カワカミプリンセス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
カワカミプリンセス
Kawakami Princess 20070624P1.jpg
2007年6月24日 阪神競馬場
欧字表記 Kawakami Princess
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2003年6月5日(14歳)
死没 (現役繁殖牝馬)
抹消日 2009年11月19日
キングヘイロー
タカノセクレタリー
母の父 Seattle Slew
生国 日本の旗 日本北海道三石町
生産 三石川上牧場
馬主 (有)三石川上牧場
調教師 西浦勝一栗東
競走成績
生涯成績 17戦5勝
獲得賞金 3億5089万2000円
勝ち鞍 GI優駿牝馬(2006年)
秋華賞(2006年)
テンプレートを表示

カワカミプリンセスは、日本競走馬繁殖牝馬である。2006年優駿牝馬(オークス)秋華賞に優勝した。

出自[編集]

カワカミプリンセスは、牧場ゆかりの血統から、繁殖牝馬としての将来を嘱望され、生産牧場の所有馬として登録され、三石町(現:新ひだか町)川上のプリンセスになって欲しいとの願いから命名された(JRAの馬名登録上は冠名+お姫様となっている)。

戦績[編集]

2006年[編集]

2006年2月26日阪神競馬の新馬戦でデビュー。9番人気と評価は高くなかったが、本田優を背に逃げ切りで勝利する。次走の君子蘭賞でも6番人気ながら勝利する。ローテーションの都合により桜花賞は登録せず、優駿牝馬(オークス)を目標にトライアルスイートピーステークスに出走すると、直線で鋭く抜け出して3連勝。一気に優駿牝馬(オークス)の有力候補となる。

本番の優駿牝馬では、桜花賞の2着馬で武豊鞍上のアドマイヤキッス、その桜花賞で優勝したキストゥヘヴンに続く3番人気に支持される。道中は中団外目で先頭から5、6番手を追走し、直線では前を行くアサヒライジングを交わして先頭に立つと、フサイチパンドラの追撃を抑えて1着でゴールした。無敗での優駿牝馬(オークス)制覇は、クリフジミツマサミスオンワードに次ぐ49年ぶり史上4頭目のことであった。父のキングヘイローにとっても初のGI産駒となり、スイートピーステークスの出走馬からは(前身のスイートピー賞を含め)初の優駿牝馬(オークス)優勝だった。

そして二冠を目指しての秋は、トライアルに出走することなく秋華賞に直接出走。それでも最後は粘るアサヒライジングを交わして、無敗での秋華賞優勝および牝馬二冠馬となった。無敗での同競走制覇はファインモーションに続き史上2頭目で、優駿牝馬(オークス)・秋華賞の無敗の二冠は史上初であった。

古馬との初対戦となったエリザベス女王杯では、GIの出走としては初めて1番人気に支持された。レースでは道中は後方に控え、第4コーナーから最後の直線にかけて一気に追い出し、1位で入線した。しかし審議の結果、最後の直線でヤマニンシュクルへの進路妨害が認められ、12着への降着処分が下された。このとき、鞍上の本田は、「俺からナンボ制裁金を取ってもらっても構わない。でも、馬は堪忍してやってくれ…」と裁決委員に懇願したと言われている。ちなみに日本のGI1位入線馬の降着は、1991年天皇賞(秋)メジロマックイーン以来15年ぶり2度目である(奇しくも、メジロマックイーンに走行妨害を受けたプレジデントシチーに騎乗していたのは本田だった)。この年のJRA賞で最優秀3歳牝馬と最優秀父内国産馬に選出された。

2007年[編集]

2007年ヴィクトリアマイルから始動。2007年2月をもって調教師へ転向するために引退したこれまでの主戦騎手・本田優に替わり武幸四郎が騎乗。1番人気に支持されたが、馬体が絞りきれていなかった上に、久々の出走が響いたのかスタートで出遅れ、直線でも伸びを欠き10着と大敗、デビュー以来初めて他馬に先着を許した。

続く宝塚記念では、4コーナーで先頭に立ち、見せ場はつくるものの、先行馬が崩れる厳しい展開で粘りきれず6着に敗れた。しかし、3歳牝馬で同年の東京優駿(日本ダービー)に優勝したウオッカには先着し、意地は見せた。

その後札幌記念に向けて札幌競馬場での調教中だった7月26日に右第1趾節種子骨を骨折していることが判明し、高昭牧場で療養することになった。当初は約1年の休養が見込まれていたが、12月中旬に乗り運動を開始した。

2008年[編集]

5歳となり、4月2日に栗東トレーニングセンターへ帰厩した。そして、5月31日金鯱賞に出走し、故障・長期休養明けに加え牡馬相手であることから5番人気にとどまったが、3着と健闘した。6月12日には第48回宝塚記念ファン投票の最終結果で7位となる3万3640票を獲得したことが発表され、6月29日宝塚記念への出走登録を行っていたが、6月23日に軽度の筋肉痛のため大事をとって回避することが発表された。夏は放牧に出されずに栗東トレーニングセンターで調整された。秋は横山典弘との新コンビで府中牝馬ステークスから始動し、1番人気に支持される。レースでは直線早めで先頭に立ちそのまま押し切りをはかったが、ゴール目前でブルーメンブラットに差され2着に。続くエリザベス女王杯でも1番人気に支持されたが、リトルアマポーラをとらえられず2着に敗れた。続く有馬記念では2番手でレースを進めたが、最後の直線で伸び切れずダイワスカーレットの7着に終わった。

2009年[編集]

2009年2月21日京都記念から始動、2番人気に推されたが、4着だった。続く4月5日大阪杯ではスタートで出遅れたものの最後の直線で後方から追い込んで3着に入った。そして、5月17日ヴィクトリアマイルでは2番人気で出走。好位から競馬を進めるも、直線で伸びあぐねて8着に敗れた。休養を挟み、10月18日の府中牝馬ステークスに1番人気で出走。先団から直線で一旦先頭に立ったが失速し6着に敗れた。最後のレースとなったエリザベス女王杯は、大逃げを打ったクィーンスプマンテテイエムプリキュア、さらにブエナビスタにも離され、9着に終わった。

11月17日にオーナーの上山浩司と調教師の西浦勝一が会談し、引退が正式決定[1]。翌日の11月18日11月19日付で競走馬登録を抹消することが発表された[2]。今後は三石川上牧場で繁殖牝馬となる[1][2]

引退後[編集]

2010年5月23日の東京競馬場第12競走として行われたJRAプレミアムレース「東京クラウンプレミアム」の投票で当馬が最多得票を獲得し、「カワカミプリンセスメモリアル」の副名称を付与して施行することとなった。

繁殖牝馬となり、2010年ディープスカイと交配したが不受胎となった。2011年コマンズと交配して受胎し、2012年3月14日に牝馬を出産した。

生年 馬名 毛色 厩舎 馬主 戦績
第1子 2012年 - 黒鹿毛 コマンズ - -
第2子 2013年 - 鹿毛 エンパイアメーカー - -

成績は2013年12月7日現在

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
着差 勝ち馬/(2着馬)
2006 2. 26 阪神 3歳新馬 15 3 5 33.0(9人) 1着 本田優 54 芝1400(不) 1:25.4 (36.9) -0.2 (メイショウトッパー)
3. 26 阪神 君子蘭賞 18 8 17 11.3(6人) 1着 本田優 54 芝1400(良) 1:23.0 (35.3) -0.2 (サウスティーダ)
4. 30 東京 スイートピーS OP 18 4 8 2.2(1人) 1着 本田優 54 芝1800(良) 1:48.4 (34.6) -0.1 (ヤマニンファビュル)
5. 21 東京 優駿牝馬 GI 18 5 9 6.7(3人) 1着 本田優 55 芝2400(良) 2:26.2 (35.5) -0.1 フサイチパンドラ
10. 15 京都 秋華賞 GI 18 6 12 3.6(2人) 1着 本田優 55 芝2000(良) 1:58.2 (34.4) -0.1 アサヒライジング
11. 12 京都 エリザベス女王杯 GI 15 8 16 2.7(1人) *12着 本田優 54 芝2200(良) 2:11.4 (34.5) (-0.2) フサイチパンドラ
2007 5. 13 東京 ヴィクトリアマイル JpnI 18 3 6 2.1(1人) 10着 武幸四郎 55 芝1600(良) 1:33.4 (33.7) 0.9 コイウタ
6. 24 阪神 宝塚記念 GI 18 4 7 10.2(6人) 6着 武幸四郎 56 芝2200(稍) 2:13.2 (37.5) 0.8 アドマイヤムーン
2008 5. 31 中京 金鯱賞 GII 17 2 4 10.0(5人) 3着 武幸四郎 55 芝2000(稍) 1:59.3 (35.0) 0.2 エイシンデピュティ
10. 19 東京 府中牝馬S GIII 18 4 7 2.3(1人) 2着 横山典弘 55 芝1800(良) 1:45.6 (34.0) 0.1 ブルーメンブラット
11. 16 京都 エリザベス女王杯 GI 18 7 15 1.8(1人) 2着 横山典弘 56 芝2200(良) 2:12.3 (34.5) 0.2 リトルアマポーラ
12. 28 中山 有馬記念 GI 14 1 1 19.0(6人) 7着 横山典弘 55 芝2500(良) 2:32.5 (37.0) 1.0 ダイワスカーレット
2009 2. 21 京都 京都記念 GII 12 5 7 3.3(2人) 4着 横山典弘 55 芝2200(良) 2:14.9 (35.6) 0.3 アサクサキングス
4. 5 阪神 大阪杯 GII 12 2 2 11.5(4人) 3着 横山典弘 55 芝2000(良) 2:00.0 (33.8) 0.3 ドリームジャーニー
5. 17 東京 ヴィクトリアマイル GI 18 7 14 7.1(2人) 8着 横山典弘 55 芝1600(良) 1:33.9 (34.5) 1.5 ウオッカ
10. 18 東京 府中牝馬S GIII 18 8 18 4.4(1人) 6着 横山典弘 56 芝1800(良) 1:45.5 (35.5) 0.9 ムードインディゴ
11. 15 京都 エリザベス女王杯 GI 18 4 8 15.1(5人) 9着 横山典弘 56 芝2200(良) 2:15.2 (34.3) 1.6 クィーンスプマンテ

(*) 1位入線降着

血統[編集]

カワカミプリンセス血統リファール系 / Bold Ruler 5×4(母内)=9.38%) (血統表の出典)

キングヘイロー
1995 鹿毛
*ダンシングブレーヴ
Dancing Brave
1983 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Navajo Princess Drone
Olmec
*グッバイヘイロー
Goodbye Halo
1985 栗毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Pound Foolish Sir Ivor
Squander

*タカノセクレタリー
Takano Secretary
1996 鹿毛
Seattle Slew
1974 黒鹿毛
Bold Reasoning Boldnesian
Reason to Earn
My Charmer Poker
Fair Charmer
Summer Secretary
1985
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Golden Summer Key to the Mint
Summer Guest F-No.4-m
父系
母系(F-No.)
5代内の近親交配
出典

父のキングヘイローは世界的な超良血である。詳しくはキングヘイローの項目参照のこと。また、母のタカノセクレタリー(4戦未勝利)は、父に米三冠馬シアトルスルー、母父にもまた米国三冠馬のセクレタリアトをもつ良血で、この配合はA.P.Indyと同じである。

脚注[編集]

  1. ^ a b カワカミプリンセスが引退 繁殖入り”. デイリースポーツ (2009年11月18日). 2009年11月18日閲覧。
  2. ^ a b 2冠牝馬カワカミプリンセスが引退、繁殖入り”. netkeiba (2009年11月18日). 2009年11月18日閲覧。

外部リンク[編集]