大韓民国国家情報院

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国家情報院
各種表記
ハングル 국가정보원
漢字 國家情報院
発音 クッカジョンボウォン
日本語読み: こっかじょうほういん
英語表記: National Intelligence Service(NIS)
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国家情報院(こっかじょうほういん)は大韓民国(韓国)の国家安全保障に係わる情報・保安及び犯罪捜査などに関する事務を担当するために大統領直属で設置された情報機関である。

韓国中央情報部(KCIA) が改称した「国家安全企画部」が金大中政権下の1999年に改編された。国情院と略称される。

概要[編集]

「国家情報院法」第3条にはその職責を

  • 国外情報及び国内保安情報(政府転覆・諜報テロ及び国際犯罪などの組職)の収集・作成及び配布
  • 国家機密に属する文書・資材・施設の保全及び地域に対する保安業務(ただし各機関に対する保安監査は除く)
  • 刑法中内乱の罪、外為の罪、軍刑法中反乱の罪、暗号不正使用罪、軍事機密保護法に規定された罪、国家保安法に規定された罪に対する捜査
  • 国情院職員の職務に係わる犯罪に対する捜査
  • 情報及び保安業務の企画・調整

などと規定されている.

国家情報院は危機管理とその監視機能を担当し、南北が対立する状況下での安全保障維持を目的とする。この法には政治関与禁止条項があるが、安全企画部時代には遵守されず、国内政治に深く介入して野党や言論機関に対する工作をして来た。初代院長である李鍾賛はこのような工作の排除、組職の構造改革、経済・産業・通商・技術分野の情報収集強化などを策定した。院長の下に第1次長(海外分野)・第2次長(国内分野)・第3次長(北朝鮮分野)で構成される。

沿革[編集]

職級[編集]

国家情報院の職員(技能職を除く)は、1級~9級に分かれる。4級以下は、職列(情報、治安、捜査、工業、通信、電算)名を職名の前に冠する。以下の表は、国家情報院職員法施行令に基づく。なお、対応する軍・警察の階級は、他部門からの特別採用時に付与される職級に基づく。

職級
職名 朝鮮語 対応する軍の階級 対応する警察の階級
1級 管理官 관리관 - -
2級 理事官 이사관 大領 治安監
3級 副理事官 부이사관 中領・大領 警務官
4級 情報書記官 정보서기관 少領・中領 総警
5級 情報事務官 정보사무관 大尉・少領 警正
6級 情報主事 정보주사 中尉・大尉 警尉・警監
7級 情報主事補 정보주사보 上士・准尉・少尉・中尉 警査
8級 情報書記 정보서기 中士・上士 警長
9級 情報書記補 정보서기보 下士 巡警

歴代の国家情報院長(前身のKCIA、安企部の部長を含む)[編集]

  • 初代 金鍾泌(1961年5月20日 - 1963年1月6日)
  • 2代 金容珣(1963年1月7日 - 1963年2月2日)
  • 3代 金在春(1963年2月21日 - 1963年7月11日)
  • 4代 金炯旭(1963年7月12日 - 1969年10月20日)
  • 5代 金桂元(1969年10月21日 - 1970年12月20日)
  • 6代 李厚洛(1970年12月21日 - 1973年12月2日)
  • 7代 申稙秀(1973年12月3日 - 1976年12月3日)
  • 8代 金載圭(1976年12月4日 - 1979年10月26日)
  • 9代 李熺性(1979年10月30日 - 1979年12月12日)
    • 職務代行 尹鎰均(1979年12月13日 - 1980年4月13日)
  • 10代 全斗煥(1980年4月14日 - 1980年7月17日)
  • 11代 兪學聖(1980年7月18日 - 1982年6月1日)
  • 12代 盧信永(1982年6月2日 - 1985年2月18日)
  • 13代 張世東(1985年2月19日 - 1987年5月25日)
  • 14代 安武赫(1987年5月26日 - 1988年5月6日)
  • 15代 裵命仁(1988年5月7日 - 1988年12月4日)
  • 16代 朴世直(1988年12月5日 - 1989年7月18日)
  • 17代 徐東權(1989年7月19日 - 1992年3月30日)
  • 18代 李相淵(1992年3月31日 - 1992年10月8日)
  • 19代 李賢雨(1992年10月9日 - 1993年2月2日)
  • 20代 金悳(1993年2月26日 - 1994年12月23日)
  • 21代 權寧海(1994年12月24日 - 1998年3月4日)
  • 22代 李鍾贊(1998年3月5日 - 1999年5月25日)
  • 23代 千容宅(1999年5月26日 - 1999年12月23日)
  • 24代 林東源(1999年12月24日 - 2001年3月26日)
  • 25代 辛建(2001年3月27日 - 2003年4月24日)
  • 26代 高榮九(2003年4月25日 - 2005年7月10日)
  • 27代 金昇圭(2005年7月11日 - 2006年11月22日)
  • 28代 金萬福(2006年11月23日 - 2008年2月11日)
  • 29代 金成浩(2008年3月26日 - 2009年2月12日)
  • 30代 元世勳(2009年2月12日 - 2013年)
  • 31代 南在俊(2013年 - 2014年6月)
  • 32代 李丙琪(2014年6月 - )

最近の動き[編集]

  • 2005年5月26日、国情院の過去史真実委員会は第4代中央情報部長金炯旭の失踪について、1979年10月に当時の部長金載圭の指示によりフランスパリで殺害されたとする中間調査結果を発表した。
  • 2012年大韓民国大統領選挙において、インターネット上で野党陣営の文在寅候補を誹謗中傷する書き込みを指示し、与党陣営が有利となるような世論操作等の選挙介入を行った疑いで、元世勳前国家情報院長が在宅起訴された[1]。その後、元世勲前国家情報院長は、収賄の疑いで逮捕される[2]

脚注[編集]

外部リンク[編集]