なつぐも (護衛艦)

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なつぐも
護衛艦当時の「なつぐも」
護衛艦当時の「なつぐも」
基本情報
建造所 浦賀重工業
運用者  海上自衛隊
艦種 護衛艦(DDK)
級名 みねぐも型
艦歴
発注 1966年
起工 1967年6月26日
進水 1968年7月25日
就役 1969年4月25日
1995年8月1日(練習艦に種別変更)
退役 1999年3月18日
その後 解体処分
要目
基準排水量 2,100 トン
満載排水量 2,800 トン
全長 114m
最大幅 11.8m
深さ 7.8m
吃水 3.9m
機関 マルチプル・ディーゼル方式
主機 三菱12UEV30/40ディーゼル × 6基
出力 26,500PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 28ノット
乗員 210名
兵装 68式3インチ50口径連装速射砲 × 2基
74式アスロック8連装発射機 × 1基(1982年6月新設)
71式ボフォース対潜ロケット4連装発射機 × 1基
68式3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 QH-50 DASH 2機(1982年6月廃止)
FCS 72式射撃指揮装置1型B
Mk.63 砲射撃指揮装置
レーダー OPS-11B 対空
OPS-17 水上
ソナー 66式探信儀 OQS-3
電子戦
対抗手段
NOLR-1B ESM
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なつぐもローマ字JDS Natsugumo, DD-117TV-3510)は、海上自衛隊護衛艦みねぐも型護衛艦の2番艦。艦名は「夏空に浮かぶ雲」に由来し、日本の艦艇としては旧海軍朝潮型駆逐艦7番艦「夏雲」に続き2代目。

艦歴[編集]

「なつぐも」は、第2次防衛力整備計画に基づく昭和41年度計画2,100トン型護衛艦2205号艦として、浦賀重工業で1967年6月26日に起工され、1968年7月25日に進水、1969年4月25日に就役し、同日付で第1護衛隊群隷下に新編された第22護衛隊に「みねぐも」とともに編入されに配備された。以後、両艦は除籍されるまで30年間同一の隊を編成し、一度も総監部を転籍することなく呉を母港とする[1]

本艦は国産の72式射撃指揮装置1型Bが試験的に導入され装備された。

1978年3月31日午後9時30分頃、静岡県御前崎南方約120キロの遠州灘で訓練中、潜水艦あさしお」と接触。「あさしお」の潜望鏡及び「なつぐも」の右スクリューが一部破損した。当時、この水域では「あさしお」を目標とした対潜攻撃訓練を実施中であり、「あさしお」が約16メートルの潜望鏡深度で「なつぐも」と接触した[2]

1981年12月15日から1982年6月15日の間で特別改装工事を行い後甲板のダッシュ装置が撤去され、アスロック発射機を装備。

1982年3月27日、第22護衛隊が第2護衛隊群隷下に編成替え。

1984年遠洋練習航海に参加。

1986年3月19日、第22護衛隊が呉地方隊隷下に編成替え。

1995年8月1日練習艦に種別変更され、艦籍番号がTV-3510に変更。練習艦隊第1練習隊に編入。

1999年3月18日、除籍。総航程は670,610.4浬であった[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b 海上自衛新聞・1999年(平成11年)4月9日(金)第1面「みねぐも・なつぐも自衛艦旗を返納」
  2. ^ 「海上自衛隊ニュース」『世界の艦船』第255号、海人社、1978年6月、144頁。 

参考文献[編集]

  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
  • 『世界の艦船 第750集』海人社、2011年11月号