 293 | 265 | 27 | 61 | 13 | 1 | 8 | 100 | 35 | 1 | 1 | 0 | 2 | 24 | 0 | 2 | 60 | 7 | .230 | .297 | .377 | .674 |
NYY | 22 | 59 | 53 | 9 | 8 | 3 | 0 | 1 | 14 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 0 | 10 | 3 | .151 | .220 | .264 | .484 | |
'12計 | 114 | 352 | 318 | 36 | 69 | 16 | 1 | 9 | 114 | 41 | 1 | 1 | 0 | 3 | 29 | 0 | 2 | 70 | 10 | .217 | .284 | .358 | .643 | |
2013 | 楽天 | 144 | 590 | 513 | 78 | 150 | 30 | 0 | 28 | 264 | 93 | 2 | 3 | 0 | 5 | 70 | 3 | 2 | 119 | 12 | .292 | .376 | .515 | .891 |
2014 | MIA | 160 | 691 | 616 | 56 | 177 | 29 | 1 | 4 | 220 | 76 | 4 | 2 | 0 | 7 | 67 | 3 | 1 | 102 | 31 | .287 | .355 | .357 | .712 |
2015 | SF | 49 | 138 | 127 | 7 | 27 | 5 | 0 | 2 | 38 | 11 | 0 | 1 | 0 | 0 | 11 | 0 | 0 | 28 | 15 | .213 | .275 | .299 | .575 |
MIA | 60 | 120 | 110 | 7 | 20 | 7 | 0 | 0 | 27 | 9 | 1 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 0 | 22 | 3 | .182 | .250 | .245 | .495 | |
'15計 | 109 | 258 | 237 | 14 | 47 | 12 | 0 | 2 | 65 | 20 | 1 | 1 | 0 | 0 | 21 | 0 | 0 | 50 | 18 | .198 | .264 | .274 | .538 | |
MLB:7年 | 820 | 2990 | 2706 | 281 | 700 | 140 | 6 | 67 | 1053 | 379 | 7 | 10 | 0 | 31 | 246 | 14 | 7 | 503 | 110 | .259 | .319 | .389 | .708 | |
NPB:1年 | 144 | 590 | 513 | 78 | 150 | 30 | 0 | 28 | 264 | 93 | 2 | 3 | 0 | 5 | 70 | 3 | 2 | 119 | 12 | .292 | .376 | .515 | .891 |
- 2015年度シーズン終了時
- 太字はリーグ最高
獲得タイトル・表彰
- MLB
- 月間最優秀新人:2009年9月
- カムバック賞:2014年
- プレイヤーズ・チョイス・アワーズ・カムバック賞:2014年
- NPB
- ベストナイン:1回(2013年=三塁手)
記録
- NPB
- 初出場・初先発出場:2013年3月29日、対福岡ソフトバンクホークス1回戦(福岡ヤフオク!ドーム)、6番・三塁手で先発出場
- 初打席:同上、2回表に攝津正の前に見逃し三振
- 初安打:2013年3月30日、対福岡ソフトバンクホークス2回戦(福岡ヤフオク!ドーム)、8回表に金無英から右前安打
- 初打点:2013年3月31日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦(福岡ヤフオク!ドーム)、2回表に武田翔太から右前適時打
- 初本塁打:2013年4月11日、対北海道日本ハムファイターズ3回戦(東京ドーム)、5回表に木佐貫洋から左越ソロ
背番号
- 27 (2008年)
- 14 (2009年 - 2012年途中、2015年 - 2015年6月)
- 45 (2012年途中 - 同年終了)
- 3 (2013年)
- 9 (2014年)
- 5 (2015年7月 - 同年終了)
脚注
- ^ “Casey McGehee Stats, News, Pictures, Bio, Videos” (英語). ESPN.com. 2012年11月7日閲覧。
- ^ "Chicago Cubs add six players to active roster" (Press release) (英語). MLB.com (Chicago Cubs). 1 September 2008. 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Weeks out for '09 with wrist tear” (英語). Associated Press. ESPN. (2009年5月19日) 2016年2月24日閲覧。
- ^ a b “Casey McGehee of the Milwaukee Brewers voted Winner of the Gillette Presents National League Rookie of the Month Award for September” (英語). MLB.com (Milwaukee Brewers) (2009年10月6日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “McGehee to undergo right knee surgery”. MLB.com (2009年9月29日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Aロッドの代役も/マギー略歴”. nikkansports.com (日刊スポーツ). (2012年12月20日) 2016年2月24日閲覧。
- ^ “楽天にまた現役メジャーリーガー!ヤ軍マギー獲得”. サンケイスポーツ. (2012年12月21日). オリジナルの2013年5月26日時点におけるアーカイブ。 2016年2月24日閲覧。
- ^ “楽天 MJ砲で勝ち越し!マギー恐怖の6番&ジョーンズ初打点”. スポニチSponichi Annex (スポーツニッポン). (2013年4月1日) 2013年5月14日閲覧。
- ^ “星野監督 両助っ人大爆発も「メード・イン・ジャパンがな…」”. スポニチSponichi Annex (スポーツニッポン). (2013年4月22日) 2013年5月13日閲覧。
- ^ a b “楽天・マギーが自由契約 球団は残留交渉を継続”. サンケイスポーツ (2013年12月3日). 2013年12月16日閲覧。
- ^ “レンジャーズ、マー君のためマギー獲得か”. スポーツ報知 (2013年12月9日). 2013年12月16日閲覧。
- ^ “【楽天】マギーが自由契約”. 日刊スポーツ nikkansports.com (2013年12月3日). 2013年12月3日閲覧。
- ^ a b 元楽天マギーがメジャーで大活躍 日本帰りは出世の道
- ^ Marlins sign third baseman Casey McGehee to one-year contract MLB.com
- ^ "Giants acquire infielder Casey McGehee from Marlins in exchange for Minor League right-handed pitchers Kendry Flores and Luis Castillo" (Press release) (英語). MLB.com (San Francisco Giants). 20 December 2014. 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Transactions | SFGiants.com: Team May 2015”. MLB.com (2015年5月26日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ a b “Transactions | SFGiants.com: Team June 2015”. MLB.com (2015年6月5日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “Transactions | SFGiants.com: Team July 2015”. MLB.com (2015年7月8日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ Keven Lerner (2015年7月10日). “Marlins reunite with Casey McGehee; Jeff Baker placed on DL”. Sun Sentinel 2015年7月11日閲覧。
- ^ “Transactions | marlins.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ Jason Beck (2016年2月23日). “Tigers, McGehee agree on Minors deal” (英語). MLB.com. 2016年2月24日閲覧。
- ^ Katie Strang (2016年3月28日). “Tigers send down Rondon, release McGehee, Parnell” (英語). ESPN. 2016年3月31日閲覧。
- ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、361頁。ISBN 978-4-331-51518-1。
- ^ Casey McGehee Hot Zone | New York Yankees | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN
- ^ 『月刊スラッガー』2011年4月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-4、55頁。
- ^ “藤田 マギーの手料理効果で4安打!星野監督 優勝「意識している」”. スポニチ Sponichi Annex (2013年9月17日). 2013年10月8日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 ケーシー・マギー - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)