「はえ座」の版間の差分

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==由来と歴史==
==由来と歴史==
[[1603年]]に刊行された[[ヨハン・バイエル]]の[[星図]]『[[ウラノメトリア]]』において、本星座は'''みつばち座'''(''APIS'')と記されている。『ウラノメトリア』に記載されている別の星座・'''インドのみつばち座'''(''PARADYSVOGEL APIS INDICA'')は本来、'''インドのとり座'''(''PARADYSVOGEL APUS INDICA'')であったと考えられており、現在は[[ふうちょう座]](''Apus'')となっているが両者の綴りが「''Apis''」「''Apus''」と酷似しており誤認の恐れがあると考えられたためか、[[17世紀]]から[[18世紀]]前半にかけて刊行された他の天文学者の星図において[[ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリ]]が「はち座、またははえ座」、[[エドモンド・ハレー|ハレー]]が「はえ座、またはみつばち座」と記すと言った具合に表記上の混乱が生じている。結局、18世紀に入って[[ニコラ・ルイ・ド・ラカーユ|ラカーユ]]が「はえ座」(''Musca'')を採用したことを契機に名称を巡る混乱は収束した <ref>[http://www.pa.msu.edu/people/horvatin/Astronomy_Facts/obsolete_pages/apis.htm Shane Horvatin – Obsolete Constellations: Apis]
[[1603年]]に刊行された[[ヨハン・バイエル]]の[[星図]]『[[ウラノメトリア]]』において、本星座は'''みつばち座'''(''APIS'')と記されている。『ウラノメトリア』に記載されている別の星座・'''インドのみつばち座'''(''PARADYSVOGEL APIS INDICA'')は本来、'''インドのとり座'''(''PARADYSVOGEL APUS INDICA'')であったと考えられており、現在は[[ふうちょう座]](''Apus'')となっているが両者の綴りが「''Apis''」「''Apus''」と酷似しており誤認の恐れがあると考えられたためか、[[17世紀]]から[[18世紀]]前半にかけて刊行された他の天文学者の星図において[[ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリ]]が「はち座、またははえ座」、[[エドモンド・ハレー|ハレー]]が「はえ座、またはみつばち座」と記すと言った具合に表記上の混乱が生じている。結局、18世紀に入って[[ニコラ・ルイ・ド・ラカーユ|ラカーユ]]が「はえ座」(''Musca'')を採用したことを契機に名称を巡る混乱は収束した<ref name="Astronomy" />。
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==呼称と方言==
==呼称と方言==
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== 出典 ==
== 出典 ==
<references />
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<ref name="Astronomy">[http://www.pa.msu.edu/people/horvatin/Astronomy_Facts/obsolete_pages/apis.htm Shane Horvatin – Obsolete Constellations: Apis]</ref>
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{{Commonscat|Musca (constellation)}}
{{Commonscat|Musca (constellation)}}

2012年5月3日 (木) 17:55時点における版

はえ座
Musca
Musca
属格 Muscae
略符 Mus
発音 [ˈmʌskə]、属格:/ˈmʌsiː/
象徴 the Fly
概略位置:赤経 12h 27m 36s
概略位置:赤緯 −70° 20' 24"
広さ 138平方度[1]77位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
13
3.0等より明るい恒星数 1
最輝星 α Mus(2.69
メシエ天体 無し
隣接する星座 ふうちょう座
りゅうこつ座
ケンタウルス座
カメレオン座
コンパス座
みなみじゅうじ座
観測可能地域は+10°と−90°の間
21:00(午後9:00)に最も良く見えるのは3月の間
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はえ座(蝿座、Musca)は、南天星座の1つ。

オランダの航海者であるケイザーホウトマンによってもたらされた南天の情報を元に設定された星座である。

主な天体

恒星

  • α星:はえ座で最も明るい恒星。

新星

小さな星座で北半球からはほとんど見えないため、今まではあまり注目されることがなかったが、連星であるμ星に、1991年新星爆発が起こり(1991年はえ座新星)、日本のX線観測衛星 「ぎんが」 によってそのとき発生したX線が捉えられた。μ星のうち一方はブラックホールである可能性がある。

由来と歴史

1603年に刊行されたヨハン・バイエル星図ウラノメトリア』において、本星座はみつばち座APIS)と記されている。『ウラノメトリア』に記載されている別の星座・インドのみつばち座PARADYSVOGEL APIS INDICA)は本来、インドのとり座PARADYSVOGEL APUS INDICA)であったと考えられており、現在はふうちょう座Apus)となっているが両者の綴りが「Apis」「Apus」と酷似しており誤認の恐れがあると考えられたためか、17世紀から18世紀前半にかけて刊行された他の天文学者の星図においてジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリが「はち座、またははえ座」、ハレーが「はえ座、またはみつばち座」と記すと言った具合に表記上の混乱が生じている。結局、18世紀に入ってラカーユが「はえ座」(Musca)を採用したことを契機に名称を巡る混乱は収束した[2]

呼称と方言

日本では、かつて和名の正式な表記がはい座だった。「はい」はハエを意味する東京方言であり、この表記は長らく使用されていたが1994年刊行の『文部省 学術用語集・天文学編』の増訂版よりはえ座に修正され、現在に至る。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ Shane Horvatin – Obsolete Constellations: Apis