アルチュール・ランボー

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アルチュール・ランボー
Arthur Rimbaud
Carjat Arthur Rimbaud 1872.jpg
17歳のアルチュール・ランボー
誕生 1854年10月20日
フランスの旗 フランス帝国、シャルルヴィル
死没 1891年11月10日(満37歳没)
フランスの旗 フランス共和国マルセイユ
職業 詩人
国籍 フランスの旗 フランス
文学活動 象徴主義, デカダン派
サイン
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前列左よりヴェルレーヌ、ランボー、L・ヴァラード、E・デルヴィリィ、C・ペルタン、後列左よりP・エルゼアル・ボニエ、E・ブレモン、J・エカール。アンリ・ファンタン=ラトゥール
詩「坐せる人々」の自筆原稿

ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボーフランス語: Jean Nicolas Arthur Rimbaud, 1854年10月20日 - 1891年11月10日)は19世紀フランス詩人、貿易商人。象徴主義の代表的な詩人である。ランボオとも表記される。主な作品に散文詩集『地獄の季節』『イリュミナシオン』など。

生涯[編集]

1854年、フランス北東部アルデンヌ県シャルルヴィル(現在のシャルルヴィル=メジエール市)に生まれる。父は陸軍の軍人、母は小地主の長女で、ランボーの上に兄が一人あった。1870年、最初の家出を試み、普仏戦争下のパリへ辿り着くが、無賃乗車のために逮捕され家に送り返される。以後、家出を繰り返す。

1871年、パリで詩人のポール・ヴェルレーヌと出会い愛人関係となり、以後、妻子を捨てたヴェルレーヌと共にブリュッセルロンドンなどを旅行する。1873年、ヴェルレーヌと破局する。ヴェルレーヌが発砲した2発の拳銃弾のうち、1発がランボーの左手首に当り、ランボーは入院しヴェルレーヌは逮捕される。この別れの後に『地獄の季節』を記す。この頃から1875年までが、詩人としてのランボーの創作期となる。

その後、兵士、翻訳家、商人など様々な職業を転々とし、ヨーロッパから紅海方面を放浪、南アラビアのアデンでフランス商人に雇われ、アビシニア(現在のエチオピア)のハラールに駐在する。1886年、ハラールで武器商人として独立し比較的成功した。1891年骨肉腫の悪化によりフランスに帰国し、右足を切断したが、癌は全身に転移していた。同年マルセイユで死去。臨終は妹のイザベルが看取った。

評価[編集]

「早熟の天才」としばしば評される。詩人ヴェルレーヌに出会い、『地獄の季節』、『イリュミナシオン』でその才能を見せた。マラルメボードレールから始まる象徴詩の系譜に属しながらも、そこに止まらない、という意味で「おそるべき通行人」と彼を評している。若いうち(20歳代前半)に詩作を放棄したが、ダダイストシュルレアリストら、20世紀の詩人たちに影響を与えた。ピカソによるランボー像が有名。ゴダールの「気狂いピエロ」(1965) のエンディングは『地獄の季節』に収められた韻文詩「永遠」の朗読で終わっている。また、ジル・ドゥルーズは1980年代後半になって「カント哲学を要約しうる4つの詩的表現」(『批評と臨床』収録)において、ランボーの1871年のいわゆる「見者の手紙」の中の「私は他者である」「詩人は長期間の、破壊的で計算された錯乱によって見者(ヴォワイヤン)になる」という言葉などをとりあげ、カントの可能性の中心を担う「調和し得ない緒力の束」を体現するものとして、ランボーを挙げている。

日本での研究[編集]

  • 西條八十が『アルチュール・ランボー研究』(1967年、中央公論社)を著している。
  • 日本の詩人たちにも早くから影響を与えている。例えば、初期の中原中也は初期のランボーに影響を受けている。中也はランボーの初期作品のいくつかを翻訳もしている。
  • 小林秀雄の訳書は著名。岩波文庫・創元ライブラリー文庫ほか。
  • 詩人金子光晴も翻訳している(現行版は『イリュミナシオン ランボオ詩集』角川文庫、1999年)。
  • 現行版の『ランボー全集』は、中地義和らにより青土社(2006年)より刊行。この版は、同じ青土社から1994年に刊行された『ランボー全詩集』のテキストクリティークに、アフリカ時代の手紙校訂を加えた全集版。1994年版の『ランボー全詩集』は、フランスにおけるランボー研究、特に1985年アンドレ・ギュイヨーの『イリュミナシオン』校訂、1987年ピエール・ブリュネル『地獄の一季節』校訂など、1960年代のいわゆる「フランス現代思想」にも通ずる文学研究の刷新を踏まえたもの。
  • 宇佐美斉訳注『ランボー全詩集』(ちくま文庫、1996年)もある。こちらも1990年代までのランボー研究をふまえた文庫版新訳。
  • 鈴木創士訳注『ランボー全詩集』(河出文庫)が2010年2月に出版。訳者解説で、「アカデミックな読者」ではなく、「まだランボーを読んだことがない若い読者」へ向けた新訳を目指した。
  • 吉本隆明も1949年、25歳のとき『ランボー若しくはカール・マルクスの方法についての諸注』という短い論考を著している。
  • 三島由紀夫は「アルチュール・ランボオは、早熟な天才以上のもの、すなはち人の世にあらはれた最も純粋な<魂>そのものだつた。かういふ<魂>がいかにして人間世界を生き抜いたか、それこそ怖ろしいドラマである」(「もつとも純粋な<魂>ランボオ」)と評した。
  • 中上健次浅田彰も エッセイなどでしばしば唐突に、核心的な部分でランボーの文を引用している。

作品[編集]

  • Poésies
  • Le bateau ivre1871年)、『酔いどれ船』
  • Une Saison en Enfer1873年)、『地獄の季節』
  • Illuminations1874年)、『イリュミナシオン』
  • Lettres、手紙

その他[編集]

  • ランボーの作品に「母音のうた」というものがある。これは母音の「A、E、I、O、U」を主題として、これらの母音のから連想されるについてうたっている(共感覚)。

関連創作物[編集]

ヴェルレーヌによる似顔絵
1872年

Rimbaud and modern culture(ランボーとモダンカルチャー)も参照

小説[編集]

  • アラン・ボレル:「アビシニアのランボー」
    エチオピア(アビシニア)におけるランボーの後半生を扱った小説、邦題は「地獄の季節」とも。
  • コードウェイナー・スミス:「酔いどれ船」Le bateau Ivre (Drunkboat)(「インストルメンタリティ」シリーズ)
  • ディヴィッド・マレル:「一人だけの軍隊」
    ランボーに触発され、彼を主人公(ジョン・ランボー)に擬して書いた。冒頭には詩句が引用されている。
  • 村上龍:「69」
  • 岸田るり子:「ランボー・クラブ」
  • 山田正紀:「イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ」

映画[編集]

TV[編集]

音楽[編集]

CM[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]