はるしお型潜水艦

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はるしお型潜水艦
Harushio class submarine docked.JPG
艦級概観
艦種 潜水艦
建造期間 1987年 - 1995年
就役期間 1990年 - 就役中
前級 ゆうしお型潜水艦
次級 おやしお型潜水艦
性能諸元(1番艦~6番艦)
排水量 基準:2,450トン
水中:3,200トン
予備浮力:12.2%
全長 77m
全幅 10m
吃水 7.7m
機関 ディーゼル・エレクトリック推進
(水上3,447Ps 水中7,300Ps)
川崎12V25/25S型ディーゼル機関 2基
川崎 交流発電機(出力3.7MW) 2基
主電動機 1基
7翼ハイスキュード・スクリュープロペラ 1軸
速力 水上12ノット / 水中20ノット
乗員 75名(幹部10名、海曹士65名)
兵装 HU-603B 533mm魚雷発射管
80式 魚雷
89式 魚雷
ハープーン USM
合計20発
6門
ソナー 統合式
ZQQ-5(1~3番艦)
ZQQ-5B(4~7番艦)
潜水艦
指揮管制
装置
ZYQ-2
レーダー ZPS-6
警戒ZLA-6

はるしお型潜水艦(はるしおがたせんすいかん、JMSDF SS HARUSHIO class)は、海上自衛隊通常動力型潜水艦である。1987年(昭和62年)から1995年(平成7年)までに7隻が建造された[1]

概要[編集]

うずしお型ゆうしお型に続く、海上自衛隊の涙滴型艦体では第3世代となる潜水艦[1]。ゆうしお型よりやや大型(排水量+200トン、船体長+1m)の準同型艦で、外見上の識別点は艦首上甲板の音響要撃受信機の隠顕式ドーム。

電動機の回転数の減少、制振機構の多重化、7翼ハイスキュード・スクリューなどの採用により、海上自衛隊の潜水艦にとって積年の課題であった静粛性は大幅に向上し、うずしお型に始まる日本の潜水艦の技術及び運用のレベル(とりわけ静粛性)は、本級の整備によって、ようやくNATO軍潜水艦部隊の水準に並ぶに至る。艦体はゆうしお型と同じく複殻構造であり、さらに高張力鋼のNS110を用いていることにより潜行深度が増している。また、居住区の改善による居住性の向上も図られた。

また、赤外線探知装置、曳航式VLFブイ・アンテナ[1]などを海自潜水艦としては初めて採用した。曳航式ソナー・アレイを当初から装備した(2番艦以降、1番艦は後日装備)ことにより、捜索能力が向上している。

なお、後継のおやしお型が涙滴型の設計を放棄したため、遠くはアメリカ海軍の「アルバコア」に連なる涙滴型潜水艦の系譜は海上自衛隊ではひとまず終わりを告げることとなった。

同型艦[編集]

艦番号 艦名 建造 起工 進水 竣工 練習潜水艦への
艦籍変更
除籍
SS-583 はるしお 三菱重工業
神戸造船所
1987年
(昭和62年)
4月21日
1989年
(平成1年)
7月26日
1990年
(平成2年)
11月30日
------- 2009年
(平成21年)
3月27日
SS-584 なつしお 川崎造船
神戸工場
1988年
(昭和63年)
4月8日
1990年
(平成2年)
3月20日
1991年
(平成3年)
3月30日
------- 2010年
(平成22年)
3月26日
SS-585
TSS-3606
はやしお 三菱重工業
神戸造船所
1988年
(昭和63年)
12月9日
1991年
(平成3年)
1月17日
1992年
(平成4年)
3月25日
2008年
(平成20年)
3月7日
2011年
(平成23年)
3月15日
SS-586 あらしお 川崎造船
神戸工場
1990年
(平成2年)
1月8日
1992年
(平成4年)
3月17日
1993年
(平成5年)
3月17日
------- 2012年
(平成24年)
3月19日
SS-587 わかしお 三菱重工業
神戸造船所
1990年
(平成2年)
12月12日
1993年
(平成5年)
1月22日
1994年
(平成6年)
3月1日
------- 2013年
(平成25年)
3月5日
旧:SS-588
現:TSS-3607
ふゆしお 川崎造船
神戸工場
1991年
(平成3年)
12月12日
1994年
(平成6年)
1月22日
1995年
(平成7年)
3月7日
2011年
(平成23年)
3月15日
旧:SS-589
現:TSS-3601
あさしお 三菱重工業
神戸造船所
1992年
(平成4年)
12月24日
1995年
(平成7年)
7月12日
1997年
(平成9年)
3月12日
2000年
(平成12年)
3月9日

準同型艦[編集]

あさしお(TSS-3601、旧SS-589)

先進潜水艦技術のテストベッドの役割が与えられ、多くの改装が施されている。

基本的な設計は同じだが、より高度な自動化装置とシュノーケル遠隔制御装置の導入により乗員数は71名に減少し、水上排水量が2,560トン、水中排水量が2,850トン、全長が78mにそれぞれ増大した。また、潜望鏡遠隔モニター装置を装備、艦首ソナー・ドームが硬質プラスティック製となった(本艦での運用の実績を踏まえ、シュノーケル遠隔制御装置は他の艦にも追加装備された)。

  • 1995年1月17日、当艦は進水前の船台上で阪神・淡路大震災により被災した。このことはこの艦の設計変更や練習艦への種別変更に影響を与えた可能性がある。
  • 2000年3月、練習潜水艦に種別変更にされたため、艦籍番号が変更(TSS-3601)された。これより、潜水艦要員訓練と装備品の試験に専念することとなった。
  • 2002年、スターリング式AIP搭載のための9mの艦尾延長工事を行った。これにより基準排水量は2,900トンとなる。2003年からスターリングエンジンの試験が行われた。そして平成16年度計画によるそうりゅう型には、本艦での運用成績で有効性が確認されたことから、スターリングエンジンが標準搭載された。

登場作品[編集]

小説
「ふゆしお」が登場。アクティブ・ソナーによって海中のレガリスを横須賀へと誘導し、その後、架空のおやしお型潜水艦11番艦「きりしお」と共にレガリスを魚雷で攻撃した。
架空のはるしお型潜水艦「SS-571 あましお」が登場(作中では級名は書かれていないが、排水量が2,450トンであると明記されている)。所属は第2潜水艦群。小笠原沖でアクティブ・ソナーに反応してきたMM8クラスの怪獣「シークラウド」と艦尾が接触し、スクリュー潜舵を損傷し緊急浮上する。
アニメ
架空のはるしお型潜水艦「はやなみ」が登場。所属は第2潜水艦隊。相模湾内でヘテロダインの襲撃を受けた。
ゲーム
架空のはるしお型潜水艦「むつしお」が登場。所属は呉基地第1潜水隊群)、艦長は里中。劇中の架空の事件「潜水艦事件」の舞台となる。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞 P240-241 ISBN 4-7509-1027-9

外部リンク[編集]