黒海艦隊

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黒海艦隊(こっかいかんたい;ロシア語:Черноморский флотチョルナモールスキイ・フロート;略称ЧФ)は、黒海に駐留している艦隊である。現在は、ロシア連邦の管轄下にあり、ロシア海軍に所属している。

現在、主要基地であるウクライナ領(2014年3月18日にロシアが連邦への編入を宣言したが国際的には認められていない)セヴァストポリに加え、ロシア領ノヴォロシースクでも拠点の建設作業が行われている。

概要[編集]

かつてはロシア帝国海軍ソ連海軍の一部であった。その中で、黒海艦隊は戦艦巡洋艦、攻撃型潜水艦が配属されるなど主力艦隊の一翼を担っていた。ロシア帝国時代から黒海艦隊の兵員は多くがウクライナ人で占められており、1917年の時点で構成員の80 %を占めていた。そのため、ロシア革命後には黒海艦隊は長らく反ロシア共産党派についた。しかし、1965年から段階的にその割合は減ぜられ、ロシア人の割合が上昇した。

冷戦期には、黒海から地中海へ艦艇を継続的に進出させて、アメリカ海軍イギリス海軍と対峙していた。米英海軍艦艇との接触事故も何度か発生している。NATO軍との戦争が勃発した場合はブルガリア海軍及びルーマニア海軍と協力してボスポラス海峡からマルマラ海ダーダネルス海峡を制圧して黒海から地中海方面への交通路を確保する事が任務となっていた為、海軍歩兵や戦闘爆撃機を装備した海軍航空隊を保有している。

ソ連崩壊の過程で、主要基地であったセヴァストポリ軍港がウクライナ領になったことから艦隊の帰属が宙に浮くことになった。長らく二国間で協議が進められた結果、艦隊の分割と基地の使用権に関する協定が結ばれた。この協定により、ロシア海軍は2017年までセヴァストポリに駐留することが認められた。 なお、ウクライナ海軍が引き取った大型艦艇の多くは、後に天然ガスの代金の未納分で相殺する形でロシア船籍となっている。

2004年にウクライナでオレンジ革命と呼ばれる政変が起こり、ヴィクトル・ユシチェンコ政権が成立した。同政権はNATO加盟を目指すなど親西側路線を掲げる一方、ロシアに対しては2017年までに黒海艦隊を撤退させるよう要求した。 しかし2010年の選挙で親露派と目されるヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権が成立したことにより、黒海艦隊の駐留期限をさらに25年延長する協定が結ばれた。これにより、黒海艦隊は少なくとも2042年まではセヴァストポリを母港とすることが可能となる。

現在、黒海艦隊にとって最大の問題は艦艇の老朽化である。以下の「編成」の頁で示すように、依然として旧式艦が多数在籍しており、約40隻の在籍艦艇中、稼動状態にあるものは20隻程度でしかない[1] 。しかも、黒海はグルジアに面しており、2008年8月のような武力紛争が再び発生した場合には黒海艦隊が海上優勢の確保や輸送を担わなければならない。
このため、ロシア海軍は今後10年間で黒海艦隊の近代化を重点的に進める予定で、6隻のフリゲート、6隻のディーゼル・エレクトリック潜水艦、2隻の大型揚陸艦を含む20隻を配備する予定である。フリゲートはインド海軍向けのタルワー級をロシア海軍向けに改修した22350型、潜水艦は636型(キロ級)、強襲揚陸艦はイワン・グレン級が配備される見込み。

歴史[編集]

編制[編集]

以下の編成は、2008年頃のデータに基づく。また、艦級は運用側呼称ではなく慣用による。

艦艇部隊[編集]

海軍航空隊[編集]

海軍歩兵・沿岸防衛部隊[編集]

  • 第810独立海軍歩兵連隊:セヴァストポリ
  • 第382独立海軍歩兵大隊:テムリュク
  • 第11沿岸ミサイル・砲兵旅団:アナパ
  • 第219独立電波電子戦連隊:オトラドノエ
  • 第102独立対水中破壊工作大隊:セヴァストポリ
  • 第431海上偵察所(軍部隊51212):トゥアプセ。海軍スペツナズ

歴代司令官[編集]

黒海艦隊司令官
職名 氏名 階級 在任期間 出身校 前職
司令官 ウラジーミル・コモエドフ 大将 1998.7-2002.10
司令官 ウラジーミル・マソリン 大将 2002.10-2005.2 黒海高等海軍学校 カスピ小艦隊司令官
司令官 アレクサンドル・タタリノフ 大将 2005.2-2007.7 黒海高等海軍学校 黒海艦隊参謀長
司令官 アレクサンドル・クレツェコフ 中将 2007.7-2010.7 バルト艦隊参謀長
司令官 ウラジーミル・コロロフ 中将 2010.7-2011.6
司令官 アレクサンドル・フェドテンコフ 少将 2011.6-

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ "Черноморский флот до 2020 года получит 6 фрегатов и 6 ДЭПЛ," ИТАР-ТАСС, 27 октября 2010. ヴィソツキー海軍総司令官の発言

外部リンク[編集]