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2010年9月13日 (月) 05:18時点における版

カナダモントリオール地下鉄ボードリー駅(en)の、斜行オートウォーク(動く歩道)

動く歩道(うごくほどう、国際通用名[英語名]:moving walkway, etc.)とは、連続的に平らな踏み面を持ったベルトコンベアに類似したスロープ方式の、主として人間用の輸送機器である。踏み面が平らか階段状かの違いを除き、構造や外観はエスカレーターとほぼ同じである。オートウォークムービングウォークトラベレーターなどとも呼ばれる。

種類

踏み面の角度は水平になっているものと、緩やかな坂状になっているものとがあり、日本では1970年昭和45年)の日本万国博覧会(大阪万博)以降、一般的に動く歩道と呼ばれる。坂状になっているものはエスカレーターと同様、主として建物の各階や比較的大きな段差の移動に利用される。三菱電機ではトラベーターと呼んでいる。また、傾斜しているタイプをオートスロープと呼ぶこともある。型式にも2通りがあり、エスカレーターの水平化であるパレット式ベルトコンベアゴムベルト式が存在する。

動く歩道の主要メーカーは以下の通り。

パレット式メーカー

ゴムベルト式メーカー

特徴

傾斜して動く歩道

緩やかな斜行と水平が4基連続する動く歩道

踏み面が平らである事により、エスカレーターエレベーターにはない多くの利点を持っている。まず、エスカレーターと違いショッピングカートやベビーカー車椅子、大型のスーツケースなどを乗せて容易に移動できる。しかも、エレベーターのように待つ必要性がなく、より多くの利用者が同時に利用できる。踏み面に段差がない事から、乗り降りが容易でつまずく心配も少なく、高齢者や子供など、足元の不確かな利用者にとって親切である。角度が緩やかであるため恐怖感がなく、足を踏み外す危険性もない。

この様に極めて多くの利点を持つため、欧米では商業施設、空港や駅で広く普及している。近年、設置が出遅れた日本でもやっと大型の商業施設などでエスカレーターに替わって採用される例が増えている。しかし、その性格上、傾斜を緩くしないと滑る恐れがあり、そのために設置空間がエスカレーターやエレベーターの数倍も必要とされる欠点がある。結果的に施設の売り場面積などが犠牲になるので、導入される施設が郊外型の大型施設などに限定され、エスカレーターの代替としての導入例は少ない。またスーツケースなどを持った乗客の多い空港・駅での設置例は日本ではまだまだ少なく、普及が急がれるところである。ショッピングセンターに納入される場合は、ショッピングカートの車輪とステップの溝の幅を合わせ、カートが下へ逸走しない様な配慮がなされている。

傾斜を持たない動く歩道

通常の動く歩道

傾斜を持たない動く歩道としての導入は、大型のスーツケースなど、大きな荷物を携帯して長距離を移動する必要のある空港内、大規模鉄道駅や大型施設の連絡通路などでの導入例が多い。ただし設備の終点では慣性により前に投げ出されることになり、高齢者や障害者には特に注意が必要とされる。

エスカレーターとの折衷

傾斜を持たない動く歩道に、部分的にエスカレーターと連続連結されているものが登場し、試験的運用がなされている。初めて登場したのは静岡県三島市にある東海旅客鉄道三島駅構内の地下南北連絡通路内である。その他東日本旅客鉄道秋葉原駅山手線京浜東北線ホームと地平通路を結ぶエスカレーター(上野寄り、上下)、京阪電気鉄道出町柳駅の下りエスカレーターにもある。

規格

規格としては、横幅は800mm、1,200mm、傾斜角度0〜3度のものが標準的である。

エスカレーターと同様、省エネルギーに配慮して、常時稼働ではなく赤外線センサーによって人の接近を検知して、稼働するものも製造されている。

設置例

日本では、1967年大阪市阪急梅田駅に最初に設置された(阪急電鉄はこの動く歩道をムービングウォークと呼んでいる)。駅設備移転に伴う他鉄道との乗換不便解消のためのもので、横一列に幾本もの動く歩道が並び、現在でも日本最大規模を誇る。

3年後の1970年大阪万博で全国的に知られるようになり、関東地方では東京駅羽田空港の構内、新宿駅の西口から新都心方面への遊歩道などに設置されている。東海地方では名古屋市1989年に開催された世界デザイン博覧会に合わせて3会場のうちの白鳥会場に近い名古屋市営地下鉄名港線(当時は名城線)日比野駅に設置された(現存せず)。

パリ・モンパルナス=ビヤンヴニュ駅にある世界最速の動く歩道

また、2002年7月1日にはフランス首都パリにあるモンパルナス=ビヤンヴニュ駅に通常(約0.8m/s)の3倍の速さ(約2.5m/s)で動く歩道が設置され、世界的な話題となったが、あまりにも速いために乗降時に転倒する人が続出し、4日後の7月5日には一時使用停止に追い込まれた。これは先端および終端付近に独立して動くローラーがあり、先端ではだんだん早くなって高速コンベア部に接続し、終端ではだんだん遅くなって出口にたどり着くという構造である。

日本では、高速を出せ、なおかつ安全に移動できるよう、加減速可能な動く歩道の研究が続けられている。これは、2重のコンベアを持つ複雑な構造で、IHIが開発している。

構造

  • ステップ
    • 踏み台:ステップのメインとなるところ
    • 駆動ローラ:駆動させるためのローラ
    • 駆動ユニット:動力の供給部
    • ライザ ステップの横の部分
  • 手すり
    • 手すり駆動ローラ:手すりを駆動させるためのローラ
    • ステップリンク:ステップとの速さを合わせるためのリンク

全国の動く歩道

関連項目