Mk 33 3インチ砲
Mk 33 3インチ砲は、アメリカ合衆国が開発した艦載砲システム。
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概要 [編集]
Mk 33 3インチ砲はアメリカ海軍の第二次世界大戦後第一世代の3インチ砲システムである。Mk 22砲身を使用し、極めて高い発射速度・追随性能を備えた半自動砲である。単装のMk 34も開発された。
従来、個艦防空に用いられてきた4連装のボフォース 40mm機関砲の代替として、第二次世界大戦中より開発された。開発は終戦に間に合わなかったものの、大型艦の副砲や、護衛駆逐艦の主砲、各種補助艦艇の自衛用などとして、多数の艦艇に搭載された。
来歴 [編集]
アメリカ海軍は、第二次世界大戦中、長射程のMk 30 5インチ砲シリーズ、中射程のボフォース 40mm機関砲、短射程のエリコンSS 20mm機関砲による3段構えの対空火網を構築した。しかし、太平洋戦線における日本軍の航空攻撃は極めて苛烈なものであり、とくにその末期において日本軍が実施した特別攻撃により、この防空武器システムは、重大な試練に直面することになった。このとき、アメリカ艦隊の防空システムはおおむね良好に働いたとはいえ、その対処能力は飽和寸前であった。
アメリカ海軍はこれに対処するために複数の方策を実施したが、そのひとつが、個艦防空力の向上であり、従来使用されてきた40mm機関砲と20mm機関砲にかえて、高発射速度を有し、かつVT信管を使用できる中口径砲の開発を決定した。その口径は50口径長3インチと決定され、ノーザン・ポンプ社によって1944年末より開発開始された。原型砲は1945年9月に完成し、1948年より艦隊配備がはじまった。
機構 [編集]
本砲は、先行する人力装砲のMk 22砲のMk 21砲身を改良したMk 22砲身を使用する。人力給弾・自動装填機構を採用した半自動砲であるが、その装填機構は、開発当時においては、極めて画期的なものであった。
本砲は垂直鎖栓式の尾栓を採用しているが、その尾栓機構後部、砲尾両側にはロータリー式の自動装填機構を有している。砲側の装填手は、2名ずつが左右両側に配置されており、砲架の後部に設置された回転式弾倉から弾薬を取り出し、自動装填機構に装填する。装填された弾薬は左右交互に、砲の中心線上にある運弾樋上に落とされ、薬室内に装填される。この機構において、砲の射撃速度は装填手の装填速度に依存しており、左右の装填手が2.6秒に1発という装填速度を維持できれば、毎分45発という高い発射速度を発揮することができる。
連装のMk 33砲の運用には、合計で11名の砲員を必要とする。その内訳は、砲台長1名、砲操縦手2名、装填手4名、給弾手4名である。また、砲側照準射撃を行なう場合にはさらに照準手1名を必要とし、このうち、給弾手4名以外は砲架上に配置される。給弾手は甲板上に配置され、弾庫や揚弾筒から弾薬を取り出し、砲架の後部に設置された回転式弾倉に装填する。
なお、本砲は元来砲塔方式ではなく露天砲架方式であるが、砲および砲員を風浪より保護するために防盾を設置していることが多い。海上自衛隊においては、後部開放式と、全周密閉式の二種が使用された。なお、日本においては、のちに日本製鋼所においてライセンス生産し、68式として配備した。
Mk 34 3インチ砲 [編集]
Mk 22砲身を単装に配置したMk 34砲も開発された。こちらは、連装のボフォース 40mm機関砲の代替としてもちいられ、主として護衛駆逐艦など小型艦の主砲として搭載された。
諸元 [編集]
諸元
作動機構
- 作動方式: 全手動式
- 砲尾: 垂直鎖栓式
性能
- 俯仰角: -15~+85度 (俯仰速度: 30 度/秒)
- 旋回角: 310度 (Mk 34では355度)
- 砲口初速: 820 m/s
- 最大射程: 13.4 km/7.2 nmi
- 最大射高: 8,190 m/26,870 ft
- 発射速度: 50発/分 (1門あたり)
砲弾・装薬
- 弾薬: 完全弾薬筒
- 砲弾: 5.93kg
採用艦艇 [編集]
Mk 33 [編集]
- 護衛駆逐艦「ボヤカ(DE-16)」
Mk 34 [編集]
脚注 [編集]
参考文献 [編集]
- 『艦載兵器ハンドブック 改訂第2版』 海人社、2002年。ISBN 1105604011205|。
- 梅野和夫 『世界の艦載兵器 砲熕兵器篇』 光人社、2007年。ISBN 978-4-7698-1359-0。
関連項目 [編集]
- オート・メラーラ 76 mm 砲 - イタリア製の3インチ砲。単装で本機種と同等の発射速度を実現した軽量砲で、世界中で採用された。