大谷輝龍

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大谷 輝龍
千葉ロッテマリーンズ #31
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 石川県小松市
生年月日 (2000-07-11) 2000年7月11日(23歳)
身長
体重
180 cm
82 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2023年 ドラフト2位
年俸 1200万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

大谷 輝龍(おおたに ひかる、2000年7月11日[2] - )は、石川県小松市出身[2]プロ野球選手投手)。右投右打。千葉ロッテマリーンズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

野球経験者の父親の下に生まれ、友人に誘われる形[3]で小学1年生のときに『月津ヶ丘少年野球クラブ』で野球を始め、外野手としてプレー[4]。野球と同時に水泳もやっていたが、3年生のときにやめ、以降は野球一筋になる[5]小松市立南部中学校では軟式野球部に所属した[2]。肩が強かったものの試合では主に外野手や捕手を守り[5]、投手未経験であったが、「石川県の中学校のチームがいっぱい集まる大会に、3年生のときに出たんです。球速や遠投、足の速さを測ったりして、それを競う大会でした」という大会の球速部門で2位の128km/hを計測すると、小松大谷高校の野球部部長に素質を見込まれ、小松大谷高校へ進学した[6]

小松大谷高校では1年秋に背番号8でスタメン入り[2]。1年冬から本格的に投手となり[6]、2年秋からエースを務めた[2]。3年夏は県大会準々決勝で奥川恭伸山瀬慎之助内山壮真擁する星稜高校に敗れ、ベスト8であった[7]。甲子園出場経験はなく、高校時代の最速は147km/h[8]

JFE東日本に入社すると、1年目はトレーニングや投げ込みなど育成期間に充てられ[6]、最速150km/hを計測[2]。2年目は試合には出られるようになったが[6]、レベルの高さを痛感し[3]、「いろいろ悩んで考えすぎたっていうのもあって、フォームをいじっていたら自分のフォームがわからなくなって…違う方向にいってしまった。それで球速も全然出なくなって、コントロールがいいわけでもないので『試合じゃ使えない』って、2年目が終わって戦力外という形になりました」と結果が思わしくなかった[6]ストレートの球速も140km/h台前半まで落ちてしまい[4]、2年で退部を通告された[3]

その後は高校の監督の紹介で伏木海陸運送に入社[6]。伏木海陸運送には2年間在籍し[2]、自分の投球フォームを確立してストレートの球速は戻ったものの[6]、不安定な制球を改善できずに登板機会は限られた[4]。「伏木海陸は仕事もけっこうしなきゃいけなくて、仕事と練習が半分半分って感じで、練習だけに徹底できるわけじゃなかった」と野球に専念できる環境を求め[6]、「1年でプロに入る」と退路を断って独立リーグ挑戦を決意[2]。縁あって日本海リーグ富山GRNサンダーバーズに入団した[6]

NLB・富山時代[編集]

2023年シーズン[注 1]は開幕直前に首を痛め、ターム1では1試合も登板することができなかった[6]。ターム2の初戦でプロ初登板を果たすと、「フォームも間違いなくよくなっていて、それに比例してスピードも出て、コントロールもよくなって、変化球もまとまるようになって…いろいろと、どんどんよくなっています」と本人も話したように急成長を見せ[6]、9月29日の独立リーググランドチャンピオンシップでは自己最速の159km/hを計測[10]。入団から1年足らずで自己最速を8km/h更新し[4]、この年は14試合の登板で防御率2.70[2]、13回1/3を投げて20奪三振を記録した[4]

10月26日に行われたNPBドラフト会議にて、千葉ロッテマリーンズから2位指名を受け[8][注 2]、11月10日に契約金7000万円、年俸1200万円(金額はいずれも推定)で仮契約を結んだ[1]。背番号は31[12]

選手としての特徴[編集]

富山時代に最速159km/hを計測したストレートと大きく落ちるフォークを駆使し、三振の山を築く右腕[1]。縦に曲がるスライダーも投じる[8]。ストレートはロッテ入団後もシーズン開幕前に最速154km/hを計測している[13]。ロッテ監督の吉井理人は、ストレートについては評価している一方[14]変化球は「まだまだ“すっとこどっこい”」という評価を下している[13]

投球フォームについては、JFE東日本時代に「一気にレベルが上がって萎縮し、フォームが分からなくなりました」と話し、球速も140km/h台前半に低下[4]。ただ、伏木海陸運送入社前に“一番投げやすいフォーム”を模索し、「イメージがわきやすい」と岸孝之の動画をよく見て取り組んでいるうちに、自分の投球フォームを確立したという[6]

詳細情報[編集]

背番号[編集]

  • 17(2023年)
  • 31(2024年 - )

独立リーグでの投手成績[編集]

出典は一球速報.com[9]





















































W
H
I
P
2023 富山 14 0 0 0 0 1 0 1 0 1.000 56 13.1 10 0 2 - 3 20 2 1 4 4 2.70 0.9
通算:1年 14 0 0 0 0 1 0 1 0 1.000 56 13.1 10 0 2 - 3 20 2 1 4 4 2.70 0.9

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この年の日本海リーグはシーズン3ターム制[9]
  2. ^ 独立リーグからの2位指名は歴代最高タイであった[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c 【ロッテ】最速159キロ右腕ドラ2大谷輝龍と仮契約「1軍でシーズン通して出場して新人王を」」日刊スポーツ、2023年11月10日。2023年11月10日閲覧
  2. ^ a b c d e f g h i MAX157キロ『北陸の大谷さん』にスカウト注目 独立リーグ富山でドラフト候補に…大谷輝龍(ひかる)を中日も好評価」『中日スポーツ』2023年9月28日。2023年10月26日閲覧
  3. ^ a b c セカンドステージで輝く:伏木海陸 都市対抗に向けて/下 ドーム登板へ直球磨く 大谷輝龍投手(21) /富山」『毎日新聞』2021年11月23日。2023年10月27日閲覧
  4. ^ a b c d e f 河合洋介「ドラフト会議直前【逸材ファイル】富山の大谷 最速159キロ救援右腕は「第2の阪神・湯浅」」『Sponichi Annex』2023年10月25日。2023年10月27日閲覧
  5. ^ a b 若かもめ・マリーンズ日記:プロ野球 新人王へ直球磨く 大谷輝龍投手 /千葉」『毎日新聞』2024年3月23日。2024年4月3日閲覧
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 土井麻由美「《2023ドラフト候補》最速157キロ!独立リーグのオオタニサーンこと大谷輝龍(日本海・富山)」『Yahoo!ニュース』2023年9月14日。2023年11月10日閲覧
  7. ^ 【石川】星稜 竹谷―奥川の零封リレーで小松大谷破る」『スポーツニッポン』2018年7月21日。2023年10月26日閲覧
  8. ^ a b c 【ドラフト会議】ロッテ2位はいきなり“隠し玉”独立L159キロ右腕…日本海L・富山の大谷輝龍を指名」『スポーツニッポン』2023年10月26日。2023年10月26日閲覧
  9. ^ a b 富山GRNサンダーバーズ 2023年度 - 一球速報.com
  10. ^ 北陸の大谷だ!ロッテ2位の159キロ腕・大谷「新人王獲りたい」 “幕張の守護神”の期待も」Sponichi Annex、2023年10月30日。2023年11月10日閲覧
  11. ^ ドラフト会議に“独立リーグ旋風” 2位に2選手は史上初…最速159キロコンビが指名」『Full-Count』2023年10月26日。2023年10月26日閲覧
  12. ^ 【ロッテ】新入団選手発表会で新人選手の背番号発表 ドラ1明大・上田希由翔は「10」」『日刊スポーツ』2023年12月7日。2024年4月7日閲覧
  13. ^ a b 最速159キロ右腕ロッテドラ2・大谷 プロ自己最速154キロ「自分の真っすぐが投げられた。自信になる」」『デイリースポーツ online』2024年2月19日。2024年3月7日閲覧
  14. ^ ロッテの大谷あるぞ二刀流…救援候補も吉井監督「あの球を投げていたら先発をしてほしい」」『スポーツ報知』2024年2月19日。2024年3月7日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]