アグスタウェストランド リンクス

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ウェストランド リンクス

イギリス海軍のリンクス

イギリス海軍のリンクス

アグスタウェストランド リンクス (AgustaWestland Lynx) は、イギリスの航空機メーカー、ウエストランド社が開発したヘリコプター。軍用・民間用汎用ヘリコプターとして開発された。現在はアグスタウェストランド社が販売と製造を請け負っており、16か国の軍に採用されている。

ほとんどの機体は開発元のウエストランド社で製造されているが、フランス軍向けの機体はアエロスパシアル社(フランス)でライセンス生産された。

イギリス[編集]

イギリス軍において、リンクスは陸軍航空軍団(Army Air Corps / AAC)および艦隊航空隊(Fleet Air Arm / FAA)に配備されている。

イギリス陸軍[編集]

イギリス陸軍は100機のリンクスAH(Attack Helicopterの略)を発注した。この型は攻撃型と呼ばれているが、戦術輸送、護衛、対戦車戦、偵察、傷病者後送を含む多様な任務に従事する。また、TOW対戦車ミサイルの運用のためマルコーニ・エリオット社製のAFCS 3軸安定化火器管制システムを搭載する。

攻撃型のうちAH.7とAH.9は陸軍で攻撃ヘリコプターとして、AH.7は海兵隊の攻撃・汎用ヘリコプターとして運用されている。

イギリス軍のリンクスの最初の実戦運用は、1982年フォークランド紛争においてのことである。フォークランド紛争では数機のリンクスが失われたが、それらは戦闘によるものではない。輸送船「アトランティック・コンベアー」 (Atlantic Conveyor) 、42型駆逐艦コヴェントリー」および21型フリゲートアーデント」に搭載されていた機体が、それぞれの艦船が沈没したことにより失われたものである。

2000年9月10日のバラス作戦 (Operation Barras) では、シエラ・レオネから11人のイギリス兵の救出に、リンクスが出動している。最も直近の実戦はイラク戦争2003年)である。

イギリス海軍[編集]

イギリス海軍型のリンクスHMA.8は、シースクア英語版対艦ミサイルまたは魚雷爆雷を装備して、対潜戦に従事する。リンクスの最も顕著な戦績は、シースクアの運用によるものである。湾岸戦争1991年)において、リンクスはイラク海軍の哨戒艇をシースクアで撃沈している。

演習から実戦、平和維持活動まで、様々な場面にイギリス海軍の艦艇が展開するとき、リンクスは必ず伴われるべき、標準装備となっている。

記録[編集]

1972年、ロイ・モクサム(Roy Moxam)の操縦によりリンクスは、時速321.74 kmのヘリコプターの速度世界記録を樹立した。この直後には、100km周回コースでの速度記録、318.504 kmを記録した。1986年には、特別な改修を施されたリンクスが、ジョン・エッギントン(John Egginton)の操縦により、時速400.87 kmを記録。

派生型[編集]

リンクスは長期にわたり生産が続けられ、多数の運用者を得ておりそれに伴い、多くの派生型が生産された。

WG.13
1971年3月21日に初飛行した試作機。
HT.3
イギリス空軍に提案された練習機。生産されず。
Lynx ACH
実験機

イギリス陸軍[編集]

リンクス AH.7
AH.1
最初の量産型。イギリス陸軍のために100機以上が生産された。戦術輸送、護衛、対戦車戦、偵察、傷病者後送など多様な任務に従事する。
AH.1GT
イギリス陸軍用のAH.1の一時改修型。
AH.5
イギリス陸軍用の実験仕様機。4機のみ製造。
AH.6
イギリス海兵隊用に提案された機種。生産されず。
AH.7
イギリス陸軍用の攻撃型。
AH.9 (バトルフィールド・リンクス)
イギリス陸軍用スーパーリンクス。

イギリス海軍およびフランス海軍[編集]

揚陸艦ウラガン」から発艦するフランス海軍のリンクス
HAS.2
イギリス海軍およびフランス海軍用の最初の量産型。吊下式ソナーを装備し、魚雷または爆雷を搭載して、対潜水艦戦に従事する。シースクア(イギリス海軍)またはAS.12(フランス海軍)を搭載して対水上艦戦に従事することもある。
HAS.2(FN)
HAS.2のフランス海軍向け仕様機。
HAS.3
HAS.3S
イギリス海軍用HAS.3の改良版。保全通信装置(secure radio systems)を追加。
HAS.3SGM
ペルシア湾での作戦用に改修された海軍型。GMとはペルシア湾用改修(Gulf Modification)の略。19機が改修。
HAS.3S(ICE)
極地活動用に改修された海軍型。2機が改修。
HAS.4(FN)
フランス海軍用性能向上型。
HMA.8(スーパーリンクス)
HMAとは海洋攻撃型(Helicopter Maritime Attack)の略。海軍用性能向上型。
HMA.8DSP
Digital Signal Processor.
HMA.8DAS
Defensive Aids Subsystem

輸出型[編集]

Mk.21
HAS.2のブラジル海軍用輸出型。ブラジル海軍ではSAH-11と呼称。
Mk.21A
スーパーリンクスのブラジル海軍用輸出型。
Mk.23
HAS.2のアルゼンチン海軍用輸出型。後日、ブラジルおよびデンマークに輸出。
Mk.25
HAS.2のオランダ海軍用輸出型。オランダ海軍呼称はUH-14A
Mk.27
HAS.2のオランダ海軍用輸出型。オランダ海軍呼称はSH-14B
Mk.28
AH.1のカタール国家警察用輸出型。
Mk.80
HAS.2のデンマーク海軍用輸出型。
Mk.81
HAS.2のオランダ海軍用輸出型。オランダ海軍呼称はSH-14C
SH-14D
オランダ海軍向け性能向上型。
Mk.86
HAS.2のノルウェー空軍用輸出型。
スーパーリンクス Mk.95
HAS.8のポルトガル海軍用輸出型。
スーパーリンクス Mk.99
HAS.8の韓国海軍用輸出型
Super Lynx 300

以下は、生産されなかったものなど。

Mk.22
エジプト海軍用輸出型。生産されず。
Mk.24
イラク軍用輸出型。生産されず。
Mk.26
イラク軍用輸出型。生産されず。
Mk.82
エジプト軍用輸出型。生産されず。
Mk.83
サウジアラビア軍用輸出型。生産されず。
Mk 84
カタール軍用輸出型。生産されず。
Mk 85
アラブ首長国連邦軍用輸出型。生産されず。
Mk.87
アルゼンチン海軍用輸出型。輸出禁止に。
Mk.88
ドイツ海軍用輸出型。
Mk.89
ナイジェリア海軍用輸出型。
Mk.90
デンマーク向け輸出型
バトルフィールド・リンクス
輸出向けに提案。
バトルフィールド800
輸出向けに提案。1992年に計画中止。

採用国[編集]

着艦中のポルトガル海軍のリンクスMk95
アルジェリアの旗 アルジェリア
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
納入が開始された直後にフォークランド紛争が勃発したため、2機のみ引き渡されて引渡中止となった。
ブラジルの旗 ブラジル
デンマークの旗 デンマーク
ドイツの旗 ドイツ
フランスの旗 フランス
韓国の旗 韓国
マレーシアの旗 マレーシア
オランダの旗 オランダ
捜索救難型6機と対潜哨戒型18機。
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
ノルウェーの旗 ノルウェー
6機が沿岸警備隊の警備艦から運用。ただし運用は空軍の要員による。
オマーンの旗 オマーン
ポルトガルの旗 ポルトガル
タイの旗 タイ
イギリスの旗 イギリス
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
4機のスーパーリンクス300を海軍のヴァラー級フリゲートから運用。
カタールの旗 カタール
  • カタール国家警察
SA 341ガゼルともに航空支援に使用。
パキスタンの旗 パキスタン
 対水上/対潜/輸送に使用。

性能・主要諸元[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]