supercell

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supercell
出身地 日本の旗 日本
ジャンル J-POPロックエモ
アニメソングゲームソング
活動期間 2009年 -
レーベル Sony Records
SOULTAG・GT music
事務所 インクストゥエンター
公式サイト supercell Official Web
メンバー ryo 他

supercell(スーパーセル)は、コンポーザーryoを中心にイラストレーターデザイナーが集ったクリエイター集団である。メンバーにはボーカルはおらず、supercell名義で発表する楽曲については、ファーストアルバムでは音声合成ソフトの「初音ミク」をボーカルに用い、セカンドアルバムまでの楽曲ではnagiを、セカンドアルバムの後は、こゑだをゲストボーカルに迎えている[1]。所属芸能事務所は、インクストゥエンター。所属レコードレーベルは、Sony RecordsおよびSOULTAG・GT musicと、ソニー・ミュージックエンタテインメント系列のレーベルに同時在籍[注 1]

デビューに至る経緯

2007年12月7日、同年10月から動画共有サイトニコニコ動画にて「初音ミク」を用いた曲を発表していたryoが、自身の2作目のオリジナル楽曲「メルト[2]」を投稿する[3]。この動画は、その後約一年の間に300万回以上再生される大ヒット作となった[4]。ryoはこの動画内で壁紙サイトでフリーで配布されていると思われた119(ひけし)が描いたイラストを使用していた[3]。それを視聴者から動画に付けられたコメントで「許可取ってるの?」と指摘されたryoは、119に謝罪のメールを送ったが、そこで「メルト」を気に入った119と意気投合し、共に活動を始める[3][5]。これが、supercell結成の発端である。それをきっかけに、119と親交のあるイラストレーターが続々とsupercellに加入し、メジャーデビュー時点で総勢11人のグループとなっている[5]。なお後に、119は一時期自身の活動を停止し、同時にsupercellを脱退している。

ryoがボーカルに「初音ミク」を使用したのは、「当初知り合いに歌い手がいなかったから」「『初音ミク』に詳しい友達に薦められたから」ということで、ryoは「初音ミクを使うことありきではない」と語っている[5]。ニコニコ動画に楽曲を投稿したのは、ニコニコ動画が好きだったからで、また、レスポンスが期待出来ることや、初音ミクが一番流行っていたのがニコニコ動画だったことも理由としてあげている[5]

その後も、2008年2月22日に「恋は戦争[6]」、5月31日に「ワールドイズマイン[7]」、6月13日に「ブラック★ロックシューター[8]」がニコニコ動画に投稿され、いずれも100万回の再生数を記録する[4]。同年の「コミックマーケット74」では、これらの曲を収録した自主製作盤『supercell』をリリースし、完売した[9]

それを受け、ソニー・ミュージックエンタテインメントから一般流通のメジャーデビューアルバムとして『supercell』をリリースすることになったが、アルバムの発売が決定するまでには紆余曲折があった。まず、一般流通の世界に「初音ミク」という名前は辛うじて知っていても、「VOCALOIDや『ニコニコ動画』の文化が好きだ」というような人物がおらず、ryoは「実際そうなんだろうなとは思ってはいたものの、そういうの目の当たりにするとなんだか違うな、とおこがましくも思った」という[10]。そんな中、「知らないながらも理解しよう、尊重しよう」というスタッフに出会い、その人達がそのままメジャーデビューアルバムの発売に関する担当者となった[10]。ryoによる「JASRAC信託はしない」「全ての音源をリミックスする」といった一つ一つの要望が通ったのも、「担当者の尽力によるもの」とryoは語っている[10]

ボーカル

1stアルバム『supercell』までの楽曲ではすべてボーカルに音声合成ソフト初音ミクを用いている。また、1stアルバムより後では「初音ミク -Project DIVA- 2nd」のテーマソング「こっち向いてBaby」が、supercellではなくryo(supercell)名義でリリースされている。

1stシングルから2ndアルバムまでの楽曲では、ryoと交流があり、ニコニコ動画上で「ガゼル」として活動していたnagiをゲスト・ボーカルに迎えた。nagiのボーカルでは、シングル「君の知らない物語」「さよならメモリーズ」「うたかた花火/星が瞬くこんな夜に」と、2ndアルバム『Today Is A Beautiful Day』がリリースされている[注 2]

2ndアルバムより後の楽曲については、2011年5月から行われたオーディションにより、約2000名の応募者の中から選ばれた、こゑだがゲストボーカルを務めている[1]。ryoは自身のメルマガでこの新体制を「第三期supercell」と表現している。また、同じくオーディションで選ばれたchellyをTVアニメ「ギルティクラウン」のryoがプロデュースする劇中バンド「EGOIST」のボーカルに起用している。

また、ryoとしては他にも中川翔子KOTOKOらっぷびと・抹、ゴム、ClariSに楽曲提供を行っている。

作風

ryoは、アマチュア時代の2008年8月のインタビューで、作詞するうえで、「練らない」「初めに浮かんだ案をそのまま使う」ことを心掛けているといい、そもそも人が歌うことを想定した歌詞を書いていない[5]。これは、「人が歌うとなると、『恥ずかしい』『もう少し言い回しを考えよう』といった余計な装飾が入ってしまう」からであり、「機械に歌わせるからこそ、ともすれば恥ずかしい歌詞を躊躇なしに書ける」と語っている[5]

ニコニコ動画では、投稿された楽曲を別の人が歌唱する、いわゆる「歌ってみた」と呼ばれる動画も多数あり、supercellの楽曲にも多くの派生動画が存在する[11]。これについては、「営利目的でないならば、何でもやってくれ、使ってくれというのがsupercellの正直な気持ち」「そうやっていろいろ使ってもらえることがクリエイターとしての誉れ」と、特に制約を設けていない[5]

メンバー

メンバーは中心となる楽曲制作のryoに加え多数のイラストレーターやデザイナーらで構成される[12]。前述の通りボーカルはゲスト扱いでメンバーには含まれない。

  • ryo - 作詞、作曲、製作
  • 三輪士郎 - イラスト
  • huke - イラスト
  • redjuice - イラスト、デザイン
  • スガ - イラスト
  • マクー - イラスト、動画
  • 宇佐義大 - デザイン
  • 丙8郎 - サポート
  • guitar - サポート
  • crow - サポート
  • golv - サポート

来歴

ディスコグラフィ

シングル

発売日 タイトル ボーカル 最高位 規格品番
通常盤 限定盤
1st 2009年8月12日 君の知らない物語 nagi 5位 SRCL-7081 SRCL-7079/80
2nd 2010年2月10日 さよならメモリーズ 7位 SRCL-7203 SRCL-7201/02
3rd 2010年8月25日 うたかた花火/星が瞬くこんな夜に 9位 SRCL-7333 SRCL-7331/32
4th 2011年11月23日 My Dearest こゑだ 10位 SRCL-7795 SRCL-7793/94
5th 2012年3月7日 告白/僕らのあしあと 8位 SRCL-7885 SRCL-7881/82
僕らのあしあと/告白 SRCL-7886 SRCL-7883/84
6th 2012年12月19日 銀色飛行船 11位 SRCL-8194 SRCL-8190/91 (A)
SRCL-8192/93 (B)
7th 2013年3月13日 The Bravery SRCL-8245 SRCL-8241/42 (A)
SRCL-8243/44 (B)
8th 2013年6月12日 拍手喝采歌合 9位 SRCL-8284 SRCL-8280/81 (A)
SRCL-8282/83 (B)

アルバム

発売日 タイトル ボーカル 最高位 規格品番
通常盤 限定盤
1st 2009年3月4日 supercell 初音ミク 4位 MHCL-1496/97 MHCL-1493〜95
2nd 2011年3月16日 Today Is A Beautiful Day nagi 3位 SRCL-7488 SRCL-7486/87
3rd 2013年11月27日 ZIGAEXPERIENTIA こゑだ 7位 SRCL-8416 SRCL-8410〜12 (A)
SRCL-8413〜15 (B)

自主制作

シングル

発売日 タイトル ボーカル
2008年8月16日 メルト 初音ミク
2008年12月29日 初めての恋が終わる時

アルバム

発売日 タイトル ボーカル
2008年8月16日 supercell 初音ミク

ryo名義

シングル

発売日 タイトル ボーカル 最高位 規格品番
通常盤 限定盤
2010年7月14日 こっち向いて Baby 初音ミク 9位 MHCL-1780/81 MHCL-1777〜79
2011年8月31日 積乱雲グラフィティ 19位 MHCL-1957
2012年8月29日 ODDS&ENDS 14位 MHCL-2133 MHCL-2127〜29 (A)
MHCL-2130〜32 (B)
2015年5月20日 Great Distance chelly 18位 SRCL-8814 SRCL-8810/1 (A)
SRCL-8812/3 (B)

プロデュースアーティスト

楽曲提供アーティスト

関連作品

タイアップ

曲名 タイアップ ボーカル
ブラック★ロックシューター TVアニメ『ブラック★ロックシューター』オープニングテーマ 初音ミク
君の知らない物語 TVアニメ『化物語』エンディングテーマ nagi
LOVE & ROLL アニメ映画『センコロール』主題歌
One day OVA『ブラック★ロックシューター』劇伴曲
うたかた花火 TVアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』エンディングテーマ
星が瞬くこんな夜に PCゲーム『魔法使いの夜』エンディングテーマ
ヒーロー 集英社ヤングジャンプ増刊『アオハル』テーマソング
My Dearest TVアニメ『ギルティクラウン』前期オープニングテーマ こゑだ
告白 TVアニメ『ギルティクラウン』後期エンディングテーマ
僕らのあしあと TVアニメ『ブラック★ロックシューター』エンディングテーマ
銀色飛行船 アニメ映画『ねらわれた学園』オープニングテーマ
The Bravery TVアニメ『マギ』エンディングテーマ
拍手喝采歌合 TVアニメ『刀語』 (ノイタミナ版) オープニングテーマ
Yeah Oh Ahhh Oh! 学校法人モード学園専門学校 HAL(東京・大阪・名古屋)』CMソング
ryo名義
積乱雲グラフィティ PSPゲーム『初音ミク -Project DIVA- extend』イメージソング 初音ミク
こっち向いてBaby PSPゲーム『初音ミク -Project DIVA- 2nd』イメージソング
ODDS&ENDS PSVitaゲーム『初音ミク -Project DIVA- f』オープニングテーマ
Great Distance ニンテンドー3DSゲーム『ブレイブリーセカンド』オープニングテーマ chelly
Last Song ニンテンドー3DSゲーム『ブレイブリーセカンド』エンディングテーマ

脚注

注釈

  1. ^ 基本的には前者でVOCALOID楽曲が後者。
  2. ^ nagiは2012年にやなぎなぎとしてソロデビュー。

出典

  1. ^ a b “supercell、新ボーカリストは福岡出身15歳の新星こゑだ”. ナタリー. (2011年9月9日). http://natalie.mu/music/news/56304 2011年9月10日閲覧。 
  2. ^ 初音ミク が オリジナル曲を歌ってくれたよ「メルト」”. ニコニコ動画. ニワンゴ (2007年12月7日). 2013年7月20日閲覧。
  3. ^ a b c 「ボカロPサクセスストーリー Vol.1 「supercell/ryo」」、『ボカロPライフ』2011年10月14日号、学研マーケティング2011年8月31日、 27-32頁。
  4. ^ a b “2008年最大のヒット作品が、遂にCD化”. BARKS (ITmedia). (2009年1月4日). http://www.barks.jp/news/?id=1000046108&ref=rss 2011年9月10日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g 『流行りモノ調査隊 第54回 話題のネットスター PART2』 PAGE:2 - RANKING NEWS” (日本語) (2008年8月5日). 2010年9月10日閲覧。
  6. ^ 初音ミク が オリジナル曲を歌ってくれたよ「恋は戦争」”. ニコニコ動画. ニワンゴ (2008年2月22日). 2013年7月20日閲覧。
  7. ^ 初音ミク が オリジナル曲を歌ってくれたよ「ワールドイズマイン」”. ニコニコ動画. ニワンゴ. 2013年7月20日閲覧。
  8. ^ 初音ミクがオリジナルを歌ってくれたよ「ブラック★ロックシューター」”. ニコニコ動画. ニワンゴ (2008年6月13日). 2013年7月20日閲覧。
  9. ^ supercell supercell feat.初音ミク :: 1st Album "supercell" Special WEB - About supercell” (日本語). 2009年3月6日閲覧。
  10. ^ a b c ryo (2008年12月25日). “supercell web - supercell” (日本語). 2009年3月6日閲覧。
  11. ^ 『流行りモノ調査隊 第54回 話題のネットスター PART2』 PAGE:1 - RANKING NEWS” (日本語) (2008年8月5日). 2009年3月6日閲覧。
  12. ^ about supercellについて” (日本語) (2009年8月15日). 2009年8月15日閲覧。

外部リンク