英語圏
英語圏(えいごけん、英: English-speaking world, Anglosphere)は、公用語や国語に英語が定められている、もしくはそこに住む人々の主に話す言語が英語である国・地域の総称。かつてイギリスの植民地であった地域が、英語圏になっている場合が多い。英語は、世界約80カ国以上で話されている。
国の公用語が英語であることは、国民や地域住民の過半数が英語を第一言語とする、もしくは英語を話す能力を備えていることを必ずしも意味しない。例えば、ジンバブエでは国民の大半がショナ語もしくは北ンデベレ語を日常会話に用いる。世界の英語話者(第一言語として)の3分の2が集中するアメリカ合衆国では、憲法の規定としての公用語は存在していないが、事実上、英語の占める位置が圧倒的に優勢であるため、英語圏とみなされている。
英語が公用語・国語の地位にある国・地域
ヨーロッパ
国と国家連合
- イギリス(イングランドではコーンウォール語も公用語。ウェールズではウェールズ語も公用語。スコットランドではスコットランド・ゲール語、スコットランド語も公用語。北アイルランドではアイルランド語、アルスター・スコットランド語も公用語。)
- アイルランド(アイルランド語が第一公用語。英語は第二公用語。ただし事実上、英語が優勢)
- マルタ(マルタ語と英語が公用語)
- 欧州連合(英語も含めて加盟国の26言語が公用語。詳細は欧州連合の言語を参照)
イギリス自治領
北アメリカ
- アメリカ合衆国(公式な国の公用語はないが、国民の大部分の第一言語である英語が事実上の公用語。国民の1割はスペイン語話者。30の州においては、英語が公用語であると法律に定められている[1]。ニューメキシコ州ではスペイン語、ハワイ州ではハワイ語、ルイジアナ州ではフランス語も公用語)
- カナダ(ケベック州では唯一、フランス語だけが公用語、ニューブランズウィック州ではフランス語も公用語)
中央アメリカ
国
地域
- アメリカ領ヴァージン諸島(アメリカ自治領)
- アンギラ(イギリス自治領)
- イギリス領ヴァージン諸島(イギリス自治領)
- ケイマン諸島(イギリス自治領)
- タークス・カイコス諸島(イギリス自治領)
- モントセラト(イギリス自治領)
南アメリカ
アジア
国
- インド(準公用語)(ヒンディー語が国家(連邦レベル)の公用語で、各州の公用語にアッサム語・ウルドゥー語・オリヤー語・カンナダ語・グジャラート語・シンド語・タミル語・テルグ語・パンジャービー語・ベンガル語・マラーティー語・マラーヤラム語などがある)
- シンガポール(英語、中国語、マレー語、タミル語が公用語。国語はマレー語)
- スリランカ(シンハラ語とタミル語が公用語。英語は準公用語)
- パキスタン(ウルドゥー語が国語。英語が公用語)[2]
- フィリピン(フィリピノ語が国語。フィリピノ語と英語が公用語)[3]
地域
- 北マリアナ諸島(主要言語はカロライナ語・チャモロ語)(アメリカ自治領)
- グアム(主要言語はチャモロ語)(アメリカ自治領)
- クリスマス島(主要言語は英語のほか、中国語、マレー語)(オーストラリア自治領)
- ココス諸島(主要言語は英語のほか、マレー語)(オーストラリア自治領)
- 香港(英語と広東語が公用語)
アフリカ
- ウガンダ
- ガーナ
- カメルーン(フランス語と英語が公用語)[4]
- ガンビア
- ケニア(スワヒリ語と英語が公用語)
- ザンビア
- シエラレオネ
- ジンバブエ
- エスワティニ(スワジ語と英語が公用語)
- セーシェル(フランス語と英語が公用語)
- タンザニア(スワヒリ語が国語。英語が公用語)[5]
- ナイジェリア
- ナミビア
- ボツワナ(公用語は英語。国語はツワナ語)
- マダガスカル(マダガスカル語、フランス語。英語は2007年~2010年まで公用語であったが、2010年に除外された。)[6]
- マラウイ(公用語は英語。国語はチェワ語。他にトゥンブカ語)
- 南アフリカ共和国(英語、アフリカーンス語、コーサ語、スワティ語、ズール語、ツォンガ語、ツワナ語、ベンダ語、南ンデベレ語、南ソト語、北ソト語が公用語)
- 南スーダン
- スーダン(英語も公用語だが、アラビア語が主流。)
- モーリシャス(英語が公用語。ただし、クレオール語、フランス語の方が優勢)
- リベリア
- ルワンダ(ルワンダ語、フランス語、英語が公用語)
- レソト(英語が公用語。主要言語は南ソト語)
オセアニア
国
- オーストラリア
- キリバス(キリバス語と英語が公用語)[7]
- サモア(サモア語と英語が公用語)[8]
- ソロモン諸島(英語が公用語。ピジン英語が共通語)[9]
- ツバル(公用語)
- トンガ(主要言語はトンガ語)
- ナウル(公用語はナウル語)
- ニュージーランド(国語)(公用語)(マオリ語も公用語)
- バヌアツ(ビシュラマ語(ピジン英語)、英語、フランス語が公用語)[10]
- パプアニューギニア(公用語)(共通語はピジン英語)
- パラオ(パラオ語と英語が公用語)
- フィジー(公用語)(主要言語はフィジー語・フィジー・ヒンダスタニー語)
- マーシャル諸島(マーシャル語と英語が公用語)
- ミクロネシア(公用語)(主要言語はコスラエ語・チューク語・ポンペイ語・ヤップ語)
地域
- アメリカ領サモア(共通語)(アメリカ自治領)
- クック諸島(公用語)(ニュージーランド自治領)
- トケラウ(ニュージーランド自治領)
- ニウエ(ニュージーランド自治領)
- ノーフォーク島(共通語)(公用語)(オーストラリア自治領)
- ピトケアン諸島(共通語)(公用語)(イギリス自治領)
大西洋地域
脚注
- ^ http://www.us-english.org/inc/official/states.asp U.S. ENGLISH, Inc. Towards a United America
- ^ 各国・地域情勢 国名:パキスタン・イスラム共和国(Islamic Republic of Pakistan)2010年3月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:フィリピン共和国(Republic of the Philippines)2010年8月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:カメルーン共和国(Republic of Cameroon)2010年5月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:タンザニア連合共和国(United Republic of Tanzania)2010年9月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:マダガスカル共和国(Republic of Madagascar)2010年8月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:キリバス共和国(Republic of Kiribati)2010年7月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:サモア独立国(Independent State of Samoa)2010年8月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:ソロモン諸島(Solomon Islands)2010年9月現在 外務省
- ^ 各国・地域情勢 国名:バヌアツ共和国(Republic of Vanuatu)2009年12月現在 外務省