大韓民国の警察

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大韓民国の警察官
大韓民国の警察官

大韓民国の警察(だいかんみんこくのけいさつ)は、大韓民国安全行政部(旧内務部)の管轄下にある警察庁及び地方警察庁等の警察組織である。

概要[編集]

韓国の警察は典型的な国家警察であり、米国式の自治体警察や日本の半独立的な都道府県警察の形態ではない。このような国家警察形態は日本統治時代の警察制度が南北間の軍事的緊張状態のなかで残存したと見ることもできる[誰?]。最新統計によれば、警察人員総数は約96,000人である。なお韓国警察の緊急通報電話番号は112番。

なお済州特別自治道については、2006年、自治警察制導入を謳った地方分権特別法に基づき、最初の自治警察団が設置されている。

組織[編集]

大韓民国警察庁庁舎
原州警察署のパトカー
大韓民国の警察官

行政安全部に所属する警察庁が警察大学警察教育院中央警察学校警察捜査研修院警察病院及び1特別市、6広域市、9道に設置された16地方警察庁を統括する。警察庁の内部組織は警務局、生活安全局、捜査局、警備局、情報局、保安局、外事局の7局からなる。また地方警察庁は市・道知事の所属下に置かれ、所轄の警察署を管轄するが、市・道知事には指揮監督権がなく、中央の警察庁が一括して指揮監督することになっている。日本の警察に例えると、かつての国家地方警察をより中央集権的にした形態となっている。2010年12月現在、16地方警察庁は全国248の警察署を管轄する。

沿革[編集]

  • 1945年 - 米軍政下に警察管理局、各道に警察部を設置。
  • 1946年 - 警察管理局を警事部に昇格、新階級制度導入。
  • 1948年 - 内務部(省)の下に治安局、ソウル特別市、各道に警察局設置。
  • 1967年 - 各道、主要市に戦闘警察隊設置。
  • 1974年 - 内務部治安局を治安本部に改組。
  • 1979年 - 警察大学設置。
  • 1991年 - 治安本部を警察庁に改編、内務部の外庁となる。地方警察局は地方警察庁に改称。
  • 1998年 - 上部組織である内務部が総務処と統合され、行政自治部成立。
  • 1999年 - 蔚山地方警察庁設置。
  • 2000年 - 運転免許業務を運転免許試験管理団に移譲
  • 2006年 - 済州特別自治道の発足にともない、最初の自治警察団が済州に設置される。
  • 2007年 - 大田地方警察庁・光州地方警察庁設置。
  • 2008年 - 行政自治部が行政安全部に改編される。
  • 2010年12月31日 - 運転免許試験管理業務を道路交通公団に移譲し、運転免許試験管理団廃止。
  • 2013年 - 行政安全部が安全行政部に改編。

人員配置[編集]

2012年2月現在の定員

  • 警察庁  1,456人
  • 警察大学 239人
  • 警察教育院 147人
  • 警察捜査研修院 38人
  • 中央警察学校 159人
  • 警察病院 586人

階級名称[編集]

  • 治安総監(Commissioner General)1名(警視総監に補職)
  • 治安正監(Chief Superintendent General)5名(警察庁次長、ソウル地方警察庁長、京畿地方警察庁長、釜山地方警察庁長、警察大学長に補職)
  • 治安監(Senior Superintendent General)(警視監。警察庁各局長、警察庁企画調整官、ソウル・京畿・釜山を除く地方警察庁長、ソウル地方警察庁次長、京畿地方警察庁次長、警察教育院長、中央警察学校長)
  • 警務官(Superintendent General)(警視長。地方警察庁次長、ソウル・京畿地方警察庁部長、警察庁管理官・審議官、一部の警察署長)
  • 総警(Senior Superintendent)(警視正。警察署長、地方警察庁課長級)
  • 警正(Superintendent)(警視にあたる。警察署課長、警察庁・地方警察庁係長)
  • 警監(Senior Inspector)(警部に相当。地区隊長、警察署主要係長、チーム長、警察庁・地方警察庁班長)
  • 警衛(Inspector)(警部補に相当。巡察チーム長、交番所長、警察署係長、警察庁・地方警察庁は実務者)
  • 警査(Assistant Inspector)(巡査部長に相当)
  • 警長(Senior Policeman)
  • 巡警(Policeman)(巡査にあたる)
  • 巡警試補(Policeman Assistant)(試験採用2年、正式の階級ではない。)

戦闘警察隊[編集]

「戦闘警察隊設置法施行令」による戦闘警察巡警の階級

  • 特警
  • 首警
  • 上警
  • 一警
  • 二警

済州自治警察[編集]

「済州特別自治道設置及び国際自由都市造成のための特別法」による階級。(カッコ内は相当職)

  • 自治総警(自治警察団長)
  • 自治警正(自治警察隊長)
  • 自治警監(自治警察隊長)
  • 自治警衛
  • 自治警査
  • 自治警長
  • 自治巡警

戦闘警察隊[編集]

韓国の警察には戦闘警察隊と呼ばれる組織が存在した。準軍事組織であり、北朝鮮から侵入した武装ゲリラの殺害・拘束(対間諜作戦)を目的としていた。

隊員は厳密には警察官ではない。徴兵によって集められ、韓国陸軍で軍事訓練を受けた後、出向という形で警察に勤務する。この者を作戦戦闘警察巡警と呼ぶ。戦闘警察への入隊を徴兵と同等とみなし、希望者を募って試験を行い、合格すると兵役期間中戦闘警察で勤務する義務戦闘警察巡警もある。軍事訓練は陸軍に委託する。

作戦戦闘警察巡警は主に対間諜作戦任務、義務戦闘警察巡警は主に警備・交通外勤・派出所勤務・防犯巡察など警察の補助任務を行っている。

国会警備隊や政府庁舎警備隊にも戦闘警察巡警が多く勤務している。

軍事独裁政権時代には「白骨団」と俗称される私服のデモ弾圧部隊が組織され、民主化運動の弾圧に猛威を振るった。名前は被っていたヘルメットが白かったことに由来している。弾圧方法は非常に過酷で、デモ参加者を殺害してしまうという不祥事を度々起こした。盾には自制のため「忍」の文字が書かれていた。

盧武鉉政権下では、非殺傷性装備であるにも関わらず催涙弾等の使用が禁止又は制限されてしまい、警棒等を使用した近接検挙に頼らざるを得なくなり、デモ隊との間でしばしば乱闘に発展し、多くの負傷者を生じる結果となった。

警察教育[編集]

前述のように警察大学(幹部候補生教育)など警察庁運営の専門教育機関があるが、いずれも小規模なものである。このほか、東国大学校をはじめとした4年制大学に警察行政学科が設置され、警察専門教育を行っている。大学院課程まである大学も存在する。ただし、一般の4年制大学の警察行政学科を卒業しても警察公務員試験に合格しなければ、警察官にはなれない[1]。なお、警察公務員の採用は各地方警察庁ごとに行われ、採用者は警察行政学科卒業者も含め、中央警察学校において6ヶ月間の基礎教育が課される。

警察庁の採用は大きく三つに分かれ、日本の国家III種にあたる巡警(巡査)採用、警察関連大学の卒業生を対象にした、日本の国家II種にあたる警査(巡査部長)採用、また、日本の国家I種にあたる幹部候補生の警衛(警部補)採用がある。幹部候補生で採用された場合は1年間の警察総合学校での研修を終え、警察大学出身者と同様、警衛(警部補)として入庁することになる。韓国にも日本のキャリアにあたるものがあるが、韓国の弁護士資格を持つ者、および国家公務員採用上級試験に合格し、2年以上の経歴を持つ者だけに資格が与えられ、短期研修を経て警正(警視)に任命される。韓国内にこのようなキャリアは80余名だと言われていて[誰によって?]、この中で2009年現在、弁護士出身は29人である。

ちなみに、警察大学は幹部警察官養成のための4年制大学である。警察における士官学校的な位置づけであり、軍における陸軍士官学校・海軍士官学校・空軍士官学校に相当する。警察大学のカリキュラムは大学警察行政学科に準じているが、警察学や幹部警察官になるための訓練(テコンドーなどの武術射撃訓練、戦闘警察隊の訓練)がある。警察大学の入学者の成績は全大学受験生の上位3%~5%ほどであり、かなりの難関である(これはソウル大学校の難易度にほぼ相当する)。警察大学卒業生は、卒業後ただちに警衛の階級の警察官(日本警察の警部補に相当)に任官する。

警察採用試験合格者からは韓国工作員の道に進むものもあり、日本では新潟日赤センター爆破未遂事件を引き起こしている[2]

不正[編集]

  • 2011年に入り、前警察庁庁長、前警務局長ら、警察幹部が特定の業者から現金を受け取っていたとの疑惑が起こり、検察の事情聴取を経て前庁長が2011年1月28日検察庁に逮捕された。

脚注[編集]

  1. ^ 警察行政学科出身枠で受験可能
  2. ^ “50여년前 66인의 北送저지 공작대를 아십니까”. 朝鮮日報. (2011年4月30日). http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2011/04/30/2011043000063.html 2011年5月閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]