アスパラガス

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アスパラガス
Illustration Asparagus officinalis0b.jpg
アスパラガス
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: クサスギカズラ目 Asparagales
: クサスギカズラ科 Asparagaceae
: クサスギカズラ属 Asparagus
学名
Asparagus L.1753
アスパラガス(生)
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 85 kJ (20 kcal)
3.88 g
糖分 1.88 g
食物繊維 2.1 g
0.12 g
飽和脂肪酸 0.04 g
一価不飽和脂肪酸 0 g
多価不飽和脂肪酸 0.05 g
2.2 g
トリプトファン 0.027 g
トレオニン 0.084 g
イソロイシン 0.075 g
ロイシン 0.128 g
リシン 0.104 g
メチオニン 0.031 g
シスチン 0.031 g
フェニルアラニン 0.075 g
チロシン 0.052 g
バリン 0.115 g
アルギニン 0.091 g
ヒスチジン 0.049 g
アラニン 0.115 g
アスパラギン酸 0.508 g
グルタミン酸 0.233 g
グリシン 0.093 g
プロリン 0.071 g
セリン 0.106 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(5%)
38 μg
(4%)
449 μg
710 μg
チアミン(B1)
(12%)
0.143 mg
リボフラビン(B2)
(12%)
0.141 mg
ナイアシン(B3)
(7%)
0.978 mg
(5%)
0.274 mg
ビタミンB6
(7%)
0.091 mg
葉酸(B9)
(13%)
52 μg
ビタミンB12
(0%)
0 μg
コリン
(3%)
16 mg
ビタミンC
(7%)
5.6 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(8%)
1.13 mg
ビタミンK
(40%)
41.6 μg
ミネラル
カルシウム
(2%)
24 mg
鉄分
(16%)
2.14 mg
マグネシウム
(4%)
14 mg
マンガン
(8%)
0.158 mg
セレン
(3%)
2.3 μg
リン
(7%)
52 mg
カリウム
(4%)
202 mg
ナトリウム
塩分の可能性あり)
(0%)
2 mg
亜鉛
(6%)
0.54 mg
他の成分
水分 93.22 g

成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

アスパラガスAsparagus spp.)とは被子植物単子葉植物に属する多年生草本植物である。クロンキスト体系ではユリ科に含めているが分子系統学によるAPG植物分類体系ではクサスギカズラ科に属し、雌雄異株である。

のように見えるものは実際は極端にほそく細かく分枝したであり、本来の葉は鱗片状に退化している。

[編集]

最もよくこの名で呼ばれるのは、栽培作物のアスパラガスA. officinalis)である。原産は地中海東部。和名はオランダキジカクシ(阿蘭陀(和蘭)雉隠)、オランダウド(阿蘭陀(和蘭)独活)、マツバウド(松葉独活)といい成長すると細かく切れた葉に見える枝がキジが隠れることができるほど生い茂ることに由来する。漢名を石刁柏(せきちょうはく)というが、石勺柏と表記するのは誤りである。また、アスパラと略称される。

日本中国朝鮮には自生種のキジカクシA. schoberioides)、クサスギカズラA. cochinchinensis)などが分布する。キジカクシの茎は食用になり、クサスギカズラの根茎(天門冬)は薬用になる。

アスパラガス属の中にはA. plumosusA. asparagoidesA. myriocladusなど観葉植物にされるものがいくつかある。江戸時代にオランダ船から鑑賞用として日本にもたらされたが、食用として導入されたのは明治時代。そして本格的な栽培が始まったのは大正時代からで、欧米への輸出用缶詰に使うホワイトアスパラガスが始まりであった。その後国内でも消費されるようになり、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが主流となった。現在では生のホワイトアスパラガスや調理しやすいミニアスパラガスなどが店頭に並んでいる。アスパラガスを食べたあとの尿に強い臭いを感じる人もいるが、これはアスパラガスに含まれる代謝物質によるもので害はない。

なおヨーロッパで広く食用となっている「ワイルド・アスパラガス」("Wild asparagus")は同じユリ科のOrnithogalum pyrenaicumの花芽であり、オオアマナ属(オーニソガラム)に属する。近年[いつ?]、日本でも「アスパラガス・ソバージュ」の名で紹介されている。

日本における栽培[編集]

本州中部では4月下旬頃から6月にかけて若芽が成長し低温期は1日1回、高温期は1日2回収穫する。長さが25cmくらいに伸びた柔らかいを食用とする。土寄せして軟白栽培した白いものをホワイトアスパラガス(白アスパラ)といい、それに対して土寄せせずに普通に育てた緑色のものはグリーンアスパラガスという。ドイツオーストリアでは白アスパラはSpargel(シュパーゲル)と呼ばれ、日本でいうのようなの味覚として珍重されている。近年、アントシアニン色素の多い紫色品種のアスパラガスが登場したが加熱すると紫色は失われグリーンアスパラガスと変わらない外見になる。ホワイトアスパラガスの栽培には、土を被せず鉄道などの廃トンネルを利用した栽培も行われている。何れも家庭菜園でも容易に栽培可能。

雌雄異株であり雄株のほうが勢いが強く収穫量も多いが1年生株の促成栽培では雌株の方が茎径が太く、成育が旺盛である[1]。しかし外見では見分けられないので、花が咲くまで待たなければならない。翌年の良質な芽の発生のためには、収穫しすぎない事と夏に茎が倒れずに十分に繁茂している必要がある。

繁殖は実生による。4月から5月にかけてが蒔き時であるが、収穫できる株に仕上げるまでに2-3年かかる。春になると園芸店などに、その年から収穫できる苗が出回る。

アレロパシー作用があり、連作障害が起きる[2][3]

主要産地は長野県中野市飯山市北海道名寄市北海道富良野市栃木県大田原市鹿児島県日置市ほか日本各地で露地栽培またはハウス栽培がされる。

出荷時期と産地の例

耐用年数[編集]

2008年度税制改正において法人税等の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」が改正され、別表第四「生物の耐用年数表」によれば2008年4月1日以後開始する事業年度にかかるアスパラガスの法定耐用年数は11年となった。

調理と保存[編集]

調理法として茹でる炒める焼くの方法があり茹でたあと冷ましてサラダにしたりできる。なお、ホワイトアスパラガスは外側の皮が固いので、ゆでる前に皮をむく必要がある。ゆでる際はむいた皮を一緒にゆでると風味が良くなるといわれている。 冷蔵庫では濡れた新聞紙等で包み乾燥を防止し立てて保存すると、鮮度と味を維持できる。コップなどで水を吸わせる際は水中にニンニクなどを入れると切り口の腐敗を防げる。

アスパラガスの加工品として水煮瓶詰缶詰ピクルスなども市販されている。

栄養[編集]

ビタミンAビタミンB1ビタミンB2ビタミンCビタミンE葉酸アスパラギン酸などを含む。利尿作用がある。ちなみに、アスパラギン酸はアスパラガスから発見されたことにちなんで命名された。

画像[編集]

アスパラガス 太陽の光を遮って作った白色のもの(左)と日に当てて緑色にしたものがある 
ワイルド・アスパラガス(Ornithogalum pyrenaicum)、緑色のアスパラガスとホワイトアスパラガス 
アスパラガスにつく害虫、ジュウシホシクビナガハムシ 
観葉植物としてのアスパラガス(A. plumosus) 
アスパラガスの実 

脚注[編集]

  1. ^ 小泉丈晴、剣持伊佐男、町田安雄「アスパラガス1年生株の生育と促成栽培での収量・品質の雌雄間差(栽培管理・作型)」、『園芸学研究』第2巻第4号、園芸学会、2003年12月15日、 275-278頁、 NAID 110001803344
  2. ^ 元木悟、西原英治、北澤裕明、平舘俊太郎、篠原温「沖積土壌におけるアスパラガスの連作障害に対するアレロパシーの関与(栽培管理・作型)」、『園芸学研究』第5巻第4号、園芸学会、2006年12月15日、 431-436頁、 NAID 110005716737
  3. ^ 元木悟、西原英治、平舘俊太郎、藤井義晴、篠原温「アスパラガスのアレロパシーに関する研究 : (第10報)アスパラガス連作障害における活性炭を利用したアレロパシー回避技術の確立」、『園芸学会雑誌. 別冊, 園芸学会大会研究発表』第75巻第2号、2006年9月23日NAID 10019588261

外部リンク[編集]