オードリー (テレビドラマ)
オードリー | |
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ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 大石静 |
出演者 |
岡本綾 賀来千香子 段田安則 長嶋一茂 堺雅人 佐々木蔵之介 石井正則 茂山逸平 林与一 國村隼 藤山直美 舟木一夫 沢田研二 大竹しのぶ |
ナレーター | 岡本綾 |
オープニング | 倉木麻衣「Reach for the sky」 |
時代設定 | 1953年 - 2001年 |
製作 | |
制作 | NHK大阪 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2000年10月2日 – 2001年3月31日 |
放送時間 | 15分 |
放送枠 | 連続テレビ小説 |
回数 | 149 |
番組年表 | |
前作 | 私の青空 |
次作 | ちゅらさん |
『オードリー』は、2000年10月2日 - 2001年3月31日までNHKで放送された連続テレビ小説第63作目で[1]、20世紀から21世紀に跨った作品である[2]。
概要[編集]
日本映画の聖地・京都市太秦を舞台に、産みの母と育ての母の間で揺れながら成長したヒロイン・美月が映画に人生を捧げていく姿を描く。
放送期間世帯平均視聴率は20.5%、最高視聴率は24.0%であった(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[3]。また、堺雅人や佐々木蔵之介ら小劇場出身の若手俳優の出世作となった[4][5]。
放送と並行して、荻丸雅子作画による漫画版が発売された。
2000年12月1日から、BS-2で衛星デジタル放送が開始され、この日からデジタルBS-2でも放送を開始した。
本作と同じく大石静が脚本を担当した大河ドラマ『光る君へ』を放送中の、2024年4月1日からNHK BS・BSプレミアム4Kにて毎週月曜日 - 土曜日午前7時15分に再放送中である[6]。
物語[編集]
少女時代[編集]
昭和28年9月、京都に生まれた佐々木美月は、幼い頃から、実の両親よりも、隣で老舗旅館『椿屋』を営む女主人・吉岡滝乃によって育てられたも同然の生活をしてきた。滝乃は椿屋と美月の家とを繋ぐ渡り廊下を造り、ぬいぐるみや絵本、おもちゃを買い与え自らを“お母ちゃま”と呼ばせた。それを美月の実の母親である愛子は快く思わず、米国帰りでオードリー・ヘプバーンのファンにして美月をオードリーと呼ぶ夫・春夫に滝乃への抗議を頼むが、春夫ははぐらかすだけで愛子は不満を募らせていく。やがて美月は幼稚園で、子供ながら自分が周囲とは違う環境に置かれていることを自覚し、登園拒否する。美月の良き遊び相手でもある椿屋女中の宮本君江は、気晴らしに美月を映画の撮影所へと連れて行き、美月は映画と出会う。その後、美月は撮影所に足を運び続け、エキストラとして映画に出演。その後の人生に深く関わることとなる助監督の杉本英記や子役の中山晋八、さらにはスター俳優の幹幸太郎とも顔見知りとなる。
女優時代[編集]
昭和47年春。高校の卒業式からの帰り道、美月は両親と滝乃に「女優になる」と宣言。その足で撮影所を訪れ、幸太郎・晋八・杉本らと6年半ぶりに再会、大京映画の黒田茂光社長に直訴する。一方、家では両親と滝乃に反対されながらも押し切り、吉岡美月の芸名で大部屋女優として採用される(実情は滝乃が美月を手元に置くために、苦肉の策として黒田に頼み込んだのであった)。美月を待っていたのは、朝倉もみじら先輩女優からのいじめだった。いじめが続くなか、美月は映画「無頼人」で端役で出演。撮影でも、もみじらが美月が転ぶように仕組んでいたが、それを見破った大部屋俳優の錠島尚也のとっさの機転で助けられる。それまで錠島と口もきいたことも無かった美月だったが、それをきっかけに錠島に惹かれていく。だが、天涯孤独であった錠島は他人を信じない人物だった。
美月の恋は両親と滝乃に反対されるが、徐々に錠島の歪んだ心は解きほぐされ、次第に錠島は美月に心を開くようになる。「無頼人」は興行的に振るわず、大京映画は膨大な赤字を抱えたため、黒田は杉本にテレビ時代劇の監督を命じ、大京映画復活を託す。杉本は晋八を説得して役者から殺陣師に転向させ、錠島を主役に「惨殺浪人・夢死郎」を企画し、美月も「駒」という役で出演する。が、撮影の際、美月は錠島との息が合わずにNGを連発。錠島は腹を立て、一度は通じた二人の心に溝が生まれ錠島は美月を捨てる。「夢死郎」は高視聴率を記録するが、その内容に触発された殺人未遂事件が起こり、その後の黒田の対応に世論が反発し「夢死郎」の続編は頓挫。大京映画は規模を縮小し、杉本は助監督に降格、錠島は大京映画を去り、美月の女優業も開店休業となる。
女将時代[編集]
昭和51年。滝乃のもとに元恋人の麻生祐二が現れプロポーズする。若き日に滝乃に想いを寄せていた春夫は動揺、愛子は春夫に失望し離婚を切り出す。椿屋を畳むとまで言った滝乃に、美月は唐突に椿屋の女将を継ぐと宣言。春夫は絶望しアメリカへと逃避する。弟の梓は春夫を探して渡米。落ち着きを取り戻した春夫は、アメリカのテレビ局でプロデューサーを務める甥のリチャード佐々木とともに、日米合作映画の話を持って帰国する。日本側の監督には杉本が、主役には行方不明だった錠島が配され、大京映画復活は目前に思われたが、円のレートが変動し採算が取れないため撮影は中止され、春夫は失意のうちに急逝、愛子は悲しみにくれる。
昭和56年。美月は愛子や晋八の手を借りながら椿屋を続けていたが、その状況に疑問を感じていた。一方、滝乃は麻生との生活に限界を感じ、麻生と別れ椿屋へと帰ってきた。愛子とのわだかまりも解けた滝乃は女将に復帰し、美月は女将から解放されると映画の世界に復帰したい衝動を抑えられなくなり、翌年から大京映画でアルバイトとして制作に携わることになる。
監督時代[編集]
大京映画はCMからバラエティ、子ども向けのドラマを制作し一時の危機をしのいでいた。黒田は社運をかけて映画「巌流島異聞」の撮影を計画するが、資金調達が難航しお蔵入りとなる。美月、愛子、滝乃が平穏な日々を手にしたのも束の間、滝乃は心筋梗塞でこの世を去る。
平成12年。大京映画の社長に就任した杉本は、美月を監督に宮本武蔵を題材にした映画の撮影を指示。美月は悩みながらも錠島、杉本、晋八らに支えられて映画「MUSASHI」を完成させる。
登場人物[編集]
佐々木家・旅館「椿屋」[編集]
- 佐々木 美月(ささき みづき)
- 演 - 岡本綾(ナレーション兼任 / 幼少期:岸由紀子、少女期:大橋梓)
- 物語のヒロイン。昭和28年9月、夜空に美しい満月が現れたころに誕生したため、育ての親・滝乃から命名される。愛称は「オードリー」、芸名は「吉岡美月」。
- 幼少期から滝乃の経営する旅館「椿屋」で育てられ、滝乃を「お母ちゃま」、実母の愛子を「ママ」と呼んでいた。
- 昭和34年、滝乃が決めた名門の京西女子大付属幼稚園へ入園し、良家の子女としてしつけられる。幼いころから滝乃・愛子・春夫の育児方針の違いに悩み混乱していたが、映画の撮影所の見学に通い、映画界への憧れを心の拠り所にして伸びやかに育つ。
- 京西女子大付属高校卒業後、大部屋女優から旅館「椿屋」の女将を経て、大京映画撮影所のスタッフとなり、監督となる。
- 佐々木 愛子(ささき あいこ)
- 演 - 賀来千香子
- 美月の実母。東京出身で空襲で父母と姉を亡くし、天涯孤独の身だったが、滝乃の紹介で春夫と見合いをして結婚。「椿屋」の隣家に住んでいる。
- 結婚当初は滝乃を姉妹のように慕っていたが、長女の美月が滝乃に取り上げられると、反発して不満を春夫にぶつけるようになる。だが、滝乃の前に出ると「蛇に睨まれた蛙」状態になってしまうため、いつも何も言えずにいる。
- 美月が小学生になると、少しでも世話をするため、「椿屋」の手伝いを始める。
- 美月が小学6年生の夏、滝乃が君江を解雇したその日の晩に佐々木家を訪れ、美月を養女にしたいと一方的に言い出した時には激怒、断固拒否した。
- 佐々木 春夫(ささき はるお)
- 演 - 段田安則
- 美月の父。翻訳家。米国育ち。カリフォルニア大学の建築学科を首席で卒業。戦時中は日系人収容所に入れられ、終戦後来日。農林省へ入省し、GHQとの交渉役も務めたという。既に両親を亡くしている。英語まじりの日本語を話し、美月とは英語で話す。
- 美月にオードリーという英語名をつけ、美月が嫌がっても人前で呼び続けるため、美月から激しく嫌われるが、本人は全く気にしていない。「みんなに愛されて育つ子は幸せ」との考えの持ち主で、滝乃から美月を取り戻したいと愛子に訴えられても全く相手にせず、滝乃の思い通りにさせている。
- 映画の仕事をする美月を見て、自らも甥のリチャード佐々木と日米合作の映画制作を始めるも失敗。大量の借金を残したまま、失意のうちに亡くなった。
- 滝乃からは「春夫さん」と呼ばれていた。春夫は滝乃の想い人だったのか? という美月の疑問は、昔を知る宮本君江によって否定されている。
- 佐々木 梓(ささき あずさ)
- 演 - 茂山逸平(幼少期:奥村紫龍、少年期:小谷力)
- 美月の弟。姉と違い、佐々木家で普通に育てられる。のんびり屋だが、勘が鋭い。幼少期には自分の家が「普通ではない」と感じていた。
- 本来、梓は美月に名づけられるはずの名だったが、滝乃が勝手に美月と決定したため弟の彼に命名。
- 京都大学医学部を卒業後、医師となる。
- 吉岡滝乃(よしおか たきの)→ 麻生滝乃(あそう たきの)→ 吉岡滝乃
- 演 - 大竹しのぶ(少女期〈回想〉:戸田恵梨香)
- 美月の養母。老舗旅館「椿屋」女主人。子供のころから椿屋の跡継ぎとして育てられたが、戦後両親を亡くし、24才で女主人となった。春夫からは「滝さん」と呼ばれている。春夫を愛子と見合いさせて豪華な結婚式まで挙げさせ、「椿屋」の隣家に住まわせる。
- 美月が生まれてから佐々木家に何かと介入し(いつでも行けるように「椿屋」と佐々木家を渡り廊下で繋ぐ改築まで行ったほど)、美月には自分を「お母ちゃま」と呼ばせ、実母の愛子から引き離して自分の子供同然に育てる。「自分のような苦労はさせたくない」という理由で、美月は「ええとこ」にお嫁に行かせると決めている。
- 撮影所関係者は椿屋のお得意様だが「身分が違う」と美月が接触することを嫌い、子役の晋八が美月と親しくするのにも猛反対する。さらに美月が映画に憧れて大京への就職を考えているのを知るとあらゆる手段を使って妨害するなど、事あるごとに美月を束縛し常軌を逸した言動をする。麻生と結婚する時には旅館の仕事を美月に押し付けて大京を辞めさせるなど、極めて自己中心的な性格で描かれるが、美月からは慕われている。
- 麻生と離婚すると「椿屋」に戻ったが、心筋梗塞により死去。
- 初回登場以来ずっと和装だが、麻生との結婚生活だけは洋装で過ごしている。が、椿屋へは再び和服姿で戻って来た。
- 宮本 君江(みやもと きみえ)
- 演 - 藤山直美(少女期〈回想〉:大橋絵里加)
- 「椿屋」の住み込みの下働き。8月14日生まれ。滝乃と同年齢だが子供っぽいところがあり、大雑把だが明るい。熊本出身で、早くに両親を亡くし、祖母からは「帰って来るな」と言われて10才で椿屋に奉公に出る。滝乃からはその時以来「君ちゃん」と呼ばれて可愛がられていた。郷里では、家が貧しく、学校に行かずに畑仕事などを手伝っていたため読み書きが苦手だが、小学校に上がった美月から少しずつ字を教わる。
- 時代劇映画が大好きで、暇さえあれば近所の撮影所に見学に行っている。テレビの時代が来ると『月光仮面』や『ひょっこりひょうたん島』に夢中になる。
- 登園拒否していた美月の気分をほぐそうと、映画スターの真似をしたり、撮影所に連れて行ったりして美月と心を通わせる。また、助監督の杉本に恋をしてしまい、杉本へのラブレターが幸太郎の勘違いで黒田に渡るという騒動になり、滝乃から謹慎を命じられる。
- しかし、再三の禁足令にもかかわらず美月と撮影所に行ったことが滝乃に知れ、堪忍袋の緒が切れた滝乃は君江に暇を出した。30年ぶりに故郷の熊本県山鹿へと帰った君江は、祖母と再会、再び一緒に暮らし始める。その4年後に祖母が亡くなり、遠くの農家に嫁に行った。
- 美月が宮崎を訪れた時に再会を果たし、コミック版では終盤に「椿屋」を訪れている。
- 和田 泰子(わだ やすこ)
- 演 - 内田直
- 住み込みの仲居。通称「やっちゃん」。「椿屋」に出入りするエリート編集者を狙い、吉村と恋仲になる。住み込みをやめてアパートで一人暮しすると申し出るが、滝乃からは「高望みしても傷つくだけ。遊ばれている」と一蹴される。
- 笹守 彰(ささもり あきら)
- 演 - 戸田都康
- 仕出し料理屋「笹守」の若旦那。
- 麻生 祐二(あそう ゆうじ)
- 演 - 沢田研二
- 小説家。滝乃の元恋人。妻と死別後に滝乃と再婚するが、のちに離婚。滝乃の臨終の床には駆けつけた。
- 中内俊也(なかうち しゅんや)
- 演 - ベンガル
- 「椿屋」の常連客。大京の映画の原作小説を執筆している。君江曰く「エロ(小説家の)先生」。君江の荒っぽいマッサージがお気に入りである。
- 黒田の依頼で幸太郎主演映画『葉隠仙鋭』の脚本を書き下ろし、映画も本もヒットする。
- 花尾 武(はなお たけし)
- 演 - 桂米朝
- 「椿屋」の常連客。相当格上の客として扱われている。
- 吉村
- 演 - 中川浩三
- 椿屋に出入りする編集者。
大京映画撮影所[編集]
- 黒田 茂光(くろだ しげみつ)
- 演 - 國村隼
- 社長(後に会長・名誉会長)。黒ぶち眼鏡とちょび髭がトレードマーク。よく「わが大京は永遠に不滅である!」と熱弁を振るう。映画に対する情熱は人一倍で、テレビ興隆・映画斜陽の時代にあっても、太秦の映画の灯を絶やしてはならないという使命感に燃えている。滝乃のことは「お滝」と呼ぶ。
- 映画産業が斜陽になると雀蓮に相談し、中内俊也の脚本に幸太郎主演の時代劇映画で逆転を狙って『葉隠仙鋭』をヒットさせる。
- 終盤では90歳を超える高齢ながら、杉本の映画制作にアドバイスを与える。また、剣之介が主演ドラマで配役に不平を言ったときは、眼鏡を外して髭を剃り、自ら敵役として出演した。
- 関川 徹(せきかわ とおる)
- 演 - 石井正則
- プロデューサー(後に社長・会長)。生真面目・几帳面な性格。黒田の秘書のような存在。
- 大京の重役を歴任するが、実権は黒田と杉本が掌握しているため、その間に挟まれ、よく貧乏くじを引かされている。
- 家出した美月を探しに撮影所にやって来た愛子を初めて見て以来、愛子への片想いを続けている。
- 杉本 英記(すぎもと えいき[7])
- 演 - 堺雅人
- 助監督(後に監督・社長)。二枚目俳優のように端麗な容姿から、君江やもみじなど、ファンが多い。映画不振の大京でテレビシリーズの監督を務めて注目される。
- 社長に就任すると、初の監督を務める美月を様々な形で支援。
- 密かに美月に想いを寄せるが、それが報われることは無かった。それでも美月を支え続けた。
- 幹 幸太郎(みき こうたろう)
- 演 - 佐々木蔵之介
- 大京の新鋭スター役者。「葉隠仙鋭」「若侍七変化」など多くの人気作の主演を務め、時代劇の大御所俳優へと上り詰め、クリキン・モモケンが去ってのちは一枚看板役者として大京を支えた。
- 杉本とともに、美月の人生に多大な影響を与える。
- 元々視力が悪く、眼鏡をかけないと近距離でも見にくい。好物はコーラ。
- 中山 晋八(なかやま しんぱち)
- 演 - 仁科貴(少年期:柴田光)
- 撮影所で子役を務める少年。何かと美月の相談に乗る良き親友だが、滝乃からは美月に釣り合わないと嫌われている。
- 成長してからは大部屋俳優となり、演技より殺陣の実力を認められて殺陣師に転向する。
- 1度だけ川谷拓三(仁科貴の実父)の物真似を披露した。
- 錠島 直也(じょうじま なおや)
- 演 - 長嶋一茂
- 大部屋俳優。愛称は「ジョー」。親に捨てられて施設で育ち、粗野で荒んだ性格をしている。
- 美月の恋人だったが、幸太郎が大京を離れたのちに看板俳優に抜擢されると増長し、平然と美月を捨ててしまう。が、出演ドラマを模倣した傷害事件の影響と低視聴率が原因で失敗、一時は特撮のスーツアクターで食い扶持を稼ぐ。
- 美月の監督映画で再び主演に挑む。
- 栗部 金太郎(くりべ きんたろう)
- 演 - 舟木一夫
- 「クリキン」の愛称で親しまれている大京のスター俳優。サ行の滑舌に難があるが、それが逆に大衆受けしている。手品ができる。登園拒否の幼い美月を撮影所で暖かく迎えた。
- NHK大河ドラマ『太閤記』への出演依頼を黒田が勝手に断ったことに激怒、以前から考えていたフリー宣言を黒田に突き付けて大京を去る。
- 晩年は落ちぶれ、人目を避けて生活していたが、復帰した時にはブランクを感じさせない往年の名優ぶりを見せる。
- 京都の東山に豪邸を建てていたことから「東の御大(おんたい)」とも呼ばれていた。
- 桃山 剣之助(ももやま けんのすけ)
- 演 - 林与一
- 「モモケン」の愛称で親しまれている大京のスター俳優。テレビ出演などの幅を広げるため、クリキンとほぼ同時期にフリー宣言をして大京を去った。
- 「東の御大」に対し、鴨川に居を構えていることから「川の御大」とも呼ばれていた。
- 雀蓮(じゃくれん)
- 演 - 三林京子
- 占いが得意な謎の尼僧。黒田からたびたび相談を受け、神託で会社経営のアドバイスをしている。
- なぜか、自分に関わることだけは全く占うことができない。
- 青葉城 虎之介(あおばじょう とらのすけ)
- 演 - 菊池隆則
- 大部屋俳優。錠島のライバル。愛称は「トラ」。短気だが熱血漢。実は金太郎と雀蓮の隠し子。
- 若手女優の樹里に想いを寄せていたが、彼女の死により叶わぬ恋となった。
- 大京では切られ役ばかりで芽が出ず、香港に渡って「タイガー・ウォン」の芸名でカンフー映画で活躍。帰国後、改めて時代劇俳優の道を進む。
- 二階堂 樹里(にかいどう じゅり)
- 演 - 井元由香
- 若手女優。美貌と色香を武器に男をたらしこみ、出世のためなら他人を蹴落としたり傷つけることを平然と行うので、同僚からのウケが非常に悪い。
- 杉本や錠島に次々鞍替えし、東京で「ポケットえりかちゃん」という子ども番組の主役となり成功。が、病に倒れ早逝する。
- 朝倉 もみじ(あさくら - )
- 演 - 三田篤子
- 大部屋女優。杉本に気がある素振りを見せる。
- 入社したての美月をよくいじめていたが、徐々に先輩役者として良き協力者になっていく。
- 山野 あさひ(やまの - )
- 演 - 山口智恵
- 大部屋女優。
- 岬 曜子(みさき ようこ)
- 演 - 岡田薫
- 大部屋女優。ストーリーが進むと「椿屋」で働く。
- 梓と恋に落ちるが、三角関係になり失恋。
- 夢 小春(ゆめ こはる)
- 演 - 長瀬有紀子
- 大部屋女優。
- 武智 里子(たけち さとこ)
- 演 - 平井三智栄
- 大部屋女優。
- 原田 寛次郎(はらだ かんじろう)
- 演 - 腹筋善之介
- 大部屋俳優。晋八や虎之介とよくつるんでいる。愛称は「ハラカン」。
- 日高 良彦(ひだか よしひこ)
- 演 - 多賀勝一
- 大京映画のベテラン監督。
- 村木 六兵衛(むらき ろくべえ)
- 演 - 夢路いとし
- 古参の役者。愛称は「ロクさん」。
- 奥谷 琴子(おくたに ことこ)
- 演 - 水野麗奈
- 髪結担当。
- 榊原 紀代麿(さかきばら きよまろ)
- 演 - 麿赤兒
- 衣装担当。愛称は「マロさん」。
その他[編集]
- 中山 八郎(なかやま はちろう)
- 演 - 佐川満男
- 晋八の父親。うどん屋「カツドウ屋」を営んでいる。
- 野村 嘉一
- 演 - 下元年世
- 中内俊也担当の出版社の編集者。『葉隠仙鋭』の打ち合わせで黒田・中内らと椿屋を訪れている。
- 宮本 スエ(みやもと すえ)
- 演 - 津島道子
- 君江の祖母。京都の奉公から帰って来た君江と30年ぶりに家の前で再会を果たす。
- 山鹿の旅館の仲居
- 声 - 高西博美
スタッフ[編集]
- 作 - 大石静[1]
- 音楽 - 溝口肇[1]
- 主題歌「Reach for the sky」(GIZA studio)
- 語り - 岡本綾(佐々木美月役を兼任)
- 副音声解説 - 関根信昭
- 題字 - 市川崑
- タイトルバック制作 - 中川佳子
- 殺陣指導 - 上野隆三
- 映画史考証 - 西岡善信
- 京ことば指導 - 桃山みつる
- 資料提供 - オードリー・ヘプバーン財団
- 映像資料提供 -
- 撮影協力 - 京都府京都市、京福電気鉄道、太秦駅、西日本旅客鉄道、東映京都撮影所、松竹京都撮影所、車折神社、三十三間堂、旧NHK大阪放送局、熊本県山鹿市
- 制作統括 - 内藤愼介[1]
- 制作 - 加賀田透
- 美術 - 石村嘉孝、青木聖和
- 演出 - 長沖渉、高橋陽一郎、柳川強、訓覇圭、黒崎博
放送日程[編集]
週 | 回数 | 放送日 | 演出 | |
---|---|---|---|---|
2000年 | ||||
1 | 1 - 6 | 10月2日 - 10月7日 | 長沖渉 | |
2 | 7 - 12 | 10月9日 - 10月14日 | ||
3 | 13 - 18 | 10月16日 - 10月21日 | 高橋陽一郎 | |
4 | 19 - 24 | 10月23日 - 10月28日 | ||
5 | 25 - 30 | 10月30日 - 11月4日 | 長沖渉 | |
6 | 31 - 36 | 11月6日 - 11月11日 | ||
7 | 37 - 42 | 11月13日 - 11月18日 | ||
8 | 43 - 48 | 11月20日 - 11月25日 | 柳川強 | |
9 | 49 - 54 | 11月27日 - 12月2日 | ||
10 | 55 - 60 | 12月4日 - 12月9日 | ||
11 | 61 - 66 | 12月11日 - 12月16日 | ||
12 | 67 - 72 | 12月18日 - 12月23日 | ||
13 | 73 - 74 | 12月25日 - 12月26日 | 訓覇圭 | |
2001年 | ||||
14 | 75 - 77 | 1月4日 - 1月6日 | 訓覇圭 | |
15 | 78 - 83 | 1月8日 - 1月13日 | ||
16 | 84 - 89 | 1月15日 - 1月20日 | ||
17 | 90 - 95 | 1月22日 - 1月27日 | ||
18 | 96 - 101 | 1月29日 - 2月3日 | ||
19 | 102 - 107 | 2月5日 - 2月10日 | ||
20 | 108 - 113 | 2月12日 - 2月17日 | ||
21 | 114 - 119 | 2月19日 - 2月25日 | ||
22 | 120 - 125 | 2月26日 - 3月3日 | ||
23 | 126 - 131 | 3月5日 - 3月10日 | ||
24 | 133 - 137 | 3月12日 - 3月17日 | ||
25 | 138 - 143 | 3月19日 - 3月24日 | ||
26 | 144 - 149 | 3月26日 - 3月31日 | 長沖渉 |
総集編[編集]
2001年8月13日 - 16日にBS2で17時 -18時、地上波では同年12月25日 - 28日の8時35分 - 9時35分に放送された。
受賞歴[編集]
- 第28回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- ザテレビジョン特別賞(映画史考証)
エピソード[編集]
前々作の『あすか』の舞台となった老舗和菓子屋の「扇屋一心堂」「正直屋」が作中のセリフにしばしば登場する。また本作放送から21年後、同じく昭和期の太秦撮影所が舞台の一つとなっている2021年度下半期『カムカムエヴリバディ』では、本作登場人物の時代劇スター「桃山剣之助」と一文字違いながらも読みは同じ名前の時代劇スター「桃山剣之介(演:尾上菊之助)」が登場した[8]。
滝乃が麻生と再会した際には、滝乃が麻生のことを以前より太ったと述べており、麻生を演じる沢田研二がこの時期に太っていた事実をなぞっている。また麻生と結婚した時期には、滝乃は劇中で沢田研二の持ち歌の「勝手にしやがれ」を口ずさんだことがあった。
子役時代の戸田恵梨香が出演した作品であり、2018年度下半期『スカーレット』ヒロイン起用が発表された際に本作に出演した過去が再注目された[9]。
作中の映画会社「大京映画」は「大映がモデル」という説が一部ネット上で流布され、Wikipedia 本記事にも投稿されていたが(2024年4月30日(UTC)に削除された)、実際のドラマの中で「雀蓮の予言通り、… 大映は倒産」というナレーションが入る(第30回)ことから、この説は当たらないことが分かる。大京が昭和40年時点で成績不振のプロ野球球団を保有している(第22回)設定は、大映を彷彿とさせるが、同時期には東映もプロ球団「東映フライヤーズ」を子会社を通じて運営していた[10]。
関連書籍[編集]
小説[編集]
- 大石 静 (原作)、葉月 陽子 (ノベライズ)双葉社
- 『オードリー 小説版1』2000年10月1日発売 ISBN 4-575-23404-4
- 『オードリー 小説版2』2001年1月15日発売 ISBN 4-575-23406-0
- 『オードリー 小説版 3』 2001年3月10日発売 ISBN 4-575-23410-9
漫画[編集]
『オードリー』(ジュールコミックス)大石静(原作)、荻丸雅子(作画) 双葉社
- 2000年10月1日発売 ISBN 9784575332414
- 2001年1月1日発売 ISBN 978-4575332452
- 2001年03月01日発売 ISBN 9784575332490
ガイドブック[編集]
- 『オードリー』[作] 大石静 [編] NHK出版
- 2000年9月27日発売 ISBN 978-4149235349
出典[編集]
- ^ a b c d NHK放送文化研究所 編『NHK年鑑2001』日本放送出版協会、2001年10月30日、140頁。
- ^ “放送年表 2000年代”. 朝ドラ100. NHK. 2024年4月15日閲覧。
- ^ “NHK 連続テレビ小説と視聴者 −“朝ドラ”はどう見られているか −” (PDF). メディア研究部. NHK放送文化研究所. p. 148 (2020年1月30日). 2024年4月7日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」の154頁の63)
- ^ “堺雅人”. キネマ旬報WEB. キネマ旬報. 2024年4月9日閲覧。
- ^ “佐々木蔵之介”. NHKアーカイブス. NHK. 2024年4月9日閲覧。
- ^ “大河ドラマ「光る君へ」脚本・大石静 連続テレビ小説「オードリー」再放送”. WEBマガジン. NHK京都放送局 (2024年4月5日). 2024年4月7日閲覧。
- ^ 間違って黒田社長に渡った宮本君江のラブレターは「はいけい 杉本えいき さま」で始まっている(第20回)。また、ロケ現場で杉本は「エイキ!」と呼ばれている(第22回)。
- ^ “朝ドラ『カムカムエヴリバディ』京都撮影所が舞台の2000年度後期朝ドラ『オードリー』はどんな作品か”. エキレビ (exciteニュース). (2022年2月18日) 2024年4月7日閲覧。
- ^ 戸田恵梨香:子役時代の朝ドラ話に赤面 大石静「いい雰囲気を出していた」 2018年10月05日 2024年4月7日閲覧
- ^ また大京の球団の本拠地は関西という設定だが、大映の「東京オリオンズ」も東映の「東映フライヤーズ」も、当時の本拠地は東京である。
外部リンク[編集]
- 連続テレビ小説 オードリー - NHK放送史
- 連続テレビ小説「オードリー」 - NHKドラマ
- 第63作「オードリー」 - NHK朝ドラ100
- 立命館大学校友会報「りつめい」No.204(pdf) - 『オードリー』をめぐる立命人たち
- 連続テレビ小説 オードリー - NHK(2024年の再放送リスト)
NHK 連続テレビ小説 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
私の青空
(2000年度上半期) |
オードリー
(2000年度下半期) |
ちゅらさん
(2001年度上半期) |
NHK BS・BSプレミアム4K 連続テレビ小説・アンコール | ||
オードリー
(2024年度上半期) |
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