アドマイヤグルーヴ

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アドマイヤグルーヴ
Admire Grove 20041031P1.jpg
2004年10月31日 東京競馬場
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2000年4月30日
死没 2012年10月15日(12歳没)
サンデーサイレンス
エアグルーヴ
母の父 トニービン
生国 日本の旗 日本北海道早来町
生産 ノーザンファーム
馬主 近藤利一
調教師 橋田満栗東
競走成績
生涯成績 21戦8勝
獲得賞金 5億5133万5000円
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アドマイヤグルーヴとは、日本競走馬繁殖牝馬である。2003・2004年のエリザベス女王杯連覇など活躍した。母エアグルーヴ優駿牝馬天皇賞(秋)(共にGI)を勝った名馬(1997年年度代表馬)で、その母のダイナカールも優駿牝馬を勝っており、母子3代での大レース制覇となった。半弟にフォゲッタブルステイヤーズステークスダイヤモンドステークス)、ルーラーシップクイーンエリザベス2世カップ)、半妹にグルヴェイグマーメイドステークス)がいる。主戦騎手は母のエアグルーヴの主戦騎手でもあった武豊で、全21戦中19戦に騎乗した。

デビュー前[編集]

2000年夏のセレクトセールでエアグルーヴの2000として上場される。お台の7000万円からたちまち高騰し、最終的には2億3000万円で近藤利一に落札された。これは当時のセレクトセール史上最高価格であると同時に牝馬の最高価格であり、当時の日本のセリ史上でも四番目の高額であった。[1] 近藤はこの馬の名前を一般公募し[2]その中で最も多かったのが冠名と母の名前を合わせたこのアドマイヤグルーヴである。[要出典]

セレクトセールでは母エアグルーヴの馬主もこの馬を購入の筆頭候補に挙げ、さらに購入がかなったらエアグルーヴと同じく伊藤雄二調教師に預けることまで決めていたが、あまりに価格が高騰したので購入断念を余儀なくされたという。[要出典]伊藤は後年、自著の中で「『自分がこの馬を管理していたらここをこう直したのに』と思うことがある」という趣旨の発言をしている[要ページ番号]

競走馬時代[編集]

2歳・3歳時代[編集]

2002年、11月のデビュー戦は単勝1.2倍という圧倒的な1番人気で初勝利を挙げ[3]阪神ジュベナイルフィリーズに出走登録をするも抽選に漏れ除外されてしまう[4]。しかしその翌週のエリカ賞(500万下)を勝利した[5]

年が明けて2003年、牝馬限定で3着までに優先出走権が与えられるチューリップ賞などのトライアル競走ではなく、皐月賞トライアルの若葉ステークスに出走。この時点では2勝馬に過ぎず、このレース2着以下では賞金が足りず桜花賞に出走できない可能性が濃厚だったが[4]、牡馬相手に勝利[6]。1番人気で桜花賞に挑んだがスタートで出遅れ、外側から懸命に追い込むもスティルインラブの3着と惜敗[2][7](2着はシーイズトウショウ)。続く優駿牝馬 (オークス)でも単勝支持率1.7倍の圧倒的1番人気に支持されるが、激しいイレコミが響きスティルインラブの7着と惨敗[2][8]

秋はローズステークスから始動し、ここでもスティルインラブと顔合わせとなり1番人気を譲ったものの、ここでは出遅れることなく勝利している[9]秋華賞ではスティルインラブを抑えて1番人気に支持されるが、レースではまたしてもスティルインラブをとらえ切ることが出来ずに2着と惜敗[2][10]。結局牝馬三冠競走では、全て1番人気の支持を集めたが、その全てでスティルインラブに敗れている。しかし、迎えたエリザベス女王杯ではスティルインラブとの激闘を制し、GI初勝利を挙げた[2][11]

古馬時代[編集]

2004年は牡馬相手の競馬になり、大阪杯金鯱賞(共にGII)はそれぞれ7着、5着とちぐはぐなレースが続き[独自研究?]、春の目標であった宝塚記念 (GI)を回避。続くマーメイドステークス (GIII)では牝馬相手でもあり、ここは貫禄を見せて圧勝した[独自研究?]。秋シーズン緒戦の京都大賞典 (GII)はナリタセンチュリーの4着から、次走は急遽出走することになった[要出典]天皇賞(秋)となった。ここではゼンノロブロイダンスインザムードに次ぐ3着[12]。そして連覇を狙ったエリザベス女王杯で優勝し、鞍上の武豊も同レース4連覇を果たした。また、古馬に開放されてからのエリザベス女王杯連覇はメジロドーベル以来2頭目である。同年JRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞。

2005年も、牡馬相手のレースに出走を続け、大阪杯、天皇賞(春)、金鯱賞と敗れ、宝塚記念では年下の牝馬、スイープトウショウに敗れてしまう。さらに天皇賞(秋)を同世代牝馬のヘヴンリーロマンスの17着と大敗し、同一GI3連覇を狙ったエリザベス女王杯では、スイープトウショウから3馬身差の3着と敗れ、牝馬相手にも敗れるレースが続いた。そして迎えた引退レースの阪神牝馬ステークスでは、1番人気をその年の桜花賞NHKマイルカップラインクラフトに譲る。桜花賞以来のマイル戦であったが優勝し、有終の美を飾った[13]。また当日はレース終了後にウイナーズサークルで引退式が行われた[14][15]近藤オーナーは1999年東京優駿以来の涙を見せ、アドマイヤベガが勝ったダービーより嬉しいと語った。[要出典]

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離馬場 タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2002. 11. 10 京都 2歳新馬 14 8 13 1.2 (1人) 1着 武豊 53 芝1800m(良) 1.51.8(33.9) -0.2 (エイシンイイデサン)
12. 7 阪神 エリカ賞 7 2 2 1.1 (1人) 1着 武豊 53 芝2000m(良) 2.03.0(34.7) -0.2 (モンパルナス)
2003. 3. 22 阪神 若葉S OP 10 8 9 1.7 (1人) 1着 武豊 54 芝2000m(良) 2.03.1(34.0) 0.0 (ビッグコング)
4. 13 阪神 桜花賞 GI 17 7 14 3.5 (1人) 3着 武豊 55 芝1600m(良) 1.34.2(34.5) 0.3 スティルインラブ
5. 25 東京 優駿牝馬 GI 17 1 2 1.7 (1人) 7着 武豊 55 芝2400m(良) 2.28.2(33.7) 0.7 スティルインラブ
9. 21 阪神 ローズステークス GII 12 1 1 3.0 (2人) 1着 武豊 54 芝2000m(良) 2.01.5(34.5) -0.2 ヤマカツリリー
10. 19 京都 秋華賞 GI 18 5 10 2.5 (1人) 2着 武豊 55 芝2000m(良) 1.59.2(34.8) -0.1 スティルインラブ
11. 16 京都 エリザベス女王杯 GI 15 4 7 3.6 (2人) 1着 武豊 54 芝2200m(良) 2.11.8(34.8) 0.0 (スティルインラブ)
2004. 4. 4 阪神 産経大阪杯 GII 11 7 8 6.4 (3人) 7着 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.1(35.5) 0.5 ネオユニヴァース
5. 28 中京 金鯱賞 GII 12 4 4 6.1 (4人) 5着 武豊 57 芝2000m(良) 1.58.1(35.1) 0.6 タップダンスシチー
7. 11 阪神 マーメイドS GIII 10 8 9 1.5 (1人) 1着 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.0(34.3) -0.5 (チアズメッセージ)
10. 10 京都 京都大賞典 GII 10 8 9 5.1 (2人) 4着 武豊 57 芝2400m(良) 2.25.9(34.6) 0.4 ナリタセンチュリー
10. 31 東京 天皇賞(秋) GI 17 4 8 17.0 (9人) 3着 武豊 56 芝2000m(稍) 1.59.3(34.9) 0.4 ゼンノロブロイ
11. 14 京都 エリザベス女王杯 GI 18 6 12 3.3 (2人) 1着 武豊 56 芝2200m(良) 2.13.6(33.8) -0.1 オースミハルカ
2005. 4. 3 阪神 産経大阪杯 GII 9 3 3 3.9 (2人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.4(34.5) 0.4 サンライズペガサス
5. 1 京都 天皇賞(春) GI 18 2 3 10.8 (6人) 11着 武豊 56 芝3200m(良) 3.17.7(35.2) 1.2 スズカマンボ
5. 28 中京 金鯱賞 GII 10 1 1 5.2 (3人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.5(33.8) 0.6 タップダンスシチー
6. 26 阪神 宝塚記念 GI 15 7 12 31.2 (8人) 8着 武豊 56 芝2200m(良) 2.12.7(36.5) 1.2 スイープトウショウ
10. 30 東京 天皇賞(秋) GI 18 8 17 96.0 (17人) 17着 上村洋行 56 芝2000m(良) 2.01.1(33.3) 1.0 ヘヴンリーロマンス
11. 13 京都 エリザベス女王杯 GI 18 2 3 11.1 (4人) 3着 上村洋行 56 芝2200m(良) 2.13.0(33.9) 0.5 スイープトウショウ
12. 18 阪神 阪神牝馬S GII 11 5 5 4.5 (2人) 1着 武豊 57 芝1600m(良) 1.34.5(35.0) 0.1 マイネサマンサ

繁殖牝馬時代[編集]

2006年よりノーザンファームで繁殖牝馬となっていたが、2012年10月15日に胸部出血のため急死したことが、翌10月16日に発表された[16]

死後に最後の産駒であるドゥラメンテ2015年皐月賞を制し、日本競馬史上初となる、母仔による4世代連続G1勝利を達成した[17]

生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績 出典
2007 アドマイヤテンバ 芦毛 *クロフネ 近藤利一 栗東・橋田満 22戦4勝(引退・繁殖) [18]
2008 アドマイヤセプター 栗毛 キングカメハメハ 27戦5勝(引退・繁殖)
札幌2歳S3着、フェアリーS3着
[19]
2009 アドマイヤトライ 黒鹿毛 *シンボリクリスエス 13戦2勝(引退) [20]
2010 アドマイヤグルーヴの2010 鹿毛 キングカメハメハ -- -- 未登録・未出走 [21]
2011 ボージェスト 鹿毛 キングカメハメハ 吉田勝己 栗東・友道康夫 11戦2勝(引退) [22]
2012 ドゥラメンテ 鹿毛 キングカメハメハ サンデーレーシング 美浦堀宣行 9戦5勝(引退・種牡馬)

代表勝鞍:皐月賞、東京優駿(日本ダービー)、中山記念

[23][24]

評価[編集]

母子共に騎乗した武豊は、乗り味はよく似ていたという母と対照的に牡馬相手のレースだとなぜか萎縮してしまい、能力が出し切れないところがあると語った。また、2004年当時の現役馬の中では屈指の瞬発力を持つと評価している。[要出典]

2003年のクラシックを争ったスティルインラブには同年2勝3敗と負け越したが、古馬になってからは2004年の金鯱賞・エリザベス女王杯、2005年の金鯱賞・宝塚記念とすべて先着している。ただし、混合戦での着差はほとんどない。

血統表[編集]

アドマイヤグルーヴ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
母の母
ダイナカール
1980 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイフェザー *ガーサント
*パロクサイド
母系(F-No.) パロクサイド系(FN:8-f) [§ 3]
5代内の近親交配 アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ 血統情報:5代血統表|アドマイヤグルーヴ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  2. ^ アドマイヤグルーヴの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2016年8月25日閲覧。
  3. ^ 血統情報:5代血統表|アドマイヤグルーヴ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年8月25日閲覧。
  4. ^ 血統情報:5代血統表|アドマイヤグルーヴ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年8月25日閲覧。

脚注・出典[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 追悼~アドマイヤグルーヴ
  2. ^ a b c d e アドマイヤグルーヴ VS スティルインラブ - JRA・2007年11月10日
  3. ^ 2002年11月10日 5回京都4日目 サラ系2歳新馬 - netkeiba.com
  4. ^ a b 不滅のライバル物語 スティルインラブvsアドマイヤグルーヴ - 優駿・2014年8月号
  5. ^ 2002年12月7日 5回阪神3日目 サラ系2歳500万下 エリカ賞 - netkeiba.com
  6. ^ 2003年3月22日 1回阪神7日目 サラ系3歳オープン 若葉ステークス - netkeiba.com
  7. ^ 第63回桜花賞(G1) - netkeiba.com
  8. ^ 第64回優駿牝馬(G1) - netkeiba.com
  9. ^ 第21回関西TVローズS(G2) - netkeiba.com
  10. ^ 第8回秋華賞(G1) - netkeiba.com
  11. ^ 第28回エリザベス女王杯(G1) - netkeiba.com
  12. ^ 第130回天皇賞(秋)(G1) - netkeiba.com
  13. ^ 第48回サンスポ杯阪神牝馬S(G2) - netkeiba.com
  14. ^ ニュースぷらざ - 競馬道OnLine
  15. ^ グルーヴ有終 ユタカ有馬に弾み - スポーツニッポン・2005年12月19日
  16. ^ エリザベス女王杯連覇 アドマイヤグルーヴ急死 - スポニチアネックス、2015年4月19日閲覧
  17. ^ 史上初!母仔4代G1級競走制覇 - 競馬ブック、2015年4月19日閲覧
  18. ^ アドマイヤテンバ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  19. ^ アドマイヤセプター|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  20. ^ アドマイヤトライ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  21. ^ _________|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  22. ^ ボージェスト|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年10月13日閲覧。
  23. ^ ドゥラメンテ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2015年5月14日閲覧。
  24. ^ 第82回日本ダービー(GI)の結果 - JRA・2015年5月31日

外部リンク[編集]