マジカル・ミステリー・ツアー
『マジカル・ミステリー・ツアー』(Magical Mystery Tour)は、イギリスのロックバンドビートルズによるテレビ映画用サウンドトラックである。
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プロジェクトの来歴 [編集]
詳細は「マジカル・ミステリー・ツアー (映画)」を参照
ポール・マッカートニーは『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を発表した後、ビートルズと彼らの音楽に基づいた映画を作ろうとした。1967年8月にマネージャーのブライアン・エプスタインの死去後、初めて自分たちで取り組んだ映画プロジェクトであった。しかしエプスタインの判断が無い結果として無秩序な映画制作となった。『マジカル・ミステリー・ツアー』のコンセプトは様々な「普通の」人々(ジョン・レノンの叔父、チャーリーを含む)が観光バスに乗り込んで旅行し、予測できない「マジカル」な冒険をするというものであった。そうした制作コンセプトのため脚本とプロの映画監督無しという状況で撮影は行われた。
しかし、『マジカル・ミステリー・ツアー』の映画は制作されたものの彼らが望んでいたような「マジカル」な冒険はまったく起きなかった。撮影中、非常に多くの自動車が手書きで彩られたバスにくっついてきて、バス内の乗客が何を行おうとしているかを見たがり、交通渋滞を発生するまでになった。見せ物はレノンが怒りながらバスのそばを立ち去ったことで終了した。
映画の評判は芳しいものではなく、イギリスでは最初、BBC one(白黒放送局)において1967年のクリスマス休日をまたいでテレビ2回放送されたが、発表したことへの非難が集まった。[1]しかしその番組は、映画学校時代のスティーヴン・スピルバーグに言及されている。
アメリカではABCで放送するという予定がキャンセルされ、マジカル・ミステリー・ツアーは公には1976年まで見ることが出来なかった。見ることが出来た場合でもそれはミッドナイト・ムービーや大学での興行などであり、どちらも一般的にはアンダーグラウンド扱いであった。
映画のサウンドトラック [編集]
サウンド・トラックの6曲は英国オリジナルでは2枚組EPという特殊なフォームで、1967年12月8日にリリースされた。しかしアメリカではEP盤自体が一般的ではなかったため米キャピトル・レコードはA面にサウンド・トラック6曲を任意に配列し、更にB面にシングル盤既発売曲の5曲を任意に配列した11曲入りコンピレーション・アルバムを、1967年11月27日にリリースした。この米キャピトル編集盤は扱いの簡便さからイギリスでも輸入盤として人気を集めた。イギリス・EMIレコードによるLP盤としては、1976年11月27日にリリースされた。
その後1987年のCD化において、この米キャピトル編集盤はイギリス盤公式オリジナル・アルバムと同等に扱われた。更に、2009年9月9日にリリースされたデジタル・リマスター盤においては、アメリカ・キャピトルレコードによる発売日(【US盤】<レインボーキャピトル>レーベル Captol SMAL-2835 1967年11月27日発売 を参照)及び、EMIレコードにおけるイギリス国内発売日(アメリカからの輸入盤発売日)に基づき9作目のオリジナル・アルバムの位置に順番付けられている。
映画とは対照的にサウンドトラックは非常に好意的に受け入れられた。プロデューサーのジョージ・マーティンのクレジットには "BIG" という称号が付いた。
ヒット・チャートではイギリスにおいては「ミュージック・ウィーク」誌では、EP盤(しかも2枚組)としては異例のシングル・チャートに登場し、最高位第2位を獲得している。ちなみにこの時、第1位だったのは「ハロー・グッドバイ」であった。なお米キャピトル編集盤は前述の通り輸入盤として人気を博しアルバムチャートの31位にまで達した。
アメリカでは『ビルボード』誌アルバム・チャートで8週間連続第1位に輝いた。1968年度年間ランキングでは第4位を記録している。『キャッチュボックス』誌でも、8週連続第1位を獲得し、1968年度年間ランキング第9位を記録し、アメリカだけで600万枚以上のセールスを記録している。また、1968年度のグラミー賞ではベストアルバムとしてノミネートされた。[2]
なお日本盤LPのジャケットは通常の厚手の紙ではなく、欧州盤同様薄手の紙で出来ていた。
ミキシング [編集]
当時EP盤はモノラルが原則であったが、英オリジナル2枚組EPはステレオとモノラルの双方が発売された。ビートルズのオリジナルEP中唯一ステレオでリリースされたEPである。
米キャピトル編集盤のステレオ盤の「ペニー・レイン」、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチマン」、「愛こそはすべて」の3曲はステレオ・ミックス・ヴァージンが未制作だったことから、発売予定に間に合わせるためにモノラル・ヴァージョンを疑似ステレオ化したヴァージョンが収録された。また「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は後に英盤『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』で発表されるものとは別のステレオ・ミックスが使われていた。
米キャピトルでのビートルズのモノラル・アルバムは本作が最後のリリースとなり、次作『ザ・ビートルズ』以降はステレオのみの発売となった。
「ペニー・レイン」、「ベイビー・ユーアー・ア・リッチマン」、「愛こそはすべて」の3曲を含む全曲リアル・ステレオのアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』は1971年に西ドイツでリリースされた。同盤のA面曲は英オリジナルEP用のミキシングが使われていた。
前述の通り米キャピトル編集盤は取り扱いの利便性からイギリスでも人気を呼んだため、1976年には英パーロフォン盤からもリリーされるようになったが、西ドイツ盤とは異なり米キャピトル盤とまったく同じ内容のものであった[3]。
CD化 [編集]
EP『マジカル・ミステリー・ツアー』は後にEPコレクションのボックス・セットのCD化でモノラル盤・ステレオ盤共に収録された。
また、アルバムは英EMIから1987年にコンピレーション・アルバムである『オールディーズ』を除く、ビートルズの全オリジナル・アルバムがCDとして再発売されたが、その際に米キャピトル編集盤であるにも関わらず『マジカル・ミステリー・ツアー』のみ例外的にCD化された。
CD化されたEPおよびアルバムは、1967年のオリジナルEPおよび1971年に西ドイツでリリースされたアルバムのものとほぼ同じであるが、「フライング」のみフェード・アウトが早く演奏時間が短く編集されている。
英国EMIパーロフォン・オリジナル盤収録曲(2枚組EP) [編集]
| 『マジカル・ミステリー・ツアー』 | |
|---|---|
| ビートルズ の EP | |
| リリース | |
| 録音 | アビー・ロード・スタジオ、オリンピック・サウンド・スタジオ 1967年4月25日 – 1967年11月7日 |
| ジャンル | ロック |
| 時間 | 19分12秒 |
| レーベル | Parlophone |
| プロデュース | ジョージ・マーティン |
| 専門評論家によるレビュー | |
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アナログA面 [編集]
- マジカル・ミステリー・ツアー - Magical Mystery Tour (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(2'51")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
- マル・エヴァンスとニール・アスピノールがパーカッションで参加している。
- ユア・マザー・シュッド・ノウ - Your Mother Should Know (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(2'29")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
アナログB面 [編集]
- アイ・アム・ザ・ウォルラス - I Am The Walrus ("No You're Not!" said Little Nicola) (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(4'36")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
- ステレオ・ヴァージョンは2分11秒から疑似ステレオになる。ただし4分04秒あたりから定位が左に寄り、4分13秒あたりから右に移る。こうした点から単純な疑似ステレオとは言い難い。
アナログC面 [編集]
- フール・オン・ザ・ヒル - The Fool On The Hill (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(3'00")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
- ジョン・レノンとジョージ・ハリスンはハーモニカを吹いている。
- フライング - Flying (Lennon - McCartney - Harrison - Starkey)
- 演奏時間:(2'15")、インストルメンタル作品
アナログD面 [編集]
- ブルー・ジェイ・ウェイ - Blue Jay Way (Harrison)
- 演奏時間:(3'56")、リード・ヴォーカル:ジョージ・ハリスン
米国キャピトル編集盤収録曲 [編集]
| 『マジカル・ミステリー・ツアー』 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| ビートルズ の サウンドトラック | |||||
| リリース | |||||
| 録音 | アビー・ロード・スタジオ 1966年11月24日 – 1966年12月21日 (ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー) 1966年12月29日 – 1967年1月17日 (ペニー・レイン) アビー・ロード・スタジオ、オリンピック・サウンド・スタジオ 1967年4月25日 – 1967年11月7日 (LP サイド2の残りの曲) |
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| ジャンル | ロック | ||||
| 時間 | 36分52秒 (LP, CD) |
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| レーベル | Capitol,EMI | ||||
| プロデュース | ジョージ・マーティン | ||||
| 専門評論家によるレビュー | |||||
| チャート最高順位 | |||||
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| ビートルズ U.K. 年表 | |||||
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| ビートルズ U.S. 日本 年表 | |||||
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前述の通りビートルズ解散後英国でもリリースされた。
アナログA面 [編集]
- マジカル・ミステリー・ツアー - Magical Mystery Tour (Lennon - McCartney)
- フール・オン・ザ・ヒル - The Fool On The Hill (Lennon - McCartney)
- フライング - Flying (Lennon - McCartney - Harrison - Starkey)
- ブルー・ジェイ・ウェイ - Blue Jay Way (Harrison)
- ユア・マザー・シュッド・ノウ - Your Mother Should Know (Lennon - McCartney)
- アイ・アム・ザ・ウォルラス - I Am The Walrus ("No You're Not!" said Little Nicola) (Lennon - McCartney)
アナログB面 [編集]
- ハロー・グッドバイ - Hello Goodbye (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(3'31")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
- ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー - Strawberry Fields Forever (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(4'10")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
- マル・エヴァンスがパーカッションで参加している。
- ペニー・レイン - Penny Lane (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(3'03")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
- ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン - Baby You're A Rich Man (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(3'03")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン(主部)、ジョン・レノンとポール・マッカートニー(中間部)
- 愛こそはすべて - All You Need Is Love (Lennon - McCartney)
- 演奏時間:(3'48")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
- ジョージ・マーティンがピアノで、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、マリアンヌ・フェイスフル、パティ・ボイド、ジェーン・アッシャー、マイク・マッカートニー、グラハム・ナッシュとその妻、ゲイリー・リーズとハンター・デイヴィスがバッキング・ボーカルとして参加している。
各国での発売形態 [編集]
| 国 | 日付 | レーベル | 発売形態 | カタログ番号 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 1967年11月27日 | Capitol Records | mono LP | MAL 2835 |
| stereo LP | SMAL 2835 | |||
| イギリス | 1967年12月8日 | Parlophone | mono double EP | MMT 1-2 |
| stereo double EP | SMMT 1-2 | |||
| 日本 | 1968年12月5日 | 東芝音楽工業(現:EMIミュージック・ジャパン)/Odeon=>Apple | LP | OP 9728(東芝特有の赤盤)
1969年にAPPLE盤のAP 9728に変わる。 |
| イギリス | 1976年11月19日 | Apple Records, Parlophone | LP | PCTC 255 |
| Worldwide reissue | 1987年8月8日 | Apple, Parlophone, EMI | CD | CDP 7 48062 2 |
| 日本 | 1987年8月22日 | 東芝EMI | CD | CP32 5334 |
| 日本 | 2004年1月21日 | 東芝EMI | Remastered LP | TOJP 60144 |
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt & Company. pp. 368-369. ISBN 0-8050-5249-6.
- ^ “The Beatles' Grammy and Academy and Emmy Award Nominations”. abbeyrd.best.vwh.net. 2007年11月20日閲覧。
- ^ オリジナル・マスター・テープを所有するパーロフォンが疑似ステレオをリリースすることは非常に珍しい。ステレオ・ヴァージョンが制作される前にオリジナル・マスター・テープを処分してしまった「ラヴ・ミー・ドゥ」、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」、「シー・ラヴズ・ユー」と、特殊事情のあった「アイ・アム・ザ・ウォルラス」の後半部分、「オンリー・ア・ノーザン・ソング」の5曲のみで、ステレオ・ヴァージョンが制作される前にオリジナル・マスター・テープを処分してしまった「アイル・ゲット・ユー」の疑似ステレオ・ヴァージョンはリリースされていない。
外部リンク [編集]
| 先代: モンキーズ「スターコレクター」 |
ビルボード200 ナンバーワンアルバム 1968年1月6日 - 3月1日 |
次代: ポール・モーリア・グランド・オーケストラ 「恋はみずいろ - ブルーミング・ヒッツ」 |
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