みねぐも型護衛艦

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みねぐも型護衛艦
JS Minegumo (DD-116).jpg
艦級概観
艦種 護衛艦(対潜護衛艦)
建造期間 1967年 - 1969年
就役期間 1968年 - 2000年
前級 DDK:やまぐも型護衛艦(前期型)
次級 DDK:やまぐも型護衛艦(後期型)
性能諸元
排水量 基準: 2,100トン(DD-118は50トン増)
全長 114m(42DDKは115m)
全幅 11.8m
深さ 7.8m
吃水 3.9m(42DDKは4m)
機関 CODAD方式(26,500ps)
ディーゼルエンジン 6基
推進器 2軸
速力 最大: 28kt (DD-118は27kt)
航続距離 12,975 km (7,006 nmi) / 20kt[1]
乗員 220名
兵装 50口径3インチ連装速射砲 2基
アスロックSUM 8連装発射機
※後日装備
1基
71式ボフォース・ロケット・ランチャー 1基
68式3連装短魚雷発射管 2基
艦載機 QH-50 DASH
※後日撤去
2機
FCS Mk.56 GFCS (40DDK) 1基
FCS-1B GFCS (41,42DDK)
Mk.63 GFCS
※42DDKではFCS-2に後日換装
1基
Mk.114 UBFCS[1] 1基
レーダー OPS-11B 対空捜索
OPS-17 対水上捜索
ソナー OQS-3 艦首装備式
SQS-35 可変深度式(42DDKのみ)
電子戦 NOLR-1B ESM装置

みねぐも型護衛艦(みねぐもがたごえいかん、英語: Minegumo-class antisubmarine destroyer)は、海上自衛隊が運用していた対潜護衛艦(DDK)の艦級。

先行するやまぐも型(37DDK)をもとに、主兵装をアスロック対潜ミサイルからQH-50 DASH(無人対潜ヘリコプター)2機に改めた派生型である。第2次第3次防衛力整備計画中の1965年(昭和40年)から1967年(昭和42年)度計画で計3隻が建造されたが、DASHの運用成績が不良であったことから、1969年(昭和44年)度計画以降の建造艦は再び37DDKの設計に準じて建造されることになった。また本型も、後にDASHの運用設備をアスロックに換装している。やまぐも型とともに8艦6機体制時代の護衛艦隊を長く支えたのち、1990年代後半に相次いで練習艦に種別変更され、1999年(平成11年)から2000年(平成12年)にかけて除籍された。

船体・機関[編集]

本型の船体・機関は、おおむね37DDKに準じているが、船体後方をDASHの運用スペースにあてるため、甲板配置の都合上から煙突を一本化した。なお37DDKでは艦橋構造物と煙突が一体化して前部上部構造物を形成していたが、本型ではディーゼル主機の振動の影響を軽減するために分離されており、これはやまぐも型後期型(44DDK)においても踏襲されることになった。3番艦「むらくも」(42DDK)は艦橋上部に防空指揮所を追加しており、前方向からの印象が若干異なる。後部上部構造物は、前端に第2方位盤、その直後に2番砲塔が設置され、後端はDASH用のハンガーとされた。その後方の艦尾甲板はDASH用の発着甲板とされている。またたかつき型後期型(40DDA)と同様に、凌波性を向上するため艦首外舷にはナックルが設けられ、主錨配置もこれに準じている。なお、後にDASHの運用設備を撤去してアスロックを搭載する際、船体強度を確保するため、全長の約7割にわたる細長い鋼板ベルトが片舷2枚ずつ取り付けられた[2]

主機関はやまぐも型と同様、高出力2サイクルV型中速ディーゼルエンジン6基によるCODAD(マルチプル・ディーゼル)方式を採用している。機関構成には、やまぐも型と同じく三井方式と三菱方式があり、前者はV型12気筒で4,650馬力の12UEV30/40を両舷に3基ずつ、後者はV型12気筒で4,250馬力の1228V3BU-38Vを2基とV型16気筒で5,600馬力の1628V3BU-38Vを1基の組合せをそれぞれ両舷に配置したものである。「みねぐも」と「むらくも」は三井方式、「なつぐも」は三菱方式を採用している。機関室はやまぐも型と同様、前・中・後部の3つの機械室を有し、前機室の2機と中機室の左舷機で左軸を、同様に中機室の右舷機と後機室の2機で右軸を駆動するというシフト配置を採用していた[3]

装備[編集]

本型のセンサは、電波探知装置(ESM)は37DDKのものが踏襲されているが、レーダーは性能向上型のOPS-11B、ソナーは同型のAN/SQS-23と同等の性能を備えた国産のOQS-3に更新された。また「むらくも」ではSQS-35(J)可変深度ソナーが搭載されたが、これは本機を就役時から搭載した海自DD初の例であった[2][4]

武器システムにおいては、上述の通り、アスロック対潜ミサイルのMk.16 GMLS(Mk.112 8連装発射機など)にかえてQH-50 DASH(無人対潜ヘリコプター)2機の運用設備を設置していることが最大の変更点である。DASHは、アスロックをはるかに上回る長距離の対潜火力として期待された、期待の新装備であった。しかしアメリカ海軍においては、事故が多発したために1969年(昭和44年)には運用中止となり、予備部品の供給途絶に伴って、海上自衛隊でも1979年(昭和54年)運用中止となった。このことから、DASHの運用設備をSH-2F LAMPS Mk.Iヘリコプター用に転用する案があったが実現せず、結局1979年及び82年にこれを撤去し、アスロックに換装して、兵装面ではやまぐも型と同一になった。なお、3番艦「むらくも」(42DDK)は他の2隻より先行して1978年(昭和53年)に改装を実施したことから、ミサイルの装填機構等は37DDKと同様の機力補助人力式であるが、他の2隻は3年遅い1981年(昭和56年)に改装工事を実施したことから、はつゆき型護衛艦と同形式の直接装填装置が搭載された[2]

主砲は、37DDKと同じく68式50口径3インチ連装速射砲を2基搭載した。砲射撃指揮装置(GFCS)としては、1番艦「みねぐも」(40DDK)においては、前方の第1方位盤としてはMk.56、後方の第2方位盤としてはMk.63と、37DDKの構成が踏襲され、2番艦「なつぐも」(41DDK)以降では第1方位盤を国産のFCS-1Bに更新した。アスロックと同様、DASHにおいても、対潜攻撃中は第1方位盤を使って追尾してやる必要があるため、対空射撃は手動のMk.63のみとなり、やまぐも型と同様に経空脅威対処能力の低下が課題とされた。アスロックよりもDASHのほうが攻撃所要時間が長いため、この課題は、本型において特に重大であった。なお3番艦「むらくも」(42DDK)は、1975年(昭和50年)に第2方位盤をFCS-2実験機に、1978年(昭和53年)にはアスロックへの換装工事と同時に後部50口径3インチ連装速射砲を62口径76ミリ速射砲に換装し、次世代砲熕兵器システムの試験に従事した。この砲熕兵器システムはポスト4次防艦(はつゆき型など)以降で広く採用されることになったが、試験の終了後もこれらの装備は残され、FCS-2実験機は、のちに実用機の2-21型に再換装された[2]

護衛艦むらくも(1988年)

配備[編集]

「むらくも」は1985年から98年にかけて、護衛艦隊旗艦の任にも就いていた。

同型艦一覧
艦番号 艦名 建造 起工 進水 就役 練習艦への
艦種変更
除籍
DD-116
TV-3508
みねぐも 三井造船
玉野造船所
1967年
(昭和42年)
3月14日
1967年
(昭和42年)
12月16日
1968年
(昭和43年)
8月31日
1995年
(平成7年)
8月1日
1999年
(平成11年)
DD-117
TV-3509
なつぐも 浦賀重工業 1967年
(昭和42年)
6月26日
1968年
(昭和43年)
7月25日
1969年
(昭和44年)
4月25日
1995年
(平成7年)
8月1日
DD-118
TV-3511
むらくも 舞鶴重工業 1968年
(昭和43年)
10月19日
1969年
(昭和44年)
11月15日
1970年
(昭和45年)
8月21日
1998年
(平成10年)
3月16日
2000年
(平成12年)


参考文献[編集]

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  1. ^ a b Christopher Chant (1987). A compendium of armaments and military hardware. Routledge. ISBN 9780710207203. http://books.google.co.jp/books?id=k9cNAAAAQAAJ. 
  2. ^ a b c d 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第12回 2次防その4「やまぐも」型「みねぐも」型 2次防艦の電気部/SQS-35VDS」、『世界の艦船』第788号、海人社、2013年12月、 150-157頁。
  3. ^ 阿部 安雄「2.推進システム (護衛艦の技術的特徴)」、『世界の艦船』第742号、海人社、2011年6月、 106-111頁、 NAID 40018815745
  4. ^ 多田智彦「4 レーダー/電子戦機器 (海上自衛隊の艦載兵器1952-2010)」、『世界の艦船』第721号、海人社、2010年3月、 100-105頁、 NAID 40016963809