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オッズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オッズ: odds)は事象が起こらない確率に対する起こる確率の割合である[1]

概要

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オッズ(

オッズは統計学確率論賭博等で用いられる概念であり、ある事象が起きない場合に対する起きる場合の割合である(⇒ #定義[1]。直感的には「ハズレ 1 回あたり平均で何回アタリか」に相当する。オッズは非負の値を取り、ある事象の回数あるいは確率に関して単調増加し、半々のとき 1 を取り、確率と1対1で対応する(⇒ #性質)。ギャンブルでは当たりやすさの表現としてオッズが用いられ、また日本の公営競技では払戻率をオッズと呼ぶ(⇒ #ギャンブルにおけるオッズ)。

2つのオッズの比はオッズ比と呼ばれる。またオッズの自然対数はその確率のロジットと呼ばれる。これらは臨床試験の結果の表現や、種々の統計学的解析に用いられる。

またギャンブルの分野では、配当率を指す(#ギャンブルにおけるオッズの節を参照)[2]

定義

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試行による定義

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試行によりある事象 回()、そうでない事象が 回()出たとき、オッズ は以下の式で定義される:

すなわち、それ以外の事象の回数に対するある事象の回数の割合がオッズと定義される。

確率による定義

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ある事象が起こる確率)としたとき、オッズ は以下の式で定義される[1]

すなわち、事象が起こらない確率に対する起こる確率の割合がオッズと定義される[1]

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表. 確率とオッズの対応
確率 オッズ

具体例として、偏りのあるコイントスで表が出ることのオッズを考える。裏がその他事象に相当するため、オッズは「表 / 裏」という回数比で求まる。よって表 だとオッズは約 、表 だと 、表 だと になる。

多択の例として、5 頭立ての競馬で馬 A が一着になることのオッズを考える。同じ馬で複数回レースをした結果、A が 6 回、B が 2 回、C が 1 回、D・E は 0 回一着になったとする。その他事象は B~E 馬の一着であるため、オッズは となる。

確率とオッズがどのような対応関係にあるかの数値例として表が参考になる。

性質

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値域

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オッズの値域 である。これは試行による定義での定義域によって 非負正の数であることから明らかである。

単調増加

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オッズはある事象の回数あるいは確率に応じて狭義単調増加する。

試行による定義では、 を定数と見做したとき となり線形増加するため狭義単調増加だとわかる。確率による定義でも、 より となり増加するため狭義単調増加だとわかる。これはロジット(= 対数オッズ)の逆関数であるロジスティック関数が単調増加であることの裏返しである[3]

確率との関係

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オッズは確率と1対1に対応する。これはオッズが確率に関して狭義単調増加することから明らかである(⇒ #単調増加)。確率とオッズの対応は次の式で表される:

確率が十分に小さいとき(例えばp<0.1)、オッズは確率とおおよそ等しい。ある事象の起こる確率 p1/2を超えることはオッズが1を超えることに等価である。

利用

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フェアな選択肢

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事象が起こるか起こらないかを当てて点を得る状況において、起こったときの点をオッズの逆数倍するとフェアな選択肢になる。

ランダムな未来の事象を予測しそれを当てると得点が貰える状況を考える。起きづらい事象の予測的中で 1 点・起きやすい事象の予測的中で 100 点貰える場合、合理的なプレイヤーは常に起きやすい事象側を予測する。なぜならこの得点設計はフェアでなく、稀な 1 点は無視して大多数の 100 点を貰えばいいからである。これに対し、起きづらい事象が 100 点・起きやすい事象が 1 点の方がよりフェアであることは直感的に理解しやすい。これを定量的に設計するのにオッズが利用できる。

事象の発生確率を とし、「事象起こらず」予測の的中で 点を得るとする(予測外しは 点)。このとき、「事象起こる」予測の的中でオッズの逆数倍、すなわち 点を得ると設計する。こうすると「事象起こらず」予測の得点期待値、「事象起こる」予測の得点期待値は となり、両予測の得点期待値は一致する。つまりどちらの予測をしても、あるいは予測をどの割合で混ぜても期待値は変わらない。このように、オッズを用いることでフェアな選択肢を設計できる。

例えば「サイコロの出目が ⑥ か否かを当てる」ゲームを考える。等確率の 面サイコロなので であり、⑥予測の得点は 、①~⑤予測(=否の予測)の得点は に設定される。 を使って期待値を求めると、⑥予測の期待値は 、①~⑤予測の期待値は 点となり、期待値が一致するフェアな選択肢だとわかる。

これはブックメーカー方式でブックメーカーが配当を決めて提示する際の基礎になっている。また逆の方向、すなわち得点を先に決めてそれに見合うフェアな確率を割り当てる形でコンピュータゲームレベルデザインに用いられることもある。

ギャンブルにおけるオッズ

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オッズは競馬などギャンブルのブックメーカーが見込みを示す方法として、長らく使われてきた。

5回に1回の確率(つまり0.2または20%)で起きる事象は、オッズで表すと

0.25

となる。このオッズが低いほど、その事象が起きた場合の儲けが多くなる。具体的には、オッズ0.25で1を賭けておくと、当たりの場合には、もとの1に加えて賭け金4を受け取ることになる(1が5になり、すなわち5倍)。

このオッズの表現法には、4:1または4/1(失敗数と成功数)、5.0または5 for 1(もとの賭け金を加えた表現)、+400(賭けた金額100に対する儲けの金額)などといったものもある。

一方、5回に4回の確率(つまり0.8または80%)で起きる事象では、オッズは4となり、4賭けておいて当たりになった場合には、もとの4に加えて1の儲けが戻ってくる(4が5になり、すなわち1.25倍)。

ヨーロッパアメリカ合衆国などでの競馬では、単勝オッズが「10-1、5-2、2-1、3-2、30-1」等とよく表記される。ケンタッキーダービー公式ホームページ等の英語サイトを参照。

なお、日本公営競技においては、しばしば払戻金の倍率(賭けた金が何倍になって払い戻されるか)のことをオッズと呼ぶ[4]

脚注

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注釈

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出典

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  1. 1 2 3 4 負ける確率に対する勝つ確率の比を「オッズ」という.... p.75 より引用。青柳, 領 (2012). “オッズ比によるプロ野球のホームアドバンテイジに影響する要因の検討”. コーチング学研究. 26 (1): 73–82.
  2. オッズ」『精選版 日本国語大辞典』コトバンクより2024年6月20日閲覧
  3. ロジスティック関数は,実数上で定義され 0 以上1以下の単調増加関数.宮田, (2023-11-29), 医学統計勉強会 第6回 ロジスティック回帰分析, 帝京大学臨床研究センター・帝京大学大学大学院公衆衛生学研究科
  4. オッズ(競馬用語辞典)”. 日本中央競馬会. 2020年7月17日閲覧。

参考文献

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関連項目

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