H型エンジン
H型エンジン(H engine)とは、レシプロエンジンの形態の一種である。水平対向エンジンを2つ重ねて結合させた構造を持ち、正面から見るとシリンダーと結合部が「H」あるいは「エ」のように配置されていることが名前の由来である。
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概要 [編集]
H型エンジンは水平対向エンジンを縦または横に2つ束ねたような構造をしている。2つの「エンジン」は独立したクランクシャフトを持ち、それぞれの動力がギアによって統合され、その後にエンジンの外部へ出力される。このためH型エンジンは、クランクシャフトが1本で済む他の形態のエンジンと比べ出力荷重比の点で劣っている。このことはH型エンジンが一般的なエンジンの型式とならなかった大きな原因である。一方、気筒を増やしてもエンジンの全長を短く抑えることができるという利点があり、気筒数の多い大出力の航空機用エンジンやフォーミュラ1用エンジンの中にはこの形態を採用したものもあった。
H型エンジンと同様に「2つのエンジンを結合させる」というコンセプトに基づくエンジンとしてU型エンジンがある。これは水平対向エンジンではなく直列エンジンを2つ束ねた構造を持っている。またV型エンジンを2つ束ねたX型エンジンと呼ばれる形式もあるが、これは単一のクランクシャフトを持つ点でH型エンジンとは異なる。
実例 [編集]
車両用 [編集]
- ブラフ・シューペリアのオートバイ「ゴールデンドリーム」のエンジン - 1939年に少数生産された。H型4気筒排気量1,000cc。
- BRMH-16 - 1960年代にフォーミュラ1用に開発された。H型16気筒。
航空機用 [編集]
液冷式の航空機用レシプロエンジンの主流はV型エンジンや倒立V型エンジンだったが、出力を増加させるために気筒を増やそうとした場合、全長が伸び過ぎて航空機の設計が困難になるという問題があった。そのため16気筒や24気筒といった超多気筒エンジンの中には、全長を抑えられるH型の形態を採るものがあった。
エンジンのサイズを抑えつつ気筒を増やす別の方法としてX型エンジンがある。H型エンジンはX型エンジンと比較して機関自体の出力特性は劣っていたが、信頼性が高く頑丈なエンジンを設計しやすい点では優れていた。H型エンジンは特にイギリス空軍機で多用され、第二次世界大戦で大英帝国の勝利に貢献した。
- ライカミングのエンジン
- ライカミング H-2470 - 試作のみ。
- プラット・アンド・ホイットニーのエンジン
- プラット・アンド・ホイットニー X-1800 - H型24気筒、42.6L、2000馬力。試作のみ。
- ネイピア・アンド・サンのエンジン
- ロールス・ロイスのエンジン
- ロールス・ロイス イーグル - H型24気筒、46.2L、3200馬力。
- フェアリー・アビエーションのエンジン
- フェアリー H-16 「プリンス」 - 1500馬力。
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