メタモルフォーゼの縁側

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メタモルフォーゼの縁側
漫画
作者 鶴谷香央理
出版社 KADOKAWA
掲載サイト コミックNewtype
発表期間 2017年11月17日 - 2020年10月9日
巻数 全5巻
話数 全52話
映画:メタモルフォーゼの縁側
原作 鶴谷香央理
監督 狩山俊輔
脚本 岡田惠和
音楽 T字路s
制作 日テレアックスオン
製作 「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
配給 日活
封切日 2022年6月17日
上映時間 118分
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画映画
ポータル 漫画映画

メタモルフォーゼの縁側』(メタモルフォーゼのえんがわ)は、鶴谷香央理による日本漫画作品である。2017年11月17日[1]より2020年10月9日[2]にかけて、KADOKAWAウェブコミック配信サイトコミックNewtype』で連載された。実写映画化されることが決定している[3]。単行本第3巻の帯には宇垣美里が推薦文を寄せた[4]

あらすじ[編集]

75歳の老婦人の雪は、ふと訪れた書店で表紙の絵柄が気に入り、1冊のコミックを手に取る。その内容は二人の男子高校生を主人公にしたボーイズラブ(BL)作品であった。雪はBLにハマり、これがきっかけで書店アルバイトの高校生、うららと漫画について語り合ったり同人誌即売会に出かけたり、共通の「好きなもの」を通じて交流を深めていく。

登場人物[編集]

市野井 雪(いちのい ゆき)
2年前に夫に先立たれ、一人暮らしをしている75歳の女性。自宅で書道教室を開いている。
佐山 うらら(さやま うらら)
書店でアルバイトをしている、17歳の女子高校生。両親は離婚し、母親と暮らしている。ボーイズラブ漫画が好きであるが、学校では共通の趣味を持つ友人を作れずにいた。
コメダ 優(コメダ ゆう)
ボーイズラブ漫画『君のことだけ見ていたい』の作者。

制作背景[編集]

本作は鶴谷にとって『don't like this』に次ぐ連載作品であり[5]単行本化は本作第1巻が初である[6]。友人の紹介でKADOKAWAの「コミックNewtype」の編集者と会い、「BLが好きな人の話を描きたい」という構想を話したところ、「おばあちゃん」という要素を加えては、という提案を受けた。鶴谷はその頃講談社の「モーニング」で読み切り掲載された、調香師を題材とした作品の連載準備を進めていたが、匂いを漫画で表現することは容易ではなかった。1年ぶりにコミックNewtypeの編集者に連絡したところ鶴谷を覚えており、ウェブで連載することとなった[7]

評価[編集]

コミックNewtypeで連載が始まると、SNSなどで話題になった[8]

ライターのトミヤマユキコから本作を勧められたラジオパーソナリティーの宇多丸は「年齢も立場も違う二人が好きなものを通じてゆるくつながる人間関係の良さ、森田芳光(故人)監督で映画化したら面白くなっただろう」と語った[9]。漫画家の西炯子は、文化庁メディア芸術祭の贈賞理由として「喜びと背中合わせである切なさを見事に描き出した、誠に愛すべき作品」と評した[10]。ライターの山脇麻生は「コマ毎に得られる充足感は著者の観察眼の賜物」と、キャラクターの息使いにあふれた描写に着目した[11]

東京ニュース通信社主催「ブロスコミックアワード2018」大賞[12]、2019年の宝島社このマンガがすごい!』オンナ編1位を受賞[13]、2019年の第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門では新人賞を受賞している[10]

書誌情報[編集]

  • 鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』KADOKAWA、全5巻
    1. 2018年5月8日発売[14][15]ISBN 978-4-04-106830-4
    2. 2018年11月8日発売[16][17]ISBN 978-4-04-107350-6
    3. 2019年6月8日発売[4][18]ISBN 978-4-04-108224-9
    4. 2020年3月10日発売[19]ISBN 978-4-04-108841-8
    5. 2021年1月9日発売[3][20]ISBN 978-4-04-110813-0

映画[編集]

メタモルフォーゼの縁側
監督 狩山俊輔
脚本 岡田惠和
原作 鶴谷香央理
製作 河野英裕
谷戸豊
大倉寛子
製作総指揮 伊藤響
出演者 芦田愛菜
宮本信子
高橋恭平なにわ男子
古川琴音
汐谷友希
伊東妙子
菊池和澄
大岡周太朗
生田智子
光石研
音楽 T字路s
主題歌 うららと雪
「これさえあれば」
撮影 谷康生
編集 木村悦子
制作会社 日テレアックスオン
製作会社 「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
配給 日活
公開 日本の旗 2022年6月17日
上映時間 118分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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2022年6月17日に公開された[21]。監督は狩山俊輔、脚本は岡田惠和、主演は芦田愛菜[22]

劇中に登場するボーイズラブ漫画『君のことだけ見ていたい』の作画は、ボーイズラブ漫画作品を手がける漫画家のじゃのめが担当。「できる限り原作に寄り添うこと」と、「オーソドックスでロマンチックなもの」を意識して描かれている[21]

2022年4月には原作者の鶴谷により映画の撮影現場レポート漫画が描き下ろされ、映画の公式Twitterにて発表されている[23]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 原作:鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』(KADOKAWA
  • 監督:狩山俊輔
  • 脚本:岡田惠和
  • 音楽:T字路s
  • 主題歌:うららと雪「これさえあれば」[25]
  • 劇中漫画:じゃのめ[26]、鶴谷香央理
  • 製作:沢桂一、鳥羽乾二郎、長澤一史
  • エグゼクティブプロデューサー:伊藤響
  • プロデューサー:河野英裕[24]、谷戸豊、大倉寛子
  • 撮影:谷康生
  • 照明:白鳥友輔
  • 録音:高島良太
  • 美術:小池寛
  • 美術デザイン:内田哲也
  • 装飾:寺原ゴイチ
  • 編集:木村悦子
  • 音響効果:佐藤祥子
  • 記録:黒木ひふみ
  • スタイリスト:三好マリコ、宮本茉莉
  • ヘアメイク:金山貴成
  • 助監督:保母海里風
  • 制作担当:宇佐美晴久
  • 配給宣伝統括:小嶋功一
  • 宣伝プロデューサー:滝口彩香
  • 特別協力:Hulu
  • 配給:日活
  • 制作プロダクション:日テレアックスオン
  • 製作幹事:日本テレビ放送網
  • 製作:「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会

受賞[編集]

  • 第14回TAMA映画賞
    • 特別賞(芦田愛菜、宮本信子、及びスタッフ・キャスト一同)

評価[編集]

KINENOTEの「キネ旬Review」で日本経済新聞社の編集委員である古賀重樹が執筆した主演の芦田についての「すでに少女ではないけれど、性的な魅力にあふれるというわけでもない。そんな中途半端な年ごろの感情を、実に理知的に表現している」というコメントが批判を浴びた[27]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ “75歳老女とBLマンガの出会い描く「メタモルフォーゼの縁側」など、Web新連載2本”. コミックナタリー. (2017年11月17日). https://natalie.mu/comic/news/257224 2019年6月8日閲覧。 
  2. ^ yuki_to_uraraの2020年10月9日のツイート2020年10月30日閲覧。
  3. ^ a b “「メタモルフォーゼの縁側」実写映画化、最終5巻と鶴谷香央理作品集が同時発売”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年1月7日). https://natalie.mu/comic/news/411518 2021年4月18日閲覧。 
  4. ^ a b “好きを語る相手がいることの喜び「メタモルフォーゼの縁側」3巻帯に宇垣美里”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年6月8日). https://natalie.mu/comic/news/334798 2021年4月18日閲覧。 
  5. ^ “鶴谷香央理”. コミックナタリー. https://natalie.mu/comic/artist/106590 2019年6月8日閲覧。 
  6. ^ 【インタビュー】自身初の単行本が『このマンガがすごい!2019』オンナ編第1位に! BL×おばあちゃんを生みだした、鶴谷香央理先生って、どんな人?”. このマンガがすごい!web. p. 1 (2018年12月20日). 2019年6月9日閲覧。
  7. ^ 【インタビュー】自身初の単行本が『このマンガがすごい!2019』オンナ編第1位に! BL×おばあちゃんを生みだした、鶴谷香央理先生って、どんな人?”. このマンガがすごい!web. p. 2 (2018年12月20日). 2019年6月9日閲覧。
  8. ^ “【インタビュー】鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』 歳の差58歳、おばあちゃんとの友情はBLからはじまった!?”. コミックナタリー. (2018年12月22日). http://konomanga.jp/interview/142387-2 2019年6月9日閲覧。 
  9. ^ 宇多丸と『メタモルフォーゼの縁側』(撮り下ろしコメントPV) - YouTube
  10. ^ a b 第22回マンガ部門新人賞『メタモルフォーゼの縁側』”. 文化庁メディア芸術祭. 2019年6月8日閲覧。
  11. ^ 17歳と75歳、好きな本に夢中になって”. 朝日新聞好書好日 (2018年6月7日). 2019年6月9日閲覧。
  12. ^ “鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」がブロスのマンガ大賞を受賞”. コミックナタリー. (2019年1月24日). https://natalie.mu/comic/news/317281 2019年6月9日閲覧。 
  13. ^ 【公式発表!】『このマンガがすごい!2019』 第1位! オトコ編は『天国大魔境』、オンナ編は『メタモルフォーゼの縁側』”. このマンガがすごい!web (2018年12月10日). 2019年6月9日閲覧。
  14. ^ “老婦人と女子高生、BLマンガが縁で出会った2人「メタモルフォーゼの縁側」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年5月8日). https://natalie.mu/comic/news/281224 2021年4月18日閲覧。 
  15. ^ メタモルフォーゼの縁側 (1)”. KADOKAWA. 2021年4月18日閲覧。
  16. ^ “「メタモルフォーゼの縁側」著者が描く、インドア派ガールの“好き”との出会い”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年11月8日). https://natalie.mu/comic/news/307111 2021年4月18日閲覧。 
  17. ^ メタモルフォーゼの縁側 (2)”. KADOKAWA. 2021年4月18日閲覧。
  18. ^ メタモルフォーゼの縁側 (3)”. KADOKAWA. 2021年4月18日閲覧。
  19. ^ メタモルフォーゼの縁側 (4)”. KADOKAWA. 2021年4月18日閲覧。
  20. ^ メタモルフォーゼの縁側 (5)”. KADOKAWA. 2021年4月18日閲覧。
  21. ^ a b “「メタモルフォーゼの縁側」劇中BLマンガの作画をじゃのめが担当、公開日も決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年3月4日). https://natalie.mu/comic/news/468113 2022年3月4日閲覧。 
  22. ^ a b "芦田愛菜&宮本信子、58歳差の親友に! 『メタモルフォーゼの縁側』で再共演". シネマトゥデイ. 25 November 2021. 2021年11月25日閲覧
  23. ^ “鶴谷香央理が映画「メタモルフォーゼの縁側」の撮影現場レポを描き下ろし”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年4月30日). https://natalie.mu/comic/news/476058 2022年4月30日閲覧。 
  24. ^ a b c d e f g h i “なにわ男子・高橋恭平、芦田愛菜の“幼なじみ” 映画『メタモルフォーゼの縁側』全キャスト&予告公開”. ORICON NEWS (oricon ME). (2022年2月19日). https://www.oricon.co.jp/news/2224948/full/ 2022年2月19日閲覧。 
  25. ^ "「メタモルフォーゼの縁側」芦田愛菜と宮本信子が主題歌担当、T字路sの楽曲をカバー". 映画ナタリー. ナターシャ. 31 March 2022. 2022年5月16日閲覧
  26. ^ "芦田愛菜×宮本信子『メタモルフォーゼの縁側』6.17公開決定 BL作家じゃのめが劇中画を担当". クランクイン!. ブロードメディア. 4 March 2022. 2022年5月16日閲覧
  27. ^ 芦田愛菜の主演映画をレビューした評論家が炎上!内容とは無関係な“性的な言及”に「気色悪い」の声”. 週刊女性PRIME (2022年6月29日). 2022年6月29日閲覧。

外部リンク[編集]