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「初音ミク」の版間の差分

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ミクの日大感謝祭
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ミクの日おめでとう!
{{Infobox Software
| 名称 = [[キャラクター・ボーカル・シリーズ]]01<br/>初音ミク
| ロゴ =
| スクリーンショット =
| 開発元 = [[クリプトン・フューチャー・メディア]]
| 初版 = [[2007年]][[8月31日]]
| 最新版 =
| 最新版発表日 =
| 対応OS = [[Microsoft Windows XP|Windows XP]]、[[Microsoft Windows Vista|Vista]]、[[Microsoft Windows 7|7]]
| 対応プラットフォーム =
| エンジン = [[VOCALOID]]2
| 種別 = [[音声合成]]、[[デスクトップミュージック|DTM]]、ボーカルシンセサイザー
| ライセンス = [[プロプライエタリ]]<br/>(キャラクターの利用については[http://piapro.jp/license/pcl ピアプロ・キャラクター・ライセンス])
| 公式サイト = [http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01.jsp クリプトン <nowiki>|</nowiki> VOCALOID2特集]
}}
'''初音 ミク'''(はつね ミク、HATSUNE MIKU)は、[[クリプトン・フューチャー・メディア]]から発売されている[[音声合成]]・[[デスクトップミュージック]](DTM)[[ソフトウェア]]の製品名、および[[キャラクター]]としての名称である。


[[ヤマハ]]の開発した音声合成システム「[[VOCALOID]]2」を採用した[[ボーカル]][[音源]]の1つで、[[メロディ]]と[[歌詞]]を入力することで合成音声による[[ボーカル]]パートや[[コーラス (ポピュラー音楽)|バックコーラス]]を作成することができる。また、声に身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から<ref name="itmedia20070912035">{{Cite news|author=[[岡田有花]]|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/12/news035.html|title=異例の売れ行き「初音ミク」 「ニコ動」で広がる音楽作りのすそ野|work=ITmedia News|publisher=[[ITmedia]]|date=2007年10月10日|accessdate=2009年2月28日}}</ref>女性の[[バーチャルアイドル]]のキャラクターが設定されている。
                       __  ,、へ
----
                 _.._  ,、 '": : : : : : : : Y/、i: :\
<small>''この記事では、内容を分割しています。楽曲販売、ライブイベント、グッズ、その他コラボレーション等に関する情報については、下記のページをご参照ください。''</small>
                i:::〆 : : : : : : : : : : : く〈: : l: : : :ヽ
* [[初音ミクのメディア展開]]
                /: : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : ::l: : : : ヽ
                  / /: : i: : : : : : : : : : : : : l、: : : : l: : : : : :',
               /:./: : :.lヽ: : lヽ: : : : : : : : L:.:.: : : l: : : : : : ,
                 /:./l: : : :l..._\V゛\: : : : : :l:::::::ヽ: :l: : : : : : i
              l:./: l: : : :L..  ヽ /l::\: : :.l::::::::::l: ∧: : : : : :l
               /l/: : ',: : :.| l::ヽ   ヽ-'ヽ: ト:::://  ',: : : : : l
                /:.l': : : ヽ: :.l l`" 、     |:.l: : :/   i: : : : : l
           /: : : : : : : 〉: l ヽ  -‐'   ィ:./Tく.     l: : : : : l
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== 概要 ==
http://miku.sega.jp/39/
[[2007年]][[8月31日]]にクリプトン・フューチャー・メディア(以下クリプトン)から、ヤマハの開発した音声合成システム『[[VOCALOID]]2』を採用した[[女声]]の歌声を合成する[[Microsoft Windows]]専用のソフトウェア製品として発売された。声に歌い手としての身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点からソフトウェア自体をバーチャルアイドル(バーチャルシンガー)と見立ててキャラクター付けしている「[[キャラクター・ボーカル・シリーズ]](CVシリーズ)」という製品シリーズの第1弾であり、初音ミクは「未来的なアイドル」をコンセプトとしてキャラクター付けされている<ref name="itmedia20070912035"/>。名前の由来は、未来から初めての音がやって来るという意味で、「初めての音」から「初音」、「未来」から「ミク」<ref name="itmedia20070912035"/>。発売元のクリプトンはキャラクター画像については非営利であればほぼ自由な利用を認めており、ユーザーによる歌声の利用だけでなくキャラクターを用いた創作活動をも促進する形がとられている<ref name="nikkeibp/life/20080806/167386">{{Cite web
|author= 野安 ゆきお
|date=2008年8月8日
|work =日経ビジネス オンライン
|url=http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080806/167386/?P=1&ST=tech
|title=ユーザー作成コンテンツがひっくり返す、商売の常識
|publisher=[[日経BP社]]
|accessdate = 2009年3月16日
}}</ref>。なお、製品においてはパッケージとインストールディスク、インストール画面以外にはキャラクターの姿は描かれていない。

インターネット上を中心に、初音ミクが「歌っている」歌という形をとった<ref>{{Cite journal|和書
|author = [[伊藤剛 (評論家)|伊藤剛]]
|title=オタク文化の現在(13)ハジメテノオト、原初のキャラ・キャラの原初
|journal=ちくま
|issue=(通号 444)[2008.3]
|pages=38-41頁
|publisher=[[筑摩書房]]
|id=ISSN 0914-9163
}}</ref>、あるいは初音ミクを題材とした、数万曲に上るとされる<ref>{{Cite book|和書
|year=2008
|title= 初音ミクMIXING BOX
|pages=初音ミク スペシャルファンブック8頁
|publisher=講談社
|id=ISBN 978-4-06-358260-4
}}</ref>楽曲や、イラスト、[[コンピュータグラフィックス|CG]]によるプロモーションなど様々な作品が発表されており、初音ミクはこうした多くのユーザーの手による多彩な創作物から形づくられる、消費者生成メディア([[Consumer Generated Media|CGM]])により成立している女性アイドルという性格を持つ<ref name="nc700p162">{{Cite journal|和書
|author = 渡辺正一
|year=2008
|month=3
|title=”産業を創る”ーエンターテインメント バーチャル・アイドル編
|journal=日経コンピュータ
|issue=2008年3月24日(700)
|pages=162-163頁
|publisher=[[日経BP]]
|id=ISSN 0285-4619
}}</ref>。ユーザーによる創作物の中には、キャラクター利用の許諾を受けた上でCD、書籍などの形で商業展開が行われているものもある。また、キャラクターとしての人気の高さからゲームソフトやキャラクター[[フィギュア]]など企業の企画からなる関連商品も多数発売されているが、それらについてもフィギュアにアイテムとしてネギ([[#初音ミクとネギ|初音ミクとネギ]]を参照)を付属させるなど、ユーザーによる創作から広まった流行を取り入れることも行われている。

== 製品 ==
本ソフトは2007年8月31日の発売直後より作成された楽曲やキャラクターイメージを用いた動画が[[ニコニコ動画]]をはじめとする動画投稿サイトに次々と投稿されたことで人気に火がつき、DTMソフトウェアとしては異例のヒット商品となった。DTMソフトウェアのジャンルでは年間1,000本売れれば大ヒットとされるが発売後2週間だけで3,500〜4000本の売れ行きを見せた<ref name="jcast20071010">{{Cite news|url=http://www.j-cast.com/2007/10/10012102.html|title=「初音ミク」特集雑誌3日で完売 ヤフオク、アマゾンで3倍の価格も|publisher=[[ジェイ・キャスト|J-CAST]]|date=2007年10月10日|accessdate=2009年3月2日}}</ref>。発売から3週間後にはサウンド関連ソフト内での一週間の販売シェア(BCNによる集計、楽器店やネット通販の売上げ数は含まれない)が30%を超え<ref name="bcnranking20070927">{{Cite web|date=2007年9月27日
|url=http://bcnranking.jp/news/0709/070927_8497.html|title=大ブレイクの「初音ミク」、売り上げもぶっちぎりのトップを爆走中!|accessyear=2009年|accessdate=2月28日|work=BCNランキング|publisher = BCN}}</ref>、最も高い時期には60%以上を占めている<ref name="NB971">{{Cite journal|和書
|author = 根津禎
|title=実録 開発物語 パソコン用歌声合成ソフト「初音ミク」(第1回)出会いは着メロから
|journal=日経エレクトロニクス
|issue=2008年2月11日(971)
|pages=107-110
|publisher=[[日経BP]]
|id=ISSN 0385-1680
}}</ref>。体験版を収録した「[[DTMマガジン]]」(寺島情報企画)2007年11月号は通常より相当数を発行したにもかかわらず3日で完売したうえ、一時[[ネットオークション]]で高騰する事態となった<ref name="jcast20071010"/>。その後、発売から約一年後の2008年9月までに累計で約4万2000本の売り上げを記録している<ref name="famitsu1218029_1124">{{Cite web
|date=2008年9月12日
|work=ファミ通.com
|url=http://www.famitsu.com/game/news/1218029_1124.html
|title=開発者も“みっくみく”にされるVocaloidの魅力
|accessdate = 2010年1月12日
|publisher = [[エンターブレイン]]
}}</ref>。なお、こうした売り上げには、実際の音楽製作に使用しないキャラクターのファンとしての購入者によるものも多くを占めるとされる<ref name="famitsu1218029_1124"/>。2010年[[4月30日]]には表情付けの異なる6つの歌声を収録した拡張音源パック『初音ミク・アペンド(MIKU APPEND)』も発売されている。

=== ソフトウェア ===
[[ファイル:Vocal synthesizer piano roll.png|thumb|歌声の入力が可能な[[ミュージックシーケンサー|シーケンスソフト]]に用いられる[[ピアノロール]]表示の例<ref group="注">図はミュージックシーケンサーなどに使われるピアノロールの例を図示したものであり、初音ミクの画面とは異なる。</ref>。初音ミクのVOCALOID Editorは図のものと同様、ピアノロールの音符の中に歌詞を入力することで歌を表現する。]]
{{See also|VOCALOID}}

「VOCALOID2」エンジンを採用した初めての日本語用ソフトであり、新エンジンの採用により従来のVOCALOIDシリーズと比べより自然な歌声が合成できる様になっている。元々の『初音ミク』のパッケージに収録されている音声ライブラリは1つであるが、2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』でそれぞれ表情付けの異なる追加音声「Sweet」、「Dark」、「Soft」、「Light」、「Vivid」、「Solid」の6つのライブラリが提供され{{#tag:ref|発売以前に開発過程で作られた[[ベータ版]]ライブラリの音声がアルバム2009年8月発売の『[[Hatsune Miku Orchestra]]』、9月発売のDVD『[[ブラック★ロックシューター|BLACK★ROCK SHOOTER]] -PILOT Edition-』の収録曲に使用され<ref>{{Cite news
|date=2009年7月30日
|url=http://natalie.mu/news/show/id/19296
|title=HMO(初音ミクオーケストラ)でYMOの名曲がよみがえる
|publisher=ナターシャ
|work=ナタリー
|accessdate=2010-09-08
}}</ref><ref>{{Cite news
|date=2009年9月30日
|author=山崎健太郎
|url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090824_310419.html
|title=ニコ動発、「BLACK★ROCK SHOOTER」プロジェクト-新録CDとパイロット版アニメBlu-rayがセット
|publisher=インプレス
|work=AV Watch
|accessdate=2010-09-08
}}</ref>、「Dark」、「Soft」についてはデモ版のライブラリが「DTMマガジン」2010年1月号にて機能制限を付けた[[体験版]]として先行して提供されている<ref>{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0912/09/news055.html
|title=「感情」を獲得した初音ミク――「ダーク」「ソフト」でうたってもらった
|publisher=ITmedia
|work=ITmedia News
|date=2009年12月9日
|accessdate=2009年12月12日
}}</ref>。「Light」については発売発表時点では存在が伏せられ、後にサプライズとして明らかにされた<ref name="DTMM196">{{Cite journal|和書
|year=2010
|month=5
|journal= DTM magazine
|volume=17
|issue=5(通号 196)
|pages= 107頁
|publisher= 寺島情報企画
}}</ref>。|group="注"}}、初音ミクのライブラリは合計7つとなっている<ref name="itmedia1004/16/news050">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/16/news050.html
|title=「初音ミクAppendは途中経過」――開発者が語る6つの新しい声とイメージ
|publisher=ITmedia
|work=ITmedia News
|date=2010年4月16日
|accessdate=2010年4月30日
}}</ref>。なお、『初音ミク・アペンド』を使用するにはオリジナルの初音ミクがインストールされている必要があり、アペンドのみで使用することは出来ない<ref name="itmedia1004/16/news050"/>。音声には得意な曲のジャンルや[[テンポ]]や[[音域]]([[#プロフィール|プロフィール]]を参照)が設定されているが、これらはあくまで目安であり、実際は非常に広い範囲で歌えるとしている<ref name="miku_package">{{Citation
|date=2007年8月31日
|title=Windows専用ソフトウェア『初音ミク HATSUNE MIKU』
|page=パッケージ裏面
|publisher=[[クリプトン・フューチャー・メディア]]
|series=[[VOCALOID|VOCALOID2]] [[キャラクター・ボーカル・シリーズ]]
|volume=01
|id={{ASIN|B000VCZ75A}}
}}</ref><ref name="officialsite">{{Cite web
|title=クリプトン <nowiki>|</nowiki> VOCALOID2特集
|url=http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01.jsp
|publisher=クリプトン・フューチャー・メディア
|accessyear=2010年
|accessdate=4月30日
}}</ref>。ただし、初音ミクの歌手ライブラリは日本語歌詞の入力を前提とした[[五十音]]ベースのものとなっており、英語の歌詞の表現には難がある。また、他のVOCALOID製品同様、歌唱に特化した音声合成ソフトウェアであるため台詞を[[歌劇]]のように歌わせることは容易でも自然に「喋らせる」ことには対応していない{{#tag:ref|ただし、企業向けのみの提供ではあるが喋りに対応した合成エンジンの[[VOCALOID#VOCALOID-flex|VOCALOID-flex]]で初音ミクのライブラリを使用することは可能<ref>{{Cite news
|author = 藤本健
|url=http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100225_351164.html
|title=ヤマハ、“しゃべる”機能を追加した「VOCALOID-flex」を開発
|publisher=インプレス
|work=INTERNET Watch
|date=2010年2月25日
|accessdate=2010年4月31日
}}</ref>。|group="注"}}。

CVシリーズでは歌手ライブラリのベース音声に音楽業界関係者からの起用が順調にできなかったという事情や特徴ある声を求める狙いなどから<ref name="itmedia20070912035"/><ref name="NB972">{{Cite journal|和書
|author = 根津禎
|title=実録 開発物語 パソコン用歌声合成ソフト「初音ミク」(第2回)コア・ユーザーはあえて狙わない
|journal=日経エレクトロニクス
|year=2008
|month=2
|issue=972
|pages=129頁
|publisher=日経BP
|issn= 0385-1680
}}</ref>[[声優]]の音声を収録しており、初音ミクでは[[藤田咲]]が起用されている。クリプトンは初音ミクを制作するに当たり約500人の声優の声を聴きこみVOCALOID2に適しかつかわいらしい声であることを基準に藤田を選んだという<ref name="NB972"/>。なお選定に当たっては演じてきたキャラクターのイメージの影響を受ける懸念から有名声優は避けられており<ref name="NB972"/>、藤田は当時とりたてて有名だったわけではなくむしろ初音ミクに声を提供したことで名が知られた<ref>{{Cite journal|和書
|author = [[森川嘉一郎]]
|title=オタク文化の現在(12)アイドルの理想形
|journal=ちくま
|year=2008
|month=3
|issue=444
|pages=39頁
|publisher=筑摩書房
|issn= 0914-9163
}}</ref>。藤田の声はVOCALOIDの仕組みとの相性が良いと言い<ref>{{Cite journal|和書
|year=2009
|month=10
|title=クリプトン佐々木渉×藤田咲
|journal= [[DTM magazine]]
|volume=16
|issue=12(通号 189)
|pages= 53頁
|publisher= 寺島情報企画
}}</ref>、初音ミクはVOCALOID製品の中でも扱いが容易な製品となってる<ref>{{Cite journal|和書
|title=日本語版VOCALOID2個別歌唱調整&歌声比較カタログ
|journal=DTM magazine
|issue=(通号 184)2009.5増刊CV03巡音ルカ
|pages=38頁
|publisher=寺島情報企画
}}</ref>。

=== キャラクター ===
[[キャラクターデザイン]]は[[イラストレーター]]の[[KEI]]によるもので、髪は[[青緑]]色、髪型はくるぶしまで届く長さの[[ツインテール]]で、黒の[[ヘッドセット]]を装着している。衣装は襟付き[[ノースリーブ]]の[[トップス (衣服)|上着]]に[[ネクタイ]]、[[ミニスカート]]にローヒールの[[サイハイ]]の[[ブーツ]]、黒を基調として所々に青緑色の電光表示をあしらっている。左上腕部には赤色で「01」とキャラクター名{{#tag:ref|アルファベット表記のキャラクター名が書かれている。ただし、初音ミクの公式の表記が「Hatsune Miku」であるのに対し、公式イラストでは「Ha'''tu'''ne Miku」となっており<ref>{{Cite book|和書
|year=2008
|title= 初音ミクMIXING BOX
|pages=初音ミク スペシャルファンブック9頁
|publisher=講談社
|id=ISBN 978-4-06-358260-4
}}</ref>、「つ」の表記が異なっている。|group="注"}}をデザインしたタトゥーが入れられており、数字についてはキャラクター・ボーカル・シリーズで最初に発売された製品であることを表す<ref>{{Cite book|和書
|year=2010
|title= 電撃レイヤーズBible Vol.2 VOCALOID
|pages=16頁
|publisher=アスキー・メディアワークス
|id=ISBN 978-4-04-868173-5
}}</ref>。初音ミクのデザインは、ヤマハの[[シンセサイザー]]・[[DX7]]をモチーフとしており<ref name="itmedia0802/22/news013">{{Cite news|author = 岡田有花|url = http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/22/news013.html|title = クリプトン・フューチャー・メディアに聞く(2):「初音ミク」ができるまで|publisher = ITmedia|date = 2008年2月22日|work=ITmedia News|accessdate = 2009年2月15日}}</ref>{{#tag:ref|ただし、左腕のパネルの表示には[[ヤマハ・DXシリーズ|DX100]]、スカートに[[ヤマハ・TXシリーズ|TX816]]といったようにDX7以外の機種のデザインも取り入れていることを公式ブログのコメント上<ref>{{Cite web|url=http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/10/vocaloid2_dtm11.html#c33903|title=『<nowiki>[Vocaloid2情報]</nowiki> DTMマガジン11月号とか。(2007年10月06日の記事)』へのコメント|date=2007年10月12日|accessyear=2009年|accessdate=2月15日|author=投稿者 wat|work=メディアファージ事業部 ブログ|publisher=クリプトン・フューチャー・メディア}}</ref>で明らかにしている。|group="注"}}、これは[[1983年]]に発売されデジタルシンセサイザーの普及に貢献したヒット商品であるDX7にちなみ、初音ミクも一時代を築いて欲しいとの願いを込めて、ヤマハの担当者を説得した上でデザインに取り入れたものであるという<ref name="seiyunews1498">{{Cite web|author=|date=2007年9月7日|url=http://seiyunews.com/modules/news/article.php?storyid=1498|title=話題沸騰の「VOCALOID2 初音ミク」の開発元クリプトンに質問してみた|accessdate=2009年2月29日|work=声優ニュース.com|publisher=声優ニュースドットコム}}</ref>。また、後述の[[#プロフィール|公式プロフィール]]にあるように年齢、身長、体重も定められている。

キャラクター設定については、キャラクターを色付けしすぎないことも考慮されており、企画時には考えられていた背景設定{{#tag:ref|企画段階では「「歌」が失われた近未来の世界で、歌う技術を持ったアンドロイド「初音ミク」が発見され、人々が歌うことの素晴らしさを知っていく……というストーリー的なもの<ref>{{Cite interview|subject=KEI|subjectlink=KEI|subject2=熊谷友介|interviewer=前田久 平岩真輔|title=電子の歌姫『初音ミク』――キャラクターと歌声が出会った日|url=http://www.p-tina.net/interview/98|program=ぷらちな|year=2007年|month=11月|accessdate=2010-04-03
}}</ref>」が考えられていたという。|group="注"}}なども採用は見送られ、最低限のプロフィールだけとなっている<ref>({{Cite web|author=インタビュー/構成:前田久 平岩真輔|year=2007|month=11|url=http://www.p-tina.net/interview/97|title=電子の歌姫『初音ミク』――キャラクターと歌声が出会った日|work=ぷらちな|publisher=多聞|accessdate=2009-2-28}})</ref>。また、発売後ブームとなってからはキャラクターを用いた作品の商業展開([[初音ミクのメディア展開]]を参照)も行われているが、ユーザーによる創作物において好きなイメージの初音ミクがそれぞれ存在しているという状況があり、そうして拡散した初音ミクのイメージを収束させてしまう懸念から「初音ミクの公式コミックスを作ったり、公式アニメにしたりすることは考えていない<ref name="nc700p162"/>」としている。キャラクターデザインを行ったKEIの手がける漫画作品「[[メーカー非公式 初音みっくす]]」もタイトルにあるように「非公式」という扱いになっている。ユーザーの創作から生み出されたものの中には後述の「[[#初音ミクとネギ|ネギ]]」のように広く受け入れられ、関連グッズなどの商業展開に取り入れられた例もあるが、これも公式設定に組み入れられているわけではない。2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』のパッケージでは初音ミクがその流行の中で様々な[[絵師#現代の「絵師」|絵師]]によって描かれてきたことを踏まえ、特定の絵師が描くのではなく、フィギュア[[原型師]]の[[浅井真紀]]がデザインした3Dのフィギュア「Miku(Zero-Vocalist ver)」にイラストレーターの ねこいた が着色をする、という形がとられた<ref name="itmedia1004/16/news050"/>。

==== キャラクターの利用 ====
{{Main|キャラクター・ボーカル・シリーズ#キャラクターの利用}}
初音ミクは発売後[[キャラクター]]としても人気が出たことからキャラクターをモチーフにしたイラストやアニメーションの作成といった、ファンによる[[二次創作物|二次創作]]が盛んに行われた。そうした状況に応える形で「[http://piapro.jp/license/pcl ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)]」とそれに基いた「[http://piapro.jp/license/character_guideline キャラクター利用のガイドライン]」が定められ、ライセンスの内容に沿ったものであればキャラクターを用いた非営利無償の範囲での二次創作活動が公式に認められているほか、非営利、有償の二次創作物の頒布のため「[http://piapro.jp/license/character_guideline#piapro_link ピアプロリンク]」という仕組みが提供されている。ただし、キャラクターのイメージを損なうような行為などについては規制されており、実際に成人表現を含む二次創作物などに対する対応が行われたケースもある<ref name="itmedia0802/25/news017">{{Cite news|author = 岡田有花|url = http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/25/news017.html|title = クリプトン・フューチャー・メディアに聞く(3):初音ミクが開く“創造の扉”|publisher = ITmedia|date = 2008年2月25日|work=ITmedia News|accessdate = 2009年2月20日}}</ref>。

なお、キャラクターの名称や画像を用いない楽器としてのみの利用の場合は公序良俗に反する歌詞を含むなどの一部の例外を除き、商用・非商用問わず使用は制限されていない。

=== プロフィール ===
初音ミクについては以下のようなキャラクター設定、得意ジャンルなど公開されている<ref name="miku_package" /><ref name="officialsite"/><ref name="appendofficialsite">{{Cite web
|title=クリプトン <nowiki>|</nowiki> VOCALOID2特集
|url=http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01a.jsp
|publisher=クリプトン・フューチャー・メディア
|accessyear=2010年
|accessdate=4月30日
}}</ref>。

* 年齢:16歳
* 身長:158cm
* 体重:42kg
{| class="wikitable" style="text-align:center"
!パッケージ!!ライブラリ!!得意ジャンル!!得意な曲の[[テンポ]]!!得意な[[音域]]
|-
|『初音ミク』||||アイドル[[ポップス]] / ダンス系ポップス||70-150BPM||[[イ (音名)#各オクターブのイ|A3]]-[[ホ (音名)#各オクターブのホ|E5]]
|-
|rowspan="6" |『初音ミク・アペンド』||「Sweet」||フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等||55-155BPM||[[ヘ (音名)#各オクターブのヘ|F3]]-[[ニ (音名)#各オクターブのニ|D5]]
|-
|「Dark」||バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等||60-145BPM||[[ニ (音名)#各オクターブのニ|D3]]-[[ロ (音名)#各オクターブのロ|B4]]
|-
|「Soft」||ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等||70-150BPM||A3-E5
|-
|「Light」||ポップス、ロック、ダンス、テクノポップ等||85-175BPM||A3-D5
|-
|「Vivid」||ポップス、テクノポップ、トラッド等||95-180BPM||[[ト (音名)#各オクターブのト|G3]]-D5
|-
|「Solid」||ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等||65-160BPM||D3-[[ハ (音名)#各オクターブのハ|C5]]
|}

==== デモソング ====
公式ページ<ref name="officialsite"/>でデモソングの試聴ができるようになっている。なお、「星のカケラ」についてはフルバージョンが公認ヴォーカルCDとして販売された。
* 『初音ミク』のデモソング
*# 星のカケラ / (0分51秒) / 作詞・作曲・編曲:平沢栄司
*# かくれんぼ / (1分53秒) / 作詞・作曲・編曲:クロキヨースケ
*# (名称不明 0分53秒)
* 『初音ミク・アペンド』のデモソング
*# 夜の虹 / (1分38秒、「solid」「sweet」使用) / 製作者:whoo
*# shoelace / (1分33秒、「vivid」使用) / 製作者:ドッP
*# 影踏み / (1分32秒、「dark」「soft」「sweet」使用) / 製作者:[[kous]]
*# 私らしさ / (1分46秒、「dark」使用) / 製作者:k-shi (けしスタジオ)
*# chocolat / (4分13秒、「sweet」使用) / 製作者:chiquewa
*# ハニビー! / (1分42秒、「Light」使用) / 製作者:もじょP

=== 主な受賞歴 ===
* 第13回AMDアワード年間コンテンツ賞・優秀賞([[デジタルメディア協会]]、2008年3月10日)
* 第39回[[星雲賞]]自由部門([[日本SF大会]]、2008年8月24日)
* 第13回[[アニメーション神戸|アニメーション神戸賞]]・作品賞・ネットワーク部門([[アニメーション神戸]]、2008年11月2日)
* 2008年度[[グッドデザイン賞]](日本産業デザイン振興会、2008年11月6日)

== 反響 ==
=== 発売前の反応 ===
発売前にはクリプトンの公式サイトやブログ上で、デモソングやキャラクターデザインの公開が行われたが、当初は「萌え」を前面に押し出したイメージ戦略に対して買いにくいといったような否定的な反応も寄せられ、また、大手DTM雑誌からも製品の紹介を断られたという<ref name="itmedia0802/22/news013"/>。初音ミクは発売後約一年間で4万本以上を出荷することになるが、当初の販売目標は2007年内に1000本であった<ref name="NE973">{{Cite journal|和書
|author = 根津禎
|title= 実録 開発物語 パソコン用歌声合成ソフト「初音ミク」(最終回)みんなのミクになってみた
|journal=日経エレクトロニクス
|issue= 2008年3月10日(973)
|pages=123-127頁
|publisher=[[日経BP]]
|id=ISSN 0385-1680
}}</ref>。しかしその一方、初音ミクの流行の起点となるニコニコ動画では同じクリプトンの販売している先代の合成エンジンVOCALOIDを使用した製品「[[MEIKO]]」を使用した動画が投稿され一定の人気を集めており、クリプトンも発売後の大ヒットは想定外だったが、初音ミクを使用した動画がニコニコ動画に投稿されること自体は予測していたとしている<ref name="itmedia0802/25/news017"/>。初音ミクはMEIKOユーザーの間では大きな話題となり<ref name="DTMM173">{{Cite journal|和書
|title=特集 VOCALOID
|journal=[[DTM magazine]]
|issue=(通号 173)2008.8
|pages=21-42頁
|publisher=寺島情報企画
}}</ref>、ニコニコ動画には発売日を待たずに公式サイトで公開したデモソングを利用した動画が投稿されていた<ref name="NE973"/>。

=== インターネット上での流行 ===
2007年8月31日に初音ミクが発売されると初音ミクを用いた動画が動画投稿サイトに次々と投稿された。それらの中でも特に[[9月4日]]にニコニコ動画に投稿された[[ロイツマ・ガール]]のパロディ動画『初音ミクに「[[イエヴァン・ポルッカ|Ievan Polkka]]」を歌わせてみた』は大きな支持を集め、初音ミク人気の発火点となった<ref name="itmedia0802/25/news017"/>。この動画は初音ミクの歌声によるIevan Polkkaと[[デフォルメ]]された初音ミクが長ネギを振る映像をあわせたもので、初音ミクの定番アイテムとしてネギが定着するきっかけとなる([[#初音ミクとネギ|初音ミクとネギ]]を参照)、[[VOCALOIDの派生キャラクター|派生キャラクター]]「[[VOCALOIDの派生キャラクター#はちゅねミク|はちゅねミク]]」が誕生するなど後に対し大きな影響を与えている。クリプトン側は後にこのはちゅねミクの登場について「創作ツールとしての初音ミクは何でもありだと直感してもらえただろう。可能性が思いっきり拡散して、本当に良かった<ref name="itmedia0802/25/news017"/>」と評価している。こうした動画がニコニコ動画や[[YouTube]]で人気となり、それを見た視聴者が初音ミクを購入、新たな動画を投稿するという好循環により初音ミクの人気は膨らんでいった<ref name="itmedia20070912035"/>。特にニコニコ動画は動画の視聴者が動画上にコメントを載せることができることを特徴としており、そうした視聴者の反応が得られることも投稿者のモチベーションを刺激した<ref name="itmedia20070928066">{{Cite news
|author=岡田有花
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/28/news066.html
|title=DTMブーム再来!? 「初音ミク」が掘り起こす“名なしの才能”
|publisher=[[ITmedia]]
|date=2007年9月28日
|accessdate=2009年2月26日
}}</ref>。

投稿される楽曲の傾向は、発売当初こそ既存の楽曲を初音ミクに歌わせた[[カバー曲]]が多くを占めていたが、徐々にユーザーが作詞作曲を行ったオリジナル曲の割合が増えてゆく<ref name="itmedia20070928066"/>。オリジナル曲も当初は、9月20日に投稿されて大きな人気を集め、ニコニコ動画で一時は最も再生回数の多い動画にもなった<ref name="DTMM173"/>「[[みくみくにしてあげる♪【してやんよ】]]」のような歌うソフトという初音ミクの立場に立った歌詞の楽曲が多いという特徴があったが<ref name="itmedia20070928066"/>、同年の末にかけては[[12月7日]]にニコニコ動画へ投稿され大きな人気を集めたラブソング「[[supercell (アルバム)#楽曲解説|メルト]]」のように普遍性のある楽曲が増えていった<ref name="DTMM173"/><ref>
{{Cite book|和書
|year=2011
|title= Gekkayoボーカロイドfan
|pages=51頁
|publisher=ブティック
|isbn= 978-4834759259
}}</ref>。また、ブームの広がりとともに「MEIKO」や男声VOCALOIDの「[[KAITO]]」にも注目が集まるようになり<ref name="DTMM173"/>、[[12月27日]]にはCVシリーズの第2弾「[[鏡音リン・レン]]」も発売され、初音ミクだけでなく他のVOCALOIDをも巻き込んだムーブメントとなっていった。作品の発表の場となったニコニコ動画にとっても、こうしたユーザーのコミュニティが作り上げる作品による文化の定着は好都合だった<ref name="ボーカロイドが起こす革命">{{Cite journal|和書
|author=[[川上量生]]
|year= 2010
|month=12
|title=ボーカロイドが起こす"革命"
|journal=熱風
|volume=8
|issue=12
|pages=27--33
|publisher=[[スタジオジブリ]]
|ref=熱風201012
}}</ref><ref name="2次創作のこれから">{{Cite news
|url = http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/22/news031_3.html
|title = “公認MAD”は流行るのか 2次創作のこれから
|publisher = ITmedia
|date = 2008-07-22
| page = 3
|accessdate = 2011-04-26
}}</ref>。初音ミクが流行し始めた当時、ニコニコ動画では[[MADムービー]]のような企業の著作権を侵害した動画への対応を進めつつあったためである<ref name="ボーカロイドが起こす革命"/><ref name="2次創作のこれから"/>。

ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表している作家はアマチュアだけでなくプロの作家が楽曲を発表している場合もあり<ref name="itmedia0811/14/news032">{{Cite news
|date=2008年11月14日
|author=岡田有花
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0811/14/news032.html
|title=「もらえるべき対価、損している作家も」――「ニコ動」発の商品化、広がりと課題
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年8月6日
|work=ITmedia News
}}</ref>、また2008年以降は[[livetune]]を皮切りに、ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表し人気となった音楽家が、初音ミクを使用した楽曲で[[メジャーデビュー]]を果たすケースが見られるようになっている。2010年5月には動画サイトで人気となった楽曲を集めた[[コンピレーション・アルバム]]『[[EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク‎]]』が、2011年1月には同様のコンセプトのアルバム『[[EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク]]』がそれぞれオリコン週間アルバムチャートで1位を獲得した。ゲームソフト「[[初音ミク -Project DIVA-]]」や、[[初音ミクのメディア展開#ライブイベント|初音ミクのライブイベント]]でも動画サイトで発表された楽曲が使用されている<ref>{{Cite book|和書
|year=2011
|title= ボーカロイド現象
|pages=114--127
|publisher=[[PHP研究所]]
|chapter=ゲーム&ライブ
|isbn= 978-4569796468
}}</ref>。

ニコニコ動画では初音ミクで作成した楽曲以外にも様々な初音ミクに関連した動画が投稿されている。ニコニコ動画上では初音ミク発売以前より別のユーザーが投稿した動画を利用して新たな動画を作るといったことが盛んに行われており、初音ミクを用いた動画からもそうした動画が数多く生み出され<ref>{{Cite news
|date=2007年10月19日
|author=吉川日出行
|url=http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071018/284847/
|title=短期連載:企業にとってのニコニコ動画 第1回:「初音ミク」に注目すべき理由を考えてみた
|publisher=[[日経BP]]
|work= ITpro
|accessdate=2009年2月28日
}}</ref>、初音ミクで作成された楽曲にPVを付ける、あるいはその楽曲を歌う、演奏するといったように様々な広がりを見せている<ref name="DTMM173"/>。また、有志の手により、週ごとにニコニコ動画上で人気の楽曲を紹介する「[[週刊VOCALOIDランキング]]」などのランキング動画も投稿されている<ref>{{Cite journal|和書
|author=[[鈴木謙介]]
|coauthors=デジタルコンテンツ協会編
|year=2008
|month=9
|title=インターネット関連産業
|journal=デジタルコンテンツ白書
|issue=2008年
|pages=137-138頁
|publisher=デジタルコンテンツ協会
|id=ISSN 1346-7875
}}</ref><ref>{{Cite book|和書
|year=2008
|title= 初音ミクMIXING BOX
|pages=初音ミク スペシャルファンブック36頁
|publisher=講談社
|id=ISBN 978-4-06-358260-4
}}</ref>。

こうした創作活動の盛り上がりを受けクリプトンは、2007年12月3日にキャラクターの利用に関するガイドラインを公開すると共に、二次利用可能なコンテンツの投稿サイト「[[ピアプロ]]」を開設しクリエイターの創作活動を後押しする体制作りを進めている<ref name="itmedia0803/27/news128">{{Cite news
|author = [[岡田有花]]
|url = http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/27/news128.html
|title = 「出口がない」「権利者は誰」――初音ミク2次創作の課題
|publisher = ITmedia
|date = 2008年3月27日
|work=ITmedia News
|accessdate = 2009年12月30日
}}</ref>。

=== 日本国外への波及 ===

初音ミクに関連するコンテンツは、日本でのブーム当初から日本製コンテンツを好む国外の人々からも関心を集め、日本製アニメが違法にアップロードされた動画などによって海外に広まっているのと同様に作品の翻訳も行われ、ネットを通じて徐々に浸透していった<ref name="ボーカロイド現象海外">{{Cite book|和書
|year=2011
|title= ボーカロイド現象
|pages=200--201
|publisher=[[PHP研究所]]
|chapter= 海外ではボーカロイドをどう見たか?
|isbn= 978-4569796468
}}</ref>。特に大きな関心を集めるようになったのは、2009年から2010年にかけ、初音ミクのライブイベント「ミクフェス '09(夏)」、「ミクの日感謝祭」の動画がアップされてからとされる<ref name="ボーカロイド現象海外"/>。クリプトンの運営するレーベルKarenTから[[iTunes Store]]を通じて販売されるVOCALOID関連楽曲では、2010年以降アメリカからの売り上げが急増したという<ref>{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/22/news061.html
|title=iTunesのボカロ曲、売り上げの3割が米国から
|publisher=ITmedia
|date=2010-07-22
|accessdate=2011-07-16
}}</ref>。アメリカでは2011年5月より[[トヨタ・カローラ]]の広告に起用され<ref>{{Cite news
|url=http://jp.wsj.com/japanrealtime/2011/05/12/米国トヨタ、カローラcmにバーチャルアイドル「初/
|title=米国トヨタ、カローラCMにバーチャルアイドル「初音ミク」起用
|newspaper=[[ウォールストリート・ジャーナル]]
|date=2011-05-12
|accessdate=2011-07-16
}}</ref>、同年7月には日本国外で初めての単独ライブも催されている<ref>{{Cite news
|url=http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/048/48120/
|title=6000人が燃えた! 『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』ライブ徹底レポート
|newspaper=週刊アスキーPLUS
|publisher=アスキー・メディアワークス
|date=2011-07-04
|accessdate=2011-07-16
}}</ref>。

=== 派生キャラクター ===
{{main|VOCALOIDの派生キャラクター}}
初音ミクなどのVOCALOIDのファンの間ではVOCALOID製品のキャラクターをモチーフとして自由に名前や容姿、性格などを設定し新しいキャラクターを創作するということが行われている。そうして初音ミクから生み出された派生キャラクターの中でも、ブームのきっかけとなった動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」から生まれた2.5頭身のデフォルメキャラクター「'''はちゅねミク'''」や、[[#『アッコにおまかせ!』内での特集及び画像検索を巡る騒動|初音ミクを巡る騒動]]から生まれた「'''亞北ネル'''」、初音ミクを使いこなせないユーザーの心象を擬人化した「'''弱音ハク'''」などはファンの支持を得、クリプトンとデザインを行った作者との合意の上で商用利用も行われている。

特に、はちゅねミクについてはPS3ソフト『[[まいにちいっしょ]]』の[[トロ・ステーション]]へのゲスト出演([[#ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等|ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等]]を参照)を皮切りに、初音ミク関連の漫画作品にも登場、フィギュアやステッカーなど多数の関連商品にも用いられている(詳細は[[#グッズ類]]を参照)。ただし、多彩な商品展開が行われているはちゅねみくではあるが公式のキャラクターという位置づけではなく、KEIによる公式の[[ちびキャラ|SD]]バージョンのイラストも別に存在しており<ref name="itmedia0802/22/news013"/>。公式のSDバージョンについてもフィギュアなどの商品展開は行われている。

=== 初音ミクとネギ ===
[[長ネギ|ネギ]]は初音ミクにとっての定番アイテムとしてファンの間で広く受け入れられている。これは派生キャラクターのはちゅねミクを生み出した動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』でミクに長ネギを持たせていたことから広まったとされる<ref name="ascii/100/100009">{{Cite news
|author=高橋暁子
|url=http://ascii.jp/elem/000/000/100/100009/index.html
|title=なぜ「初音ミクがネギ」で「鏡音リンがロードローラー」なのか?
|publisher=アスキー・メディアワークス
|work=Ascii.jp
|date=2008年1月15日
|accessdate=2010年4月21日
}}</ref>。『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は「[[ロイツマ・ガール]]」と呼ばれる世界的に流行した[[MADムービー]]のパロディである。ロイツマ・ガールはフィンランド民謡の[[イエヴァン・ポルッカ]]の音声に日本のテレビアニメ『[[BLEACH (アニメ)|BLEACH]]』の登場人物である[[井上織姫]]が[[ネギ|長ネギ]]を回す映像を組み合わせたもので(詳細は[[ロイツマ・ガール]]を参照)、この流行に触発された [[Otomania]] が初音ミクで音声部を作成、これに[[たまご]]がデフォルメしたミクがネギを振る画像をつけた<ref name="ascii/100/100009"/>。ロイツマ・ガールとはネギの動かし方が異なるが、これは両者の連絡の手違いによるもので<ref>{{Cite book|和書
|year=2008
|title= 初音ミクMIXING BOX
|pages=初音ミク スペシャルファンブック34頁
|publisher=講談社
|id=ISBN 978-4-06-358260-4
}}</ref>、たまご は元のMADムービーを知らなかったのが原因であるという<ref>{{Cite web
|year=2007
|month=10
|url=http://blog.moura.jp/closeupflash/2007/10/post_9f63.html
|title=初音ミク特集1
|work=MouRa
|publisher=[[講談社]]
|accessdate=2009-03-02
|archiveurl=http://web.archive.org/web/20071102071141/http://blog.moura.jp/closeupflash/2007/10/post_9f63.html
|archivedate=2007-11-02
}}</ref>。

公式設定ではないものの、ファンによる創作物のみならずフィギュアに付属アイテムとして持たせるといったような形で、関連商品にも広く取り入れられている。

=== みっくみく ===
「みっくみく」という言葉は、ネット上で使用されている「ぼっこぼこにしてやんよ(ボコボコにしてやんよ)」という表現と初音ミクの名前を組み合わせたものとされ、初音ミクに魅了された(魅力に『打ちのめされた』)ことを表す表現として浸透している<ref name="MIXING BOX22">{{Cite book|和書
|year=2008
|title= 初音ミクMIXING BOX
|pages=初音ミク スペシャルファンブック22頁
|publisher=講談社
|id=ISBN 978-4-06-358260-4
}}</ref>。上位系として完全(フル)にみっくみくにするという意味で「フルみっく」という言葉も使用される<ref name="MIXING BOX22"/>。[[自由国民社]]発行の『[[現代用語の基礎知識]]2008』にも「[[はてなのサービス一覧#はてなキーワード|はてなキーワード]]にみるWebのことば」の一つとして記載された<ref>{{Cite book|和書
|year=2007
|title=現代用語の基礎知識. 2008
|pages=1459頁
|publisher=[[自由国民社]]
|id=ISBN 978-4-426-10126-8
|chapter=はてなキーワードにみるWebのことば
}}</ref>。この表現は楽曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のニコニコ動画上でのヒットによって定着したものだと言われている<ref name="MIXING BOX22"/>。

=== 同人文化としての初音ミク ===
初音ミクはそのキャラクター設定などから[[同人]]文化との親和性が高く、初音ミク発売の翌月には既に初音ミク関連のオンリーイベント(ジャンルを限定した[[同人誌即売会]])が企画されていた<ref name="itmedia20070928066"/>。初音ミクの登場は、[[同人音楽]]のシーンにおいて歌い手の確保というボーカル曲に挑む際のハードルを取り除くとともに、初音ミクが歌っていることに価値が見出されたことで既存曲のアレンジなどでなくとも人気を得やすくなり、歌モノオリジナル曲の制作流通を容易にするという状況をもたらした<ref>{{Cite book|和書
|author=前田久
|chapter=初音ミクと同人音楽
|year=2009
|title= 降臨!ボーカロイドマル秘名曲大全
|pages= 134-135頁
|publisher= 洋泉社
|id=ISBN 978-4-86248-418-5
}}</ref>。[[THE VOC@LOiD M@STER]]をはじめとするオンリーイベントや[[コミックマーケット]]といった同人誌即売会を通じて初音ミクを題材とする同人誌や同人CDなどの創作物が多数配布されており、またこういった場で初音ミクを題材にした[[コスプレ]]も盛んに行われるなど盛り上がりを見せている。ただし、こうした同人文化については初音ミクを題材にした成人向けコンテンツの存在といった問題もある<ref name="itmedia0802/25/news017"/>。

なお、初音ミクを用いて創作活動を行うユーザーが必ずしも同人文化と係わりを持っているわけではなく、中にはキャラクター的意匠に対して肯定的でないユーザーもいるとされ<ref>{{Cite book|和書
|author=増田聡
|year=2008
|title=思想地図. v.1
|pages=170頁
|publisher=[[日本放送出版協会]]
|id=ISBN 978-4-14-009340-5
|editor=[[東浩紀]]・[[北田暁大]]編
|volume=特集・日本
|chapter=データベース、パクリ、初音ミク
}}</ref>、単純に初音ミク=同人文化と言えるわけではない。

=== MikuMikuDance ===
{{See also|MikuMikuDance}}
MikuMikuDance(ミクミクダンス)はキャラクター3Dモデルを操作し、アニメーションを作成することのできる[[フリーウェア]]。クリプトンの製品ではなく、個人の作者が初音ミクの3D映像を作る目的で作成したもので、デフォルトのモデルの一つとして初音ミクの姿の3Dモデルを内蔵しており、扱いの容易さが特徴とされる。クリプトンのガイドラインの改定で、初音ミクを利用したプログラム作品の公開が解禁されたことを受けて2008年2月24日より公開された。それまでニコニコ動画で発表される初音ミクの動画では静止画が主流であったが、これにより多くの3D映像が発表されるようになり、MikuMikuDanceの登場で歌声の存在であった初音ミクが「アイドルとしての肉体を持った」とも言われる<ref>{{Cite book|和書
|year=2011
|title= ボーカロイド現象
|pages=80--81
|publisher=PHP研究所
|chapter=立体化する仮想アイドル CGデビュー
|isbn= 978-4569796468
}}</ref>。MikuMikuDanceは、初音ミクを起用した[[Windows Live メッセンジャー]]のCMの作成にも使用された<ref name="itmedia0812/18/news053">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0812/18/news053.html
|title=「公式やりすぎ」――初音ミクが歌う「ニコニコメッセの歌」人気
|publisher=ITmedia
|date=2008年12月18日
|accessdate=2009年2月23日
}}</ref><ref name="itmedia0901/08/news124">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/08/news124.html
|title=初音ミクがテレビCM登場 ニコ動番組「ニコ番YME」で
|publisher=ITmedia
|date=2009年11月8日
|accessdate=2009年2月23日
}}</ref>。

=== 初音ミクのキャラクターに影響を受けた音楽制作ソフト ===
; [[FL Studio]]
: [[ベルギー]] [[Image Line]] 製の[[デジタルオーディオワークステーション|DAW]]。開発者の一人が初音ミクに影響を受けてフォーラム内でマスコットの提案を行い、それに答えた日本人のUruidoがキャラクターをデザイン、「FL chan」という公式のマスコットキャラクターが定められた<ref>{{Cite book|和書
|author=服部心護
|year=2008
|title=FL Studio 8徹底入門ガイド ー DTMならコレにおまかせ!
|pages=284頁
|publisher=ラトルズ
|isbn=978-4-89977-220-0
}}</ref>。
; [[Music Maker]] Producer Edition 特別限定版 [[jamバンド]]
: AHSが日本国内での販売を行っている[[ドイツ]][[MAGIX]]製のDAW「Music Maker Producer Edition」の限定版パッケージ。「初音ミクをボーカルに、Music Maker Producer Editionをバックバンドとして使って欲しい<ref>{{Cite news
|url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071207/ahs.htm
|title=AHS、MAGIX製のエントリー向け音楽制作ソフト-限定パッケージ用意。「初音ミクのバックバンドに」
|publisher=[[インプレス]]
|work= Av Watch
|date=2007年12月7日
|accessdate=2009年2月16日
}}</ref>」として、パッケージと同梱ディスクケースにオリジナルの女性キャラクターからなる「jamバンド」が描かれた製品を2007年12月より販売している。なお、AHSは2009年12月より自社でもVOCALOID製品を発売している<ref name="itmedia/0911/13/news054">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/13/news054.html
|title=新人VOCALOID「ボカロ小学生」「ボカロ先生」「ボカロフルカワミキ」登場――さっそく歌ってもらった
|publisher=ITmedia
|work=ITmedia News
|date=2009年11月13日
|accessdate=2009年11月17日
}}</ref>。

== 初音ミクを巡る騒動 ==
=== 『アッコにおまかせ!』内での特集及び画像検索を巡る騒動 ===
{{編集前の注意|section=1}}
[[2007年]][[10月14日]]に放送された[[TBSテレビ|TBS]]の[[バラエティ番組]]『[[アッコにおまかせ!]]』にて『初音ミク』が取り上げられたが、その放送内容に対して「ミクがきちんと紹介されていない<ref name="jcast20071015012237">{{Cite news
|url=http://www.j-cast.com/2007/10/15012237.html
|title=TBSまた「印象操作報道」疑惑 「事前の打ち合わせと全然違う」
|publisher=[[ジェイ・キャスト|J-CAST]]
|date=2007年10月15日
|accessdate=2008年11月15日
}}</ref>」「ソフトとは無関係な、「[[オタク]]」を面白おかしく取り上げたテレビの印象操作<ref name="itmedia20071015008">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/15/news008.html
|title=TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ
|publisher=[[ITmedia]]
|date=2007年10月15日
|accessdate=2007年10月19日
}}</ref>」などといった苦情や批判が初音ミクファンの間で相次ぎ<ref name="jcast20071015012237"/><ref name="itmedia20071015008"/><ref name="yh210">{{Cite book|和書
|author=有村悠
|year=2008
|title=[[ユリイカ (雑誌)|ユリイカ]] 増刊号 総特集 初音ミク ネットに舞い降りた天使
|pages=210-228頁
|publisher=[[青土社]]
|id=ISBN 978-4791701872
|volume=第40巻第15号12月臨時増刊号
|chapter=VOCALOID Leads Us to the Future.
}}</ref>、クリプトン・フューチャー・メディアのホームページにある[[ブログ]]への書き込みが殺到した<ref name="itmedia20071015008"/>。クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之は、番組制作サイドに問題があったとしつつ、ユーザを不快にさせたことへの謝罪コメントを発表している。なお、TBS側はこの件に関して後に[[CNET]]の取材に対し「謝罪のコメントを出す予定はない。具体的にどの辺が問題なのか指摘してもらいたい」とコメントしている<ref>{{Cite web
|url=http://japan.cnet.com/interview/biz/story/0,2000055955,20359336-2,00.htm
|title=創業社長が明かす、仮想歌手「初音ミク」にかける想い:インタビュー
|page=2
|date=2007年10月23日
|accessyear=2008年
|accessdate=11月15日
|author=島田昇(編集部)
|publisher=[[CNET|CNET Japan]]
}}</ref>。

[[10月17日]]、『アッコにおまかせ!』による騒動とほぼ時を同じくして[[Google]]や[[Yahoo! JAPAN]]などの[[検索エンジン]]で「初音ミク」を画像検索すると、見つからないか初音ミクに関連する画像が存在するにもかかわらず無関係な画像が表示されるという現象が指摘される<ref name="itmedia071018040">{{Cite news
|date=2007年10月18日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/18/news040.html
|title=「初音ミク」画像がネットから“消えた”?
|publisher=[[ITmedia]]
|accessdate=2009年2月25日
|work=ITmedia News
}}</ref>。クリプトンはこの問題に対し、自社の側から検索結果に対し何も依頼してないことをコメント<ref>{{Cite web
|date=2007年10月23日
|author=三柳英樹
|url=http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/18/17223.html
|title=「初音ミク」の画像が検索できない 〜発売元は「削除は依頼していない」
|accessdate=2009年2月25日
|publisher=[[CNET|CNET Japan]]
}}</ref>、GoogleとYahoo! JAPANはともに原因は調査中とした<ref>{{Cite news
|date=2007年10月18日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/18/news065.html
|title=“消えた初音ミク”問題 ヤフーとGoogle「原因を調査中」
|publisher=[[ITmedia]]
|accessdate=2009年2月25日
|work=ITmedia News
}}</ref>。一方で同時期でも中国版Yahoo!の画像検索、[[goo]]の画像検索、[[Live Search|Live Search(MSN)]]の画像検索、[[ライブドア|livedoor]]の画像検索などでは普通に初音ミクの画像がヒットしていた<ref name="itmedia071018040"/><ref name="ascii.jp/elem/000/000/076/76415/">{{Cite web
|url=http://ascii.jp/elem/000/000/076/76415/
|title=ネットから消えた「初音ミク」画像を探せ!
|date=2007年10月18日
|publisher=[[アスキー・メディアワークス]]
|accessyear=2009年
|accessdate=3月4日
|work=Ascii.jp
}}</ref>。GoogleとYahoo! JAPANで検索できなかったのは画像検索時のみでWeb検索には問題が発生しなかったことから、画像検索のインデックスの更新の遅れが原因との推測もある<ref name="jcast20071019">{{Cite news
|url=http://www.j-cast.com/2007/10/19012415.html
|title=「初音ミク」の画像実は無かった 削除「陰謀説」は「カラ騒ぎ」?
|publisher=[[ジェイ・キャスト|J-CAST]]
|date=2007年10月22日
|accessdate=2009年2月25日
}}</ref>が、一方でITmediaのインタビューに答えた技術者(匿名、Google及びYahoo! JAPANの関係者ではない)はインデックス更新の遅れという可能性は低いとコメントしている<ref name="itmedia071022088">{{Cite news
|date=2007年10月22日
|author=岡田有花
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/22/news088.html
|title=「意図的削除はしていない」が…… 謎深まる“消えた初音ミク”問題
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月25日
|work=ITmedia News
}}</ref>。Google、Yahoo! JAPANはどちらも意図的な削除については否定<ref name="itmedia071022088"/>、Yahooは同年[[10月21日]]頃、googleについては[[10月23日|23日]]には初音ミクの画像が回復したとされる<ref>{{Cite news
|date=2007年10月23日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/23/news126.html
|title=「初音ミク」画像、Googleに復帰
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月25日
|work=ITmedia News
}}</ref><ref name="ascii.jp/elem/000/000/076/76415/"/>。Yahoo! JAPANは[[10月26日]]「画像データの収集が不十分だった。意図的に削除したということは絶対にない」と、画像データの収集が十分でなく遅れがあったことを認めるコメントを発表している<ref>{{Cite news
|date=2007年10月26日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/26/news098.html
|title=ヤフー「画像の収集が遅れた」 初音ミク問題でコメント
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月25日
|work=ITmedia News
}}</ref>。

この二つの件は連続して起こったことから一つに結び付けられて大きな話題となり<ref name="yh210"/>、広告代理店、テレビ局、芸能プロダクションなどによるものだとする[[陰謀説]]まで登場する騒ぎに発展した<ref name="jcast20071019"/>。また、同じ時期に行われたウィキペディア日本語版における初音ミクの記事(本記事)の全文削除{{#tag:ref|この削除は本項目の初版に公式サイトからの転載あるいは誤った引用形式による著作権上の問題が見られたためのもので、{{Srlink|Wikipedia:削除の方針}}に従い2007年10月16日に削除依頼が提出された。これに対しクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役である伊藤博之より10月18日付けのブログにおいて、ウィキペディア日本語版での記事内において公式サイトからのテキストを引用元を明示せずとも引用を許諾する旨が伝えられている<ref>{{Cite web
|url=http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/10/wikipedia.html
|title=「初音ミク」Wikipedia項目削除依頼が上がっている件に関して
|date=2007年10月18日
|accessyear=2009年
|accessdate=2月16日
|work=メディアファージ事業部 ブログ
|publisher=クリプトン・フューチャー・メディア
}}</ref>。 しかしながら[[GFDL]]でのライセンス面で懸念の声が寄せられ、10月19日、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役伊藤博之の確認を得た上で記事の履歴を含めた全文が消去された。詳細については{{Srlink|Wikipedia:削除依頼/初音ミク}}を参照のこと。|group="注"}}についてもこれらとの関連性を疑われている<ref>{{Cite news
|date=2007年10月26日
|author=レッド中尉
|url=http://news.livedoor.com/article/detail/3359039/
|title=【カオス通信】"初音ミク"騒動と"バーチャルアイドル"の履歴書
|publisher=[[ライブドア]]
|accessdate=2009年2月25日
|work=livedoorニュース
}}</ref>。電子掲示板サイトの[[2ちゃんねる]]ではこれらの問題に関するスレッドが乱立し、大きな騒ぎとなった。なお、こうしたスレッドの書き込みに影響を受け、陰謀の首謀者に雇われ騒ぎを沈静化させるための印象操作を行っている美少女キャラクター、という設定の元に創作されたキャラクターイラストが11月1日に公開され、初音ミクの派生キャラクターの一人である[[VOCALOIDの派生キャラクター#亞北ネル|亞北ネル]]が誕生している<ref name="yh210"/>。

=== 初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動 ===
2007年12月、初音ミクのムーブメントを代表する楽曲の一つである「[[みくみくにしてあげる♪【してやんよ】]]」が、ニコニコ動画を運営する[[ニワンゴ]]の親会社である[[ドワンゴ]]からの[[着うた]]配信に伴って当時の子会社のドワンゴ・ミュージックパブリッシングにより[[日本音楽著作権協会]](JASRAC)への[[信託]]が行われたが、これに対しファンからの大きな反発が発生した。上記のように初音ミク関連の楽曲では他のユーザーが歌ったりPVを付けたりといった幅広い二次利用が行われていたが、管理団体の管理下におかれることでこうした作品について、たとえ作者が利用を認めていても許諾手続きや利用料の支払いが必要となる懸念があった<ref name="ascii.jp/elem/000/000/094/94608/">{{Cite news
|date=2007年12月20日
|url=http://ascii.jp/elem/000/000/094/94608/
|title=みくみくにしてあげる♪「着うた」配信でひと悶着、ドワンゴ子会社が謝罪
|publisher=[[アスキー・メディアワークス]]
|accessdate=2009年2月26日
|work=Ascii.jp
}}</ref><ref group="注">ただし、2008年4月以降はニコニコ動画とJASRACの間で楽曲の利用に関する包括契約が結ばれたため、ニコニコ動画内での利用であればJASRACに信託されても二次利用への支障は無くなっている。</ref>。また、同曲はクリプトンの許可を得ずに楽曲のアーティスト名を「初音ミク」として登録されていた<ref name="ascii.jp/elem/000/000/094/94608/"/>。この状況を受けクリプトン側は[[12月18日]]、JASRAC登録についてなぜその必要があったのか説明を求めた、初音ミクという表記については事前の説明が無かったとのコメントを自社のブログに掲載<ref name="/0712/20/news129">{{Cite news
|date=2008年12月20日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/20/news129.html
|title=ドワンゴ、「アーティスト名:初音ミク」のJASRAC登録で「クリプトンと協議中」
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月29日
|work=ITmedia News
}}</ref>。それに対しドワンゴ・ミュージックパブリッシングは[[12月20日]]にニコニコ動画のブログ「ニコニコニュース」にコメントを掲載し、アーティスト名については連絡不徹底による誤りとして謝罪し修正するとしたものの、JASRACへの信託についてはクリプトン側も知っていたはずだとし、両社が互いに異なる主張を展開<ref name="/0712/20/news129"/>。更に、ドワンゴから着うた配信されていた初音ミク楽曲の一部について作者との契約の無いまま配信が行われているとする疑惑などが浮上し、これらもあわせ両社がブログ上で食い違う主張を応酬する事態へと発展した。着うたの無断配信については、ドワンゴ、ドワンゴ・ミュージックパブリッシング、クリプトン、クリプトンよりドワンゴとの契約にあたる仲介業者として選定されていた[[フロンティアワークス]]、作詞作曲者の5者が絡み、それぞれに十分な意思疎通ができていなかった事が原因と見られている<ref>{{Cite news
|date=2007年12月21日
|author=永井美智子
|url=http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20363820,00.htm
|title=「初音ミク」楽曲の無断着うた化疑惑、ドワンゴとクリプトンがそれぞれ経緯を説明
|publisher=[[CNET|CNET Japan]]
|accessdate=2009年2月26日
}}</ref>。しかしながら、これら一連の騒動については最終的に双方の主張に食い違いを残したままそれまでの経緯を水に流す形で和解が行われており<ref name="itmedia0712/25/news041">{{Cite news
|date=2008年12月25日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/25/news041.html
|title=「初音ミク作品」騒動、ドワンゴとクリプトンが“和解”コメント
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月26日
|work=ITmedia News
}}</ref>、詳細については明らかになっていない。なお、「ニコニコニュース」については、和解の後にクリプトンとの応酬に係わるコメントが削除されている<ref>{{Cite news
|date=2007年12月28日
|url=http://ascii.jp/elem/000/000/096/96416/
|title=水に流された!? ドワンゴ・クリプトン論争
|accessdate=2009年11月30日
|work=Ascii.jp
|publisher=[[アスキー・メディアワークス]]
}}</ref>。

[[12月25日]]、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとクリプトンは一連の騒動に関する[http://blog.nicovideo.jp/niconews/2007/12/000756.html 共同声明]を発表。この件に関する経緯や事実関係に関して争わず、独自の主張をしないとした上で、今後初音ミク関連のコンテンツを新規に配信する場合には、制作者との契約を事前に締結し、締結が終わるまでは配信しないことを確認したとした<ref name="itmedia0712/25/news041"/>。また、権利関係についても、初音ミクで制作した楽曲データに関する権利([[原盤権]])はデータ制作者が、楽曲データに使われている楽曲の権利(出版権)は作詞・作曲者が持ち、権利行使代行会社を自らの意思により決定できること、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングが初音ミクを使用して有名になった楽曲の管理を著作者に申し入れる際はJASRACだけでなく[[イーライセンス]]等他の著作権管理団体への信託、信託を行わないなどの複数の選択肢について著作者に説明し、著作者の意思を確認してどれを選ぶか決めることなどが示された<ref name="itmedia0712/25/news041"/>。

この一連の騒動については創作者とそれを受け取るユーザーがはっきり線引きされていることを前提とした著作権処理の仕組みが、一般のユーザー同士で無償でコンテンツを利用し合うという状況に対応していなかったことに問題の原因があったとされている<ref>{{Cite news
|date=2007年12月26日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/25/news096.html
|title=「初音ミク作品」騒動から考える、「次の著作権のかたち」
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年11月30日
|work=ITmedia News
}}</ref>。着うたの無断配信疑惑については、業界の慣行からは問題ないとされる契約書を交わす前に口頭での許諾で配信をはじめるといった手順が一般のユーザーの意識とずれていたことが行き違いの要因として挙げられている<ref name="itmedia/0807/18/news048">{{Cite news
|date=2008年7月18日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/18/news048.html
|title=座談会 UGCの可能性を考える(前編):「ニコ動作家はもうけちゃダメ?」「才能、無駄遣いしていいの?」
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年11月30日
|work=ITmedia News
}}</ref>。また騒動の背景として、[[嫌儲]]と呼ばれるコミュニティ上で育ったコンテンツで金儲けを行うことを嫌う傾向や、[[パブリックドメイン]]、[[クリエイティブ・コモンズ]]に関する議論の影響があったことも指摘されている<ref name="itmedia/0807/18/news048"/><ref name="nii30-1-88">{{Cite journal|和書
|author=小松陽一
|year=2009
|month=8
|title=事業創造と意味ネットワークの構造変化 : 「初音ミク」と米黒酢の事例をめぐる一考察
|journal=日本情報経営学会誌
|volume=30
|issue=1
|pages=88-98
|publisher=[[日本情報経営学会]]
|issn=1882-2614
|url=
|format=
|accessdate=
}}</ref>。この騒動ではクリプトンがクリエイター寄りの立場として支持された一方、プロのやり方を貫くドワンゴ・ミュージックパブリッシングや、JASRAC(ただし、JASRACについては単に事務手続きを行っただけである)が批判され<ref name="itmedia/0807/18/news048"/>、一時はニコニコ動画から[[zoome]]への初音ミクユーザーの流出も発生したが<ref>{{Cite news
|date=2008年1月28日
|author=岡田有花
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/28/news010.html
|title=「zoome」は“ニコニコの受け皿”を超えるか
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009年2月26日
|work=ITmedia News
}}</ref>、クリプトンとドワンゴ・ミュージックパブリッシングの間で比較的迅速に関係修復が図られたこともあり早期に秩序を回復し、その後も流行は拡大を続けることとなる<ref name="nii30-1-88"/>。また、この後にはネットでの流行に配慮した権利処理の仕組みづくりも進められている(詳細は[[初音ミクのメディア展開#ユーザーの楽曲の権利処理]]を参照)。

== メディアミックス ==
{{Main2|楽曲販売、ライブイベント、グッズ、その他コラボレーション等|初音ミクのメディア展開}}

== 年表 ==
=== 2007年 ===
* [[7月24日]] - クリプトンでの「ライブラリ部に関する作業」終了[http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/07/vocaloid2_7.html]。
* [[8月17日]] - 公式ブログでデモソングを先行公開[http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/08/vocaloid2_9.html]。
* [[8月31日]] - [[クリプトン・フューチャー・メディア]]、ボーカル音源『初音ミク』発売。
* [[9月4日]] - [[ニコニコ動画]]に『VOCALOID2 初音ミクに「[[Ievan Polkka]]」を歌わせてみた』投稿。「はちゅねミク」、[[ネギ]]が登場。
* [[9月12日]] - [[ITmedia|ITmedia News]] に初音ミクの流行が取り上げられる。"異例の売れ行き「初音ミク」 「ニコ動」で広がる音楽作りのすそ野"<ref name="itmedia20070912035"/>
* [[9月20日]] - [[ニコニコ動画]]に『[[みくみくにしてあげる♪【してやんよ】]]』投稿。大人気の楽曲に。
* [[9月21日]] - [[毎日新聞]]朝刊に取り上げられる。"検索・急上昇:初音ミク"<ref>{{Cite news
|title = 検索・急上昇:初音ミク
|publisher = [[毎日新聞]]
|page = 20
|date = 2007年9月21日朝刊
}}</ref>
* [[9月27日]] - [[BCNランキング]]に取り上げられる。"大ブレイクの「初音ミク」、売り上げもぶっちぎりのトップを爆走中!"[http://bcnranking.jp/news/0709/070927_8497.html]
* [[10月6日]] - 寺島情報企画「[[DTMマガジン]]」2007年11月号発売[http://www.dtmm.co.jp/backnumber/0711.html]。体験版が同梱され、3日間で完売([[#ソフトウェア|ソフトウェア]]を参照)。
* [[10月14日]] - [[#『アッコにおまかせ!』内での特集及び画像検索を巡る騒動|TBS『アッコにおまかせ!』内での特集]]。放送内容を巡り騒動に発展。
* [[11月9日]] - [[プレイステーション2|PS2]]専用ゲームソフト『[[トリノホシ 〜Aerial Planet〜]]』([[日本一ソフトウェア]])のイメージソングの歌い手に初音ミクが起用されることが発表される。
* [[11月16日]]
** はちゅねミクがトロ・ステーションへゲスト出演([[#ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等|ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等]]を参照)。
** [[Saori@destiny]]の初シングル「My Boy」に初音ミクがコーラスとして起用されることが発表される[http://www.bounce.com/news/daily.php/12170]。
* [[11月17日]] - [[NHK衛星第2テレビジョン|NHK-BS2]]『[[ザ☆ネットスター!]]』放送(2008年[[4月5日]]よりレギュラー化)、[[ザ☆ネットスター!#テーマ曲|番組のテーマ曲]]として初音ミクで作成された楽曲が使用される。
* [[11月26日]]
** [[ドワンゴ]]、『みくみくにしてあげる♪』等の初音ミク関連楽曲の[[着うた]]・[[着うたフル]]配信開始<ref>“[http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/26/news045.html 「みくみく」「恋スルVOC@LOID」 初音ミク曲が着うたに] “ [[ITmedia|ITmedia News]] 2007年11月26日 2008年2月2日閲覧</ref>。
** [[ジャイブ]]「月刊コミックラッシュ」2008年1月号発売。[[KEI]]作『[[メーカー非公式 初音みっくす]]』連載開始。
* [[12月3日]]
** クリプトン、投稿サイト「ピアプロ」、二次創作に関するガイドラインを公開。
** [[自由国民社]]『[[現代用語の基礎知識|現代用語の基礎知識2008]]』発売。「初音ミク」及び関連用語を「はてなキーワードにみるWebのことば」として掲載。
** 通信カラオケ「[[JOYSOUND]]」で『みくみくにしてあげる♪』、『恋スルVOC@LOID』が配信予定と報道される<ref name="itmedia071203news08">{{Cite web
|date=2007年12月3日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/03/news087.html
|title=「みっくみく」「恋スルVOC@LOID」がカラオケに
|publisher=[[ITmedia]]
|accessdate=12月14日
|accessyear=2008年
}}</ref>。配信日はそれぞれ2007年[[12月8日]]、[[12月15日|15日]]。
* [[12月18日]] - 「[[みくみくにしてあげる♪【してやんよ】]]」』が、アーティスト名を初音ミクとしJASRAC管理曲として登録されたことに対しクリプトン側がコメントを公表([[#初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動]]を参照)、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとの対立へ。
* [[12月25日]] - クリプトン・フューチャー・メディア及びドワンゴ・ミュージックパブリッシング、共同コメント発表([[#初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動]]を参照)。対立は終息へ。
* [[12月26日]] - [[角川書店]]「月刊コンプエース」2008年2月号発売。おんたま作『[[はちゅねミクの日常 ろいぱら!]]』連載開始。
* [[12月27日]] - テレビ東京『[[うぇぶたま]]』内にてベストプロデューサーコンテスト開始。2008年[[4月15日]]放送の『[[うぇぶたま3]]』内にて結果発表。

=== 2008年 ===
* [[1月25日]] - [[フロンティアワークス]]、公認CD『星のカケラ』発売。一般流通のCDで初音ミクのイラストや名称などを使用したものはこれが初めて。
* [[3月19日]] - ネットジャパン、Macintosh上でWindowsソフトを動かすことのできるソフトCodeWeavers「CrossOver Mac」の初音ミクハンドル版を発売<ref>{{Cite news
|url = http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0803/19/news071.html
|title = ネットジャパン、“CrossOver Mac”の「初音ミク」バンドル版を発売
|publisher = ITmedia
|date = 2008年3月19日
|accessdate = 2008年11月16日
}}</ref>。
* [[3月29日]] ([[テレビ神奈川]]放送分) - 『[[さよなら絶望先生 (アニメ)|【俗・】さよなら絶望先生]]』への出演([[#アニメ作品への出演|アニメ作品への出演]]を参照)。
* [[3月31日]] - [[グッドスマイルカンパニー]]、ディフォルメ[[フィギュア]]「[[ねんどろいど]] 初音ミク」発売。
* [[5月22日]] - オンラインゲーム「[[スカッとゴルフ パンヤ]]」に初音ミクの衣装が登場([[6月19日]]まで)。
* [[5月29日]] - [[ニンテンドーDS]]ソフト『[[13歳のハローワークDS]]』で[[ゲーム]]デビュー<ref name="famitsu12135331407">{{Cite web
|author=[[ファミ通|ファミ通.com]]
|date=2008年2月15日
|url=http://www.famitsu.com/game/coming/1213533_1407.html
|title=『13歳のハローワークDS』に初音ミクが登場!
|accessyear=2008年
|accessdate=3月4日
}}</ref>。
* [[8月24日]] - [[大阪府]][[岸和田市]]で開催された[[日本SF大会]]において「ボーカロイド=歌唱に特化した人型ロボットを開発した技術とDTMに「ボーカロイド」という概念を取り入れ、普及させた功績」に対し第39回[[星雲賞]]自由部門の受賞が決定する。
* [[8月27日]] 音楽サークル[[livetune]]が[[ビクターエンタテインメント]]よりアルバムCD『[[Re:package]]』をリリース。初音ミクのイラストや名称などを使用してメジャーレーベルから発売されたCDはこれが初めて。
* [[9月16日]] - クリプトン、待受画像や楽曲を配信する携帯サイト「初音ミクモバイル」(ミクモバ)を開設<ref>{{Cite news
|date=2008年9月16日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/16/news087.html
|title=初音ミクのiモードサイト「ミクモバ」 着うたや待受配信
|publisher=ITmedia
|accessdate=2009-02-26
|work=ITmedia News
}}</ref>。
* [[9月24日]] - 第13回[[アニメーション神戸|アニメーション神戸賞]]作品賞・ネットワーク部門を受賞。
* [[9月25日]] - [[講談社]]よりユーザーから募集された作品やキャラクターアイテムなどを収録した『初音ミクMIXING BOX』発売。
* [[10月8日]] - 2008年度[[グッドデザイン賞]]を受賞。
* [[11月9日]]
** 2008年度のSUPER GT最終戦に「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」が出走([[Studie GLAD Racing]]を参照)。
** コスプレイヤーとしても知られる[[キックボクサー]]の[[長島☆自演乙☆雄一郎]]がNJKFスーパーウェルター級王座決定戦の試合で、『みくみくにしてあげる♪』を入場曲に初音ミクの扮装で出場し王座を獲得<ref>{{Cite news
|date=2008年11月11日
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0811/11/news059.html
|title=“痛キックボクサー”? 「初音ミク」コスプレの長島☆自演乙☆雄一郎が強い
|publisher=ITmedia
|accessdate=2008-11-21
}}</ref>。
* [[11月14日]] - [[自由国民社]]『[[現代用語の基礎知識|現代用語の基礎知識2009]]』発売。「初音ミク」をインターネット関連の用語として掲載<ref>{{Cite book|和書
|year=2008
|title=現代用語の基礎知識 2009年
|pages=627頁
|publisher=自由国民社
|id=ISBN 978-4426101275
}}</ref>。
* [[12月12日]] - [[ユリイカ (雑誌)|ユリイカ]]2008年12月臨時増刊号として「ユリイカ 増刊号 総特集=初音ミク」が発売。

=== 2009年 ===
* [[3月]] - 内閣府が発行している海外向けオンライン広報誌「Highlighting JAPAN」3月号の記事で、初音ミクが紹介される<ref>{{Cite journal
|year=2009年
|month=3月
|title=VIRTUAL IDOL
|journal=Highlighting JAPAN
|volume=2
|issue=11
|pages=24-25
|publisher=[[時事画報社]]
|url=http://www.gov-online.go.jp/pdf/hlj_img/vol_0020et/img20090301all.pdf
|format=PDF
|accessdate=2009-04-09
}}</ref><ref>{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/07/news079.html
|title=初音ミクを政府が海外発信 内閣府の英文誌に「Virtual Idol」
|publisher=[[ITmedia]]
|date=2009年04月07日
|accessdate=2009-04-09
}}</ref>。
* [[3月4日]] - 人気楽曲「メルト」などを収録した[[supercell]]のアルバム『[[supercell (アルバム)|supercell]]』が発売。発売1週間目で5万6千枚を売り上げ<ref name="asahi/TKY200903120085">{{Cite news
|url=http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY200903120085.html
|title=「初音ミク」最高記録 チャート4位に
|newspaper =[[朝日新聞]]朝刊
|publisher=[[朝日新聞社]]
|date=2009-03-12
|accessdate=2009-04-09
}}</ref>、オリコン週間チャートでは4位にランクイン、その後同年6月までに10万枚以上を出荷し[[日本レコード協会]]より[[ゴールドディスク]]に認定された<ref>{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/13/news032.html
|title=初音ミクのアルバムがゴールドディスク認定
|publisher=ITmedia
|date=2009-07-13
|accessdate=2011-09-13
}}</ref>。
* [[3月14日]] - PSP専用ゲームソフト『[[初音ミク -Project DIVA-]]』が同年[[7月2日]]に発売される事が正式発表される。
* [[4月9日]] - クリプトン、[[VOCALOID#NetVOCALOID|NetVOCALOID]]を用いた携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』(ミクうた)を開設。
* [[5月25日]] - 志満秀とMM Agency、初の食品(菓子)系コラボ商品「瀬戸内発!初音ミクのネギ入りえびせん『みくせん』」を発売。
* [[6月4日]] - クリプトン、キャラクターの非営利無償での利用を一般に許諾するライセンス「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を公開。
* [[7月2日]] - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』が発売。
* [[7月7日]] - 韓国版「スカッとゴルフ パンヤ」に初音ミクの衣装が登場<ref name="joins090707">{{Cite news
|url = http://news.joins.com/article/726/3677726.html?ctg=15
|title = 팡야, `보컬로이드` 시리즈 캐릭터 의상 출시
|newspaper =[[中央日報]]
|date = 2009-07-07
|accessdate = 2009-07-09
|language = [[朝鮮語]]
}}</ref>。
* [[8月22日]] - [[Animelo Summer Live#2009年|Animelo Summer Live 2009]]にアーティストとして出演。
* [[8月31日]] - 初音ミク発売2周年を記念してライブイベント「[[初音ミクのメディア展開#ミクフェス '09(夏)|ミクフェス '09(夏)]]」を東京のSTUDIO COASTで開催。
* [[9月10日]] - PV製作支援ソフト「[[Dance×Mixer]]」の追加ダウンロードコンテンツの第一弾として、初音ミクのモデルを配信<ref>{{Cite news
|date=2009-09-10
|url=http://mantan-web.jp/2009/09/10/20090910mog00m200052000c.html
|title=ダンスミキサー:ダウンロードコンテンツで初音ミクなど販売 オリジナルPV制作ソフト
|newspaper =まんたんウェブ
|publisher=毎日新聞社
|accessdate=2010-05-08
}}</ref><ref>{{Cite journal|和書
|title=月刊VOCALOID通信
|journal=DTM magazine
|year=2009
|month=11
|volume=16
|issue=13
|pages=57項
|publisher=寺島情報企画
}}</ref>。
* [[10月6日]] - Google社のウェブブラウザ[[Google Chrome]]で初音ミクをあしらった[[スキン]]を公開<ref>{{Cite news
|date=2009-10-06
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/06/news029.html
|title=Chromeブラウザにアーティストテーマ 初音ミクやけいおん!も
|publisher=ITmedia
|newspaper =ITmedia News
|accessdate=2009-11-17
}}</ref>。
* [[11月21日]] - シンガポールで開かれたアニメフェスティバルアジア2009にてステージのスクリーンに映写し「海外初公演」<ref>{{Cite news
|url = http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112101000677.html
|title = 仮想歌手初音ミクに大歓声 シンガポールで海外初公演
|date = 2009-11-21
|work=47NEWS
|publisher = [[共同通信社]]
|accessdate = 2012-02-14
}}</ref>。
=== 2010年 ===
* [[1月]] - 2009年に開校した山口県にある広域通信制・単位制[[精華学園高等学校]]と、ピアプロとのコラボレーションとして行われた初音ミクを使った校歌公募企画で、応募作品「羽ばたける君へ」が同校の校歌に選ばれる<ref>{{Cite news
|title=ネットが紡いだ校歌、生徒を応援する歌詞 宇部・精華学園高が公募
|newspaper =朝日新聞山口版
|publisher=朝日新聞社
|date=2010-01-29
|page = 27
}}</ref>。
* [[2月1日]] - 『Studie GLAD Racing』に代わり新チーム『GOOD SMILE RACING with COX』を設立し2010年のSUPER GTへ初音ミクの痛車での参戦を発表<ref name="sanspo./100202">{{Cite web
|date=2010-02-02
|url=http://www.sanspo.com/geino/news/100202/gnj1002021621019-n1.htm
|title=初音ミクが今シーズンもサーキットを爆走!
|newspaper =サンスポ
|publisher=産経新聞社
|accessdate=2010-05-25
}}</ref>。
* [[2月5日]] - 第61回[[さっぽろ雪まつり]]にて初音ミクの雪像を初展示、雪まつり応援キャラクターとして作られた「雪ミク」グッズの販売なども行われる<ref>{{Cite news
|date=2010-02-01
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/01/news095.html
|title=さっぽろ雪まつりにミクの雪像 「雪ミク」グッズやライブも
|newspaper =ITmedia News
|publisher=ITmedia
|accessdate=2010-02-11
}}</ref>。
* [[3月9日]] - 3月9日をミクの日と称し、ライブイベント「[[初音ミクのメディア展開#ミクの日感謝祭 39's Giving Day|ミクの日感謝祭 39's Giving Day]]」を東京の[[Zepp]] Tokyoで開催。
* [[4月9日]] 携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』にて『初音ミク・アペンド』を使った音声合成サービスの提供を開始<ref>{{Cite news
|date=2010-04-21
|url=http://animeanime.jp/release/archives/2010/04/post_586.html
|title=公式サイト「ミクと歌おう♪」で『初音ミク・アペンド』使用可能に
|publisher=アニメアニメ
|accessdate=2010-04-30
}}</ref>。
* [[4月30日]] - 追加音源『初音ミク・アペンド』を発売。
* [[5月11日]] - 2011年3月に営業運転を始める[[東北新幹線]]の新型車両[[新幹線E5系電車|E5系]]使用列車の愛称募集で「はつね」が応募数で2位になる<ref>{{Cite news
|date=2010-05-11
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/11/news076.html
|title=東北新幹線・新型車両の愛称募集、「はつね」は2位だった
|newspaper =ITmedia News
|publisher=ITmedia
|accessdate=2010-05-25
}}</ref>。E5系のカラーリングが初音ミクを髣髴とさせるものであったことからネット上で「はつね」での応募を呼びかける動きが起こっていた<ref>{{Cite news
|date=2010-04-08
|url=http://sankei.jp.msn.com/science/science/100408/scn1004080830007-n1.htm
|title=【Web】新幹線「はつね」にしてあげる
|newspaper =MSN産経ニュース
|publisher=産業経済新聞社
|accessdate=2010年5月25日
}}</ref>。なお、愛称には7位の「[[はやぶさ (列車)|はやぶさ]]」が選ばれた。
* [[5月19日]] - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『[[EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク]]』発売。発売1週間目で2万3千枚を売り上げ、5月31日付オリコン週間チャートにて[[#主な音楽CD|初音ミク関連CD]]のみならず、ボーカルに音声合成ソフトを用いたアルバムとしては初となる週間1位を獲得<ref>{{Cite news
|date=2010-05-25
|url=http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/76554/full/
|title=初音ミク“ボーカロイドアルバム”が徳永を押さえ、初首位
|newspaper =ORICON STYLE
|publisher=[[オリコン]]
|accessdate=2010-05-25
}}</ref><ref>{{Cite news
|date=2010年5月25日
|url=http://news24.jp/entertainment/news/1612063.html
|title=嵐「怪物くん」主題歌「Monster」初登場1位。1週目で54万枚
|newspaper =[日テレNEWS24]]
|publisher=[[日本テレビ放送網]]
|accessdate=2010-05-25日
}}</ref>。
* [[5月20日]] - クリプトン携帯電話向けの育成型シミュレーションゲーム『初音ミク ボカロ×ライブ!』を開始。
* [[5月21日]] - 搭載するアルミプレートに初音ミクのイラストと約14,000人の応援メッセージが印刷された、金星探査機「[[あかつき (探査機)|あかつき]]」が[[H-IIAロケット]]で打ち上げられた<ref name="ITmedia_20100223">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/23/news024.html
|author=森岡澄夫
|title=金星へ飛び立つ「あかつき」と初音ミクパネルを見てきた
|newspaper =ITmedia news
|publisher=[[ITmedia|アイティメディア]]
|date=2010年2月23日
|accessdate=2010年5月30日
}}</ref><ref name="ITmedia_20100408">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/08/news044.html
|author=森岡澄夫
|title=初音ミク「あかつき」に搭乗! 種子島で実機を見てきた
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|publisher=[[ITmedia|アイティメディア]]
|date=2010年4月8日
|accessdate=2010年5月30日
}}</ref><ref name="ITmedia_20100521">{{Cite news
|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1005/21/news046.html
|author=森岡澄夫
|title=初音ミクついに宇宙へ! 「あかつき」打ち上げ成功
|newspaper =ITmedia news
|publisher=[[ITmedia|アイティメディア]]
|date=2010年5月21日
|accessdate=2010年5月30日
}}</ref>。
* [[7月29日]] - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』の続編となる『初音ミク -Project DIVA- 2nd』が発売。
* [[8月31日]] - 同年3月9日に開催されたコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜」の模様を上映するフィルムコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day初音ミク・フィルムコンサート 〜ありがとう、初音ミクです。〜」を10カ所の劇場で同時開催<ref name="v5_47">{{Cite book|和書
|year=2010
|month=9
|title= Vocaloidを楽しもう Vol.5
|pages=40頁
|publisher=ヤマハミュージックメディア
|id=ISBN 978-4636861327
}}</ref>。
* [[9月1日]] - 同年3月9日のコンサートの模様を収録した『ミクの日感謝祭 39’s Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜』発売。Blu-ray Disc (BD) 版については発売1週間目で10,211枚を売り上げ、オリコンミュージックBDランキングで1位を獲得<ref name="mycom./2010/09/08/003/">{{Cite news
|date=2010年9月8日
|url=http://journal.mycom.co.jp/news/2010/09/08/003/
|title=初音ミク、オリコン週間ランキングのミュージックBD部門で首位を獲得
|publisher=毎日コミュニケーションズ
|work=マイコミジャーナル
|accessdate=2010-09-08
}}</ref>。
* [[12月20日]] - クリプトン、着うたフルを配信する携帯電話用サイト「初音ミク ボカロサウンド」を開設<ref>{{Cite news
|date=2010年12月20日
|url=http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101220_416014.html
|title=ボカロ楽曲を配信する「初音ミク ボカロサウンド」オープン
|publisher=インプレス
|newspaper =ケータイ Watch
|accessdate=2010-12-23
}}</ref>。

=== 2011年 ===
* [[1月19日]] - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『[[EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク]]』発売。発売1週間目で3万1千枚を売り上げ、1月31日付オリコン週間チャートにて『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』に続く2作目の1位獲得<ref>{{Cite news
|date=2011年1月25日
|url=http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/84159/full/
|title=初音ミク“ボーカロイド”アルバムが史上2作目首位
|publisher=オリコン
|newspaper =ORICON STYLE
|accessdate=2011-01-25
}}</ref>。
* [[2月7日]] - 前年に続き第62回さっぽろ雪まつりで雪像展示、及び氷像展示、「雪ミク」グッズの販売やイベントを開催<ref>{{Cite news
|author=広田稔
|url=http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/033/33092/
|title=雪ミクが札幌をジャック! さっぽろ雪まつり
|publisher=アスキー・メディアワークス
|newspaper=Ascii.jp
|date=2011-02-07
|accessdate=2011-02-14
}}</ref>。
* [[2月11日]] - [[札幌市電]]で[[札幌市交通局3300形電車|3300形電車]]に「雪ミク」イラストを使用したハーフ[[ラッピング車両]]を3月26日まで運行<ref name="ascii033/33627/">{{Cite news
|author=広田稔
|url=http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/033/33627/
|title=バレンタインに出発進行! 雪ミク電車が札幌を駆ける
|publisher=アスキー・メディアワークス
|newspaper=Ascii.jp
|date=2011-02-12
|accessdate=2011-02-14
}}</ref>。同車の車内放送の音声は担当声優である藤田によるもの<ref name="ascii033/33627/"/>。
* [[3月9日]] - ライブイベント「[[初音ミクのメディア展開#初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪|初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪]]-39's lives IN TOKYO-」を東京のZepp Tokyoで開催。パブリックビューイングも同時に行われた。
* [[5月4日]] - [[トヨタ自動車]]の北米地域の統括管理会社トヨタ・モーター・ノースアメリカが、初音ミクを起用した[[トヨタ・カローラ]]2011年モデルのCMを公開<ref>{{Cite news
|url=http://as-web.jp/news/info.php?c_id=2&no=33346
|title=“ミク+クルマ”文化がアメリカにも? カローラのCMに
|newspaper=オートスポーツweb
|publisher=イデア
|date=2011-05-06
|accessdate=2011-05-06
}}</ref>。
* [[6月25日]] - 初音ミクを特集した[[S-Fマガジン]]8月号が発売。予約の殺到により発売前に増刷が決まり、「1959年の創刊以来初の快挙」と言われた<ref>{{Cite news
|url=http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1106/21/news105.html
|title=SFマガジン8月号は初音ミク特集 発売前に増刷決定
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|publisher=ITmedia
|date=2011-06-21
|accessdate=2011-11-24
}}</ref>。
* [[7月2日]](現地時間) - [[アメリカ合衆国]]・[[ロサンゼルス]]で開催された『[[Anime Expo]] 2011』の一環として、日本国外では初の単独ライブ「[[初音ミクのメディア展開#MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES|MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES]]」を開催<ref>{{Cite news
|url=http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/048/48120/
|title=6000人が燃えた! 『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』ライブ徹底レポート
|newspaper =週刊アスキーPLUS
|publisher=アスキー・メディアワークス
|date=2011-07-04
|accessdate=2011-07-04
}}</ref>。
* [[8月16日]]・[[8月17日|17日]] - ライブイベント「初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪-39's lives IN SAPPORO-」を開催。
* [[10月16日]] - レーシングチーム「GSR & Studie with TeamUKYO」が、[[2011年のSUPER GT|SUPER GTの2011年シーズン]]総合優勝。
* [[11月2日]]、 [[11月9日|9日]] - [[週刊少年マガジン]]49号、50号で[[AKB48]]の公式漫画『[[AKB49~恋愛禁止条例~]]』にて、初音ミクで楽曲を公開している少年に作曲を依頼する物語が描かれた。
* [[11月10日]] - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』シリーズの第3作となる『初音ミク -Project DIVA- extend』が発売。
* [[11月11日]] - [[シンガポール]]で開催されたアニメフェスティバル・アジア2011内でライブイベント「初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪-39's lives IN SINGAPORE-」を開催。
* [[12月16日]] - Googleのウェブブラウザ[[Google Chrome]]の「Google Chromeグローバルキャンペーン」で、初音ミクを起用したCMが公開される<ref name="Chromeキャンペーン">{{Cite news
|date=2011-12-16
|url=http://www.cdjournal.com/main/news/hatsune-miku/42123
|title=Google「Chrome」新CMに「初音ミク」が登場!
|newspaper =CDジャーナル
|publisher=音楽出版
|accessdate=2011-12-16
}}</ref>。
* [[12月19日]] - [[札幌市電]]で3300形電車に「雪ミク」イラストを使用したフルラッピング車両を2012年3月30日までの予定で運行<ref>{{Cite news
|author=松崎
|url=http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/069/69885/
|title=札幌の街を駆け抜けるかわいすぎる雪ミク電車を激写!
|publisher=アスキー・メディアワークス
|newspaper=Ascii.jp
|date=2011-12-18
|accessdate=2012-02-07
}}</ref>。車両・デザインは2011年2月 - 3月実施のものと異なる。

=== 2012年 ===
{{予定|section=1|date=2011年11月25日}}
* [[2月6日]] - 前年に続き第63回さっぽろ雪まつりで雪像展示、及び[[すすきの氷の祭典|すすきの会場]]での氷像展示、「雪ミク」グッズ販売などを実施。
* [[2月7日]] - さっぽろ雪まつりで、展示されていた「雪ミク」の雪像が崩れ、女性一人が腰の骨にひびが入る重症を負う事故が発生<ref>{{Cite web
|date=2012-02-08
|url=http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20120208hog00m040005000c.html
|title=雪まつり:「初音ミク」の雪像倒れ女性重傷 実行委、緊急点検し6基を取り壊し
|newspaper =毎日.jp
|publisher=毎日新聞社
|accessdate=2012-02-08
}}</ref>。なお、雪像は安全のため構造を変更した上でまつり期間中の11日未明に再建された<ref>{{Cite news
|url=「初音ミク」雪像、再展示へ-「みくみくにされた」ファンでにぎわう
|title=札幌経済新聞
|publisher=http://sapporo.keizai.biz/headline/1220/
|date=2012-02-11
|accessdate=2012-02-11
}}</ref>。
* [[3月8日]]
** セガより[[ニンテンドー3DS]]専用ゲームソフト『[[初音ミク アンド フューチャー スターズ プロジェクト ミライ]]』が発売予定。
** [[ミーツポート|東京ドームシティホール]]にて、ライブイベント「初音ミクライブパーティー2012(ミクパ♪)」を開催予定。
* 3月9日 - 東京ドームシティホールにて、ライブイベント「初音ミクライブコンサート 最後のミクの日大感謝祭」を開催予定。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|group=注}}

== 参考文献 ==
{{Reflist|2}}

== 関連項目 ==
* [[初音ミクのメディア展開]]
* [[VOCALOID]]
** [[キャラクター・ボーカル・シリーズ]]
* [[音声合成]]
* [[デスクトップミュージック]]
* [[バーチャルアイドル]]
* 制作関係
** [[ヤマハ]]
** [[クリプトン・フューチャー・メディア]] - 開発・発売元
** [[藤田咲]] - 初音ミクの声(歌声ライブラリへの提供)を担当
** [[小倉唯]] - 初音ミクのモーションアクターを担当(「初音ミク -Project DIVA-」において)

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Hatsune Miku}}
* [http://www.crypton.co.jp/ クリプトン・フューチャー・メディア(株)ホームページ]
** [http://www.crypton.co.jp/mp/do/prod?id=29880 HATSUNE MIKU(音楽ソフトウエア)] - 製品情報
** [http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01.jsp 初音ミク紹介ページ]
** [http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/cv01a.jsp 初音ミク・アペンド紹介ページ]
*{{YouTube channel|HatsuneMiku|初音ミク(HatsuneMiku)}}(2011年12月15日から運用中)
{{VOCALOID}}

{{DEFAULTSORT:はつね みく}}

[[Category:音楽ソフトウェア]]
[[Category:架空の歌手]]
[[Category:クリプトン・フューチャー・メディア]]
[[Category:VOCALOID]]

{{Link GA|zh}}

[[de:Miku Hatsune]]
[[en:Hatsune Miku]]
[[es:Miku Hatsune]]
[[fi:Vocaloid#Miku Hatsune]]
[[fr:Miku Hatsune]]
[[id:Hatsune Miku]]
[[it:Hatsune Miku]]
[[ko:하츠네 미쿠]]
[[pl:Hatsune Miku]]
[[zh:初音未來]]

2012年3月9日 (金) 01:25時点における版


キャラクター・ボーカル・シリーズ01
初音ミク
開発元 クリプトン・フューチャー・メディア
初版 2007年8月31日
使用エンジン VOCALOID2
対応OS Windows XPVista7
種別 音声合成DTM、ボーカルシンセサイザー
ライセンス プロプライエタリ
(キャラクターの利用についてはピアプロ・キャラクター・ライセンス
公式サイト クリプトン | VOCALOID2特集
テンプレートを表示

初音 ミク(はつね ミク、HATSUNE MIKU)は、クリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェアの製品名、およびキャラクターとしての名称である。

ヤマハの開発した音声合成システム「VOCALOID2」を採用したボーカル音源の1つで、メロディ歌詞を入力することで合成音声によるボーカルパートやバックコーラスを作成することができる。また、声に身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から[1]女性のバーチャルアイドルのキャラクターが設定されている。


この記事では、内容を分割しています。楽曲販売、ライブイベント、グッズ、その他コラボレーション等に関する情報については、下記のページをご参照ください。

概要

2007年8月31日にクリプトン・フューチャー・メディア(以下クリプトン)から、ヤマハの開発した音声合成システム『VOCALOID2』を採用した女声の歌声を合成するMicrosoft Windows専用のソフトウェア製品として発売された。声に歌い手としての身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点からソフトウェア自体をバーチャルアイドル(バーチャルシンガー)と見立ててキャラクター付けしている「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」という製品シリーズの第1弾であり、初音ミクは「未来的なアイドル」をコンセプトとしてキャラクター付けされている[1]。名前の由来は、未来から初めての音がやって来るという意味で、「初めての音」から「初音」、「未来」から「ミク」[1]。発売元のクリプトンはキャラクター画像については非営利であればほぼ自由な利用を認めており、ユーザーによる歌声の利用だけでなくキャラクターを用いた創作活動をも促進する形がとられている[2]。なお、製品においてはパッケージとインストールディスク、インストール画面以外にはキャラクターの姿は描かれていない。

インターネット上を中心に、初音ミクが「歌っている」歌という形をとった[3]、あるいは初音ミクを題材とした、数万曲に上るとされる[4]楽曲や、イラスト、CGによるプロモーションなど様々な作品が発表されており、初音ミクはこうした多くのユーザーの手による多彩な創作物から形づくられる、消費者生成メディア(CGM)により成立している女性アイドルという性格を持つ[5]。ユーザーによる創作物の中には、キャラクター利用の許諾を受けた上でCD、書籍などの形で商業展開が行われているものもある。また、キャラクターとしての人気の高さからゲームソフトやキャラクターフィギュアなど企業の企画からなる関連商品も多数発売されているが、それらについてもフィギュアにアイテムとしてネギ(初音ミクとネギを参照)を付属させるなど、ユーザーによる創作から広まった流行を取り入れることも行われている。

製品

本ソフトは2007年8月31日の発売直後より作成された楽曲やキャラクターイメージを用いた動画がニコニコ動画をはじめとする動画投稿サイトに次々と投稿されたことで人気に火がつき、DTMソフトウェアとしては異例のヒット商品となった。DTMソフトウェアのジャンルでは年間1,000本売れれば大ヒットとされるが発売後2週間だけで3,500〜4000本の売れ行きを見せた[6]。発売から3週間後にはサウンド関連ソフト内での一週間の販売シェア(BCNによる集計、楽器店やネット通販の売上げ数は含まれない)が30%を超え[7]、最も高い時期には60%以上を占めている[8]。体験版を収録した「DTMマガジン」(寺島情報企画)2007年11月号は通常より相当数を発行したにもかかわらず3日で完売したうえ、一時ネットオークションで高騰する事態となった[6]。その後、発売から約一年後の2008年9月までに累計で約4万2000本の売り上げを記録している[9]。なお、こうした売り上げには、実際の音楽製作に使用しないキャラクターのファンとしての購入者によるものも多くを占めるとされる[9]。2010年4月30日には表情付けの異なる6つの歌声を収録した拡張音源パック『初音ミク・アペンド(MIKU APPEND)』も発売されている。

ソフトウェア

歌声の入力が可能なシーケンスソフトに用いられるピアノロール表示の例[注 1]。初音ミクのVOCALOID Editorは図のものと同様、ピアノロールの音符の中に歌詞を入力することで歌を表現する。

「VOCALOID2」エンジンを採用した初めての日本語用ソフトであり、新エンジンの採用により従来のVOCALOIDシリーズと比べより自然な歌声が合成できる様になっている。元々の『初音ミク』のパッケージに収録されている音声ライブラリは1つであるが、2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』でそれぞれ表情付けの異なる追加音声「Sweet」、「Dark」、「Soft」、「Light」、「Vivid」、「Solid」の6つのライブラリが提供され[注 2]、初音ミクのライブラリは合計7つとなっている[14]。なお、『初音ミク・アペンド』を使用するにはオリジナルの初音ミクがインストールされている必要があり、アペンドのみで使用することは出来ない[14]。音声には得意な曲のジャンルやテンポ音域プロフィールを参照)が設定されているが、これらはあくまで目安であり、実際は非常に広い範囲で歌えるとしている[15][16]。ただし、初音ミクの歌手ライブラリは日本語歌詞の入力を前提とした五十音ベースのものとなっており、英語の歌詞の表現には難がある。また、他のVOCALOID製品同様、歌唱に特化した音声合成ソフトウェアであるため台詞を歌劇のように歌わせることは容易でも自然に「喋らせる」ことには対応していない[注 3]

CVシリーズでは歌手ライブラリのベース音声に音楽業界関係者からの起用が順調にできなかったという事情や特徴ある声を求める狙いなどから[1][18]声優の音声を収録しており、初音ミクでは藤田咲が起用されている。クリプトンは初音ミクを制作するに当たり約500人の声優の声を聴きこみVOCALOID2に適しかつかわいらしい声であることを基準に藤田を選んだという[18]。なお選定に当たっては演じてきたキャラクターのイメージの影響を受ける懸念から有名声優は避けられており[18]、藤田は当時とりたてて有名だったわけではなくむしろ初音ミクに声を提供したことで名が知られた[19]。藤田の声はVOCALOIDの仕組みとの相性が良いと言い[20]、初音ミクはVOCALOID製品の中でも扱いが容易な製品となってる[21]

キャラクター

キャラクターデザインイラストレーターKEIによるもので、髪は青緑色、髪型はくるぶしまで届く長さのツインテールで、黒のヘッドセットを装着している。衣装は襟付きノースリーブ上着ネクタイミニスカートにローヒールのサイハイブーツ、黒を基調として所々に青緑色の電光表示をあしらっている。左上腕部には赤色で「01」とキャラクター名[注 4]をデザインしたタトゥーが入れられており、数字についてはキャラクター・ボーカル・シリーズで最初に発売された製品であることを表す[23]。初音ミクのデザインは、ヤマハのシンセサイザーDX7をモチーフとしており[24][注 5]、これは1983年に発売されデジタルシンセサイザーの普及に貢献したヒット商品であるDX7にちなみ、初音ミクも一時代を築いて欲しいとの願いを込めて、ヤマハの担当者を説得した上でデザインに取り入れたものであるという[26]。また、後述の公式プロフィールにあるように年齢、身長、体重も定められている。

キャラクター設定については、キャラクターを色付けしすぎないことも考慮されており、企画時には考えられていた背景設定[注 6]なども採用は見送られ、最低限のプロフィールだけとなっている[28]。また、発売後ブームとなってからはキャラクターを用いた作品の商業展開(初音ミクのメディア展開を参照)も行われているが、ユーザーによる創作物において好きなイメージの初音ミクがそれぞれ存在しているという状況があり、そうして拡散した初音ミクのイメージを収束させてしまう懸念から「初音ミクの公式コミックスを作ったり、公式アニメにしたりすることは考えていない[5]」としている。キャラクターデザインを行ったKEIの手がける漫画作品「メーカー非公式 初音みっくす」もタイトルにあるように「非公式」という扱いになっている。ユーザーの創作から生み出されたものの中には後述の「ネギ」のように広く受け入れられ、関連グッズなどの商業展開に取り入れられた例もあるが、これも公式設定に組み入れられているわけではない。2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』のパッケージでは初音ミクがその流行の中で様々な絵師によって描かれてきたことを踏まえ、特定の絵師が描くのではなく、フィギュア原型師浅井真紀がデザインした3Dのフィギュア「Miku(Zero-Vocalist ver)」にイラストレーターの ねこいた が着色をする、という形がとられた[14]

キャラクターの利用

初音ミクは発売後キャラクターとしても人気が出たことからキャラクターをモチーフにしたイラストやアニメーションの作成といった、ファンによる二次創作が盛んに行われた。そうした状況に応える形で「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)」とそれに基いた「キャラクター利用のガイドライン」が定められ、ライセンスの内容に沿ったものであればキャラクターを用いた非営利無償の範囲での二次創作活動が公式に認められているほか、非営利、有償の二次創作物の頒布のため「ピアプロリンク」という仕組みが提供されている。ただし、キャラクターのイメージを損なうような行為などについては規制されており、実際に成人表現を含む二次創作物などに対する対応が行われたケースもある[29]

なお、キャラクターの名称や画像を用いない楽器としてのみの利用の場合は公序良俗に反する歌詞を含むなどの一部の例外を除き、商用・非商用問わず使用は制限されていない。

プロフィール

初音ミクについては以下のようなキャラクター設定、得意ジャンルなど公開されている[15][16][30]

  • 年齢:16歳
  • 身長:158cm
  • 体重:42kg
パッケージ ライブラリ 得意ジャンル 得意な曲のテンポ 得意な音域
『初音ミク』 アイドルポップス / ダンス系ポップス 70-150BPM A3-E5
『初音ミク・アペンド』 「Sweet」 フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 55-155BPM F3-D5
「Dark」 バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 60-145BPM D3-B4
「Soft」 ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 70-150BPM A3-E5
「Light」 ポップス、ロック、ダンス、テクノポップ等 85-175BPM A3-D5
「Vivid」 ポップス、テクノポップ、トラッド等 95-180BPM G3-D5
「Solid」 ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 65-160BPM D3-C5

デモソング

公式ページ[16]でデモソングの試聴ができるようになっている。なお、「星のカケラ」についてはフルバージョンが公認ヴォーカルCDとして販売された。

  • 『初音ミク』のデモソング
    1. 星のカケラ / (0分51秒) / 作詞・作曲・編曲:平沢栄司
    2. かくれんぼ / (1分53秒) / 作詞・作曲・編曲:クロキヨースケ
    3. (名称不明 0分53秒)
  • 『初音ミク・アペンド』のデモソング
    1. 夜の虹 / (1分38秒、「solid」「sweet」使用) / 製作者:whoo
    2. shoelace / (1分33秒、「vivid」使用) / 製作者:ドッP
    3. 影踏み / (1分32秒、「dark」「soft」「sweet」使用) / 製作者:kous
    4. 私らしさ / (1分46秒、「dark」使用) / 製作者:k-shi (けしスタジオ)
    5. chocolat / (4分13秒、「sweet」使用) / 製作者:chiquewa
    6. ハニビー! / (1分42秒、「Light」使用) / 製作者:もじょP

主な受賞歴

反響

発売前の反応

発売前にはクリプトンの公式サイトやブログ上で、デモソングやキャラクターデザインの公開が行われたが、当初は「萌え」を前面に押し出したイメージ戦略に対して買いにくいといったような否定的な反応も寄せられ、また、大手DTM雑誌からも製品の紹介を断られたという[24]。初音ミクは発売後約一年間で4万本以上を出荷することになるが、当初の販売目標は2007年内に1000本であった[31]。しかしその一方、初音ミクの流行の起点となるニコニコ動画では同じクリプトンの販売している先代の合成エンジンVOCALOIDを使用した製品「MEIKO」を使用した動画が投稿され一定の人気を集めており、クリプトンも発売後の大ヒットは想定外だったが、初音ミクを使用した動画がニコニコ動画に投稿されること自体は予測していたとしている[29]。初音ミクはMEIKOユーザーの間では大きな話題となり[32]、ニコニコ動画には発売日を待たずに公式サイトで公開したデモソングを利用した動画が投稿されていた[31]

インターネット上での流行

2007年8月31日に初音ミクが発売されると初音ミクを用いた動画が動画投稿サイトに次々と投稿された。それらの中でも特に9月4日にニコニコ動画に投稿されたロイツマ・ガールのパロディ動画『初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は大きな支持を集め、初音ミク人気の発火点となった[29]。この動画は初音ミクの歌声によるIevan Polkkaとデフォルメされた初音ミクが長ネギを振る映像をあわせたもので、初音ミクの定番アイテムとしてネギが定着するきっかけとなる(初音ミクとネギを参照)、派生キャラクターはちゅねミク」が誕生するなど後に対し大きな影響を与えている。クリプトン側は後にこのはちゅねミクの登場について「創作ツールとしての初音ミクは何でもありだと直感してもらえただろう。可能性が思いっきり拡散して、本当に良かった[29]」と評価している。こうした動画がニコニコ動画やYouTubeで人気となり、それを見た視聴者が初音ミクを購入、新たな動画を投稿するという好循環により初音ミクの人気は膨らんでいった[1]。特にニコニコ動画は動画の視聴者が動画上にコメントを載せることができることを特徴としており、そうした視聴者の反応が得られることも投稿者のモチベーションを刺激した[33]

投稿される楽曲の傾向は、発売当初こそ既存の楽曲を初音ミクに歌わせたカバー曲が多くを占めていたが、徐々にユーザーが作詞作曲を行ったオリジナル曲の割合が増えてゆく[33]。オリジナル曲も当初は、9月20日に投稿されて大きな人気を集め、ニコニコ動画で一時は最も再生回数の多い動画にもなった[32]みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のような歌うソフトという初音ミクの立場に立った歌詞の楽曲が多いという特徴があったが[33]、同年の末にかけては12月7日にニコニコ動画へ投稿され大きな人気を集めたラブソング「メルト」のように普遍性のある楽曲が増えていった[32][34]。また、ブームの広がりとともに「MEIKO」や男声VOCALOIDの「KAITO」にも注目が集まるようになり[32]12月27日にはCVシリーズの第2弾「鏡音リン・レン」も発売され、初音ミクだけでなく他のVOCALOIDをも巻き込んだムーブメントとなっていった。作品の発表の場となったニコニコ動画にとっても、こうしたユーザーのコミュニティが作り上げる作品による文化の定着は好都合だった[35][36]。初音ミクが流行し始めた当時、ニコニコ動画ではMADムービーのような企業の著作権を侵害した動画への対応を進めつつあったためである[35][36]

ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表している作家はアマチュアだけでなくプロの作家が楽曲を発表している場合もあり[37]、また2008年以降はlivetuneを皮切りに、ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表し人気となった音楽家が、初音ミクを使用した楽曲でメジャーデビューを果たすケースが見られるようになっている。2010年5月には動画サイトで人気となった楽曲を集めたコンピレーション・アルバムEXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク‎』が、2011年1月には同様のコンセプトのアルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』がそれぞれオリコン週間アルバムチャートで1位を獲得した。ゲームソフト「初音ミク -Project DIVA-」や、初音ミクのライブイベントでも動画サイトで発表された楽曲が使用されている[38]

ニコニコ動画では初音ミクで作成した楽曲以外にも様々な初音ミクに関連した動画が投稿されている。ニコニコ動画上では初音ミク発売以前より別のユーザーが投稿した動画を利用して新たな動画を作るといったことが盛んに行われており、初音ミクを用いた動画からもそうした動画が数多く生み出され[39]、初音ミクで作成された楽曲にPVを付ける、あるいはその楽曲を歌う、演奏するといったように様々な広がりを見せている[32]。また、有志の手により、週ごとにニコニコ動画上で人気の楽曲を紹介する「週刊VOCALOIDランキング」などのランキング動画も投稿されている[40][41]

こうした創作活動の盛り上がりを受けクリプトンは、2007年12月3日にキャラクターの利用に関するガイドラインを公開すると共に、二次利用可能なコンテンツの投稿サイト「ピアプロ」を開設しクリエイターの創作活動を後押しする体制作りを進めている[42]

日本国外への波及

初音ミクに関連するコンテンツは、日本でのブーム当初から日本製コンテンツを好む国外の人々からも関心を集め、日本製アニメが違法にアップロードされた動画などによって海外に広まっているのと同様に作品の翻訳も行われ、ネットを通じて徐々に浸透していった[43]。特に大きな関心を集めるようになったのは、2009年から2010年にかけ、初音ミクのライブイベント「ミクフェス '09(夏)」、「ミクの日感謝祭」の動画がアップされてからとされる[43]。クリプトンの運営するレーベルKarenTからiTunes Storeを通じて販売されるVOCALOID関連楽曲では、2010年以降アメリカからの売り上げが急増したという[44]。アメリカでは2011年5月よりトヨタ・カローラの広告に起用され[45]、同年7月には日本国外で初めての単独ライブも催されている[46]

派生キャラクター

初音ミクなどのVOCALOIDのファンの間ではVOCALOID製品のキャラクターをモチーフとして自由に名前や容姿、性格などを設定し新しいキャラクターを創作するということが行われている。そうして初音ミクから生み出された派生キャラクターの中でも、ブームのきっかけとなった動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」から生まれた2.5頭身のデフォルメキャラクター「はちゅねミク」や、初音ミクを巡る騒動から生まれた「亞北ネル」、初音ミクを使いこなせないユーザーの心象を擬人化した「弱音ハク」などはファンの支持を得、クリプトンとデザインを行った作者との合意の上で商用利用も行われている。

特に、はちゅねミクについてはPS3ソフト『まいにちいっしょ』のトロ・ステーションへのゲスト出演(ゲームとのコラボレーション、ゲスト出演等を参照)を皮切りに、初音ミク関連の漫画作品にも登場、フィギュアやステッカーなど多数の関連商品にも用いられている(詳細は#グッズ類を参照)。ただし、多彩な商品展開が行われているはちゅねみくではあるが公式のキャラクターという位置づけではなく、KEIによる公式のSDバージョンのイラストも別に存在しており[24]。公式のSDバージョンについてもフィギュアなどの商品展開は行われている。

初音ミクとネギ

ネギは初音ミクにとっての定番アイテムとしてファンの間で広く受け入れられている。これは派生キャラクターのはちゅねミクを生み出した動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』でミクに長ネギを持たせていたことから広まったとされる[47]。『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は「ロイツマ・ガール」と呼ばれる世界的に流行したMADムービーのパロディである。ロイツマ・ガールはフィンランド民謡のイエヴァン・ポルッカの音声に日本のテレビアニメ『BLEACH』の登場人物である井上織姫長ネギを回す映像を組み合わせたもので(詳細はロイツマ・ガールを参照)、この流行に触発された Otomania が初音ミクで音声部を作成、これにたまごがデフォルメしたミクがネギを振る画像をつけた[47]。ロイツマ・ガールとはネギの動かし方が異なるが、これは両者の連絡の手違いによるもので[48]、たまご は元のMADムービーを知らなかったのが原因であるという[49]

公式設定ではないものの、ファンによる創作物のみならずフィギュアに付属アイテムとして持たせるといったような形で、関連商品にも広く取り入れられている。

みっくみく

「みっくみく」という言葉は、ネット上で使用されている「ぼっこぼこにしてやんよ(ボコボコにしてやんよ)」という表現と初音ミクの名前を組み合わせたものとされ、初音ミクに魅了された(魅力に『打ちのめされた』)ことを表す表現として浸透している[50]。上位系として完全(フル)にみっくみくにするという意味で「フルみっく」という言葉も使用される[50]自由国民社発行の『現代用語の基礎知識2008』にも「はてなキーワードにみるWebのことば」の一つとして記載された[51]。この表現は楽曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のニコニコ動画上でのヒットによって定着したものだと言われている[50]

同人文化としての初音ミク

初音ミクはそのキャラクター設定などから同人文化との親和性が高く、初音ミク発売の翌月には既に初音ミク関連のオンリーイベント(ジャンルを限定した同人誌即売会)が企画されていた[33]。初音ミクの登場は、同人音楽のシーンにおいて歌い手の確保というボーカル曲に挑む際のハードルを取り除くとともに、初音ミクが歌っていることに価値が見出されたことで既存曲のアレンジなどでなくとも人気を得やすくなり、歌モノオリジナル曲の制作流通を容易にするという状況をもたらした[52]THE VOC@LOiD M@STERをはじめとするオンリーイベントやコミックマーケットといった同人誌即売会を通じて初音ミクを題材とする同人誌や同人CDなどの創作物が多数配布されており、またこういった場で初音ミクを題材にしたコスプレも盛んに行われるなど盛り上がりを見せている。ただし、こうした同人文化については初音ミクを題材にした成人向けコンテンツの存在といった問題もある[29]

なお、初音ミクを用いて創作活動を行うユーザーが必ずしも同人文化と係わりを持っているわけではなく、中にはキャラクター的意匠に対して肯定的でないユーザーもいるとされ[53]、単純に初音ミク=同人文化と言えるわけではない。

MikuMikuDance

MikuMikuDance(ミクミクダンス)はキャラクター3Dモデルを操作し、アニメーションを作成することのできるフリーウェア。クリプトンの製品ではなく、個人の作者が初音ミクの3D映像を作る目的で作成したもので、デフォルトのモデルの一つとして初音ミクの姿の3Dモデルを内蔵しており、扱いの容易さが特徴とされる。クリプトンのガイドラインの改定で、初音ミクを利用したプログラム作品の公開が解禁されたことを受けて2008年2月24日より公開された。それまでニコニコ動画で発表される初音ミクの動画では静止画が主流であったが、これにより多くの3D映像が発表されるようになり、MikuMikuDanceの登場で歌声の存在であった初音ミクが「アイドルとしての肉体を持った」とも言われる[54]。MikuMikuDanceは、初音ミクを起用したWindows Live メッセンジャーのCMの作成にも使用された[55][56]

初音ミクのキャラクターに影響を受けた音楽制作ソフト

FL Studio
ベルギー Image Line 製のDAW。開発者の一人が初音ミクに影響を受けてフォーラム内でマスコットの提案を行い、それに答えた日本人のUruidoがキャラクターをデザイン、「FL chan」という公式のマスコットキャラクターが定められた[57]
Music Maker Producer Edition 特別限定版 jamバンド
AHSが日本国内での販売を行っているドイツMAGIX製のDAW「Music Maker Producer Edition」の限定版パッケージ。「初音ミクをボーカルに、Music Maker Producer Editionをバックバンドとして使って欲しい[58]」として、パッケージと同梱ディスクケースにオリジナルの女性キャラクターからなる「jamバンド」が描かれた製品を2007年12月より販売している。なお、AHSは2009年12月より自社でもVOCALOID製品を発売している[59]

初音ミクを巡る騒動

『アッコにおまかせ!』内での特集及び画像検索を巡る騒動

2007年10月14日に放送されたTBSバラエティ番組アッコにおまかせ!』にて『初音ミク』が取り上げられたが、その放送内容に対して「ミクがきちんと紹介されていない[60]」「ソフトとは無関係な、「オタク」を面白おかしく取り上げたテレビの印象操作[61]」などといった苦情や批判が初音ミクファンの間で相次ぎ[60][61][62]、クリプトン・フューチャー・メディアのホームページにあるブログへの書き込みが殺到した[61]。クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役の伊藤博之は、番組制作サイドに問題があったとしつつ、ユーザを不快にさせたことへの謝罪コメントを発表している。なお、TBS側はこの件に関して後にCNETの取材に対し「謝罪のコメントを出す予定はない。具体的にどの辺が問題なのか指摘してもらいたい」とコメントしている[63]

10月17日、『アッコにおまかせ!』による騒動とほぼ時を同じくしてGoogleYahoo! JAPANなどの検索エンジンで「初音ミク」を画像検索すると、見つからないか初音ミクに関連する画像が存在するにもかかわらず無関係な画像が表示されるという現象が指摘される[64]。クリプトンはこの問題に対し、自社の側から検索結果に対し何も依頼してないことをコメント[65]、GoogleとYahoo! JAPANはともに原因は調査中とした[66]。一方で同時期でも中国版Yahoo!の画像検索、gooの画像検索、Live Search(MSN)の画像検索、livedoorの画像検索などでは普通に初音ミクの画像がヒットしていた[64][67]。GoogleとYahoo! JAPANで検索できなかったのは画像検索時のみでWeb検索には問題が発生しなかったことから、画像検索のインデックスの更新の遅れが原因との推測もある[68]が、一方でITmediaのインタビューに答えた技術者(匿名、Google及びYahoo! JAPANの関係者ではない)はインデックス更新の遅れという可能性は低いとコメントしている[69]。Google、Yahoo! JAPANはどちらも意図的な削除については否定[69]、Yahooは同年10月21日頃、googleについては23日には初音ミクの画像が回復したとされる[70][67]。Yahoo! JAPANは10月26日「画像データの収集が不十分だった。意図的に削除したということは絶対にない」と、画像データの収集が十分でなく遅れがあったことを認めるコメントを発表している[71]

この二つの件は連続して起こったことから一つに結び付けられて大きな話題となり[62]、広告代理店、テレビ局、芸能プロダクションなどによるものだとする陰謀説まで登場する騒ぎに発展した[68]。また、同じ時期に行われたウィキペディア日本語版における初音ミクの記事(本記事)の全文削除[注 7]についてもこれらとの関連性を疑われている[73]。電子掲示板サイトの2ちゃんねるではこれらの問題に関するスレッドが乱立し、大きな騒ぎとなった。なお、こうしたスレッドの書き込みに影響を受け、陰謀の首謀者に雇われ騒ぎを沈静化させるための印象操作を行っている美少女キャラクター、という設定の元に創作されたキャラクターイラストが11月1日に公開され、初音ミクの派生キャラクターの一人である亞北ネルが誕生している[62]

初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動

2007年12月、初音ミクのムーブメントを代表する楽曲の一つである「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」が、ニコニコ動画を運営するニワンゴの親会社であるドワンゴからの着うた配信に伴って当時の子会社のドワンゴ・ミュージックパブリッシングにより日本音楽著作権協会(JASRAC)への信託が行われたが、これに対しファンからの大きな反発が発生した。上記のように初音ミク関連の楽曲では他のユーザーが歌ったりPVを付けたりといった幅広い二次利用が行われていたが、管理団体の管理下におかれることでこうした作品について、たとえ作者が利用を認めていても許諾手続きや利用料の支払いが必要となる懸念があった[74][注 8]。また、同曲はクリプトンの許可を得ずに楽曲のアーティスト名を「初音ミク」として登録されていた[74]。この状況を受けクリプトン側は12月18日、JASRAC登録についてなぜその必要があったのか説明を求めた、初音ミクという表記については事前の説明が無かったとのコメントを自社のブログに掲載[75]。それに対しドワンゴ・ミュージックパブリッシングは12月20日にニコニコ動画のブログ「ニコニコニュース」にコメントを掲載し、アーティスト名については連絡不徹底による誤りとして謝罪し修正するとしたものの、JASRACへの信託についてはクリプトン側も知っていたはずだとし、両社が互いに異なる主張を展開[75]。更に、ドワンゴから着うた配信されていた初音ミク楽曲の一部について作者との契約の無いまま配信が行われているとする疑惑などが浮上し、これらもあわせ両社がブログ上で食い違う主張を応酬する事態へと発展した。着うたの無断配信については、ドワンゴ、ドワンゴ・ミュージックパブリッシング、クリプトン、クリプトンよりドワンゴとの契約にあたる仲介業者として選定されていたフロンティアワークス、作詞作曲者の5者が絡み、それぞれに十分な意思疎通ができていなかった事が原因と見られている[76]。しかしながら、これら一連の騒動については最終的に双方の主張に食い違いを残したままそれまでの経緯を水に流す形で和解が行われており[77]、詳細については明らかになっていない。なお、「ニコニコニュース」については、和解の後にクリプトンとの応酬に係わるコメントが削除されている[78]

12月25日、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとクリプトンは一連の騒動に関する共同声明を発表。この件に関する経緯や事実関係に関して争わず、独自の主張をしないとした上で、今後初音ミク関連のコンテンツを新規に配信する場合には、制作者との契約を事前に締結し、締結が終わるまでは配信しないことを確認したとした[77]。また、権利関係についても、初音ミクで制作した楽曲データに関する権利(原盤権)はデータ制作者が、楽曲データに使われている楽曲の権利(出版権)は作詞・作曲者が持ち、権利行使代行会社を自らの意思により決定できること、ドワンゴ・ミュージックパブリッシングが初音ミクを使用して有名になった楽曲の管理を著作者に申し入れる際はJASRACだけでなくイーライセンス等他の著作権管理団体への信託、信託を行わないなどの複数の選択肢について著作者に説明し、著作者の意思を確認してどれを選ぶか決めることなどが示された[77]

この一連の騒動については創作者とそれを受け取るユーザーがはっきり線引きされていることを前提とした著作権処理の仕組みが、一般のユーザー同士で無償でコンテンツを利用し合うという状況に対応していなかったことに問題の原因があったとされている[79]。着うたの無断配信疑惑については、業界の慣行からは問題ないとされる契約書を交わす前に口頭での許諾で配信をはじめるといった手順が一般のユーザーの意識とずれていたことが行き違いの要因として挙げられている[80]。また騒動の背景として、嫌儲と呼ばれるコミュニティ上で育ったコンテンツで金儲けを行うことを嫌う傾向や、パブリックドメインクリエイティブ・コモンズに関する議論の影響があったことも指摘されている[80][81]。この騒動ではクリプトンがクリエイター寄りの立場として支持された一方、プロのやり方を貫くドワンゴ・ミュージックパブリッシングや、JASRAC(ただし、JASRACについては単に事務手続きを行っただけである)が批判され[80]、一時はニコニコ動画からzoomeへの初音ミクユーザーの流出も発生したが[82]、クリプトンとドワンゴ・ミュージックパブリッシングの間で比較的迅速に関係修復が図られたこともあり早期に秩序を回復し、その後も流行は拡大を続けることとなる[81]。また、この後にはネットでの流行に配慮した権利処理の仕組みづくりも進められている(詳細は初音ミクのメディア展開#ユーザーの楽曲の権利処理を参照)。

メディアミックス

年表

2007年

2008年

2009年

  • 3月 - 内閣府が発行している海外向けオンライン広報誌「Highlighting JAPAN」3月号の記事で、初音ミクが紹介される[91][92]
  • 3月4日 - 人気楽曲「メルト」などを収録したsupercellのアルバム『supercell』が発売。発売1週間目で5万6千枚を売り上げ[93]、オリコン週間チャートでは4位にランクイン、その後同年6月までに10万枚以上を出荷し日本レコード協会よりゴールドディスクに認定された[94]
  • 3月14日 - PSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』が同年7月2日に発売される事が正式発表される。
  • 4月9日 - クリプトン、NetVOCALOIDを用いた携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』(ミクうた)を開設。
  • 5月25日 - 志満秀とMM Agency、初の食品(菓子)系コラボ商品「瀬戸内発!初音ミクのネギ入りえびせん『みくせん』」を発売。
  • 6月4日 - クリプトン、キャラクターの非営利無償での利用を一般に許諾するライセンス「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を公開。
  • 7月2日 - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』が発売。
  • 7月7日 - 韓国版「スカッとゴルフ パンヤ」に初音ミクの衣装が登場[95]
  • 8月22日 - Animelo Summer Live 2009にアーティストとして出演。
  • 8月31日 - 初音ミク発売2周年を記念してライブイベント「ミクフェス '09(夏)」を東京のSTUDIO COASTで開催。
  • 9月10日 - PV製作支援ソフト「Dance×Mixer」の追加ダウンロードコンテンツの第一弾として、初音ミクのモデルを配信[96][97]
  • 10月6日 - Google社のウェブブラウザGoogle Chromeで初音ミクをあしらったスキンを公開[98]
  • 11月21日 - シンガポールで開かれたアニメフェスティバルアジア2009にてステージのスクリーンに映写し「海外初公演」[99]

2010年

  • 1月 - 2009年に開校した山口県にある広域通信制・単位制精華学園高等学校と、ピアプロとのコラボレーションとして行われた初音ミクを使った校歌公募企画で、応募作品「羽ばたける君へ」が同校の校歌に選ばれる[100]
  • 2月1日 - 『Studie GLAD Racing』に代わり新チーム『GOOD SMILE RACING with COX』を設立し2010年のSUPER GTへ初音ミクの痛車での参戦を発表[101]
  • 2月5日 - 第61回さっぽろ雪まつりにて初音ミクの雪像を初展示、雪まつり応援キャラクターとして作られた「雪ミク」グッズの販売なども行われる[102]
  • 3月9日 - 3月9日をミクの日と称し、ライブイベント「ミクの日感謝祭 39's Giving Day」を東京のZepp Tokyoで開催。
  • 4月9日 携帯電話用サイト『ミクと歌おう♪』にて『初音ミク・アペンド』を使った音声合成サービスの提供を開始[103]
  • 4月30日 - 追加音源『初音ミク・アペンド』を発売。
  • 5月11日 - 2011年3月に営業運転を始める東北新幹線の新型車両E5系使用列車の愛称募集で「はつね」が応募数で2位になる[104]。E5系のカラーリングが初音ミクを髣髴とさせるものであったことからネット上で「はつね」での応募を呼びかける動きが起こっていた[105]。なお、愛称には7位の「はやぶさ」が選ばれた。
  • 5月19日 - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』発売。発売1週間目で2万3千枚を売り上げ、5月31日付オリコン週間チャートにて初音ミク関連CDのみならず、ボーカルに音声合成ソフトを用いたアルバムとしては初となる週間1位を獲得[106][107]
  • 5月20日 - クリプトン携帯電話向けの育成型シミュレーションゲーム『初音ミク ボカロ×ライブ!』を開始。
  • 5月21日 - 搭載するアルミプレートに初音ミクのイラストと約14,000人の応援メッセージが印刷された、金星探査機「あかつき」がH-IIAロケットで打ち上げられた[108][109][110]
  • 7月29日 - セガよりPSP専用ゲームソフト『初音ミク -Project DIVA-』の続編となる『初音ミク -Project DIVA- 2nd』が発売。
  • 8月31日 - 同年3月9日に開催されたコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜」の模様を上映するフィルムコンサート「ミクの日感謝祭 39's Giving Day初音ミク・フィルムコンサート 〜ありがとう、初音ミクです。〜」を10カ所の劇場で同時開催[111]
  • 9月1日 - 同年3月9日のコンサートの模様を収録した『ミクの日感謝祭 39’s Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。〜』発売。Blu-ray Disc (BD) 版については発売1週間目で10,211枚を売り上げ、オリコンミュージックBDランキングで1位を獲得[112]
  • 12月20日 - クリプトン、着うたフルを配信する携帯電話用サイト「初音ミク ボカロサウンド」を開設[113]

2011年

2012年

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  • 2月6日 - 前年に続き第63回さっぽろ雪まつりで雪像展示、及びすすきの会場での氷像展示、「雪ミク」グッズ販売などを実施。
  • 2月7日 - さっぽろ雪まつりで、展示されていた「雪ミク」の雪像が崩れ、女性一人が腰の骨にひびが入る重症を負う事故が発生[122]。なお、雪像は安全のため構造を変更した上でまつり期間中の11日未明に再建された[123]
  • 3月8日
  • 3月9日 - 東京ドームシティホールにて、ライブイベント「初音ミクライブコンサート 最後のミクの日大感謝祭」を開催予定。

脚注

  1. ^ 図はミュージックシーケンサーなどに使われるピアノロールの例を図示したものであり、初音ミクの画面とは異なる。
  2. ^ 発売以前に開発過程で作られたベータ版ライブラリの音声がアルバム2009年8月発売の『Hatsune Miku Orchestra』、9月発売のDVD『BLACK★ROCK SHOOTER -PILOT Edition-』の収録曲に使用され[10][11]、「Dark」、「Soft」についてはデモ版のライブラリが「DTMマガジン」2010年1月号にて機能制限を付けた体験版として先行して提供されている[12]。「Light」については発売発表時点では存在が伏せられ、後にサプライズとして明らかにされた[13]
  3. ^ ただし、企業向けのみの提供ではあるが喋りに対応した合成エンジンのVOCALOID-flexで初音ミクのライブラリを使用することは可能[17]
  4. ^ アルファベット表記のキャラクター名が書かれている。ただし、初音ミクの公式の表記が「Hatsune Miku」であるのに対し、公式イラストでは「Hatune Miku」となっており[22]、「つ」の表記が異なっている。
  5. ^ ただし、左腕のパネルの表示にはDX100、スカートにTX816といったようにDX7以外の機種のデザインも取り入れていることを公式ブログのコメント上[25]で明らかにしている。
  6. ^ 企画段階では「「歌」が失われた近未来の世界で、歌う技術を持ったアンドロイド「初音ミク」が発見され、人々が歌うことの素晴らしさを知っていく……というストーリー的なもの[27]」が考えられていたという。
  7. ^ この削除は本項目の初版に公式サイトからの転載あるいは誤った引用形式による著作権上の問題が見られたためのもので、Wikipedia:削除の方針に従い2007年10月16日に削除依頼が提出された。これに対しクリプトン・フューチャー・メディア代表取締役である伊藤博之より10月18日付けのブログにおいて、ウィキペディア日本語版での記事内において公式サイトからのテキストを引用元を明示せずとも引用を許諾する旨が伝えられている[72]。 しかしながらGFDLでのライセンス面で懸念の声が寄せられ、10月19日、クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役伊藤博之の確認を得た上で記事の履歴を含めた全文が消去された。詳細についてはWikipedia:削除依頼/初音ミクを参照のこと。
  8. ^ ただし、2008年4月以降はニコニコ動画とJASRACの間で楽曲の利用に関する包括契約が結ばれたため、ニコニコ動画内での利用であればJASRACに信託されても二次利用への支障は無くなっている。

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関連項目

外部リンク

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