界分別経

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界分別経[1](かいふんべつきょう、: Dhātu-vibhaṅga-sutta, ダートゥヴィバンガ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第140経。

類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第162経「分別六界経」がある。

釈迦が、遊行者プックサーティに、仏法を説く。

構成[編集]

登場人物[編集]

場面設定[編集]

ある時、釈迦は遊行中にマガダ国ラージャガハ王舎城)へ至り、陶工バッガヴァの小屋へと赴き、一夜の宿を借りることを頼む。

バッガヴァはもう一人遊行者の先約がいるので、彼が良ければ良いと言う。その遊行者プックサーティがやって来て、二人は小屋で共に過ごすことになる。

プックサーティは釈迦を慕って出家したが、本人にはまだ会ったことが無いと言う。釈迦は身分を伏せつつ、彼に六界、六触処、十八意行、四住処などに関する仏法を説く。

法悦したプックサーティは釈迦に帰依し、彼の下で出家することを願い出る。釈迦が三衣一鉢を備えているか問い、プックサーティはそれを揃えるために出かけるが、その道中で暴れ牛に遭って絶命してしまう。

釈迦の元へ比丘たちがやって来て、プックサーティが亡くなったことを告げ、彼の転生先を問う。釈迦は、プックサーティは五下分結を断ったので、天界へと生まれ変わると告げる。

比丘たちは歓喜する。

日本語訳[編集]

  • 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』(第11巻下) 大蔵出版
  • 『パーリ仏典 中部(マッジマニカーヤ)後分五十経篇II』 片山一良訳 大蔵出版
  • 『原始仏典 中部経典4』(第7巻) 中村元監修 春秋社

脚注・出典[編集]

  1. ^ 『南伝大蔵経』、『原始仏典』中村、『パーリ仏典』片山

関連項目[編集]

外部リンク[編集]