killer7
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| ジャンル | アクションアドベンチャーゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ(GC) プレイステーション2(PS2) |
| 開発元 | グラスホッパー・マニファクチュア |
| 発売元 | カプコン |
| 人数 | 1人 |
| メディア | GC: 光ディスク2枚組 PS2: DVD-ROM1枚組 |
| 発売日 | |
| 価格 | 7,140円(税込) |
| 対象年齢 | CERO:Z (18才以上のみ対象):2006年6月以降 ESRB: M (Mature) PEGI: 18+ BBFC: 18 USK: 18 OFLC: MA15+ |
『killer7』(キラーセブン)は、グラスホッパー・マニファクチュア(以下ghm)が開発し、カプコンより2005年6月9日に発売されたアクションアドベンチャーゲームである。
ゲームキューブ版と、プレイステーション2版が同日発売された。
また、電撃PS2DVD誌において、本編の前日談である小説「killer is dead」が連載されていた。
目次 |
[編集] 概要
超人的な能力を持つ殺し屋集団「killer7」を主人公として、怪物的テロリスト集団「笑う顔」との戦いを描くアクションアドベンチャーゲーム。ディレクター須田剛一の作家性が強く出た作品である。難解で謎めいたストーリーやスタイリッシュなキャラクター造形、トゥーンレンダリングを用いたクールな映像表現が特徴。
ゲームシステムは主にサードパーソン・シューティング形式で、リアルタイムの戦闘とマップ移動、およびマップ上でのアイテムの取得や謎解きによって進行する。須田剛一のghmでの過去作『シルバー事件』『花と太陽と雨と』と比較して格段にアクション性が強いが、プロデューサーであるカプコンの三上真司や小林裕幸の監修もありアクションゲームとしても破綻ない造りになっている。
独特の端的なセリフ回しと人を食ったようなユーモア、残酷表現や性描写などショッキングな演出といった、須田剛一作品に共通する要素は本作にも強く現われている。特に暴力表現や性描写などの過激な表現のためCEROレーティングで18才以上対象(コンテンツアイコン「セクシャル」)とされた(2006年6月からはレーティング方針の改定により「Z 18歳以上のみ対象(コンテンツアイコン「暴力」)」へと変更されている)。ハードメーカーのレーティング基準の違いにより、ゲームキューブ版で描かれた虐待的な性行為の演出やグロテスクな傷痕の描写、性的な言語表現等がプレイステーション2版では隠蔽あるいは控えめな表現へと変更されている。
タイポグラフィの扱いには徹底したこだわりが貫かれており、常時アニメーションで蠢き続ける文字群、状況によって使い分けられた特徴的な書体などに顕著である。また本作ではメッセージの大半に片仮名のルビが振られており、このルビに当て字を多用することによって生まれる独自の言語感覚がテキストの大きな特徴となっている。特に常用された「殺る」と書いて「トる」と読ませる表現は、「殺」の文字が(この字である限りおよそ無差別に)常に出血を思わせる赤文字のアニメーションで表現されていることと相まって、プレイヤーに鮮烈な印象を与える。同種のアニメーション処理は他に「死」の字にも使われた。
ghmサウンドチームの高田雅史(メイン)と福田淳(サポート)による、落ち着いたアンビエント・サウンドからハードロックまでバラエティ豊かなBGMも特色で、オリジナルサウンドトラックとして『killer7 original sound track』がサイトロン・デジタルコンテンツより発売されている。
2002年11月4日の制作発表時点では、カプコンのゲームキューブ独占新作5タイトルのうちの1つという位置付けであり、プレイステーション2での発売は予定されていなかった。発表当初は2003年冬発売予定であったがその後延期され、2005年6月にプレイステーション2版との同時発売へと予定変更され、同年6月9日に発売に至っている。
北米版は2005年7月7日、ヨーロッパ版は同年7月15日に発売。北米版では音声が元々英語だったためムービーやイベントシーンでテロップ表示されるテキストが省略されている。ghm作品では初の日米欧の世界的リリース作品であり、特に北米・ヨーロッパ圏での評価が高く、多くの賞を受賞している(詳細は受賞歴の節参照)。
[編集] 主なスタッフ
- 須田剛一(監督、脚本、ゲームデザイン、原案)
- 三上真司(製作総指揮、原案)
- 小林裕幸(プロデューサー)
- 川上智(メインプログラム、戦闘プログラム)
- 渡辺和寿(システムプログラム、イベントプログラム)
- 松崎昇(イベントプログラム、装飾プログラム)
- 山田巧(エフェクトプログラム)
- 佐藤慎也(イベントプログラム、メニュープログラム)
- 藤田至一(プログラム監修)
- 石坂明彦(ビジュアル監督、背景モデリング)
- 岸井一(背景モデリング)
- 木村俊行(背景モデリング)
- 北山克典(背景モデリング)
- 谷脇邦彦(人物モデリング)
- 山本広人(パス編集)
- 高田雅史(音楽監督、作曲)
- 福田淳(音響効果)
- 大原晋作(翻訳)
- 笹川晋弘(企画進行)
- 藤川敏浩(助監督)
- 久保寺良一(企画助手)
- 三宅拓巳(キャラクターデザイン)
- XEBEC(「落日」「分身」アニメムービー)
- デジタル・フロンティア(「雲男」アニメムービー)
[編集] ゲームシステム
[編集] ゲームの流れ
ゲームは全11話で構成される。各話はおおむね主人公の1人であるガルシアン・スミスが何らかの依頼を受ける所から始まる(この依頼は物語の進行上、最終的に果たされない、あるいは別の目的にすり替わる場合が多い)。プレイヤーはこの依頼を遂行するために、マップ上を移動しボスキャラクターの居場所まで進むことになる。マップの随所に(いわゆる雑魚キャラとして)「笑う顔」が登場し、プレイヤーキャラクターにダメージを与えようとするため、プレイヤーは逐次これを「殺(ト)り」(倒し)、あるいは回避しなければならない。
マップ上では「羈絆門(キハンモン)」や仕掛けがプレイヤーの行動範囲を制限しているため、これらを解除するためのアイテムを謎解きや特殊能力の利用によって入手しなければならない。羈絆門はマップの中途に存在するいわゆる中ボスの居所であり、入手した「魂弾(タマタマ)」を羈絆門の門番に渡すことでプレイヤーは中ボスとの対戦権を得る。中ボスを倒すと羈絆門は消失し、マップのより先へ進むことが可能になる。またマップ上で手に入る「微妙な造形物(アイテム)」や「指輪(リング)」は主にマップ中の障害物を通過するために使用される。
マップ中には「ハーマン部屋」と呼ばれる特殊な空間が点在し、ここでゲームデータのセーブやプレイヤーキャラクターのレベルアップを行なうことができる。また、マップの各所には「残留思念」が点在しており、これらのメッセージが謎解きやストーリーの理解のヒントとなる。
マップ上の特定の地点に到達すると、自動的にデモシーンが再生されストーリーが進行する。デモシーンは章ごとに意図的に画風が変えられており、時にはセルアニメーションであり時にはポリゴンによるCGアニメーションとなる。最終的にボスキャラクターと戦いこれを殺ることで、デモシーンを経由してその回は終結する。
[編集] 人格
プレイヤーキャラクターである「スミス同盟」は、スミス姓を持つ8種類の「多層人格」によって構成されている。多層人格はいわゆる多重人格とは異なる一種の超能力で、人格交代によってその身体も変身するのが特徴である。
ゲーム中では、一部のイベントを除く任意の場面で人格を交代できる。ただし各話の開始直後は多くの人格が休眠状態にあるため、一定数の「笑う顔」を殺るか、「黄×黒」のミクロスマイルを殺って人格を覚醒させる必要がある。各人格はそれぞれ異なる特殊能力を持ち、攻撃方法や操作性にも差異があるため、状況に応じた使い分けが要求される。
スミス同盟の最上位にあるハーマン・スミスには、イベント上の強制的な交代でしか人格交代できない。また、交渉と「死体回収」を役割とするガルシアン・スミスは、ストーリー上の必要または他の人格の死亡の際に強制的に交代される。死亡した人格をガルシアンが回収すれば「蘇生」できるが、ガルシアン本人が死ねば「絶命」(ゲームオーバー)となる。ガルシアン自身はゲーム進行のための指輪やアイテムを利用できないため、イベント時以外の主要なゲーム進行はハーマンとガルシアンを除く下位人格の6人で行う事になる。
[編集] 移動
本ゲームの移動システムはサードパーソン・シューティングゲームとしても特殊であり、予め決められた分岐点(ジャンクション)以外での方向転換は認められていない(180度の反転を除く)。プレイヤーが移動ボタンを押し続けることにより、プレイヤーキャラクターは決められたルートに沿ってジャンクションまで移動し続ける。ジャンクションでは主に2〜3程度の選択肢の中から進路を選択し、そこからは再びルートに沿った移動が始まる。
本作ではこの限定的なシステムにより、移動中の映像も常に製作者の意図通りの構図・カメラワークで表示している。また移動方向のアナログ的なブレが減ることによって、このゲーム独特のハイテンポなリズムが形成されている。
カメラの構図がシステム側に委される弊害として、移動する敵キャラクターが地形やキャラクターに遮られて見えなくなることが挙げられるが、このゲームの場合敵は出現の際にプレイヤーの注意をひく笑い声を発し、また攻撃時は画面が三人称視点から一人称視点にシフトするため目立った問題にはなっていない。
[編集] 戦闘
敵である「笑う顔」の大半は「都市迷彩」(その定義は定かではないが、ゲーム中では光学迷彩状に表現される)を備えるため、出現時はほぼ透明に映り目視が困難である。多くの場合プレイヤーは「笑う顔」の笑い声を聴くことでその存在を知覚する。
ボタン操作で攻撃態勢をとり(この時点で画面が一人称視点に切り替わる)「索敵」することで光学迷彩は無効化される。この状態で目視により照準を合わせ攻撃することで「笑う顔」にダメージを与えられる。
「笑う顔」の体に重大なダメージを与える(「部位破壊」)あるいは殺ると、「薄い血」及び「濃い血」(後述)が手に入る。また「笑う顔」にはそれぞれ「腫瘍」と呼ばれる弱点があり、この部位を攻撃すると一撃で駆除できる。複数の「笑う顔」を連続して腫瘍を撃ち抜いて殺ると、「コンボ」効果によってより多くの血液が獲得できる。
入手した「薄い血」は、体力回復や特殊攻撃のエネルギー源として使われる。「濃い血」はストックされた後、ハーマン部屋において「血清」として精製され、プレイヤーキャラクターのレベルアップのために消費される。精製される血清の量には上限値が設定されているため、プレイヤーはどの人格に血清を配分するか効率を考える必要がある。
[編集] モード
初期状態ではプレー開始時に、「敢闘」と「死闘」の2モードから難易度を選択できる。
「敢闘」では「笑う顔」の体力が低い上に、索敵するだけで自動的に腫瘍に照準が合う(クリティカルロックオン)ため、アクションの難易度は低い。またマップ画面に直接的なヒントが表示される、回収できる血液の上限値が高い等、プレー進行が簡単になる設定となっている。一方「死闘」では索敵しただけでは腫瘍の位置は分からず、(ある程度レベルアップしない限り)クリティカルロックオンも行なわれない。腫瘍は照準が腫瘍の位置に合った時に初めて表示されるシステムになっている。
『Hand in killer7 -Kill the past, Jump over the age.-』[1](以下Hand in killer7)においてディレクター須田剛一は、本来「死闘」モード級の難易度がゲームとして妥当であると考えていたが、三上真司プロデューサー(カプコン)のアドバイスによってかなり簡単な「敢闘」モードの難易度調整に至ったと述懐している。
ゲームを一度クリアすると、隠し要素として「Killer8」モードの選択権が与えられる。「血闘」と称されるこのモードでは、「笑う顔」の体力が多く移動速度も速い上に、一切腫瘍の位置が目視できない。所持できる「薄い血」も上限値が低く定められており、これらの理由からクリアは困難を伴う。また精製できる血清量も非常にタイトなため、レベルアップには緻密な計画性が求められる。なお「Killer8」では特別に交代できる多層人格として、若き日のハーマン・スミスの姿である通称「ヤング・ハーマン」が選択できる。
「Killer8」をクリアすると、さらに隠し要素である「Hopper7」モードが選択できる。この「蝗闘」と名付けられたパロディ版的なモードでは、ヘヴンスマイル・ランニングスマイルの代わりに(ghmのシンボルマークを模した)バッタの着ぐるみを着た「ホッパーマン」が敵となる。ただし「Hopper7」で遊べるのは、序章「天使」のみである。 「Killer8」同様に腫瘍の位置が目視できない設定になっているが、主要な敵であるホッパーマンがきわめて弱く腫瘍の目視の必要性が薄いため、難易度自体は低くなっている。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 物語
ストーリーはkiller7とその旧敵である魔人クン・ラン(及びその配下である「笑う顔」)との対立を中心に、近未来の日本と合衆国間の政治的駆け引きや国家的陰謀を横軸として複雑に展開する。
現実と内的世界とが混然となった表現や、意図的な説明の省略、プレイヤーに対するミスリードなどが頻発するきわめて難解な構成となっており、物語全体の完全な読解は困難である。この点についてプロデューサーの小林裕幸は攻略本『キラー7 オフィシャルコンプリートガイド』[2](以下コンプリートガイド)のインタビューにおいて、この物語は理解するよりも感じるべきものであり、プレイヤー各人が自分なりの解釈をすべきとの見方を示している。
また作中で多くの伏線が回収され物語として完結する一方、ゲーム発売の約2ヶ月後に発売された公式「副読本」こと『Hand in killer7』では、それまでの物語がより大きな物語全体の一部でしかなく、ゲーム中で判明したと思われた事実にも異なる裏の面があったことが示唆されるという複層的な構造になっている。『Hand in killer7』では劇中の矛盾点や説明が省略された設定のフォローが多く行なわれているが、反面同書の記述からは解消されない疑問点、新たに提示された謎も多い。巻末のインタビューの中で須田剛一自身は、『Hand in killer7』で語られているストーリーが事実であり、解釈の正解も存在するとしつつも、その真実はプレイヤー自身が探すべきものであると発言している。
[編集] あらすじ
- TARGET:00「天使」
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- 多目的施設“セルティック”の乱戦 NEWORDER:NO.33 “笑う顔”本陣壊滅依頼及び、首領の生け捕り
- killer7は、多目的施設ビルを占拠した「笑う顔」の殲滅とその首領の捕獲を依頼される。突入したその施設内では既に「笑う顔」が増殖し生存者は絶無となっていた。killer7はこの施設における「笑う顔」のリーダー格「天使」と遭遇するが、その背後には死んだはずの宿敵、クン・ランがいた。
- 物語の導入部。ストーリー全体から複雑な要素を極力削り、「笑う顔」やクン・ランとの対決にテーマを絞ってバイオレンスアクションを重点的に描いている。ただし伏線としてこの章で既に鳩書簡やトラヴィスが「エミール」という謎の人物に言及している事は注目すべき要素である。
- TARGET:01「落日」
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- 懐石料亭“フクシマ”の決戦 NEWORDER:NO.34 トオル・フクシマ総裁抹殺依頼
- 突如、日本に向けて200発のミサイルが発射された。合衆国には安全保障条約に従いミサイルを迎撃する義務があったが、時を同じくして日本政府与党「国連会」総裁トオル・フクシマが合衆国に対し強硬政策に出る。支援国の域を脱し力をつけすぎた日本の姿を目の当たりにし、合衆国は「花火」(ミサイル迎撃)の実行に躊躇せざるを得ない。合衆国は国連会の翻意を迫るため、また日本を弱体化させるためにkiller7にフクシマの暗殺を依頼する。その背景にはフクシマが持つとされる世界情勢を変える力を持つ論文「八雲当時内閣政策論」の存在があり、密かに「八雲」を処分しようとする思惑も隠れていた。
- フクシマがオーナーを務めるワシントンD.C.の「料亭フクシマ」に突入するkiller7だが、フクシマを狙うのはkiller7だけではなかった。フクシマの対立路線をよしとしない日本政府野党第一党「自民会」。フクシマの対立路線を利用し日本を世界から孤立させることにより花火の阻止に持ち込み、転覆する日本の利権と「八雲」を奪取するという一石二鳥を狙う国際機構「国際倫理機関」。そして合衆国政府を背景に持つkiller7との三つどもえの構図となる。フクシマは自民会から放たれた暗殺者ジュリア・キスギによって抹殺されるが、「八雲」は国際倫理機関の諜報員、ジャン・デポールによって何処かに持ち去られる。
- 国際情報交流法治区“角ビル”の騒乱 NEWORDER:NO.35 諜報員ジャン・デポール抹殺依頼
- ミサイル迎撃のタイムリミットが迫る中、killer7は自民会の情報屋ヒロ・カサイからジャン・デポール殺害の依頼を受け、各国のシンジケートが密かに雑居する「国際法治区域」角ビルに向かう。角ビルでは合衆国と日本それぞれの代表による保障条約とミサイル迎撃の行く末をめぐる会談が行われていた(フクシマ死亡による混乱の末、日本代表には野党自民会議員が出席している)。デポールは両国代表を暗殺し両国の融和を阻止するヒットマンとして送り込まれていたが、この時点で既に日本はその利権を求める周辺国家によって国際社会から孤立させられており、デポールの到着を待たずして会談は決裂。日本はミサイルの雨に晒される。
- 一方killer7のあずかり知らぬ所で、フクシマを失った国連会では長老のクラハシ・ヒロヤス、アキバ・シンヤらが最後の若手実力者、統括本部長マツオカ・ケンジロウ(通称マツケン)に世代交代を迫っていた。この場に突如現われたクン・ランは未だ男になりきれないマツケンを「神の手」で覚醒させ、クラハシとアキバは「笑う顔」と化した真の姿を明らかにする。
- この章では「天使」から一転し、きわめて混迷した政治的駆け引きが本筋の暗殺行と平行して語られる。特にゲーム中は各組織の立場や思惑の多くが省略されて描かれており混乱を呼ぶ。この章で語られる日本の転覆、そして謎のテキスト「八雲」という要素は物語を通じて重要な意味を持つことになる。
- TARGET:02「雲男」
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- 新興理想都市“ウルメイダインターシティ”の波乱 NEWORDER:NO.36 起業家アンドレイ・ウルメイダ捜索依頼
- 正体不明の起業家アンドレイ・ウルメイダがガルシアン・スミスを挑発し呼び寄せる。テキサス州に向かったkiller7が着いた町、ウルメイダインターシティはウルメイダのカリスマの下に奇怪なコミュニティを形成していた。
- ウルメイダが会長を務める「ファーストライフ」は実体の無いペーパーカンパニーであり、その名の下に構築されたウルメイダインターシティはウルメイダの実験場、そして同時に軍の監督下に置かれた軍用都市でもあった。ウルメイダは潜在的な「笑う顔」となっており、killer7に自分の駆除を依頼する。これこそがウルメイダの目的であった。
- ここまで常にどこかいかがわしさを漂わせていた舞台をテキサスの明るい陽光の下に転じ、一見清潔で平和な理想都市での銃撃行を描くというシニカルなユーモアに満ちた異色の章。作中でもたびたび馬鹿にされるウルメイダの極端なアフロヘアーとそれをさらに強調する変身後の姿、ジョギングで道行く健康的な「笑う顔」ウルメイダスマイルなど、敵方までもがコミカルに描写されている章だが、その背景として描き出される都市のいびつな姿にはシリアスな狂気が秘められている。
- また、実体が無いにも関わらず現実の事象として認識されるファーストライフという企業、そして逆に実在しつつも生死の境を潜り抜けることでしか自己のアイデンティティを確認できないウルメイダの姿は、曖昧な現実性という物語終盤での重要なテーマの伏線と捉えることもできよう。
- TARGET:03「邂逅」
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- 遊園地“ISZKLAND”の悪行 NEWORDER:NO.37 同業者カーティス・ブラックバーン暗殺依頼
- ダン・スミスのかつての殺しの師であり、ダンを殺した男でもある殺し屋、カーティス・ブラックバーンが移民局を襲撃し虐殺を行なう。移民局は元々カーティスとその部下ペドロの非合法な臓器売買マーケットの温床であり、裏切って市場を独占したペドロへの報復がこの虐殺行為であった。カーティスの暴走を受け、政府はkiller7にカーティス暗殺を依頼する。killer7はカーティスの隠れ家である遊園地「ISZK LAND(イシザカランド)」へ向かったが、カーティスの愛弟子アヤメ・ブラックバーンに遮られ取り逃してしまう。
- 潜伏地“カーティス邸”の凶行 NEWORDER:NO.37 同業者カーティス・ブラックバーン暗殺依頼
- カーティスの怒りを買ったペドロは惨殺される。killer7はカーティスを追い、その私邸へ。因縁深いダン・スミスとカーティスとの一騎打ちはダンの勝利に終わり、カーティスは自身の悪行の報いを受けて惨たらしく死ぬ。
- スミス同盟の人格の1人ダン・スミスを主人公格に据え、その復讐劇を中心に描いた章。遊園地での数々の暢気なアトラクションや美少女戦士物アニメを思わせるアヤメ・ブラックバーンの口上など、人を食った演出が目立つ一方で、序盤のカーティスによる「笑う顔」と無関係な人間対人間の虐殺描写に始まり、孤児・小児を対象とする誘拐や臓器売買、小児性愛、ネクロフィリアなど過激でインモラルな題材を多く扱っているのもこの章の特徴である。
- TARGET:04「分身」
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- ドミニカ共和国“光と影の町”の迷走 NEWORDER:NO.38 コミック作家トレヴァー・パールハーバー密殺依頼
- コミックヒーローの姿をした集団「ハンサムマン」がコミックでの予告通り、合衆国与党「民産党」の幹部を殺害した。これはコミック上のストーリーを現実化するという大手メディア「エレクトロ&ライン社」の広告戦略の結果であった。事態を収拾するためコミック作家トレヴァー・パールハーバーの暗殺を依頼されたkiller7だったが、それすら察知していたかのようにコミック上では既にkiller7対ハンサムマンの戦いが予告されていた。
- ドミニカ共和国、トレヴァーのアトリエでkiller7はハンサムマンと激突。トレヴァーの慢心を快く思わない広告代理店の指示でハンサムマンがトレヴァーを殺害し、スミス同盟とハンサムマンは戦いの場所を移すこととなる。
- 摩天楼“ブロードウェイ”の軍団対抗戦 NEWORDER:NO.39 匿名仕置戦隊ハンサムマン果死合
- ニューヨークのブロードウェイを舞台に、ハンサムマンとスミス同盟の全員が集合し、格闘ゲームめいた1対1の決闘が始まる。ガルシアンはゲーマーのラブ・ウィルコックスと出会い、ラブはトレヴァーを殺したエレクトロ&ライン社への復讐を誓って画面上から消えた。ゲームのエンディング画面をクン・ランが消す。
- 戦隊ヒーロー物めいたヒーローチームが殺人事件を起こし、それ自体が広告代理店の集客戦略の一環であるという奇抜な設定から描かれた章。大手企業が市場に迎合するあまり作家のクリエイティビティが歪められる様は現代社会のカリカチュアと捉えることもできるが、見方を変えれば、独自の販路を持たず常に大手メーカーの下で開発会社の立場から作品を作り続けてきたghmと須田剛一の痛烈な皮肉と受け取ることもできる。
- ストーリー全体の流れとはほぼ無関係なエピソードであるが、章後半には前後の脈絡を感じさせないきわめて分裂的な展開を見せ、単なる一挿話で終わらない文学性も持ち合わせる。ここで描かれる現実と非現実の境界が曖昧に描かれる世界観は次章「笑顔」の展開の先触れと言うこともできる。なお、ディレクター須田剛一は『Hand in killer7』内のインタビューで、この章後半の決闘シーン以降の演出のモチーフを敬愛する『ストリートファイターII』に求めていると語っている。
- TARGET:05「笑顔」
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- ホテル“ユニオン”の聖戦 NEWORDER:NO.40 国連会マツオカ・ケンジロウ密談計画
- サマンサが「失踪」し、ハーマンはガルシアンの前から消える。日本与党国連会の唯一の幹部となったマツケンは、今や世界の日系移民の票を束ねる実力者となっていた。合衆国政府は日本との融和のためマツケンのもとにkiller7を派遣する。
- killer7は向かったフィラデルフィアのホテル・ユニオンで、7つの階にある7つの魂弾を手に入れる。マツケンがいる筈の最上階では謎の男2人が待っており、マツケンは既にホテルにいないと言う。
- 国立“コバーン小学校”の死闘 NEWORDER:NO.41 国家中枢部接触依頼
- 新しい情報屋を自称するリンダ・バーミリオンを通じ、killer7は合衆国の「システム」を見届ける依頼を受ける。向かった国立コバーン小学校では合衆国が選挙戦に秘めた陰謀と、謎の少年エミール・パークライナーの素性が明らかになる。コバーン小学校の校長ベンジャミン・キーンは大統領となる野望を胸に死に、文部省長官グレッグ・ナイトメアも合衆国との対立を選んだマツケンに首を縊られる。
- ホテル“ユニオン”の血戦 NEWORDER:NO.42 最後の依頼
- 最後の人格となったガルシアンはホテル・ユニオンに戻り、過去の事件の記憶を追体験する。ガルシアンは最上階にいた謎の男と再会し、自身の正体を知る。最上階よりさらに上の階に昇ったガルシアンは予期せざる来訪者となり、ホテルの屋上でエミール・パークライナーと対決する。
- 実質的な最終章。住み慣れた世界観が崩壊していく序盤、謎に包まれたホテル・ユニオンでの戦いを経て、舞台はコバーン小学校へと移る。ここで国家的陰謀の謎が解かれていく様はスリリングであるが、物語はそこには収着せず再度ホテル・ユニオンに舞台を戻し、衝撃的なクライマックスを迎える。前章に輪をかけて分裂的な演出と、ここに至るまでの様々な伏線が収斂してゆく脚本が見所となる。
- またここで描かれている、組織的権力によって個人が管理され無自覚のうちにその存在を歪められる恐怖は、須田の過去作『シルバー事件』とも共通するテーマでもある。
- TARGET:06「獅子」
- 前章で一旦完結した物語のエピローグとなる章。きわめて短いシナリオの中に数々のどんでん返しが配されており、物語は二転三転する。
[編集] キーワード
- killer7
- 作中では複数の意味を持つ。
- ハーマン・スミスの下、多層人格で構成された暗殺実行部隊の俗称。作中では主にこの意味で用いられる。詳細はスミス同盟の節を参照。
- 過去にホテル・ユニオンを中心に起きた連続殺人事件において、当時の捜査本部が名付けた犯人の通称。
- 2の事件そのものを指した「戒名」(『Hand in killer7』より)。
- 多層人格
- スミス同盟を構成する特殊能力。主人格の下に別の人格が構成されるという意味で解離性同一性障害によく似るが、人格を交代する際に肉体(服装など所持品も含む)・能力もその人格固有の物に変化する点において全く異なる、純粋な特殊能力である(かみ砕いて表現すれば他者に精神構造ごと変身する能力と言える)。
- 日本
- 本作で日本国をモデルとして描かれた国家。作中では「ニッポン」という読みで統一されている。本編当時の政府与党は国連会。野党第一党は自民会。第二次世界大戦での敗戦以後、合衆国の占領下から着実に独立・復興を果たす。
- 本編当時、国連会総裁トオル・フクシマは日本の充実した国力を背景に合衆国との関係の清算、具体的には安全保障条約の停止を視野に入れた独立政策を進めており、日本と合衆国との関係は悪化していた。「落日」の章において、保障条約を反故にした合衆国に見殺しにされる形でミサイルが日本の各主要都市に着弾。実質的に日本は崩壊し合衆国や欧州各国に利権を食い荒らされる事となる。
- 合衆国
- 本作でアメリカ合衆国をモデルとして描かれた国家。作中では「合衆国」としか呼ばれないが、登場する都市の地名や地図からこれがアメリカを指しているのは明らかである。
- 政府与党は民産党。政府野党は秘密裏にクン・ランと結託しており、民産党にダメージを与えるため移民局を通じてヘヴンスマイルの材料となる臓器をクン・ランに提供している。政府はkiller7に対し強いコネクションを持ち、事実上の政府の特殊機関として数々の依頼を行なっている。大統領選挙の背後には文部省を中心とする重大な陰謀が秘められており、「笑顔」の章において重要な意味を持つ。
- 東の大国
- クン・ランが率いる国家の俗称。公式設定[3]や『Hand in killer7』に俗称が登場するのみで、作中ではこの国家の存在が仄めかされることはない。唯一、最終章「獅子」において関連を匂わせる描写があるのみである。
- 八雲
- 正式名称「八雲当事内閣政策論」。戦後まもなく自民会(当時日本政府与党)の若手ら7人(当時トオル・フクシマも在籍していた)による「7人会」が作り出した政策論。世界を変える力を持ち、あるいは世界を支配しうる画期的な内容だったとされる。その重大性からか八雲の提出後ほどなく自民会により7人会は解体され、また八雲も自民会幹部により消失したとされるが、トオル・フクシマは原文あるいはコピーを持ち出していた。
- 「落日」の章における日本政府の切り札であり、合衆国や国際倫理機関にとって喉から手が出るほど欲しい文書。フクシマの所持していた八雲は国際倫理機関諜報員ジャン・デポールが奪取したが、その後マツケンの手に渡ったとされる。物語の数年前にアンドレイ・ウルメイダも八雲の一部を入手しており、それに伴いファーストライフ社を設立し一躍大立者となっている。
- ハーマン部屋
- マップ中に然るべき間取り・サイズを無視して点在する空間(劇中、工事用の仮設トイレの扉の中に存在する例がその最たるものと言える)。内部は壁紙が貼られた以外は簡素な部屋で、家具はテレビと椅子程度しか無い。部屋の中にはサマンサとイワザルがおり、ゲーム中は主にサマンサを介したセーブ、イワザルによるチュートリアル、テレビを用いた血液の精製・人格交替を行なう場所となる。
- ほぼ同様の部屋は「ガルシアンの家」とされるトレーラーハウスにもあり、これもトレーラーハウス内部としては物理的に異常な広さで存在する。ここではハーマンが全身麻痺の老人として登場し、彼の介護をする学生アルバイトにサマンサが雇われているが、その仕事ぶりは虐待そのものである。ガルシアンは彼女を雇用している立場にあるが、虐待行為には無関心な様子しか見せない。一方、部屋のテレビをつけハーマンの人格を呼び出している間、サマンサとガルシアンは忠実な部下として彼の命に従う。
- また最終章「獅子」にもハーマン部屋が大きく異なる姿で登場する。これらの異質性や内部で起こる不条理な事象は、物語を読み解く上で重要な意味を持っている。
- 鳩書簡
- ゲーム中、特定の場所で伝書鳩から受け取る計8通のメッセージ。ジョニー・ギャノンから「エミール」という人物宛に送られた調査報告の形をとっている。その内容の大半はスミス同盟に関する調査であり、プレイヤーにとってはキャラクター紹介の意味を持つ。
- 伝書鳩の名前はボンドガールから、書簡の題名はバンド「ザ・スミス」の曲名から取られている。
- 羈絆門(キハンモン)
- マップの中途に現われる特殊な空間。内部には「種本体(オリジナルズ)」と呼ばれる最新型の「笑う顔」が1体存在し、killer7の行く手を阻もうとする。ゲーム上ではいわゆる中ボスとの対戦場所であり、これを撃破しないかぎり先のマップに進めずゲームが進行しない障害である。
- 羈絆門は「罪人」によって管理されるクラブ様の出入口、階段を上った先にある荒廃した広場「コロシアム」、その扉の先にある「種本体」が待つ長い通路から構成される。通路は外観上そのステージの地形のようにも見えるが、これら3つの要素は物理的にありえない配置と広さで存在し、また「種本体」を倒して羈絆門を出ると、以後羈絆門そのものが消失する。こうした不合理性について劇中では完全に無視されているが、最終章「笑顔」において原因の一端は明らかになる。
- 指輪(リング)
- スミス同盟の所持品。最初から所持している千里眼の指輪(ルックリング)と、他に劇中で入手する炎の指輪(ヒートリング)、水の指輪(ウォーターリング)、風の指輪(ウィンドリング)、体力の指輪(スタミナリング)、過去の指輪(パストリング)、力の指輪(アタックリング)の6本がある。千里眼の指輪に限りガルシアンが常に所持しており、ガルシアンは他の6本を使うことはできない。これら6本は下位の6人格の間で使い回される。千里眼の指輪は所持することで「笑う顔」を索敵する能力を持つもので、ガルシアンが所持している限り他の人格も同様に索敵が行なえる。炎・水・風・過去の指輪はゲーム中の謎解きに使われる(行く手を遮る炎を水の指輪の力で消す、等のように)。体力・力の指輪は所持することで防御力あるいは攻撃力が上昇する。
- 指輪は常にスージー・サムナーが口に銜えて現われ、これを同盟に渡す形で入手される。スージーの「コレ忘れ物でしょ?」という台詞や「-の指輪が舞い戻った」というメッセージ等から本来スミス同盟(あるいは人格のうち誰か)の物であった事が明白に示されているが、失われた経緯については明らかにされていない。
- 微妙な造形物(ビミョーなアイテム)
- ゲーム中入手できるアイテム群。主に銀を思わせる色と、オブジェ様の形状を持つ。ステージ中特定の位置にこれらが嵌まる窪み(多くの場合機械的なコンソールである)が設けられており、この窪みに対応した微妙な造形物を用意することによってゲームが進行する、一種の通行証と言うべき役割を持つ。
- 各地のセキュリティシステムがこうしたインターフェースに統一されている本作の世界観は不自然であるが、作中この点は無視されている。北米で発売された攻略本『killer7: OFFICIAL STRATEGY GUIDE』[4]において須田剛一ディレクターと思われる「Designer」(デザイナー)は微妙な造形物について、深い意味はないと説明している。
[編集] 物語の真相
[編集] キャラクター
以下の英語表記、出身地、人種、年齢、得物の名称に関する記述は特に注記が無い限り全て『コンプリートガイド』および『Hand in killer7』に基づく。なおこれら資料やゲーム中の英語表記では、日本名や特殊な名称が大文字で表記される(KAEDE Smith、MASK de Smithなど)場合がしばしばあるが、全ての媒体に共通する表記では無いためここでは無視している。
[編集] スミス同盟と関係者
[編集] スミス同盟
本編の主人公。スミス姓を持つ8種類の「多層人格」によって構成される暗殺部隊。 スミス同盟は最上位で判断の決定権を持つハーマン・スミスと、その下に位置する実行部隊「killer7」から成る。「killer7」は幹部のガルシアン・スミスの人格と、以下6名のスミスの人格という形で構成されている。
彼らのスミス姓はディレクター須田剛一の愛好するバンド「ザ・スミス」に由来しており、同様の理由から須田の過去作でも「純須(スミス)」「スミオ」といった名を持つ登場人物が登場している。須田自身はスミスと名付けたキャラクターについて「自分の気持ちを一番込められる、また、そういうことを自分自身に宣言するキャラクター」と表現している。[5]
劇中では上記したスミス同盟の他に、別の意味で「スミス同盟」という語が使われる事があるが、詳細は別節物語の真相を参照。また『Hand in killer7』においてはゲーム中のスミス同盟は「第二次スミス同盟」とされ、これ以前に多層人格としてディミトリを含んでいた「第一次スミス同盟」、将来的に結成される「第三次スミス同盟」、「第五次スミス同盟」の存在が記述されているが、この項目では第二次スミス同盟について説明する。
- ハーマン・スミス (Harman Smith) 60歳(声:Dwight Schultz)
- killer7の総元帥である謎の老人。「神殺し」の異名を持つ。介護を必要とする体で車椅子での移動を強いられており、特にスミス同盟総帥として覚醒していない状態では全身麻痺状態で満足に言葉も発せない。覚醒時には動作が比較的俊敏になり、冷静なリーダーとして同盟を率いる。多層人格という超人的な能力に加え、同盟員も知らない(あるいは無視している)多くの秘密を持っており、劇中重要な役割を果たす。
- シアトル出身。ドイツ・ポーランド系。ただし『Hand in killer7』ではワイプポート州ニューサウサンプトン(架空の地名)出身のアイルランド系とされる。黒い山高帽にカラーのついた黒の上下という古風な服装をした白髪の老人。簡素な鉄製の車椅子に乗る。「Killer8」モードでの「ヤング・ハーマン」はソフト帽にベージュのスーツという古風なギャングを思わせる出立ちである。
- 作中「Killer8」モードでも描かれているように元来頑健だったハーマンが車椅子を必要とし未覚醒時には身動きもままならなくなった原因として、『Hand in killer7』では作中時間の数年前に逆上したダンがハーマンを「殺害」したためとされている。
- 得物は対戦車ライフル"GLIDER"。デザインのモチーフはバレットM82と思われる。ヤング・ハーマンは得物にサブマシンガンを用い、これには特に名称は設定されていない。デザインのモチーフはトンプソンM1短機関銃M1928モデルと思われる。
- ゲーム中では特定のイベントでしか操作できない(「Killer8」モードを除く)ため、プレイヤーキャラクターとして活躍することは少なく、寧ろノンプレイヤーキャラクターとして物語を牽引する役割を持っている。「Killer8」モードでのプレイヤーキャラクターとしてのヤング・ハーマンは、弾数がきわめて多く連射が効くサブマシンガンの威力と最大の体力を併せ持つ、最強クラスのキャラクターである。しかしレベルアップができない設定になっているためクリティカルロックオンが使えず、その意味で中盤以降は他の人格に劣るとも言える。
- ガルシアン・スミス (Garcian Smith) 33歳(声:Greg Eagles)
- スミス同盟の一員。実動的な戦闘には関与せず、ハーマンの忠実な部下として依頼交渉と残り6名の統率を任されているkiller7のリーダー格。「掃除屋 (Cleaner)」の異名通り、業者のように淡々と任務をこなす冷静な男。殺し屋ではあるが情を解する人間として描かれており、特に『Hand in killer7』では心優しい男としての性格が強調されている。対外交渉役という性質上、常に物語で各章の起点となるため主人公格の性質が強く、特に物語終盤では重要な役割を担う。「千里眼の指輪」を持ち、スミス同盟が「笑う顔」の都市迷彩を無効化する力の源泉となっている。
- マイアミ、メキシコとの国境付近に生まれたとされる。先住民系黒人。現代風に整えられた髪と髭、白いスーツを隙無く着こなす伊達者。身長193cmと、レスラー出身のマスク (185cm) を上回る長身。常に細長いケースを携帯する。
- 得物はサイレンサー付き小型拳銃"ELECTROLITE"。デザインのモチーフはワルサーPPKと思われる。後に拳銃「黄金銃(ゴールドカスール:Golden Gun)」が「復活」、デザインのモチーフはS&W M500か。その名の通り黄金色のフレームを持つ銃である。
- プレイヤーキャラクターとしては攻撃力が低い上に、血清を使ったスキルアップができず目立った利点もない、使い勝手の悪いキャラクターとして設定されている。ただし他の人格が死亡した際に死体を回収して蘇生させ得るという特性が付与されており、ゲームデザイン上では人格死亡時にペナルティとして使用をなかば強制されるキャラクターという位置付けになっている。なお、この回収の際には紙袋詰めになった人格の生首を手持ちのケースに入れるという非現実的な光景が展開されるが、これは(周囲の現実離れした様子等から)多分に比喩的な表現であろうと考えられる。
- ダン・スミス (Dan Smith) 33歳(声:Michael Gough)
- スミス同盟の一員。常に余裕あるクールな態度を崩さないが、性質は好戦的かつ高慢で挑発的。対立する他者に容赦が無く「暴君」の異名を持つ。特に不覚を負った相手には敵意を顕にし、ハーマン・スミスやかつての師カーティス・ブラックバーンもその標的の1人である。ハーマンに敵愾心を燃やす一方で、ガルシアンとはある程度協調関係を築いてもいる。
- 過去に「シアトル自衛団」に所属。カーティスの弟子として殺しを学ぶが、同僚ペドロ・モンタナの策謀でカーティスの手にかかり死亡している。カーティスとの因縁の対決を描く章「邂逅」では物語上の主役と言うべき位置におり、他の章でも別人格と比べ台詞や見せ場が多い。
- デトロイト出身。アイルランド系。黒のスーツをワイルドに着崩したファッションが特徴。手に持った拳銃を肩の後ろに預けるポーズがトレードマークとなっている。
- 得物はリボルバー"HANDSOME DEVIL"。デザインのモチーフはコルト・パイソンか。フレームはS&W M19にも似る。グリップに施された凝った装飾が特徴。後に得物として「魔銃(マジュウ:Demon Gun)」が「復活」。魔銃は二連装の銃口と同心円状に薬室が空いた弾倉を持つ特異な形状の拳銃で、特にモデルは無いと思われる。
- ゲーム中では、高い攻撃力を持ったオールラウンドなプレイヤーキャラクターに設定されており、特に後半魔銃を手に入れてからは装弾数が倍増しさらに使い勝手が良くなっている。
- 特殊攻撃は「魔弾」。構えたまま「薄い血」をセットすることで破壊力の高い弾を撃つ、いわゆるチャージショットの一種である。特にデュプリケータースマイルの類は魔弾でなければ倒すのが困難なため、この能力が重要となる。
- 楓 墨州(カエデ・スミス, Kaede Smith)20歳(声:Tara Strong)
- スミス同盟の一員。陰鬱な性格をした女性で、常に周囲に敵対的な言動をとる。残留思念のミザルはカエデに仕えており、カエデの血液に呼応して使役される。
- オレゴン州ポートランド出身。日系人。黒髪のショートカットに、タイトで露出の多いワンピースドレスを着用。ドレスには常に血しぶきの模様があしらわれている。常時裸足。
- 『コンプリートガイド』では元自民会構成員とされている。『Hand in killer7』ではまた同じく自民会所属の兄がおり、その兄に殺されたという記述がある。同書ではカエデはかつてのマツケンの恋人とも「噂」され、カエデの兄はそのマツケンの指示を受けてカエデを殺害したという。他にスミス同盟のダンとコヨーテの間で乙女心が揺れているとうかがわせる表現もある。
- 得物はスコープ付き自動拳銃"CONNECTION"。デザインのモチーフはコルト・ガバメントと思われ、特に照準器の形状などからそのバリエーションであるAMTハードボーラーが直接のモデルと考えられる。なお、本作の約半年前にやはりカプコンから発売された『バイオハザード4』では、これと同形の銃が「キラー7」という名称で登場している。
- ゲーム上では動作が鈍く、特に弾丸のリロードが致命的に遅いなど操作に難のあるプレイヤーキャラクターだが、特殊攻撃のスコープを使った遠距離狙撃は随所で効果を発揮する。
- 特殊能力はリストカットで生じる「血のシャワー」。カエデの血液には「結界」(本来存在しないはずの壁や障害物・血痕が見えて、通過できない箇所、あるいは本質を覆い隠す物)を破壊する力があり、召喚されたミザルの力を借りて結界の破壊・血痕の吸収が行なわれる。
- ケヴィン・スミス (Kevin Smith) 30歳
- スミス同盟の一員。他人との交わりを嫌う性格のためか極端に寡黙で、劇中では一言も発しない。そのため他の人格と比べメンタリティが明確でないキャラクターであったが、後に『コンプリートガイド』で小林プロデューサーは(ケヴィンの引き締まった筋肉質な体格の理由として)ケヴィンはハードゲイであると発言。他に『Hand in killer7』でも最愛の男性を殺害した過去や、高所を嫌い閉所を好むという嗜好、視野の狭さ、暗所で目が光るという特質が明らかにされている。
- イギリス出身、ニューヨーク在住。アルビノの男性。銀の短髪にサングラス、上半身裸という出で立ち。極端な猫背である。
- 得物はナイフおよびスローイングナイフ"DEBASER"。スローイングナイフが主装備で、ナイフは敵接近時のカウンターアタックでのみ使用される。
- プレイヤーキャラクター中、唯一(ファイナルマスクを除いて)弾数無制限でリロードの必要がないキャラクター。また攻撃時に照準がブレないというメリットも持つ。ただしナイフを取り出すタイムラグから連射速度は遅い。
- 特殊能力は一定時間の「透明化」。透明化中は「笑う顔」に認識されないばかりか、「笑う顔」の体をすり抜けて移動できる。また対物センサーに反応しないため、センサー式のセキュリティ装置の通過が可能になる。特殊攻撃は「二刀投げ(ツインスパークリング)」と、レベルアップにより獲得する「無限刀投げ(シャインスパークリング)」。ともにスローイングナイフの乱れ撃ちによる広範囲攻撃である。ダンの魔弾同様、構えたまま「薄い血」をセットして発射する。
- コヨーテ・スミス (Coyote Smith) 28歳(声:Benito Martinez)
- スミス同盟の一員。かつては窃盗の常習犯であり、家宅侵入に用いられる身体能力とピッキングの腕前は抜群。その経歴と技能から「小悪党」と評される事もあるが殺しの腕も他にひけはとらず、他の人格と肩を並べている。
- 南アメリカ出身、ロサンゼルス在住。プエルトリコ系。アロハシャツにジーンズというラフな格好、シャツからのぞく腕のタトゥーが特徴。
- 『Hand in killer7』においてダンに殺された過去が明らかになっている。劇中では他のキャラクター同様に英語で会話するが、『Hand in killer7』の紹介ではそれらは広島弁だとされている。
- 得物は改造リボルバー"FREAK SCENE"。デザインのモチーフはエンフィールドNo.2と思われる。
- ゲーム上ではダンとコンの中庸程度の特性のキャラクターとして設定されており、プレイヤーキャラクターとしては無個性だがバランスに優れている。
- 特殊能力「デッドリージャンピング」(呼称は『Hand in killer7』より)での高所への侵入や、主に扉に掛けられた南京錠の解錠など、マップ上の障害物の回避・解除に不可欠なキャラクターである。特殊攻撃は破壊力のある「特殊改良マグナム弾」。世界協定で使用が禁止された弾丸とされる。ダンの魔弾同様、構えたまま「薄い血」をセットして発射する。
- コン・スミス (Con Smith) 14歳(声:Jun Hee Lee)
- スミス同盟の一員。コミックヒーローのハンサムマンに入れあげるなどまだ年相応の幼さが残る性格だが、スミス同盟の面々と飄々渡り合うふてぶてしい一面も持ち合わせる。盲目であるが超人的聴力を持ち、音声情報を視覚化できるため生活や殺しに支障はない。
- 華僑移民。ルーズなランニングシャツとハーフパンツを着た、小柄で痩せた体躯の少年。目深に巻いたバンダナとヘッドホンで目と耳を覆ったスタイルが特徴的である。
- 『コンプリートガイド』では孤児出身という経歴と、そのため家族関係に憧れを持っているという側面が明かされている。『Hand in killer7』ではコンはコヨーテを慕い、過去にコヨーテを殺害しているダンには好感情を持たないとされる。同書には他に機嫌が良いと口笛を吹く癖も記されている。
- 得物は2丁の自動拳銃"DISARM"。デザインのモチーフはグロック17とそのバリエーションの混合か。フレームには独特の青みがかったカラーリングが施されている。(フルオート可能な拳銃なので恐らくグロック18かそのバリエーション)
- 同盟中唯一の二丁拳銃の使い手で、ゲーム中では連射性にきわめて優れ、また高い敏捷性から移動速度やリロードの速さも随一である。こうした使い勝手の良さに対し、体力面に弱く敵の連続攻撃に晒されれば即死に至る場合もある、ピーキーなバランス設定がなされている。
- 特殊能力は高速移動で、通常時よりさらに速い移動が可能。またコンでプレー中には、マスクで破壊可能な壁(マスク・ド・スミス参照)がよりプレイヤーに強調されるというメリットも持つ。
- マスク・ド・スミス (Mask De Smith) 38歳(声:Miguel Caballero)
- スミス同盟の一員。元プロレスラーでベビーフェイスの覆面レスラー出身という異色の経歴を持ち、常にマスクマンとして覆面を着け続ける。同盟に入った後もベビーフェイスらしい礼儀正しく穏健な性格とルチャドールの矜持は変わらず、戦いの中にも子供達の夢を壊さないファイトスタイルを貫く。
- ディレクターの須田剛一は熱狂的プロレスファンであり、自作に常にプロレスに関連する台詞やキャラクターを登場させ続けてきたが、特にその傾向が強いのが本作のマスクである。書籍媒体で明らかになっているレスラーとしてのファイトスタイルは、ルチャリブレとランカシャースタイル(関節技・絞め技を中心とするスタイル)の融合というオリジナルスタイル。ゲーム発売以前に公開されていた設定ではマスクの下の素顔には火傷の痕があるとされ[6]、事実覆面からのぞく素肌にそれを思わせるテクスチャが描かれているが、『コンプリートガイド』で小林プロデューサーはこの設定はアングルであり、素顔は「ガエル・ガルシア・ベルナル似の美男子」であると語っている。
- メキシコ、アルバカーキ出身。レスラーマスクを着用し、マントを付けた白スーツという姿で登場する。スミス同盟の中で唯一、パワーアップにより大きく外見が変化するキャラクターであり、「邂逅」の章では「メインイベンター」としてスーツを脱ぎ試合中を思わせる半裸の姿に変化。さらに「分身」の章ではボディスーツ状に覆面から体まで全身を包む人間離れしたデザインのコスチュームに変更(ゲーム中この形態に名は付けられていないが、『コンプリートガイド』では「ファイナルマスク」と呼ばれる)。「笑顔」の章では伝説の「鉄仮面」のマスクを受け継ぎ、ファイナルマスクのスーツの上にオーバーマスク状に金色のマスクとコスチュームパーツを身に付けている。初期状態およびメインイベンター時は章ごとに覆面のデザインが変わっており、実在のレスラーで言えばミル・マスカラスのように特定の意匠の覆面を持たないマスクマンと考えられる。
- 得物は2丁のグレネードランチャー"DREAM ALL DAY"。デザインのモチーフはM79 グレネードランチャーのソードオフモデルと思われる。銃把にワンポイントで覆面のイラストが描かれているのが特徴。
- プレイヤーキャラクターとしては最大の体力(ヤング・ハーマンを除く)と最強の破壊力を持つが、動作が鈍く装弾数が実質的に1発(両手のランチャーを同時に撃つため)で撃つ度にリロードが必要という欠点もある。特にグレネードランチャーは攻撃範囲が広範である反面、部位破壊や腫瘍を撃ち抜く事ができず、血清の収集に適さないというゲーム上重大な難点を抱えており、きわめて扱いにくいプレイヤーキャラクターである。しかし「邂逅」の章以降、マスクでしか駆除不可能でグレネードでも血液が採れるプロテクトスマイル・シリーズが登場し、加えてファイナルマスクに変化後は弾数無制限となり多くの欠点が解消される。
- 特殊能力は障害物の破壊。マップ上の特定の障害物をプロレス技やトレーニングの応用で除去したり、ひびの入った壁にグレネード弾を打ち込み破壊する。特殊攻撃は「電撃弾」及び「集束弾」。それぞれグレネード弾に電撃や空間の歪みを付与する効果を持ち、プロテクトΖスマイル、プロテクトΖΖスマイルの唯一の駆除方法となっている。ダンの魔弾同様、構えたまま「薄い血」をセットして発射する。またファイナルマスクとなって以降は「薄い血」5本という破格のエネルギー量で特殊攻撃「ファイナルサーカス」が可能となる。コスチュームの胸の射出口からミサイルが大量に発射されるという攻撃で、破壊力は絶大である。
[編集] スミス同盟の関係者
- クリストファー・ミルズ (Christopher Mills) 49歳(声:Bart Flynn)
- 情報屋。合衆国政府に雇われ、主にkiller7(ガルシアン)とのパイプ役として政府の依頼を伝える。腕は劣るが、殺し屋でもある。仕事上の付き合いとは言えガルシアンの良き理解者であり、自身も殺しの世界に身を置く立場ながら達観しきれずガルシアンに心情を吐露することも。劇中ではガルシアンを愛称「ガルシー」と呼ぶ唯一の存在。情報屋という仕事柄、合衆国政府の陰謀に接触し、選挙戦に秘められた真実を知ったがために政府筋から暗殺される。
- シアトル出身。スコットランド系。黒のハイネックとベージュのジャケットというややラフな出立ち。カーマニアで劇中でも3台のスポーツカーを乗り換える。うち1台は「雲男」の章に登場するスーパーカーと同型で、『killer7: OFFICIAL STRATEGY GUIDE』においてこの車はミルズが裏ルートから入手した同一の車輌である事が明らかになっている。この車はミルズの死後、ガルシアンが受け継いでいる。
- 『Hand in killer7』では少年時代にカーティス・ブラックバーンの情報屋として働いていた事や、その縁でダンとも古くから知り合うも、そりが合わない仲である事が記されている。電撃PS2DVD誌に連載されていた小説版に、当時の様子が描写されている。
- サマンサ・シットボーン (Samantha Sitbon) 19歳(声:Heidi Anderson)
- アルバイトでハーマンを介護する大学生、あるいはハーマンに仕えるメイド。劇中ではこの2つの顔が使い分けられ、いずれが真実の姿とも捉えられないように描かれている。物語終盤に謎の「失踪」を遂げるが、その意味は多くの解釈の余地を残し定かではない。
- 主にハーマンの非覚醒時には学生の姿、覚醒後にはメイドの姿で現われる。大学生としてのサマンサは現代的なファッションで介護対象のハーマンを虐待する自堕落かつ性悪なサディスト。その一方、メイドとしてのサマンサは質素なエプロンドレスを着用し感情を顕にせずハーマンに忠実に仕える良き部下である。
- ゲーム中ではハーマン部屋でセーブを行なうためのキャラクターとして機能する。マップ中のハーマン部屋の位置によってはメイドではなく学生の状態で現われ、この場合のサマンサはゲーム上何の役にも立たない。
- ジョニー・ギャノン (Johnny Gagnon)
- 鳩書簡の執筆者とされる人物。劇中にその姿は登場しないが、鳩書簡の文章は若々しく、自らを「秒殺で射精してしまう」スピードスターと称する茶目っ気も見せている。依頼人「エミール」に対しkiller7に関する調査報告を送り続けるが、一向に支払われないギャラに徐々に苛立ちを募らせ、次第に依頼人の殺害を企てるようになる。しかしエミールとスミス同盟の間のある特殊な関係により、彼は「サマンサ」を名乗る人物に殺害される。
- 劇中では