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ショウナンパンドラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ショウナンパンドラ
2015年ジャパンカップ
欧字表記 Shonan Pandora[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2011年3月10日(13歳)
登録日 2013年10月24日[2]
抹消日 2016年11月2日[2]
ディープインパクト
キューティゴールド
母の父 フレンチデピュティ
生国 日本の旗 日本北海道白老町
生産者 白老ファーム
馬主 国本哲秀
調教師 高野友和栗東
調教助手 村本善之
競走成績
タイトル JRA賞最優秀4歳以上牝馬(2015年)
生涯成績 18戦5勝
獲得賞金 6億768万8000円
WBRR L116 / 2015年[3]
勝ち鞍
GI 秋華賞 2014年
GI ジャパンカップ 2015年
GII オールカマー 2015年
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ショウナンパンドラShonan Pandora)は、日本中央競馬会(JRA)に登録されていた競走馬。おもな勝ち鞍は2014年秋華賞(GI)、2015年ジャパンカップ(GI)、オールカマー(GII)。馬名冠名神から全ての贈り物を与えられた女ギリシャ語[4]

戦績

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2011年~2013年

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東日本大震災の前日(2011年3月10日)に生まれる[5]。2年後の2013年12月8日阪神芝1800m新馬戦でデビューし2着[6]

2014年

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年明け初戦の京都芝2000m未勝利戦でスタートで出遅れるも最後の直線で抜け出し初勝利を収める[7]。その後エルフィンステークスフラワーカップスイートピーステークスと3戦全てで単勝オッズ1番人気に支持されるがそれぞれ2着[8]、5着[9]、5着[10]と敗れた。その後1戦を挟み、新潟競馬場の古馬混合500万条件戦で2勝目を挙げる[11]。続く秋華賞トライアル紫苑ステークスで2着となり優先出走権を獲得した[12]秋華賞では単勝オッズ3番人気に支持され、騎乗した浜中俊がインコースをつくレース運びで抜け出し、オークス馬のヌーヴォレコルトを2着に抑えて優勝[13]。重賞初勝利がGI初勝利となった。なお、ショウナンパンドラを管理する高野友和調教師も重賞初勝利及びGI初勝利となった[13]。同時に紫苑ステークス経由では秋華賞初勝利・初連対となり[14]、馬券に絡んだのも2002年シアリアスバイオ[15]以来3頭目である。 続くエリザベス女王杯では6着であった[16]

2015年

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初戦は大阪杯から始動するも、不良馬場に泣き9着に終わった[17]。続くヴィクトリアマイルでは、縦長の速い流れの中、二の足がつかず追い込みも不発に終わり8着だった[18]。陣営は次走に宝塚記念を選択。主戦の浜中が同レースでデニムアンドルビーに先約があるため、池添謙一と新コンビを組むことになった[19]。レースでは、最内枠を生かし最短距離を走り3着入線、11番人気の低評価を跳ね返した[20]。放牧をはさみ、秋はオールカマーへ出走。最後の直線でヌーヴォレコルトが最内を突いて抜け出すも、大外から上がり最速で差し切り、牝馬では97年のメジロドーベル以来18年ぶりの優勝。重賞2勝目とともに天皇賞(秋)の優先出走権を手にした[21]。天皇賞(秋)では、スタートしてすぐの2コーナーで15番枠の影響で道中後方となり、上がり最速タイを叩き出すも4着までだった[22]。次戦のジャパンカップでは、前走と同じ15番枠となり、騎乗した池添が「競馬の神様にうまく乗れるのか?と試されている気がした」と話していた[23]。最後の直線では馬体をぶつけられながらも馬群を抜け出し、最内から伸びたラストインパクトをクビ差で差し切り、GI2勝目[23]を同レース史上8回目(7頭目)の牝馬戴冠の快挙で飾った[24]。この後、陣営は有馬記念へ出走を表明するも、最終追い切り後の息の入りがいつもと異なるため出走を回避した[25]。この秋の活躍が評価され、JRA賞最優秀4歳以上牝馬に選出された[26]

2016年

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初戦は大阪杯から始動したが3着[27]、続くヴィクトリアマイルでは後方から追い込むも3着に敗れた[28]。その後、宝塚記念に向けて調整されていたが、6月10日に左第3中手骨遠位罅裂骨折が判明[29]し宝塚記念出走を断念、休養に入っていたが、11月2日に現役引退が決まった。引退後は生まれ故郷の白老ファーム繁殖牝馬となる[30]

競走成績

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競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2013.12.08 阪神 2歳新馬 芝1800m(良) 9 7 7 03.3(02人) 2着 1:49.2(33.4) -0.1 浜中俊 54kg ブルーフラッシュ
2014.01.05 京都 3歳未勝利 芝2000m(良) 16 8 15 02.8(01人) 1着 2:01.0(34.9) -0.2 浜中俊 54kg (アイスブレイク)
0000.02.08 京都 エルフィンS OP 芝1600m(重) 11 3 3 02.9(01人) 2着 1:38.0(34.0) -0.3 浜中俊 54kg シャイニーガール
0000.03.21 中山 フラワーC GIII 芝1800m(良) 16 3 5 03.9(01人) 5着 1:51.8(36.6) -0.5 浜中俊 54kg バウンスシャッセ
0000.05.04 東京 スイートピーS OP 芝1800m(良) 16 5 10 02.8(01人) 5着 1:47.8(33.6) -0.5 川須栄彦 54kg シャイニーガール
0000.05.24 東京 カーネーションC 500万下 芝1800m(良) 17 8 17 05.5(03人) 2着 1:47.7(33.0) -0.0 C.ウィリアムズ 54kg ヘイジームーン
0000.08.16 新潟 糸魚川特別 500万下 芝2000m(重) 14 2 2 02.0(01人) 1着 2:00.1(33.6) -0.4 岩田康誠 52kg (メイクアップ)
0000.09.13 新潟 紫苑S OP 芝2000m(不) 18 4 7 02.8(01人) 2着 2:03.3(35.7) -0.0 岩田康誠 54kg レーヴデトワール
0000.10.19 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 17 3 6 10.1(03人) 1着 1:57.0(34.3) -0.0 浜中俊 55kg ヌーヴォレコルト
0000.11.16 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 6 12 08.9(04人) 6着 2:12.7(33.3) -0.4 浜中俊 54kg ラキシス
2015.04.05 阪神 大阪杯 GII 芝2000m(不) 14 6 10 21.8(07人) 9着 2:04.8(38.4) -1.9 浜中俊 55kg ラキシス
0000.05.17 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 8 17 16.2(07人) 8着 1:32.8(33.5) -0.9 浜中俊 55kg ストレイトガール
0000.06.28 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 18 1 1 99.2(11人) 3着 2:14.6(34.7) -0.2 池添謙一 56kg ラブリーデイ
0000.09.27 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 15 2 3 07.6(03人) 1着 2:11.9(34.1) -0.2 池添謙一 55kg (ヌーヴォレコルト)
0000.11.01 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 7 15 09.0(05人) 4着 1:58.6(33.4) -0.2 池添謙一 56kg ラブリーデイ
0000.11.29 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 7 15 09.2(04人) 1着 2:24.7(33.9) -0.0 池添謙一 55kg (ラストインパクト)
2016.04.03 阪神 大阪杯 GII 芝2000m(良) 11 7 8 05.9(04人) 3着 1:59.5(33.3) -0.2 池添謙一 56kg アンビシャス
0000.05.15 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 7 15 04.4(02人) 3着 1:31.9(33.5) -0.4 池添謙一 55kg ストレイトガール

繁殖成績

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生年 馬名 毛色 厩舎 馬主 戦績
初仔 2018年 ショウナンハイネス 鹿毛 ロードカナロア 栗東・高野友和

園田保利良平

国本哲秀 9戦1勝(引退・繁殖)
第2仔 2019年 パンドレア 鹿毛 栗東・斉藤崇史 (有)シルクレーシング 18戦2勝(現役)
第3仔 2020年 ウォーターハウス 黒鹿毛 栗東・高野友和 10戦1勝(現役)
第4仔 2021年 レイナドラーダ 栗毛 レイデオロ 4戦0勝(引退)
第5仔 2022年 ショウナンサムデイ 青鹿毛 サートゥルナーリア 美浦奥村武 国本哲秀 2戦1勝(現役)
第6仔 2023年 ショウナンパンドラの2023 栗毛 ドレフォン デビュー前
第7仔 2024年 ショウナンパンドラの2024 栗毛 エピファネイア デビュー前
  • 2024年9月29日現在

血統表

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ショウナンパンドラ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト 2002
鹿毛 北海道早来町
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair 1991
鹿毛 アイルランド
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Burghclere
Highclere

キューティゴールド 2004
栗毛 北海道白老町
*フレンチデピュティ
French Deputy 1992
栗毛 アメリカ
Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Mitterand Hold Your Peace
Laredo Lass
母の母
ゴールデンサッシュ 1988
栗毛 北海道白老町
*ディクタス
Dictus
Sanctus
Doronic
ダイナサッシュ *ノーザンテースト
*ロイヤルサッシュ
母系(F-No.) ロイヤルサッシュ系(FN:1-t) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 9.38% 5×(5×5) [§ 4]
出典
  1. ^ [1]
  2. ^ [31]
  3. ^ [1]
  4. ^ [1]

脚注

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  1. ^ a b c d 血統情報:5代血統表|ショウナンパンドラ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年9月30日閲覧。
  2. ^ a b 競走馬情報:ショウナンパンドラ - @Keiba”. @Keiba - 競馬サービスプロバイダ. 2022年3月11日閲覧。
  3. ^ LONGINES WORLD'S BEST RACEHORSE RANKINGS 2015”. IFHA. 2023年10月18日閲覧。
  4. ^ “ショウナンパンドラ の競走馬情報”. POG-INFO. http://poginfo.ddo.jp/pogs/horseData/show/2011103584 2015年12月30日閲覧。 
  5. ^ ショウナンパンドラ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年3月11日閲覧。
  6. ^ 2歳新馬|2013年12月8日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  7. ^ 3歳未勝利|2014年1月5日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  8. ^ エルフィンステークス|2014年2月8日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  9. ^ フラワーカップ|2014年3月21日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  10. ^ スイートピーS|2014年5月4日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  11. ^ 糸魚川特別|2014年8月16日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  12. ^ “【紫苑S】レーヴデトワールが抜け出し制す 秋華賞へ切符”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2014年9月13日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/09/13/kiji/K20140913008923570.html 2015年12月30日閲覧。 
  13. ^ a b “【秋華賞】ショウナンパンドラ、女王ヌーヴォ撃破! 浜中恩返しV”. スポーツニッポン (スポーツニッポン). (2014年10月20日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2014/10/20/kiji/K20141020009133600.html 2015年12月1日閲覧。 
  14. ^ ショウナンパンドラが樫の女王を退け最後の1冠を奪取!/秋華賞”. netkeiba.com (2014年10月19日). 2015年12月30日閲覧。
  15. ^ シアリアスバイオ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年3月11日閲覧。
  16. ^ エリザベス女王杯|2014年11月16日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  17. ^ 大阪杯|2015年4月5日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2015年12月30日閲覧。
  18. ^ 【ヴィクトリアマイル】(東京)~ストレイトガールが悲願のGI初制覇”. www.radionikkei.jp. ラジオNIKKEI (2015年5月17日). 2022年3月11日閲覧。
  19. ^ ショウナンパンドラは池添騎手との新コンビで宝塚記念へ”. netkeiba.com (2015年5月31日). 2015年12月30日閲覧。
  20. ^ 【宝塚記念】(阪神)~ラブリーデイがGI初制覇”. www.radionikkei.jp. ラジオNIKKEI. 2022年3月11日閲覧。
  21. ^ ショウナンパンドラ天皇賞へ、高野師「これぐらい強い馬だとずっと思っていた」/オールカマー”. netkeiba.com (2015年9月28日). 2015年12月30日閲覧。
  22. ^ “【天皇賞・秋】ショウナンパンドラ4着 33秒4の剛脚も外寄りに泣く”. スポーツニッポン. (2015年11月2日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2015/11/02/kiji/K20151102011430820.html 2015年12月30日閲覧。 
  23. ^ a b ショウナンパンドラがV、鞍上池添は「一生懸命に追った」/ジャパンC”. netkeiba.com (2015年11月30日). 2015年12月30日閲覧。
  24. ^ 島田明宏. “7年間で5勝、日本の牝馬がJC制覇。ショウナンパンドラが「名馬」の域へ。”. Number Web - ナンバー. 2022年3月11日閲覧。
  25. ^ ショウナンパンドラの回避について高野師「馬のためにもここは慎重に進めたい」”. netkeiba.com (2015年12月23日). 2015年12月30日閲覧。
  26. ^ “JRA賞発表 年度代表馬は6戦全勝のモーリス!”. サンケイスポーツ. (2016年1月6日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20160106/etc16010614330008-n1.html 2016年1月6日閲覧。 
  27. ^ 大阪杯|2016年4月3日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2016年12月6日閲覧。
  28. ^ ヴィクトリアマイル|2016年5月15日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2016年12月6日閲覧。
  29. ^ ショウナンパンドラ号が故障”. 日本中央競馬会 (2016年6月10日). 2016年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
  30. ^ ショウナンパンドラ号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2016年11月2日). 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
  31. ^ ショウナンパンドラの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年4月25日閲覧。

外部リンク

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