V型エンジン

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メルセデス・ベンツ製のV6エンジン

V型エンジン(ブイがたエンジン)は、レシプロエンジンの形式の一つで、シリンダーを左右交互にV字型に配置したエンジン。シリンダーを水平に配置した180°V型エンジンも存在する。

目次

概要 [編集]

V型エンジンは直列、あるいは並列に並べる配置よりもシリンダボアに拘束されずにクランクシャフトの長さが短縮できるため、特に多気筒化したときにエンジンをコンパクトにすることができる。

直列エンジンのシリンダーを左右にずらしたランチアVW狭角V型エンジンも広義ではV型に分類されることがあるが、厳密には、向かい合うシリンダーのコンロッドが一つのクランクピンを共有するものをV型と言う。このため水平対向型であってもクランクが同位相の場合は180°V型エンジンとも呼ばれる。

直列型エンジンに比べ、シリンダーの挟み角などによって出力特性や振動特性は大きく異なる。

自動車では主に多気筒になりがちな大排気量エンジンに採用されており、米国では1930年代から現在まで好んで採用されており、一般的な乗用車のみならず、SUVピックアップトラックミニバンなどにスタンダードとして広く用いられている。

一時は米国製自動車(アメ車)の代名詞ともなっていたマッスルカーや、CARTインディーカーNASCARに代表されるモータースポーツの歴史でも、各チューナーが覇を競ったハイパフォーマンスなV8エンジン抜きには語ることができない。

また、アメリカでは6気筒であっても音に鼓動感のあるV型が好まれる傾向があり、それゆえ北米市場を狙ったスポーツカーや高級セダンではV型エンジン搭載車が多い。

F1などフォーミュラカーのエンジンにも1960年代から採用されており、なかでも、ターボ時代や多気筒全盛期を生き抜いたフォードコスワースDFVとその末裔はレーシングエンジンの金字塔とされる。現在、F1のエンジンはレギュレーションにより2,400ccのV型8気筒エンジンに統一されている。

オートバイでは少ない気筒数でも振動を減らすことのできるV型の採用例は多く、ハーレーダビッドソンが45度の狭角V型OHVエンジンを採用しており、また、L型配置のVツインのドゥカティや、縦置きVツインのモト・グッツィなどは、その独特のエンジン音やトルク感から多くのファンを惹き付けてやまないばかりか、エンジン自体がアイデンティティとなっている。

航空機では、液冷エンジンの多くに採用されており、特に第二次世界大戦ドイツ空軍においては倒立V型エンジンが主流を占めた。

利点 [編集]

  • 気筒数が多くなるほど、直列型に比べシリンダーブロッククランクシャフトを短くすることができるため、剛性面で有利。
  • 気筒数が多い場合にスペース効率に優れ、自動車用では縦置き・横置きを兼用することができる。(とくにOHVでは)排気量の割りにコンパクトなエンジンとすることができる。
  • 気筒数が少ない場合でも一次振動が理論上はキャンセルされ、静粛で低振動にできる。
  • 挟み角と気筒数で異なるが、例えば90度バンクの4気筒の場合などでは、ひとつのピストンが上死点、または下死点にあり、ピストンスピードが0のときでも、対になっているピストンは、一番速度の速い中間点にあるため、低回転でも滑らかにまわり、止まりにくい(直列4気筒・180度クランクでは全てのピストンが止まる瞬間がある)。

欠点 [編集]

  • 直列エンジンと比べ、構造が複雑で重量も上回る。
  • 給排気系のレイアウトが制限される場合がある。
  • 各バンクごとに排気管をまとめると排気干渉を起こすことがある
  • 気筒数、挟み角によっては不等間隔爆発となることから、特に低速域でトルク変動が起こる(現在では位相クランクピンで等間隔化が可能。二輪車では不等間隔爆発の特性を利用して、加速時のトラクションを実質的に確保したり、心地よい振動を得ることで利点とする場合もある。)。
  • 整備性では、横置きエンジンの場合だとスパークプラグの交換がかなり難しい(例:トヨタ車の場合1MZ-FE、2GR-FEエンジンなどで特にエスティマやアルファードなどのミニバン車両が顕著)。

種類 [編集]

関連項目 [編集]