コンテンツにスキップ

マーティン・ペレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マーティン・ペレス
Martin Perez
サンディエゴ・パドレス #54
2017年7月19日
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 ポルトゥゲサ州グアナレ
生年月日 (1991-04-04) 1991年4月4日(33歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2007年 アマチュアFA
初出場 2012年6月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ベネズエラの旗 ベネズエラ
WBC 2017年2023年

マーティン・ペレス・ヒメネスMartín Pérez Jiménez, 1991年4月4日 - )は、ベネズエラポルトゥゲサ州グアナレ出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBサンディエゴ・パドレス所属。愛称はエル・デ・グアナレEl De Guanare[1]

経歴

[編集]

プロ入りとレンジャーズ時代

[編集]

2007年契約金58万ドルでテキサス・レンジャーズと契約し、16歳でプロ入り[2]

2008年に傘下のA-級スポケーン・インディアンス英語版でプロ初出場を果たした。

2009年にはA級ヒッコリー・クロウダッズ防御率2.31を記録し、シーズン後半にはA+級を飛ばして18歳の若さでAA級フリスコ・ラフライダーズに昇格を果たした[2]

2010年の開幕前には「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングにおいて、球団内ではネフタリ・フェリスジャスティン・スモークに次ぐ3位、全体では17位の高評価を受けた[3]

2010年は故障の影響もあり、AA級フリスコで防御率5.96だった。

2011年はAA級フリスコで防御率3.16と結果を残した後、AAA級ラウンドロック・エクスプレスに昇格したが、10試合の先発で、防御率6.43に終わった[2]。シーズン終了後の11月18日にレンジャーズの40人枠に入った[4]

2012年6月26日にメジャーに昇格し、翌27日のデトロイト・タイガース戦でメジャー初出場を果たした。

2013年開幕後はAAA級ラウンドロックに所属していたが、6月22日にメジャー昇格した。この年はメジャーで20試合に登板し10勝6敗、防御率3.62の好成績で、新人王の投票ではリーグ6位タイだった[5]。オフの11月7日に総額1250万ドルの4年契約(2020年までの球団オプション付き)を結んだ[6]

2014年は開幕ロースター入りしたが、5月14日に左肘内側側副靭帯英語版の損傷で15日間の故障者リスト入りし[7]、5月19日にトミー・ジョン手術を受けた。5月20日に60日間の故障者リストへ異動した[8]

2015年は14試合に先発登板した。3勝6敗、防御率4.46の成績を残した。ポストシーズンに初出場となり、2015年のアメリカンリーグディビジョンシリーズ第3戦で先発登板したが5回4失点で敗戦投手となった。チームも5試合の末、シリーズ敗退した。

2016年先発ローテーションに定着し、チーム1位[9]の33試合に先発登板して規定投球回に達した。防御率4.39、自身初の2桁勝利となる10勝11敗、76四球(アメリカンリーグワースト4位タイ)、103奪三振という成績を残した。

2017年はシーズン開幕前の2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ベネズエラ代表に選出された[10]。同年は32試合に先発しチーム1位の13勝を記録したが、防御率4.82、WHIP1.53と投球内容は今ひとつであった。

2018年は4月22日のシアトル・マリナーズ戦において、イチローに現役最後の安打を打たれている。最終的に22試合(先発15試合)で2勝7敗、防御率6.22であった。

ツインズ時代

[編集]

2019年1月30日にミネソタ・ツインズと1年契約を結んだ[11]。7月と8月にそれぞれ三重殺を記録した[12][13]。オフに球団に選択権のある契約延長オプションを破棄され、FAとなった[14]

レッドソックス時代

[編集]

2019年12月19日にボストン・レッドソックスと1年600万ドルの契約を結んだ[15]

2020年オフの11月1日にFAとなった[16]

2021年2月12日にレッドソックスと1年450万ドルで再契約した[17]

レンジャーズ復帰

[編集]

2022年3月14日に古巣のレンジャーズと400万ドルの単年契約を結んだ[18][19]。この年は5月に自身初のピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞するなど、前半だけで18試合に登板し7勝2敗、防御率2.68[20]の好成績で自身初のMLBオールスターゲームに選出された。オールスターゲームでは5回裏に登板して無失点に抑えた[21]。オフの11月6日にFAとなった[22]。11月15日にレンジャーズから提示されたクオリファイング・オファーを受諾し、再契約を結んだ [23]

2023年オフの11月3日にFAとなった[24]

パイレーツ時代

[編集]

2024年1月5日にピッツバーグ・パイレーツと1年契約を結んだ[25]。パイレーツでは2勝5敗で防御率5.20という成績だった。

パドレス時代

[編集]

2024年7月30日にロナルディス・ヒメネスとのトレードでサンディエゴ・パドレスへ移籍した[26]。移籍後は3勝1敗に防御率3.46という成績であった。

選手としての特徴

[編集]

速球は通常91~93mph(146.4~149.7km/h)で、最速は95mph(152.9km/h)に達するが、制球に不安がある。打者の手元でよく沈むため、制球が定まれば効果的にゴロを打たせることが出来る。変化球ではチェンジアップの評価が非常に高く、決め球として用いている。他にはカーブも投げる[2]

将来像はメジャーの先発2番手クラスの有望株英語版とされ、速球とカーブの制球力が向上すれば、エース級の投手に育つ可能性を秘めていると言われていた。同じベネズエラ出身の左腕で、体格もよく似ているヨハン・サンタナとはしばしば比較されていた[2]

人物

[編集]

本人曰く歌うのが大好きである。腕前は、2023年に開催されたWBC前の対ヒューストン・アストロズとの強化試合において、選手であるにもかかわらず、自国の国歌を伴奏なしで独唱するほど。

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2012 TEX 12 6 0 0 0 1 4 0 0 .200 177 38.0 47 3 15 1 2 25 5 2 26 23 5.45 1.63
2013 20 20 1 0 0 10 6 0 0 .625 529 124.1 129 15 37 0 3 84 9 2 55 50 3.62 1.34
2014 8 8 2 2 0 4 3 0 0 .571 207 51.1 50 3 19 1 1 35 1 0 25 25 4.38 1.42
2015 14 14 0 0 0 3 6 0 0 .333 339 78.2 88 3 24 1 2 48 1 0 45 39 4.46 1.42
2016 33 33 0 0 0 10 11 0 0 .476 885 198.2 205 18 76 0 4 103 3 2 110 97 4.39 1.41
2017 32 32 0 0 0 13 12 0 0 .520 811 185.0 221 23 63 3 6 115 4 0 108 99 4.82 1.53
2018 22 15 0 0 0 2 7 0 2 .222 397 85.1 116 16 36 1 2 52 3 1 68 59 6.22 1.78
2019 MIN 32 29 0 0 0 10 7 0 0 .588 737 165.1 184 23 67 1 3 135 3 1 104 94 5.12 1.52
2020 BOS 12 12 0 0 0 3 5 0 0 .375 262 62.0 55 8 28 0 3 46 2 0 33 31 4.50 1.34
2021 36 22 0 0 0 7 8 0 1 .467 509 114.0 136 19 36 2 9 97 2 1 71 60 4.74 1.51
2022 TEX 32 32 1 1 0 12 8 0 0 .600 821 196.1 178 11 69 0 6 169 6 2 70 63 2.89 1.26
2023 35 20 0 0 0 10 4 0 2 .714 608 141.2 150 21 49 1 4 93 2 3 74 70 4.45 1.40
MLB:12年 288 243 4 3 0 85 81 0 5 .512 6252 1440.2 1559 163 519 11 45 1002 41 14 789 710 4.44 1.44
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

WBCでの投手成績

[編集]









































2017 ベネズエラ 2 2 0 1 0 31 6.0 10 1 1 1 0 6 0 0 6 5 7.50
2023 2 2 0 0 0 22 3.2 9 0 2 0 0 4 0 0 4 4 9.82
  • 太字は大会最高

年度別守備成績

[編集]


投手(P)












2012 TEX 12 1 2 0 0 1.000
2013 20 4 22 1 1 .963
2014 8 1 5 0 1 1.000
2015 14 5 6 1 1 .917
2016 33 9 25 1 3 .971
2017 32 6 19 2 1 .926
2018 22 1 7 0 1 1.000
2019 MIN 32 9 19 2 0 .933
2020 BOS 12 0 3 0 0 1.000
2021 36 3 14 0 2 1.000
2022 TEX 32 6 19 2 1 .926
2023 35 6 15 0 3 1.000
MLB 288 51 156 9 14 .958
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

[編集]

記録

[編集]

背番号

[編集]
  • 33(2012年 - 2019年)
  • 54(2020年 - )

代表歴

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Explaining Rangers Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月31日閲覧
  2. ^ a b c d e Belmont, Thomas(2011-10-15). Martin Perez, LHP Texas Rangers. Baseball Instinct(英語). 2012年1月21日閲覧
  3. ^ Top 100 Prospects: No. 1-20. Baseball America.com(英語). 2012年1月21日閲覧
  4. ^ Wilson, Jeff(2011-11-18). Six pitchers added to Rangers' roster. Star-Telegram.com(英語). 2012年1月21日閲覧
  5. ^ 2013 Awards Voting” (英語). Baseball-Reference.com. 2022年7月26日閲覧。
  6. ^ Rangers Sign Martin Perez To Four-Year Deal MLB Trade Rumors
  7. ^ Rangers add RHP Nick Tepesch and Scott Baker to active roster”. MLB.com Rangers Press Release (May 14, 2014). May 21, 2014閲覧。
  8. ^ Rangers Purchase Contract of C Chris Gimenez; Option C J.P. Arencibia”. MLB.com Rangers Press Release (May 20, 2014). May 21, 2014閲覧。
  9. ^ 2016 Texas Rangers Pitching Statistics - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年11月6日閲覧。
  10. ^ Miggy, Altuve lead loaded Venezuela offense MLB.com (英語) (2017年2月8日) 2017年3月4日閲覧
  11. ^ Twins sign lefty Martin Perez to 1-year deal MLB.com (英語) (2019年1月30日) 2019年2月8日閲覧
  12. ^ New York Yankees at Minnesota Twins Box Score, July 22, 2019” (英語). Baseball-Reference.com (2019年7月22日). 2022年7月26日閲覧。
  13. ^ Atlanta Braves at Minnesota Twins Box Score, August 7, 2019” (英語). Baseball-Reference.com (2019年8月7日). 2022年7月26日閲覧。
  14. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  15. ^ Ian Browne (2019年12月19日). “Red Sox, lefty Martin Pérez finalize deal” (英語). MLB.com. 2019年12月20日閲覧。
  16. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年12月21日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年12月23日閲覧。
  17. ^ Connor Byrne (2021年2月12日). “Red Sox Designate Chris Mazza” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月13日閲覧。
  18. ^ Press release: Rangers sign free agent LHP Martín Pérez to one-year contract”. www.mlb.com. 2022年3月15日閲覧。
  19. ^ Rangers To Sign Martin Perez” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年3月15日閲覧。
  20. ^ Martin Perez 2022 Pitching Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2022年7月26日閲覧。
  21. ^ Texas Rangers Duo Help American League Win All-Star Game - Sports Illustrated Texas Rangers News, Analysis and More” (英語). スポーツ・イラストレイテッド (2022年7月19日). 2022年7月26日閲覧。
  22. ^ 131 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). mlbplayers.com (November 6, 2022). November 14, 2022閲覧。
  23. ^ Two Players Accept Qualifying Offer; 12 Players Decline” (英語). mlbplayers.com (November 6, 2022). November 14, 2022閲覧。
  24. ^ 130 Players Become XX(B) Free Agents” (英語). Home (November 3, 2023). November 9, 2023閲覧。
  25. ^ Pirates sign veteran lefty Pérez to 1-year deal”. MLB.com (2024年1月5日). 2024年10月27日閲覧。
  26. ^ Padres stock bullpen, add All-Star Scott at Deadline”. MLB.com (2024年7月30日). 2024年10月27日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]