第30回ジャパンカップ

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2010 ジャパンカップ
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

第30回ジャパンカップは、2010年11月28日東京競馬場で行われた競馬競走である。ブエナビスタが1位入線したものの、他馬の進路を妨害したとして、ローズキングダムが繰り上げ優勝となった。

レース施行前の状況[編集]

日本からは、GI競走5勝のブエナビスタを筆頭に、宝塚記念を優勝し凱旋門賞で2着に入ったナカヤマフェスタ天皇賞(春)優勝馬ジャガーメイル2008年菊花賞オウケンブルースリ、3歳馬から東京優駿優勝馬エイシンフラッシュ皐月賞を優勝し、凱旋門賞に出走したヴィクトワールピサ、前年の朝日杯フューチュリティステークス優勝馬ローズキングダムの計7頭のGI・JpnI馬が参戦した。

その他にも、京都大賞典を勝ち、エリザベス女王杯2着のメイショウベルーガオールカマーを制したシンゲン、3歳ながら天皇賞(秋)で2着したペルーサが出走した。

日本国外からは7ヶ国46頭の予備登録があり[1]、 10頭が出走を受諾していたが、ブリーダーズカップ・ターフ優勝馬デンジャラスミッジ[1]イギリスの旗)とエリザベス女王杯優勝馬のスノーフェアリー[1]イギリスの旗)が万全の状態で出すことが難しいとの判断から出走を辞退し、8頭が出走した。

所属国、日本語馬名 アルファベット馬名 主な勝ち鞍
イギリスの旗 ダンディーノ DANDINO
アイルランドの旗 ジョシュアツリー JOSHUA TREE GIカナディアンインターナショナルステークス
フランスの旗 シリュスデゼーグル CIRRUS DES AIGLES
フランスの旗 マリヌス MARINOUS
フランスの旗 モアズウェルズ MORES WELLS GIカナディアンインターナショナルステークス2着
フランスの旗 ティモス TIMOS
イタリアの旗 ヴォワライシ VOILA ICI GIローマ賞(2009年)
カナダの旗 フィフティープルーフ FIFTY PROOF GIノーザンダンサーターフステークス2着


11月14日に行われた特別登録時点では、出走可能頭数18頭に対し(この時点ではスノーフェアリーも出走予定としていた)外国馬9頭を除く11頭の特別登録があり[2]、前述の通りスノーフェアリーは18日に出走を辞退し、25日の出走馬確定でレーティング上位5頭と獲得本賞金順の結果、ネヴァブションが非抽選馬として除外された。

勝馬投票券11月26日より発売され、単勝オッズ1ケタ台の馬は以下の4頭であった。

1番人気はブエナビスタ。2歳~4歳春にかけて牝馬限定GIを4勝。牡馬相手のレースでは前年度の有馬記念2着、同年度の宝塚記念で2着など好走はしても勝ちきれずに終わったが、前走の天皇賞(秋)では休養明けを感じさせないパフォーマンスで待望の牡牝混合GI初制覇を達成した。今回は休養明け2戦目で陣営もこのレースを最大目標としており、前走よりも更なる期待が寄せられていた。

2番人気はナカヤマフェスタ。同年度の宝塚記念でブエナビスタを差し切って優勝。さらに海外遠征となった凱旋門賞でも2着と好走しており、ブエナビスタとの再戦が注目されていた。

3番人気はペルーサ。同年度の青葉賞優勝馬であり、3歳馬ながら挑戦した天皇賞(秋)では大きく出遅れながら上がり3ハロン最速の末脚で2着に食い込んだ。陣営は出遅れ癖を矯正するために当競走に向けてゲート入りの練習も行っていた。

4番人気はローズキングダム。前年度の朝日杯フューチュリティステークス優勝馬で、クラシックは3冠とも勝ちきれずにいたが、いずれも善戦はしており実力的には上位人気馬に見劣りしないと思われていた。

外国馬についてはジョシュアツリーの9番人気が最高と、前評判は軒並み低かった。

出走馬と枠順[編集]

2010年11月28日 第5回東京競馬第8日目 第10競走 天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時20分

枠番 馬番 競走馬名(日本名) 騎手 調教師 オッズ
1 1 イタリアの旗 ヴォワライシ 牡5 M.デムーロ V.カルーソ 67.3(12人)
2 日本の旗 ヴィクトワールピサ 牡3 M.ギュイヨン 角居勝彦 28.2(8人)
2 3 イギリスの旗 ダンディーノ 牡3 P.マルレナン J.ギヴン 131.2(18人)
4 日本の旗 シンゲン 牡7 藤田伸二 戸田博文 46.5(10人)
3 5 フランスの旗 モアズウェルズ 牡6 S.マイヨ R.ギブソン 99.0(15人)
6 日本の旗 ローズキングダム 牡3 武豊 橋口弘次郎 8.8(4人)
4 7 日本の旗 ペルーサ 牡3 安藤勝己 藤沢和雄 8.4(3人)
8 日本の旗 ジャガーメイル 牡6 R.ムーア 堀宣行 20.4(7人)
5 9 フランスの旗 ティモス 牡5 O.ペリエ T.ドゥーメン 120.3(17人)
10 日本の旗 エイシンフラッシュ 牡3 内田博幸 藤原英昭 12.3(5人)
6 11 日本の旗 ナカヤマフェスタ 牡4 蛯名正義 二ノ宮敬宇 7.7(2人)
12 アイルランドの旗 ジョシュアツリー 牡3 C.オドノヒュー A.オブライエン 41.2(9人)
7 13 日本の旗 メイショウベルーガ 牝5 池添謙一 池添兼雄 63.1(11人)
14 日本の旗オウケンブルースリ 牡5 C.ルメール 音無秀孝 15.8(6人)
15 カナダの旗 フィフティープルーフ セン4 J.スタイン I.ブラック 89.5(14人)
8 16 日本の旗 ブエナビスタ 牝4 C.スミヨン 松田博資 1.9(1人)
17 フランスの旗 マリヌス 牡4 D.ボニヤ F.ヘッド 86.6(13人)
18 フランスの旗シリュスデゼーグル セン4 F.ブロンデル C.バランドバルブ 109.3(16人)

レース結果[編集]

レース展開[編集]

スタートでペルーサが立ち遅れ後方からの競馬を余儀なくされる。ブエナビスタもスタート直後にゴチャつくような格好で後方に下がった。好スタートから押し出されるようにシンゲンがハナを奪う。2番手にヴィクトワールピサフィフティープルーフがつけエイシンフラッシュがこれに続いた。中団やや手前にナカヤマフェスタローズキングダムがつけ、ブエナビスタは後方の外目、ペルーサが最後方でレースを進めた。

レースは1000m通過が60秒台になり、隊列がほぼ変わらず直線に入ると、ヴィクトワールピサが抜け出すところを、馬群の外からブエナビスタが、さらに真ん中からローズキングダムが追い込んでくる。しかしブエナビスタの脚色がよく、粘るヴィクトワールピサをゴール前突き放して1位入線。一方2着争いは直線でヴィクトワールピサブエナビスタに挟まれ、さらに前に入られブレーキをかける不利を受けながら、ローズキングダムが最後ヴィクトワールピサを交わし2位入線。ヴィクトワールピサが3着。大勢が決してから追い込んできた4枠2頭, ジャガーメイルペルーサがそれぞれ4着、5着と日本馬が上位を独占した。結局日本馬が8着までを占め、外国馬の最高着順はシリュスデゼーグルの9着と惨敗を喫した。

レース終了後、1位入線のブエナビスタ鞍上のスミヨンはウイニングランを行ない、ムチを観客席に投げ入れるなどのパフォーマンスを行なった。

審議状況[編集]

しかし、レース終了後3件の審議が行われた。そのうちの一つが直線で2位入線のローズキングダムの進路が狭くなったことについてのもので、24分にも及ぶ審議の結果[3]、「1位入線のブエナビスタが急に内側に斜行し、ローズキングダムの進路を妨害した」として同馬を2着に降着。2位入線のローズキングダムを繰り上がり1着とした。

なお、残る2件の審議のうち、ブエナビスタがスタート後につまづいたことについては、これは自らがつまずいたものであったため、すぐに審議対象から外されたが、フィフティープルーフ、マリヌス、シリュスデゼーグルが直線で接触した件については、審議の結果、走行妨害は認められなかったものの、ギュイヨン騎手には10万円の過怠金が言い渡された。この審議の結果、スミヨン騎手は開催日4日間の騎乗停止となり、騎乗予定であった香港国際競走での騎乗も不可能となった。

ブエナビスタは前年度の秋華賞でも2位入線から3着に降着しており、GI優勝馬が2度の降着処分を受けたのは初めてのことだった。

レース着順[編集]

着順 枠番 馬番 競走馬名 タイム 着差
1 3 6 日本の旗ローズキングダム 2.25.2 1 3/4
2 8 16 日本の旗ブエナビスタ (2.24.9) 1位降着
3 1 2 日本の旗ヴィクトワールピサ 2.25.2 ハナ
4 4 8 日本の旗ジャガーメイル 2.25.3 3/4
5 4 7 日本の旗ペルーサ 2.25.3 クビ
6 7 13 日本の旗メイショウベルーガ 2.25.4 1/2
7 7 14 日本の旗オウケンブルースリ 2.25.4 ハナ
8 5 10 日本の旗エイシンフラッシュ 2.25.6 1 1/4
9 8 18 フランスの旗シリュスデゼーグル 2.25.6 ハナ
10 6 12 アイルランドの旗ジョシュアツリー 2.25.7 1/2
11 2 3 イギリスの旗ダンディーノ 2.25.8 3/4
12 2 4 日本の旗シンゲン 2.25.8 アタマ
13 3 5 フランスの旗モアズウェルズ 2.26.0 1 1/2
14 6 11 日本の旗ナカヤマフェスタ 2.26.1 クビ
15 5 9 フランスの旗ティモス 2.26.3 1 1/2
16 1 1 イタリアの旗ヴォワライシ 2.26.5 1
17 8 17 フランスの旗マリヌス 2.27.6 7
18 7 15 カナダの旗フィフティープルーフ 2.29.3 大差

データ[編集]

1000m通過タイム 60.7秒(シンゲン)
上がり4ハロン 46.6秒
上がり3ハロン 34.4秒
優勝馬上がり3ハロン 34.2秒

払戻[編集]

単勝 6 880円
複勝 6 200円
16 110円
2 530円
枠連 3-8 690円
馬連 6-16 710円
馬単 6-16 1,880円
3連複 2-6-16 4,940円
3連単 6-16-2 25,110円
ワイド 6-16 300円
2-6 2,320円
2-16 900円

入場者数・レース売り上げ[編集]

  • 入場人員 106,322人[4]
  • 売上金  9,241,004,700円
レース結果と配当金、データについてはJRA公式サイト内過去GI成績 第30回ジャパンカップ(GI) - 2010年12月11日閲覧 による。
入場人員と売上金の出典はJRA公式サイト『データファイル』内「レース成績データ」の「年度別全成績 2010年 東京第5回第8日(PDFファイル)」による。

エピソード[編集]

当日は日本のGI競走としては初となる3D映像の競馬中継が行われた。

またジャパンカップ開催週の東京競馬の一般競走(障害競走を含む)全てのレースは、ジャパンカップ30回を記念して歴代優勝馬の名を冠し「○○○賞」の副称が付けられた。レース名の選考はジャパンカップ当日の最終レースであるJRAプレミアムレース「東京ウェルカムプレミアム」への得票順で決定され、1位になりレース名に選ばれたエルコンドルパサー以下のランキング15位までの馬名が選ばれた。なお命名の順番はランキング下位の馬名から付けられた。

施行されたレース名は次の通り。

展示馬として三冠馬シンボリルドルフが展示された。当時29歳。ルドルフは前年の冬に北海道から千葉のシンボリ牧場に移動していた。当初は反対だったオーナーの和田孝弘もオグリキャップの展示ビデオを見て「ファンがこんなに喜んでくれるなら」とルドルフを展示馬として出す事を承諾。ルドルフの産まれた年に第1回ジャパンカップが行なわれている。ルドルフが東京競馬場を訪れたのは実に25年ぶり、自身が勝ったジャパンカップ以来であった。さらにルドルフの勝ったジャパンカップの枠連は3−8であったが、この日のジャパンカップも同じく枠連3−8で決着している。

脚注[編集]

  1. ^ a b c いずれもJRA公式サイトより。年はすべて2010年。
    予備登録:ジャパンカップ(GI)・ジャパンカップダート-海外からの予備登録馬について- 10月14日 及び ジャパンカップ(GI)-追加予備登録について- 10月22日
    招待受諾:ジャパンカップ(GI)外国馬情報 -招待受諾馬- 11月2日
    デンジャラスミッジ辞退:ジャパンカップ(GI)外国馬情報 -辞退馬- 11月13日
    スノーフェアリー辞退:ジャパンカップ(GI)外国馬情報 -スノーフェアリー号が辞退- 11月18日
  2. ^ 【ジャパンC】~ブエナビスタらが一週前登録 - ラジオNIKKEI 競馬Web 2010年11月14日
  3. ^ スポーツニッポンの記事では審議時間を25分以上としている。【JC】武豊「2度3度と不利を受けた」 スポーツニッポン 2010年11月29日閲覧を参照
  4. ^ Jただし有料入場人員は102,342人。またJRAの競馬場では再入場する際には新たに入場券が必要となること、またジャパンカップ発走前に退場した人も少なからずいるため、発走時に106,322人全員が競馬場に滞留していたわけではないことに留意する必要はある。