まるか食品

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まるか食品株式会社
MARUKA FOODS Corporation
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
372-8505
群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1
設立 1964年昭和39年)3月
(創業:1929年(昭和4年)5月
業種 食料品
法人番号 8070001013755 ウィキデータを編集
事業内容 即席麺の製造・販売
不動産賃貸業
代表者 代表取締役社長:丸橋 嘉一
資本金 4,000万円
従業員数 135名[1]
主要子会社 まるか商事株式会社
三和販売株式会社
株式会社ペヤング
株式会社丸善開発
外部リンク http://www.peyoung.co.jp/
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まるか食品株式会社(まるかしょくひん)は、群馬県伊勢崎市に本社を置く食品メーカー。東日本を中心に長年販売されている「ペヤングソースやきそば」の製造・販売元。

「まるか食品」という社名は、創業者の丸橋嘉蔵の姓と名を1字ずつ取って、丸嘉→まるか、と名付けられた。同名企業として海産珍味およびスナック類の製造販売を行うまるか食品(本社:広島県尾道市)があるが、本項のまるか食品とは全くの無関係である。

沿革

  • 1929年(昭和4年)5月 - 伊勢崎市川久保町で前身となる乾麺類の製造販売を営む。
  • 1962年(昭和37年)
    • 4月 - 「有限会社丸橋製麺工場」を設立。
    • 10月 - インスタントラーメンの製造を開始。
  • 1964年(昭和39年)3月 - 「まるか食品株式会社」を設立。
  • 1969年(昭和44年)1月 - 「有限会社丸橋製麺工場」と「まるか食品株式会社」を合併「まるか食品株式会社」となる。
  • 1973年(昭和48年)7月 - 製造を開始。「ペヤングヌードル」を発売。
  • 1975年(昭和50年)3月 - 業界初の四角い容器のカップめん「ペヤングソースやきそば」を発売する。
  • 1986年(昭和61年)1月 - 東京都台東区上野に「まるか商事株式会社」東京営業所を開設。
  • 1989年(平成元年)7月 - 「有限会社エムケイ流通」を設立。
  • 1990年(平成2年)
    • 3月 - 「株式会社ペヤング」を設立。
    • 6月 - 「株式会社丸善開発」を設立。
  • 1997年(平成9年)12月 - 「株式会社丸善商事」と「株式会社丸善開発」を合併「株式会社丸善開発」となる。
    • 「株式会社新興パック」と「まるか食品株式会社」を合併「まるか食品株式会社」となる。
    • 「株式会社エムケイ流通」と「まるか商事株式会社」を合併「まるか商事株式会社」となる。
  • 2002年(平成14年)10月 - 日本食糧新聞社より食品産業功労賞を受賞[2]
  • 2008年(平成20年)
    • 3月 - 「まるか食品株式会社」と「ペヤングソースやきそば」のWEBサイトを開設。
    • 5月 - 大阪市城東区に「まるか商事株式会社」大阪営業所を開設。
  • 2009年(平成21年)
    • 1月 - 「ペヤング」女子ソフトボール部設立。
    • 11月 - 「ペヤング」女子ソフトボールクラブ 2010年度日本女子ソフトボール2部リーグへの昇格が決定。
  • 2010年(平成22年)
    • 「ペヤング ソフトボールクラブ」日本女子ソフトボール1部リーグ昇格。
  • 2014年(平成26年)
    • 12月2日 - ペヤングの商品の一部に虫の死骸が混入している疑惑が浮上。当初は安全管理に不備はないと、この疑惑を否定した。
    • 12月11日 - その後の保健所の調査の結果、製造段階で虫が入り込んでいた可能性が高まる。最終的には、同日付で本社工場・赤堀工場での生産を停止し、全商品を翌年2月までをめどに販売を自粛することを発表した(詳細は後述)。
  • 2015年(平成27年)
    • 6月8日 - 「ペヤングソースやきそば」の販売が関東1都6県で再開された[3]。全国での販売再開は7月上旬から中旬[4]。超大盛りは、2015年秋頃の予定[5]
    • 11月 - 「ペヤング ソフトボールクラブ」廃部

事業所・工場

本社工場
群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1
赤堀工場
群馬県伊勢崎市下触町1101-1

女子ソフトボール部

2009年(平成21年)1月、創業以来初の社内クラブ活動となる女子ソフトボール部を結成。チーム名は、同社のブランド名を冠した「ペヤング ソフトボールクラブ」で、2010年(平成22年)度の日本ソフトボールリーグ1部昇格を確定させた。

しかし、生産多忙による影響で多数の選手が退団してチーム構成が難しくなり活動休止となっており、2015年11月に来季の1部リーグ参戦を断念・廃部することが明らかになった[6]

商品

2010年代まではわかめラーメン、ワンタンうどんなどさまざまなアイテムを展開していたが、同業大手である日清食品東洋水産などに押され、近年は主力の「ソースやきそば」に注力しており、その他の定番商材は「ペヤングヌードル」と、その派生商品程度となっている。ただし散発的に、過去のヒット商品を復刻することがある。

ペヤングブランド

商品のブランド『ペヤング』は1973年(昭和48年)7月に発売開始[7]となった「ペヤングヌードル」から使用開始[8]。語源は「ペア+ヤング」で、当時カップ麺袋麺と比べ高価でファッション要素が強い食品であったことから、カップ麺を高いと感じた若いカップルには2人で1つのものを仲良く食べて欲しいという願いから[9]である(後述の9代目文楽が、2015年に行われたインタビュー取材で「ペヤングの名は自分が考案した」という趣旨の主張をしているが、真偽は定かでない[10])。

  • ペヤングソースやきそば(まるか食品の主力商品である)
    • 標準 - 商品パッケージには「Big」の表記がある。この由来は、カップ焼きそばが発売された当初の麺重量は60〜65グラムが主流だったのに対し、業界初の試みとして麺重量を90グラムで発売した[要出典]ことによるもの。これに他社も追従し[要出典]レギュラーサイズでこの麺重量が主流となり定着した[要出典]エネルギーは544kcal(2015年6月現在)。
    • 大盛 - 2008年(平成20年)より、他社製品と同じくフィルムのフタのものにリニューアルした。エネルギーは746kcal。
    • 超大盛(標準サイズ2個分に相当) - 2004年(平成16年)8月発売開始[11]。エネルギーは1,099kcal
      ペヤング超大盛やきそば
      (2015年11月以降の商品は1,081kcal)
  • ペヤング超大盛やきそば ハーフ&ハーフ
  • ペヤング 激辛焼きそば
  • ペヤング 新和風焼き蕎麦
    • しょうゆ
  • ペヤング ナポリやんやきそば
  • ペヤング ポテトやきそば
  • ペヤングヌードル
    • 醤油
  • ペヤングネギみそヌードル
  • ペヤング豚骨ヌードル
  • ペヤングにんにくカレーヌードル

ペヨングブランド

  • ペヨング ソースやきそば
    2016年3月発売開始。同月時点では東日本地区のみでの販売(西日本地区は3月28日発売開始予定であったが延期された[12])。
    「ペヤング ソースやきそば」と比べ、麺の量が80gと少なくなり、かやくから肉が省略されている他、定価を設定していない(オープン価格[13]。「ペヤング」と1字違いのため模倣品と間違えられることもあるが、「ペヨング」はまるか食品が商標登録を出願中である[14]

過去に存在した商品

  • ペヤングソースやきそば
    • パーティーサイズ - 1989年頃に発売された。現在の超大盛サイズよりも5グラム多く、箸が二膳ついていた。外部リンク参照。
    • 広東風(大盛)
    • 四川風(大盛)
    • ミニ
    • からしマヨネーズ 大盛 - 発売当初は標準サイズで発売されていたが一時販売を休止。2008年(平成20年)7月に大盛サイズとして再発売。ソースの味はオリジナルのペヤングソースやきそばよりも濃厚で、ケンコーマヨネーズ製の特製からしマヨネーズが添付されている。
  • ペヤング チョイ!辛やきそば - ペヤングソースやきそばの兄弟品である。
    • 標準
    • 大盛
  • ペヤング ジャージャー焼きそば(大盛のみ)
  • ペヤング のり塩ポテトやきそば
  • ペヤング スープやきそば - お湯捨て不要の、スープで食べるカップ焼きそば。甘口ソースがスープの役目を果たす。
  • ペヤング ネギ塩ヤキソバ - ファミリーマート初音ミクのコラボ商品。パイパンPの楽曲「ペヤングだばあ」をモチーフとした商品。ただし、容器の関係上「NOだばあ」の表記がある[15]
  • ペヤング 濃厚ソースやきそば ヴァンガード(大盛のみ) - カードファイト!! ヴァンガードとのコラボ商品。ペヤング完全限定カード2種を含む全4種のカードの内の1枚のカードが添付されている。
  • ペヤング 牛たん塩やきそば(大盛)
  • ペヤング たらこやきそば
    • たらこソース
  • ペヤング ペペロンチーノ風やきそば - 2013年7月8日よりコンビニエンスストア先行(一部除く)にて販売開始
    • ペペロンチーノ風ソース
  • ペヤング亭
    • しょうゆらあめん
    • しおラーメン
  • ペヤングヌードル
    • カレー
    • とんこつ
  • ペヤング 超大盛らあめん
    • 醤油
    • 味噌
  • ペヤング コクうま! ワンタンメン
  • ペヤング わかめラーメン - しょうゆ味、みそ味。バーで客が「お湯割り!」とバーテンダーに声をかける内容のテレビCMを展開。現在発売中のMARUKAわかめラーメン、MARUKAみそわかめラーメンとは別の商品である。
  • ペヤング 塩やきそば
  • ペヤング 餃子ラーメン
  • ペヤング ラーメンライス
    • カップラーメン+フリーズドライのお茶漬け - カップラーメンとお茶漬けがセットとなった商品。一時、期間限定で復刻版として登場することもある。
    • ペヤングラーメンチャーハン(カップラーメンとチャーハン風フリーズドライ米飯加工品)
      なお、ペヤングラーメンライスの「カップラーメン+フリーズドライのお茶漬け」と「ペヤングラーメンチャーハン」については、西日本でも一時的に販売された。試験販売と推察される。
  • ペヤング やきそば&ワンタン - 期間限定で復刻版の時期あり。
  • しっぽくうどん - 丼形カップのしっぽくうどんで、2007年(平成19年)に関東地方の一部の百貨店で販売された例がある。
  • ペヤング グルメイン
  • ペヤング チョイ!辛ラーメン
    • 醤油
    • 味噌
  • ペヤング 激辛ラーメン
    • 醤油
    • 味噌
  • ペヤング 野菜ラーメン
    • 醤油
    • 味噌
  • ペヤング 麺太
    • 醤油
    • 味噌
  • ペヤング 中華スープワンタン(旧・ペヤング ワンタン)
    • 標準
    • 3個パック
    • スープワンタンバラエティーパック
  • ペヤング ふる里うどん - 冬季限定。幅広麺を使用。
    • しょうゆ
    • みそ
    • しお
  • ペヤングふる里そば - 冬季限定。ペヤングとしては年越しそば関連商品は現在発売してない。
  • ペヤング 味の大関 - 1960年代に袋入り即席ラーメンとして発売されていたシリーズをカップ麺として再発売。
    復刻版「味の大関」
    具がきざみネギだけのラーメンで、しょうゆ・みそは『復刻版』の表記を付けている。
    • しょうゆ
    • みそ
    • しお
    • とんこつ

MARUKAブランド

ディスカウント用のロープライスブランド。すべてオープンプライス商品である。

  • MARUKAわかめラーメン(醤油)
  • MARUKAわかめみそラーメン
  • MARUKAわかめうどん - ただし、スープとかやくの袋には「ペヤング」の文字がある。
  • MARUKA麺乱
    • しょうゆ
    • みそ
    • しお
  • MARUKAソースやきそば - ペヤングソースやきそばの廉価版。
  • MARUKA塩やきそば

ペヤングソースやきそば

ペヤングソースやきそばの旧パッケージ。

概要

ペヤングソースやきそば」は1975年(昭和50年)3月[7]カップ焼きそばとして発売開始。「日清焼そばU.F.O.」(日清食品)、「マルちゃんやきそば弁当」(東洋水産)とともにカップ焼きそばのロングセラー商品である。企業名の「まるか食品」よりも、この「ペヤング」ブランドは主力販売地域内で高い知名度を誇る。

名称は、1973年(昭和48年)7月に誕生した[8]「ペヤング」ブランド(後述参照)のソース焼きそばであることから[9][16]

カップ焼きそばとして初めて四角形のパッケージを使用している。理由として、当時主流だった円形パッケージを使用した他社の真似はしたくないという差別化と、「屋台の焼きそば」で使用されていた容器からの発想によるものである[9]。販売休止(後述)以前は容器・蓋ともにプラスチック製で、端部のツメを上げて湯切り口を作る方式の上載せ式の蓋であったが、販売再開にあたり、異物混入防止策の一環として、密着性を高くするため容器は発泡スチロール製に、蓋はアルミシール式に改められ、従来のデザインに準じた外装フィルムで覆っている。

希望小売価格は、長らく155円(税抜)だったが、小麦価格の引き上げに伴い2008年(平成20年)1月より170円(税抜)へ改定された。

味付けは発売開始以降一切変えておらず、ウスターソースは液体状で他社と違いあっさりした「まろやかソース」を使用し、そのソースを吸収しやすいように小麦の配合を工夫した麺を採用している[17]。この液体ソースを業界で初めて開発したのは、まるか食品である(それまでのカップ焼きそばは、全て「粉末ソース」であった)。また麺は具材を絡みやすくするために従来とは反対に粗い方の面を上にして容器に入っている[18]

販売地域については、長らく東日本地域、具体的には静岡県から青森県までの範囲を中心に販売されてきたが、2008年(平成20年)、大阪府大阪市城東区に関連会社の「まるか商事大阪営業所」を開設して以降、西日本地区での販路拡大を図っており、2015年(平成27年)6月時点では近畿圏のテレビ局でも「ペヤング」CMが放送されている。北海道エリアでは、昭和時代に通常販売していたが、販売不振を理由にドンキホーテジャパンミートといった大手小売店の限定販売となった。仕入れの関係でこれらの2社では販売が成立している。が、しかし2014年末に起こった異物混入事件により、北海道エリアでは2015年5月現在、販売休止状態である。

メディア

CM

  • 桂小益(現在の9代目桂文楽)は、17年間CMキャラクターを務めた。
    • 2代目社長である丸橋善一は、CMを制作するにあたって「四角い顔」のタレントの起用を第一条件にあげており[18]、小益は、当時の人気番組『末廣演芸会』の大喜利「末広珍芸シリーズ」で四角い顔を売り物にしていた。
    • 最初のCMは、小益による「四角くって食べやすい。気が利いてるよな。」「ビッグだよ! ペヤングソースやきそば。」というもの。
    • 続くバージョンは、小益が扮する焼そば屋台の店主とランニング中に通りかかった柔道部員たちによる「どうだい味は?」「まろやか〜」「もう一丁いく〜?」「おっす!」というやりとり。
  • 1987年(昭和62年)には林家こん平出演バージョンも放送された。
  • 1992年(平成4年)から立川志の輔が起用され、その後山田隆夫との共演スタイルが長年続いている。
  • 2007年(平成19年)4月には、映画『パッチギ! LOVE&PEACE』のタイアップで映画監督の井筒和幸が起用され、「ダテに長いことやってまへんで」のキャッチコピーで「座り込み編」と「長続き編」が放送された。
  • 2009年(平成21年)9月からのCMは、ペヤングソフトボールクラブの選手と志の輔・山田の共演バージョンが放送されている。
  • 2013年(平成25年)10月に発売が開始された「ペヤングソースやきそば ハーフ&ハーフ」には、タレントでコラムニストのマツコ・デラックスが出演、「超大盛」のCMにも出演している。CM出演前の2012年にマツコの出演している「月曜から夜ふかし」で、激辛ペヤングが紹介されている。

主なスポンサー番組(終了した番組も含む)

※スポンサークレジットは「ペヤングソースやきそば」

現在
過去

タイアップ

  • 2006年(平成18年)5月16日にTBSで放映されたバラエティ番組『リンカーン』内で、「5月11日に誕生日を迎えた浜田雅功に、大好物であるペヤングを浜田に食べてもらおう」という企画を行い、通常サイズのペヤングソースやきそば1200食分を使用した「超巨大ペヤング」の作製に出演者が挑戦した。湯切りの工程で悪戦苦闘するも、試行錯誤を経て見事成功した。番組放送終了後、その反響から翌月売り上げが2割増加し、まるか食品本社の社員食堂では、その番組を放映した。
  • 2007年(平成19年)8月頃から、映画『ワルボロ』とタイアップした限定パッケージの「ペヤングソースやきそば超大盛」が発売されている。パッケージには「選ぶんだったら超大盛!「ハンパしない」が<ワルボロ流>!!」というキャッチフレーズが書かれている。
  • 2012年 (平成24年) 8月14日から、『ファミリーマート×初音ミクキャンペーン』限定商品として、「ネギ塩やきそば」が発売されている。これは初音ミクが唄った楽曲「ペヤングだばぁ」にちなんだ商品であり、パッケージがカップに熱溶着されたフタとシュリンクラップでできているため、通常のペヤングソースやきそばに比べて、湯切りの際に麺がカップからこぼれ落ちてしまうアクシデント(これをだばぁと称した)が少ないとされる。2015年6月8日から発売された新容器は大きく改良され、湯切りの際に麺がカップからこぼれ落ちてしまうアクシデント(だばぁ)が少なくなっている。
  • おやつカンパニー三重県津市)とのコラボレーションにより「ベビースタードデカイラーメン ペヤングソースやきそば味」を販売している。

エピソード

  • 6代目三遊亭圓楽は「ペヤングソースやきそば」が大好物。山田隆夫に頼み込んで、段ボール単位でもらっている[19]
  • ジャンプ放送局で局員を務めていた榎本一夫も「ペヤングソースやきそば」が大好物。標準サイズの入れ物の大きさや重さ、値段を基準とした“ペヤング算”を考案(ネタ)して紙面で披露していたほどである[要出典]
  • 埼玉西武ライオンズ坂田遼はペヤングソースやきそばが大好物である[20]。ただし、カロリー制限などの事情により、現在はホームランを打った時のご褒美に食べるようにしている[要出典]
  • ダイヤモンド社が“ペヤングファンは販売休止中も他の焼きそばに「浮気」をしなかったのか?”と題してまとめた調査では、浮気にあたる「競合他社の製品への乗り換え」はほとんどみられなかったという[21]

異物混入と自主回収

SNSでの指摘と対応

2014年(平成26年)12月2日、購入客が「ペヤングからゴキブリ出てきた」というメッセージと、油揚げ麺の内部にゴキブリとみられる虫が入り込んでいる画像をツイッターに投稿した。12月3日、まるか食品の担当者はJ-CASTニュースの取材に対して、「製造過程で虫が混入するなんてありえない」「虫が混入していたという苦情も初めて」と話したとされるが、そのことが公開されると同ニュースサイトには、複数の消費者から「過去に同様の苦情を入れたことがある」との意見があったという。同日夜に行われた群馬県伊勢崎保健所による本社工場への立ち入り調査を経て、翌12月4日、同担当者は再度の取材で消費者からの意見の真偽を問われると、「『初めて』というのは虫の混入全般を指したものではないので、訂正してもらいたい。今回のような大きな虫が麺に混入しているという苦情は初めてということで、小さな虫の苦情は過去にも何件かあった」と説明し、それ以上の明言を避けたという[22]。同日、他に主要メディアが報じたところによれば、同社は「異物検査をしており、製造工程での混入は考えられない」としながらも、11月10日製造の当該製品「ペヤング ハーフ&ハーフ激辛やきそば」と同日中に同じラインで製造された「ペヤング ハーフ&ハーフカレーやきそば」の自主回収を実施した[23][24][25]

12月11日、問題の商品を外部機関により分析した結果、虫に過熱の形跡が確認されたため、同社は「製造過程での混入の可能性が否定できない」と改め、本社工場・赤堀工場での生産を停止し、ペヤング全商品を販売休止とした[25][26][27]

12月12日には、同社を通じて外部機関による検査結果をメディアが改めて報じ、混入していた異物は雌のクロゴキブリの成虫で、体内酵素「カタラーゼ」の働きが失われており、加熱されていたことが判明するが[28][29]、虫に付着していた油が工場使用のものと同一かは、検体が小さいことから確認できないとした[29][30]。また工場内に設置された約30台の監視カメラの映像を確認した結果、何者かが意図的に混入した可能性を否定している。なお、同社は自主回収が発生した際に、その費用を手当てするための「リコール保険」に加入していないこともわかった[29][31]。一方で、同社の担当者は産経新聞の取材に対し、「油の一致がわからない以上、製造過程での混入を断言できない。第三者が虫を加熱死させ、製造後の商品へ意図的に混入した可能性もある」と話している[32]。一連の異物混入事案に対する同社の対応には「食の安全への認識が甘い」と全国から非難が殺到[31]する中で、広島県の同名企業が同社との関係を誤解される事態に発展し、広島県の同名企業は急遽ホームページ上で「群馬県のまるか食品株式会社」とは無関係である旨の告知を行った[33]

虫が混入した製品を発見して投稿した購入客は、そのあと同社とのやり取りの経緯をツイッターに投稿し「結果がでるまで元のtweetを消しておいてほしいとのことですので一時的に、削除させていただきます」として、投稿した画像を削除した。この購入客の一連の処置について、ツイッター上では称賛し応援する声の方が圧倒的に多かったものの、画像の捏造を疑ったり販売中止を嘆いたりするコメントが殺到。一部の人々からは購入客に対して非難と中傷が浴びせられ、週刊文春からも「告発学生の仰天食生活」というタイトルとともに記事に取り上げられた。最終的に購入客は虫の混入が真実であることを訴えたあとアカウント削除に追い込まれた[34][35]

再発防止策および製造・販売再開

その後の調査でも同社は虫の混入原因や経路の特定には至らなかったが、混入の可能性があると考えられる箇所の絞り込みを行ったのち、本社工場では虫の侵入を防ぐため壁を補修し、床を抗菌仕様に変更した。同社は他にも、麺の運搬レーンに監視カメラと屋根を設置するなどの対策を施した上で、2015年5月に「ペヤングソースやきそば」の生産を再開、6月8日から関東での販売を再開した[36][37][38]。ところが、当初予想していた2倍から3倍の注文量があり、24時間体制でも製造が追いつかなくなったため、関東以外での発売を急遽延期する事態となった。7月からは製造ラインを増やし安定供給に務めるという。関東以外の地域(販売休止前から販売していなかった北海道を除く)では、甲信越・静岡地区が7月6日、東北・北陸・中京・関西・中四国・九州地区が7月13日に販売を再開する[4]

なお、同社が製造・販売再開に向けた取り組みとして、容器の改良を含む再発防止策に投じた額は、10億円以上にのぼったと報じられている[3]

脚注

  1. ^ 会社概要”. まるか食品株式会社. 2015年6月10日閲覧。
  2. ^ 『日本食糧新聞』2002年10月17日付1面。
  3. ^ a b “「ペヤング」半年ぶり販売再開、愛好家祝う会も”. 読売新聞. (2015年6月8日). http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150608-OYT1T50044.html 2015年6月8日閲覧。 
  4. ^ a b “ペヤング、売れすぎ! 予想以上の注文で製造追いつかず、関東以外の販売再開延期”. 産経新聞. (2015年6月10日). http://www.sankei.com/life/news/150610/lif1506100034-n1.html 2015年6月10日閲覧。 
  5. ^ “ペヤング、ついに販売再開 6月8日にまず関東で”. 産経新聞. (2015年5月19日). http://www.sankei.com/economy/news/150519/ecn1505190059-n1.html 2015年6月8日閲覧。 
  6. ^ “ペヤング活動休止 女子ソフト日本リーグ1部”. 上毛新聞. (2015年11月20日). http://www.jomo-news.co.jp/ns/1014479457065730/news.html 2015年11月20日閲覧。 
  7. ^ a b まるか食品の歩み:1971年(昭和46年)〜1980年(昭和55年) - まるか食品公式サイト
  8. ^ a b 平成時代でも味わえる『昭和の味』のカップ麺 これがペヤングヌードルだ! - All About 2004年10月9日
  9. ^ a b c ペヤングソースやきそば スペシャルサイト「ペヤングの秘密」 - まるか食品公式サイト
  10. ^ 「実はペヤングの名付け親は私です」17年間、初代CMキャラクターを務めた師匠が窮地にエール - 週プレNEWS
  11. ^ 2倍サイズ「ペヤング超大盛」は誰のため? - エキサイトニュース 2007年6月22日
  12. ^ 西日本地区 発売延期に関するお詫びとお知らせ” (PDF). まるか食品 (2016年3月16日). 2016年3月21日閲覧。
  13. ^ “「ペヨング」発売へ ペヤングの姉妹品、群馬”. 西日本新聞. (2016年3月5日). http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/article/228844 2016年3月21日閲覧。 
  14. ^ 栗原潔 (2016年3月20日). “「ペヤング」まるか食品の謎商標登録について”. Yahoo!ニュース(個人). http://bylines.news.yahoo.co.jp/kuriharakiyoshi/20160320-00055650/ 2016年3月21日閲覧。 
  15. ^ 「初音ミクネギ塩ヤキソバ」「ぽっぴっぽー未来野菜」を見つけたので買ってきた Gigazine 2012年8月13日
  16. ^ 一部に『せっかちな口調の「桂文楽」では、「ペアでヤングなソースやきそば」というセリフが縮まって聞こえてしまうと言う理由のため、商品名を「ペアヤングソース焼きそば」。そして「ペヤング」へと変更し、現在の商品名となった』や『問屋やスーパーマーケットなど取引先の担当者が発音しにくいため、商品名が変更された』という都市伝説もある。
  17. ^ お役立ち型録 / カップ焼きそば - YOMIURI ONLINE(読売新聞) 関西発 2010年6月29日
  18. ^ a b 軌跡-ぐんまの開発者たち - 上毛新聞ニュース 2003年8月4日
  19. ^ 六代目圓楽 山田隆夫にカップ焼きそばを要求し犬猿の仲に
  20. ^ 坂田、大好物「ペヤング超大盛」に別れ…西武 スポーツ報知
  21. ^ “ペヤングファンは販売休止中も他の焼きそばに「浮気」をしなかったのか?”. ダイヤモンド社. (2015年6月8日). http://diamond.jp/articles/-/72775 2015年6月16日閲覧。 
  22. ^ 「ペヤング」虫混入の苦情初めてではなかった「小さな虫の苦情は過去にも複数あった」 - J-CASTニュース、2014年12月4日
  23. ^ “カップ焼きそば「ペヤング」、4万6千個を自主回収”. 朝日新聞. (2014年12月4日). http://www.asahi.com/articles/ASGD466YCGD4UHNB00Q.html 2015年6月16日閲覧。 
  24. ^ “虫混入の「ペヤング」やきそば、製造元が自主回収決める”. 産経新聞. (2014年12月4日). http://www.sankei.com/economy/news/141204/ecn1412040019-n1.html 2014年6月16日閲覧。 
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  34. ^ 「ぺヤング」虫混入を告発した大学生 擁護の声は多いものの一部で批判も - J-CASTニュース、2014年12月6日
  35. ^ ペヤングの販売休止でなぜか「被害者」が炎上 「ネット告発」をする際に注意すべきことは? WEDGE Infinity(ウェッジ)
  36. ^ 製造・販売再開に向けてのQ&A - まるか食品公式サイト
  37. ^ “ペヤングやきそば:お待たせしました…約半年ぶり製造再開”. 毎日新聞. (2015年5月19日). http://mainichi.jp/select/news/20150520k0000m040068000c.html 2015年6月8日閲覧。 
  38. ^ “ペヤング5月末から生産再開 まるか食品、ふた変更”. 朝日新聞. (2015年4月2日). http://www.asahi.com/articles/ASH4264JXH42UHNB013.html 2015年6月19日閲覧。 

外部リンク