本前郁也
千葉ロッテマリーンズ #49 | |
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![]() 2022年9月30日 京セラドーム大阪 | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | 北海道札幌市東区 |
生年月日 | 1997年10月2日(26歳) |
身長 体重 |
176 cm 82 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2019年 育成選手ドラフト1位 |
初出場 | 2021年4月1日 |
年俸 | 1300万円(2023年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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本前 郁也(もとまえ ふみや、1997年10月2日[2] - )は、北海道札幌市東区出身[3]のプロ野球選手(投手)。左投左打[2]。千葉ロッテマリーンズ所属[2]。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
札幌市立札苗小学校3年から東ハリケーンで野球を始め、札苗中時代は札幌白石シニアでプレー[4]。
札幌光星高等学校では3年夏の南北海道大会でエースを務めるも、1回戦で駒大苫小牧に3対10で敗れた[4]。なお、埼玉西武ライオンズの齊藤誠人は小中高の2学年上の先輩にあたる[5]。
北翔大学への進学後は1年春からベンチ入りし、札幌6大学リーグでは2年春~3年秋に3季連続で最優秀投手に輝いた[4]。しかし、全国大会である全日本選手権や明治神宮大会への出場は叶わず[6]、2019年9月2日の日本製鉄室蘭シャークスとのオープン戦では打球が頭部に直撃し、入院。プロ志望届を病床で書くこととなり[4]、同14日に提出した[5]。リーグ戦通算成績は49試合の登板で14勝10敗・防御率1.45[4]。
2019年10月17日に行われたプロ野球ドラフト会議において、千葉ロッテマリーンズから育成1位指名を受け[7]、11月19日に支度金300万円、年俸300万円(金額は推定)で仮契約した[8]。背番号は120[9]。北翔大学から初めてのプロ野球選手となった[5][8]。
ロッテ時代[編集]
2020年、イースタン・リーグ公式戦で1試合20球程度のリリーフから始まり、先発で4イニング、さらに6イニングと段階的に球数を増やしていき[10]、ルーキーイヤーは同リーグで11試合(6先発[11])に登板し、38回2/3を投げて2勝0敗・防御率2.56を記録[12]。オフに現状維持の推定年俸300万円で契約を更改した[11]。
2021年は育成投手で唯一春季キャンプを一軍でスタートすると[5]、2月24日の福岡ソフトバンクホークスとの球春みやざきベースボールゲームズでは3イニングを打者9人に抑えるパーフェクトピッチング[13]。3月11日の東北楽天ゴールデンイーグルスとのオープン戦では3回無失点と好投するなど[14]結果を残し、3月14日に支配下登録[15][16]。推定年俸420万円、背番号は49へ変更となり[15]、翌15日に公示された[17]。その後もオープン戦で好投を続け[18]、開幕ローテーション入り。開幕6戦目の楽天戦でプロ初登板初先発を果たし、5回4失点でプロ初勝利を挙げた[19]。続く4月8日のオリックス・バファローズ戦では5回5失点でプロ初黒星を喫し[20]、翌9日に出場選手登録を抹消されて[21]以降は、二軍で被本塁打数の改善に取り組みながらローテーションの谷間で一軍の先発マウンドに上がった[22][23]。6回を投げきった試合は6月11日の読売ジャイアンツ戦のみであったり[24]、37回2/3を投げて被本塁打7であったりと課題は残したものの[25][26]、この年は8試合の先発登板で1勝2敗・防御率4.78を記録[25]。オフに250万円増となる推定年俸670万円で契約を更改した[26]。
2022年は4月6日の北海道日本ハムファイターズ戦でシーズン初登板初先発となるも、2本のソロ本塁打を打たれて5回2失点で勝敗付かず[27]、翌7日に出場選手登録を抹消された[28]。4月27日の楽天戦でシーズン2度目の先発登板となり、ソロ本塁打による1失点のみで6回を投げきり、勝利投手の権利を持って降板したものの、リリーフ陣が同点を許してシーズン初勝利とはならず[29]、同30日には無症状ながら新型コロナウイルス陽性判定を受け、翌5月1日に特例2022で登録抹消[30]。6月5日の巨人戦で一軍復帰を果たし[31]、この日は5回を投げて3本塁打で4点を失ったものの[32]、打線の援護に恵まれてシーズン初勝利を挙げた[33]。佐々木千・唐川・田中靖・東妻と前年の主力リリーバーが二軍調整中というチーム事情もあって[34]その後はブルペン待機となり、6月17日の日本ハム戦でプロ初のリリーフ登板。5回裏からの4イニングを無失点に抑えると、打線が9回表に逆転したことでプロ初の救援勝利を挙げた[35]。同24日のオリックス戦で先発に戻るも、5回1/3を3失点(自責点1)ながら敗戦投手となり[36]、その後は登録抹消と再登録を繰り返しながら、先発ローテーションの谷間での一軍登板を重ね、この年は12試合(11先発)の登板で3勝2敗・防御率4.66という成績であった。オフに630万円増となる推定年俸1300万円で契約を更改した[37]。
2023年も開幕を二軍で迎えたが、イースタン・リーグでは10試合(9先発)の登板で防御率1.74と結果を残し、6月10日の広島東洋カープ戦でシーズン初登板初先発[38]。5回4安打4四球5奪三振2失点で勝敗は付かず[39]、翌11日に出場選手登録を抹消された[40]。その後は二軍で先発ローテーションを回り、イースタン・リーグの規定投球回に到達したが、7月以降は防御率6.75と振るわず[41]、この年の一軍登板は前述の1試合のみに終わった。なお、このシーズンではイースタン・リーグの奪三振王(84奪三振、タイに井上温大)のタイトルを獲得している[42]。
選手としての特徴[編集]
2021年シーズンで投手コーチを務めた吉井理人と大隣憲司が共に「スピードガンの数字より速く感じるはず」と評した[43][44]力感のない投球フォームから投げ込まれる質の良いストレートが持ち味[13][45]。最速はアマチュア時代に148km/h[4]、プロ入り後は149km/hを計測している[11][15]。
変化球はスライダー・カーブ・チェンジアップ[43]・ツーシーム[46]・カットボール[47]を操る。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 | ロッテ | 8 | 8 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 164 | 37.2 | 41 | 7 | 15 | 0 | 2 | 17 | 0 | 0 | 20 | 20 | 4.78 | 1.49 |
2022 | 12 | 11 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | .600 | 254 | 56.0 | 61 | 14 | 26 | 1 | 2 | 40 | 2 | 1 | 32 | 29 | 4.66 | 1.55 | |
2023 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 22 | 5.0 | 4 | 1 | 4 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 2 | 2 | 3.60 | 1.53 | |
通算:3年 | 21 | 20 | 0 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 | 0 | .500 | 440 | 98.2 | 106 | 22 | 45 | 1 | 4 | 62 | 2 | 1 | 54 | 51 | 4.65 | 1.53 |
- 2023年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2021 | ロッテ | 8 | 1 | 8 | 0 | 0 | 1.000 |
2022 | 12 | 5 | 7 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
通算 | 21 | 6 | 15 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2023年度シーズン終了時
表彰[編集]
- イースタン・リーグ優秀選手賞(2021年[48])
記録[編集]
- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板・初勝利・初先発勝利:2021年4月1日、対東北楽天ゴールデンイーグルス3回戦(ZOZOマリンスタジアム)、5回4失点
- 初奪三振:同上、4回表に小郷裕哉から空振り三振
- 打撃記録
- 初打席:2021年6月3日、対中日ドラゴンズ3回戦(バンデリンドーム ナゴヤ)、3回表に勝野昌慶から一ゴロ
背番号[編集]
- 120(2020年 - 2021年3月14日)
- 49(2021年3月15日 - )
登場曲[編集]
- 「空はまるで」MONKEY MAJIK(2021年 - )
脚注[編集]
- ^ ロッテ - 契約更改 - プロ野球. 日刊スポーツ. 2022年11月17日閲覧。
- ^ a b c “120 本前 郁也選手名鑑2020 |千葉ロッテマリーンズ”. 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト. 2020年5月18日閲覧。
- ^ “ロッテ育成D1・本前が入寮 札幌出身「東京タワーに行きたい」”. サンスポ. (2020年1月8日) 2020年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f “北翔大・本前、6球団から調査書 高校時代無名の最速148キロ左腕「雑草魂」”. スポーツ報知 (2019年10月17日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b c d “入院中にプロ志望届提出 ロッテ育成左腕・本前郁也が1軍キャンプ抜擢で抱く野心”. Full-Count (2021年2月10日). 2021年2月20日閲覧。
- ^ “大学14勝の北翔大・本前郁也、無の境地で指名待つ” (2019年10月16日). 2020年5月18日閲覧。
- ^ “ロッテ育成1位北翔大・本前はコアラのマーチ大好き”. 日刊スポーツ (2019年10月17日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “ロッテ育成1位本前が仮契約「子どもたちに夢を」”. 日刊スポーツ (2019年11月19日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテがルーキーの背番号を発表 佐々木朗希は「17」、ドラ2の佐藤は「32」に”. Full-Count (2019年12月9日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ2軍全日程終了 山口、本前らが存在感示す”. 日刊スポーツ (2020年11月1日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ a b c “ロッテ本前が現状維持、将来の先発左腕候補へ成長中”. 日刊スポーツ (2020年12月4日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ “2020年度 千葉ロッテマリーンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “ロッテ首脳陣が見る育成左腕・本前郁也の力量とは”. 日刊スポーツ (2021年2月25日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ “ロッテの育成左腕・本前が3回零封 支配下登録へ堂々アピール”. BASEBALL KING (2021年3月11日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b c “ロッテ育成左腕の本前郁也が支配下登録 背番49”. 日刊スポーツ (2021年3月14日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ 本前投手 支配下選手登録について 千葉ロッテマリーンズ公式サイト 2021年3月14日掲載
- ^ 2021年度 支配下選手登録(千葉ロッテマリーンズ)
- ^ “【ロッテ】本前郁也、開幕ローテ“第6の男”名乗り 支配下デビュー4回1/3無失点”. スポーツ報知 (2021年3月18日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ本前がプロ初勝利、初お立ち台で「最高です」”. 日刊スポーツ (2021年4月1日). 2021年4月3日閲覧。
- ^ “ロッテ、4月初黒星で連勝は4でストップ 本前5回8安打5失点でプロ初黒星”. BASEBALL KING (2021年4月8日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ横山陸人、西武十亀ら登録、吉川光夫ら抹消/9日公示”. 日刊スポーツ (2021年4月9日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ本前2被弾反省も井口監督「いい球を投げていた」登板機会を示唆”. 日刊スポーツ (2021年6月3日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ本前郁也「しっかりリベンジ」前回3被弾4失点の楽天相手に2日先発”. 日刊スポーツ (2021年7月1日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “江本氏、6回1失点のロッテ・本前は「素晴らしいピッチング」”. ニッポン放送ショウアップナイター (2021年6月11日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “2021年度 千葉ロッテマリーンズ 個人投手成績(パシフィック・リーグ)”. 日本野球機構. 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “ロッテ本前250万円増「すごくうれしい」プロ初勝利もマーク”. 日刊スポーツ (2021年12月8日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “2球で2失点…ロッテ先発の本前、2被弾悔やむ「もったいない失点…悔いが残ります」”. 中日スポーツ (2022年4月6日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテが国吉佑樹と本前郁也、日本ハムは望月大希を登録抹消 7日の公示”. Full-Count (2022年4月7日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテ・本前 6回1失点と好投も1年ぶり勝利お預け 2番手・広畑が同点2ランを被弾”. Sponichi Annex (2022年4月27日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “【ロッテ】今季不振のマーティンを抹消 福田秀平を選手登録”. 中日スポーツ (2022年5月1日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテ 昨年巨人戦6回1失点好投の左腕・本前 初勝利へ5日の巨人戦先発”. デイリースポーツ (2022年6月4日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “【巨人】岡本和真のリーグトップ17号も空砲…ロッテとの空中戦に敗れ4連勝ならず 日曜日は7連敗”. スポーツ報知 (2022年6月5日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテ・本前 5回4失点もようやく今季1勝「打者の皆さんに助けてもらった」”. Sponichi Annex (2022年6月6日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “開幕直後は不安定も…頼もしくなってきたロッテの勝利の方程式”. BASEBALL KING (2022年6月2日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテが大逆転で4位浮上!奨吾が決勝二塁打、札幌出身・本前が地元で初白星”. Sponichi Annex (2022年6月17日). 2022年6月17日閲覧。
- ^ “ロッテ・本前郁也は六回途中3失点 打線も沈黙…4安打完封負け 勝率5割復帰ならず”. サンスポ (2022年6月24日). 2022年12月12日閲覧。
- ^ “【ロッテ】本前郁也は630万増「うれしく思いながらはんこを」オフはソフトバンク和田に同行”. 日刊スポーツ (2022年11月16日). 2022年12月12日閲覧。
- ^ “【ロッテ】本前郁也6・10広島戦で今季初登板初先発「フォーム変えて強い球いくようになった」”. 日刊スポーツ (2023年6月9日). 2023年11月6日閲覧。
- ^ “藤岡裕大がサヨナラ打! 千葉ロッテが広島とのシーソーゲームを制す”. パ・リーグ.com (2023年6月10日). 2023年11月6日閲覧。
- ^ “巨人菅野智之、DeNAエスコバーら登録 ソフトバンク松本裕樹、西武愛斗ら抹消/11日公示”. 日刊スポーツ (2023年6月11日). 2023年11月6日閲覧。
- ^ “ロッテ、2023年の戦いを終える 来季こそリーグ優勝を!”. BASEBALL KING (2023年10月22日). 2023年11月6日閲覧。
- ^ 2023年度 イースタン・リーグ リーダーズ(投手部門) 日本野球機構 (2023年11月27日閲覧)
- ^ a b “ロッテ・本前郁也 支配下登録へ「ずっと一軍にいるつもりでいる」/春の一番星を探して”. 週刊ベースボールONLINE (2021年3月6日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテの「育成の星」となるか 本前郁也、飛躍の鍵を大隣2軍投手コーチが分析”. Full-Count (2021年3月11日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ロッテ本前とソフトバンク・スチュワートに見る球速と空振りが取れる球質”. 日刊スポーツ (2021年10月21日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “本前初勝利でロッテ1勝、病床で志望届書いた男門出”. 日刊スポーツ (2021年4月2日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “巨人・坂本が復帰初戦でマルチ安打 江本氏「さすがですよね」”. ニッポン放送ショウアップナイター (2021年6月11日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ “2021年特別表彰発表 高津臣吾、中嶋聡両監督に最優秀監督賞、松坂大輔らが功労賞 | プロ野球”. DAZN NEWS (2021年12月6日). 2022年12月9日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 個人年度別成績 本前郁也 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)
- 49 本前 郁也 選手名鑑 - 千葉ロッテマリーンズオフィシャルサイト